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為替市場動向〜関税と利下げ〜

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 米国発の市場ニュースのキーワードTariff(関税)に並ぶのはRate Cut(利下げ)。
 米金融当局FRBは、トランプ大統領からのプレッシャーを受け、市場からの利下げ期待に取り囲まれている印象です。


 米国債利回りは、中期ゾーンも利下げを織り込む形で下げ、年初は2.4%水準だった2年物利回りは直近1.9%水準に低下。今年中の利下げ確率予想は97%。12月の政策金利のフォーワードレートは1.77%(現在の政策金利は2.25〜2.5%)まで低下しています。
 今後開催のFOMC(連邦公開市場委員会)での3回の利下げを織り込むという、ややフライング気味の印象を受けます。

 6月のFOMCは、来週18日〜19日に開催されます。今月の利下げ確率は、さすがに21%程度。現在、インフレ率は低く、関税問題による将来の景気下振れリスクがあるとはいえ、すぐに利下げを正当化するほどの経済指標も見当たらないことから、6月の利下げはないだろうとは思います。
 パウエルFRB議長は、6月4日の講演会で景気に対して「適切な行動」をとるとしました。マーケットは、その発言から利下げを連想し、リスクオン方向に反応しました。ただ、パウエル氏の「適切な行動」が利下げなのかどうかは不明です。議長の意図を読むためにも、来週のFOMC後の会見が注目されます。


 利下げに関連して、レバレッジドローン市場に関する記事を今朝見かけましたので、参考情報として、以下に簡単に記します。

 レバレッジドローン残高は、超低金利政策が浸透し始めた2012年以来現在では約2倍の日本円で約141兆円規模になり、欧米の金融当局は、そのリスクに警戒感を持ち、こうした高リスク貸出を助長しかねない利下げは、米金融当局の懸念の一つではないか、と記事は指摘しています。
 かつての住宅ローン債券と比べれば規模は大きくないものの、買い手の特定が難しいことや損失吸収の可能性について不明点が多く、金融当局ではコントロールが難しいことも懸念になっているとありました。
 CLO(ローン担保証券)、高リスクローン、レバレッジ融資などのキーワードでネット検索すると色々と情報を見つかります。日本の金融機関の保有も増加しており、そのリスクを指摘する声もあり、昨今、農林中金さんが保有残高を発表されておられました。


 さて、利下げが期待されたのは、欧州中央銀ECBも同じでした。先週行われたECB理事会では、現状の政策を2020年前半までは維持するとのこと。理事会での議論では、利下げ提案も出たとのこと。利下げまではいかないにしても、超低金利の長期化は避けられない様相です。

 ユーロ金利は、ドイツ国債で10年物がマイナス利回り幅を広げ、マイナス0.23%まで低下。日本10年国債利回りがマイナス0.11%。日本同様、超低金利政策の長期化が予想されます。ECBに関しては、近く任期を迎えるドラギ総裁の後の人事も今後の注目でしょう。


 外国為替市場では、米中貿易問題により生じたリスク・オフ・マーケットから円高・ドル高の傾向がありましたが、ここへ来て、ユーロの反騰で、ドルの相対的価値であるドル指数が低下、現在、200日移動平均ギリギリでサポートされています。ドル安方向への転換でした。

 一方、そのユーロ・ドル相場も重要な上値抵抗線である1.1350寸前まで上昇し、ドル安ユーロ高に。この水準から大きく上にブレイクしていくと、中長期のトレンドも転換になる可能性があります。


 ドル円相場は、株式市場リスクが高まった際には、円高方向に動き107円80銭台まで下がる場面もありましたが、109円の上値の重さを感じるものの、108円台半ばでの円安への動きとなっています。
 上記の米FRBの利下げが相当に織り込まれる中、107円後半でのサポートは強かった印象です。ただ、109円に近づいた時の上値の重さもかなりのものではあります。


 その他の通貨の中で、人民元とメキシコペソ相場を見ておきたいと思います。

 人民元については、前回も取り上げましたが、米中貿易問題が発生してから続く人民元安に対して当局のけん制もあり、節目である1米ドル=7.00元のタフ・サポートは保たれるとの見方が主流になってきました。
 4月月初、6.71水準、5月月初、6.73水準で、5月中旬あたりから6.90台になり、一時、当局からのけん制発言もありました。

 ところで、一昨日、中国中央銀行総裁の「どの水準が具体的に重要ということはない」発言が伝わり、オフショア人民元は一時6.95台をつけました。今後の動向は、米中交渉次第ということになると思いますが、中国当局の通貨政策が注目されます。


 メキシコペソに関しては、5月中、軟調ながらレンジ内での動きでしたが、5月31日のトランプ大統領の関税発言により、急落を余儀なくされました。5カ月ぶりのペソ安でした。
 しかし一転、先週末の関税延期話により6月10日には2.5%とペソ相場は大きく戻しはしました。メキシコからの不法移民問題は、南米からの脱出者が多くからむ問題なので、メキシコ政府にとっても対応の難しい問題と思われます。
 今後の両国の動きを見つつ、ペソ相場も引き続きウオッチしていく必要がありそうです。


 通商問題(関税)と利下げがキーワードの昨今。
 6月は、FOMC(18日〜19日)、そして、20日からの大阪G20で米中会談がどうなるかを、注目していきたいと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※6月12日東京時間午後2時執筆
 本号の情報は6月12日東京市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


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