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株の玉手箱 老後資産1億円達成への相場道#2




〜株式投資において欠かせない基礎知識〜


 皆さん、こんばんは。
 あすなろ投資顧問の加藤です。

 前回に続いて株式投資において最低限知っておきたい市場のアノマリーや相場サイクル、リスク指標、そして銘柄選択の極意について考えてみたいと思います。


■株式投資における長期投資の幻想を捨ててみる


 株式投資するにあたり、ここでは日本株を前提に話していきますが、まず投資対象とした銘柄が『必ずしも右肩上がりの長期上昇トレンドを形成するとは限らない』ことを肝に銘じておく必要があります。

 米国株は長期上昇トレンドを形成していると言えますが、残念ながら日本株は平成のバブル崩壊以降、何度となくITバブルや新興国・資源バブル、アベノミクスなど相場浮上のタイミングは訪れましたが、一貫して上昇トレンドを継続するような銘柄は非常に稀有です。

 パッと思い浮かぶのはキーエンス(6861)、比較的新しめの企業ですがかろうじてインソース(6200)くらいでしょうか。

 長期投資あるいは超長期投資で放ったらかし、持ちっ放しというのは現実的な株式投資ではないと考えています。

 株式投資で資産形成をする上では「変動」することを前提に、一定の投資ルールを設けて、むしろこの「変動」を利用してコツコツと資産を殖やしていく方が現実的でかつ目標達成にも近づきやすくなります。


 では、その一定の投資ルールとは何なのか?
 順番に解説していきたいと思います。


■投資判断する前におさえておきたい基礎知識〜マクロ動向編〜


 まず、株式投資における投資判断のルールを具体的に学ぶ前に、必要最低限の予備知識についてもおさえておきましょう。

 株式市場は不条理のかたまりで、よく先行き不透明感とか言われますが、そもそも政治・経済・地政学どれも不透明なのが当たり前です。相場に長く携わっていたとしても“わからないことだらけ”なのが実際のところです。

 しかし、その中で日々「仮説」を立て、売買をシミュレーションして【ポジションを管理】していくことが投資家に求められるスキルです。

 くれぐれも株価の予想屋、夢想家になってしまわないように気をつけておかないと、株式投資での資産形成はままなりません。

 そこで、今の環境下で株式投資をされる方には良くも悪くも、世界の中心たるアメリカの鼓動を感じ取ってそれに合わせていくということが求められますし、それが第一歩になります。

 インターネットが普及して、世界が情報でつながった今、資金の移動や情報(フェイクニュース含む)伝達が瞬時に行われ、名目GDP20兆ドルで世界最大の経済規模を誇るアメリカの景気・相場変動がそのまま日本株に影響を及ぼします。

 そんなことは知っているよ、という投資家の方は多いと思いますが、さて現在の景気は良いのでしょうか、それとも悪いのでしょうか?

 株式投資の判断で最優先しなければならないことは現状把握です。

 これをすっ飛ばして闇雲に投資元本を全て突っ込むだとか、銘柄をそれとはなしに選んで投資するというのは勇敢を通り越して「無謀な取引」と言わざるを得ません。


 はじめにおさえておかなければならないのは“中央銀行の見通し”です。

 何も難しいことはありません。米国のFRB(日本でいう日銀)が現状についてどう言及し、どういう方向に経済をもっていこうとしているかを知ることです。

 つまり、FRBや日銀が「景気が良くなる」あるいは「緩やかに拡大している」と言えば株価は上を向いているすなわち上昇トレンドだと判断できます。

 この中央銀行というのはそれぞれの国の全てのデータを網羅し、誰よりも早く知ることができて、実際に政策を実行する権力を有する機関であるということは忘れてはなりません。

 かのトランプ米大統領もFRBの金融政策についてあれこれ批判していますが、米大統領であってもこの政策決定をゆがめる権限までは持ち合わせていないのが現状です。

 「米連邦準備制度理事会(FRB)には逆らうな」という相場格言は、株式市場で最も一般的に言われていることです。もしかすると「Sell in May(株は5月に売れ)」のようなアノマリーに則った格言よりも優先しておくべきものでしょう。

 昨晩の9月FOMC議事録では「経済活動の見通しに対する下振れリスクは7月会合以降に幾分か強まり、貿易政策に関する不透明感や海外情勢に起因するものが顕著だというのが、参加者の全般的な判断だ」と記述されています。

 ただし、そこから10/8段階ではパウエル米FRB議長は全米エコノミスト協会の会合における講演で金融政策の追加利下げには明言しなかったものの、経済見通しは引き続き好ましい状態にあるとの認識を示し、成長継続のシナリオが「最も公算が高い」と述べています。

 10月のFOMCが控えている中で市場の利下げ期待と、米国経済指標の強い結果が得られた反面、EUや中国といった外部環境をふまえて迷っているところが本音なのでしょう。

 また、9月FOMC議事録では短期債市場における金利急上昇をうけて緊急の流動性供給に迫られたこともあり、もっと恒久的な資金供給プログラム(量的緩和)についても協議したとされています。

 では次に、この金利が株式市場にどのような影響を及ぼすのかということも知っておきましょう。

 このFRBの金融政策つまり“金利”というツールを用いた成長力をコントロールすることが、景気を拡大あるいは抑制させることに直接的に作用し、経済に最も影響を与える10年国債の利回りを誘導しています。

 この10年国債利回りというのは住宅や自動車などのローン金利の前提となり、世界最大を誇るアメリカのGDP、さらにこれの7割を占めている個人消費に直接的に影響を及ぼすこととなるわけです。

 したがって、株価の上昇は経済成長率>10年国債利回りによって裏付けられ、逆説的に成長率を上回る長期金利の上昇には株価は耐えられなくなり、結果として暴落を引き起こします。

 早い話、これが昨年2月の株式市場が急落した根源的な要因であったことからも証明済みです。


 これが理解できれば、簡単なマクロ判断のポイントはほぼおさえたと思っていただければよく、あとは定期的に「成長率」・「金利」・「雇用」・「物価」・「景気」それぞれの経済指標をチェックして10年国債利回りがどのように変動するのかを監視しておけばよいわけです。

 あとは米国株式市場の動向について、これも一般的にNYダウと呼ばれる工業株30種をチェックされている方が多いかと思いますが、マクロの判断材料としてみるのであればそれではなくダウ輸送株20種に目を向けるということを覚えておくとよいかと思います。

 なぜならば、「景気」というのが売買や取引などの経済活動全般の動向と定義され、つまりモノの価格と数量が動きによって決まってくるからです。すなわち、物流の動きを捉えることに他なりませんので鉄道や陸運、空運、海運などに反映されると考える必要があるのです。


■銘柄選定の前におさえておきたい基礎知識〜相場サイクル編〜


 上記のダウ輸送株指数はいわば先行指標とも言い換えられるもので、株式市場における先行業種や個別銘柄の動向、さらに商品市況といったものはこのダウ輸送株指数の変化にしたがって順次変化を見せることを知っておくだけでも先行き判断の大きな助けとなることでしょう。

 先行指標の話になりましたので、先行業種の話もついでにしておきましょう。相場には循環があり、金融相場、業績相場といった市場の特性が変わることが度々あります。

 この相場が形成される波動は実際の景気の山と谷とは必ずしも一致せず、むしろ株価が景気に先行すると言われています。私の認識ではおよそ8〜10か月ほど株価が先行して動くと考えています。

 では、この相場の初動を捉える上では何に注目しておけばよいのかと言えば、それが先行業種になるわけです。相場を先読みする上ではこれが非常に重要で、実際の投資では見落としてはならないものだとお分かりいただけるでしょう。

 専門用語ではこれを“ディープ・シクリカル”と言ったりするのですが、この代表的なものが“半導体”です。現代のテクノロジーが進化を遂げた社会ではAIやIoTなどの利活用が進むにしたがって、かつてないほどに半導体の持つ高付加価値に注目しなければなりません。

 そして今も昔も変わらず先行業種となるのは“素材”です。銅やニッケル、アルミニウムといった三大非鉄に加えて鉛や亜鉛といった金属、さらに鉄スクラップ価格などに目配せすると今後相場がどこに向かおうとしているのかが見えてくるようになります。

 これは経済構造を考えれば明白で、一にも二にも最初に動き出すのは原材料(商品)であり、その次に機械と続いて完成品を流通させる商社や運輸、さらに素材・部品メーカーといった順序を辿って物流の影響が派生していきます。

 ですから、旬の相場をとらえる上では高値を取ってきた銘柄の順番などをおさえておく必要があり、今年で言うと東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)などは早々に2月には昨年10月の株価水準を更新し、信越化学(4063)などは4月、日経平均やTOPIXにいたっては未だ回復すらできていません。

 したがって、上昇銘柄や旬の銘柄を探す上でも相場の循環を意識することは非常に有用となりますので絶対に覚えておいた方がよいと思います。

 私は半導体→非鉄金属ときて足元は米中通商問題で機械が不振でしたので後回しで化学などの素材に注目し、そして今ちょうど機械が良くなってくるところとみています。

 最近では商品市況でニッケル、鉛の価格が上昇し始めてきています。自動車関連の設備投資需要が復活の兆しなのでしょう。フェロニッケルを手がける日本冶金工業(5480)や大平洋金属(5541)、そして田中化学研究所
(4080)などがいずれ株価の戻り鮮明となってくることでしょう。

 それに、これからでも投資していけそうな出遅れ銘柄はまだまだ沢山ありますし、目先のトレード対象としては非鉄のイリジウムに強みを持っているフルヤ金属(7826)や機械の精密金型を手掛けている黒田精工(7726)などをターゲットにしておくと面白いのではないかと思います。


 今回はこのあたりで、次回は企業の分析や相場の需給分析あとはリスク指標などにも焦点を当ててお話できればと思います。

 お楽しみに!


(あすなろ産業調査部 加藤あきら)

[加藤あきら氏プロフィール]
 国内・外資の大手金融機関で経験を積んだのち、あすなろ投資顧問に在籍。
 市場動向分析、市場心理分析、チャートだけでは語らない「大局的な視野」を持ち日々銘柄を分析する。顧客に寄り添うアドバイスに定評がある。

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株式会社あすなろ/関東財務局長(金商)第686号/加入協会 一般社団法人日本投資顧問業協会

(提供情報はあくまでも情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘及び、売買指示ではございません。株式投資には価格の変動等によって損失が生じるおそれがあることをご理解の上、投資にあたっての最終判断はご自身の判断にてお願い致します。信頼できると思われる各種情報、データに基づいて作成しておりますが、その正確性及び安全性を保証するものではありません。)


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