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ユーフォリック




 株式市場はいよいよファンド同士の空中戦の様相ですが、昨年の秋から2月中旬まで、米国株式がどのような材料でも好材料として織り込んでしまう中で違和感を持っていた方も多かったのではないでしょうか。今年に入ってからは特に。

 それが先月末からの下落により修正されており、且つ海外ファンドによる影響が大きいためか暴力的な値動きが続きます。
 このコラムではこの2週ほど3月が買い時ではないかと書いてきましたが、これほど下がるとは予想できませんでした。これを書いている現在(12日AM)、NY先物市場は22,500ドルまで下げています。
 日経平均も18、400円まで下げていますが、信用取引の投げを除いて、ここまで売り込める投資家は国内には思い付きません。投機ファンドのマネーゲームと諦めて、買うにしても落ち着くまで待とうと思います。

 ここまで下がると「相場の終焉」も意識しなければいけませんし、春以降の景気動向も気になります。基本は戻り売りになるのかも知れませんが、買うとしても日本株では無いように感じます。


 先月までの強気相場の根源は、米国の利下げも追い風にして世界の景気動向がどうであれ、投資家の間では「少なくとも大統領選までは、いかなる場合でも大統領が株価を支えるはず」という漠然とした信頼感が底流にあった故ではないかと考えています。
 「米国を再び偉大に!」との時代錯誤のキャッチで大型減税にバラマキ財政、加えてFRBへの露骨なプレッシャーなど、ウォール街や富裕層にとっては最高の支援者です。「こいつを大統領にしておけば、まだ暫くは儲けられるぞ!」と。

 金の亡者にとり紛争や温暖化など他人事。寂しいですが、これが現実なのでしょう。


 その行き過ぎへの反動なのでしょう。株式市場は昨年年初からの1年以上の上げ分を僅か10日余りで帳消しにしてしまいました。
 2月中旬に「景気悪化の懸念があり、米国金利が1%を割る可能性もある」と書いてから2週間ほどで(1.6%から)半分以下になり、同様に「減益を織り込むなら日経平均も20,000円を割る懸念がある」と書いてから、僅か10営業日で本当に割ってしまいました。

 仮に1%を割るにしても米国大統領選の混乱などを理由に夏場か?などと考えていましたから、金利低下も株安も、その速さに驚きます。

 昨年秋からの数か月間は正にユーフォリック(陶酔)の時だったのかも知れません。


 いずれにしても株式も債券も、そして原油価格なども投機資金が膨れ上がっているため上下ともに行き過ぎますから注意が必要です。

 とは言え、この2月が米国株式のピークとなり、下落トレンドに入ったとしても、リーマンショック時のように流動性が枯渇した訳ではないですから、一方的に下落し続けるとも考え辛く、景況感悪化により下げるにしても上下動を繰り返しながら時間をかけて下げていく・・・と考えるのが妥当ではないでしょうか。

 国内株式については下値の目処と言われるPBR(純資産倍率、実績)1倍の水準が日経平均株価で20,700円辺りです。これは前期実績であり、今期予想EPS(1株当たり利益)約1,500円から配当(約30%程度)を引いた1,000円が加われば、20年3月期(4月から)BPS(1株当たり純資産)は約21,700円となります。

 今後業績が悪化するにしても、恐らくは今期も来期も(多分)赤字ではなく減益(つまり黒字)でしょうからBPSが減っていくと考えるのも時期尚早で、強気で行くなら定石では20,000円以下なら第一弾の買いのタイミングではないかと考えています。
 1か月前とは雰囲気ががらりと変わっていますから、マーケットが少し落ち着いてからで良いと思いますが。


 最も大きなネガティブ材料は日本政府の決断力の鈍さと既得権の強さ、そして民間では保守的かつ株主還元に消極的な経営思想です。PBRが1倍を割った時こそ自社株買いが増えて然るべきと思いますが委縮しています。

 そして世間知らずの政権トップと忖度(縦割り)行政が為せる業でしょうか。今になって(思い付きで?)入国制限を増やしたり学校を休校にしたりなど、どれほどの効果があるのか?ダメージの方が大きいのではないか?・・・と、疑問を持たざるを得ません。

 外人も株を売りたくなる訳です(苦笑)。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)



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