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為替市場動向〜FRB更なるハト派色〜

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 主要国の中央銀行がハト派化。と、当コラム前号でも記しましたが、先週行われた米国の金融政策を決定する連邦公開市場委員会FOMCでの決定は、市場予想以上に、それを色濃く表明しました。


 今回のFOMCの主な決定事項は、政策金利の現状維持(2.25〜2.5%)で市場予想通りでしたが、注目されたのは以下2点を示唆したことでした。

 1)2019年2回の利上げ予定を見送り(2020年の1回は据え置き)
 2)2019年9月末にて、バランスシートの縮小を停止する方針
   2)に先立ち、5月から米国債保有分の縮小を300億ドルから150億ドルに半減を決定。

 1)2)は、市場が予想以上のハト派度でした。

 FOMC後のパウエル議長会見では、景気見通しは変わらず「ポジティブ」との発言。

 一方でFOMC経済見通しは12月の数字から下方修正(例えば、実質GDPは2.3から2.1、失業率は3.5〜3.7等)。上記2点の決定をする程のリスクだろうか?とも思えます。

 これは、BREXITの影響、貿易協議の行方など諸々の不安定要因も考慮したと言うより、来年の大統領選挙を控え、現政権を意識しての「株価」への配慮が最大の決め手ではないかとの印象もあります。また、国債市場の需給関係が改善すると、財務省にとっては朗報です。


 最近、トランプ大統領は、エコノミストのスティーブン・ムーア氏(保守系シンクタンクの客員研究員で、トランプ氏の長年の支持者で、FRBの利上げを批判してきた経緯あり)をFRBの理事に指名。現在、理事候補者。今後、正式に理事就任のためには、議会の承認を得る必要がありますが、ムーア氏、今朝は「FRBはすぐに利下げをする必要があり」と発言しています。ムーア氏指名を阻止する動きも議会にあるようですので、今後の動きが注目されます。

 どちらにしても、中央銀行は政権からの独立した位置が基本であるわけで、政権への配慮が決定に影響するなら「これでいいのか?」と懸念します。


 先週末には、FOMCハト派決定を受けての米国の金利が下落、更にドイツPMIの低下により金利が低下と言った、景気後退への連想。
 長期金利低下に伴っての、長短金利の逆転(3カ月物金利2.6%台と10年物国債利回り2.4%台)を背景に株価が大きく下落しました。

 長短金利の逆転については、一般的には2年物VS10年物利回り格差の逆転が指標として見られてきました。2年VS10年の逆転から数カ月してから景気後退の事例が過去に多く見られてきたというのがあります。
 因みに、直近の2年物は2.25、10年物は2.42%(格差0.17%。因みに、1年前は、格差は0.5%程度、過去10年平均は1.6%程度)
 2年10年利回り格差は、もちろん縮小はしてきましたが、まだ順イールドではあります。

 今回の3カ月物との比較での逆転に対するリアクションは、売りの理由づけに使われたに過ぎないという印象を持ちます。

 とは言え、市場は、景気後退という言葉に神経質になっているのも確かです。今後発表される経済指標は、米国の政府閉鎖の影響がなくなって来ているので、しっかり推移を見ていきたいと思います。


 さて、条件つきの延期が決まったBREXIT、英国のEU離脱問題ですが、3月28日に離脱協定案の採決が検討されているようです。離脱推進派は、支持を示唆していると今朝の報道では伝わり、離脱案が可決される可能性も出てきたとの事。可決すれば、3度目の正直(英語ではThird time charmとのこと)になり離脱問題はクリアになります。

 *ただ、2度あることは3度ある(What happens twice will happen three times)という諺もありますので、何とも言えませんが、、、。


 3度目も否決の場合、英国は離脱期日延期を更に長い期間で申請することになりますが、EU内でも認めるかどうか、条件はどうするかで議論紛糾となると思います。

 最も高いリスクである「合意なき離脱」の確率はかなり減りつつあるようにも思われますが、求心力が失墜しているメイ首相の率いるメイ政権内や与党である保守党内の分裂などの混乱が起これば、市場から「合意なき、、、」連想が起こる可能性も否定できませんので、推移を見守るしかないように思います。BREXITに関しては、当初からそうですが、何が起こるか分かりません。


 最後になってしまいますが、外国為替相場。


 ドル円相場は、3月月初の111円後半から、FRBのハト派色濃厚のFOMC後の米金利低下、株価下落によるリスオフの円買いもあって、一時109円台後半もつけました。直近では110円台での動きとなっています。
 今月は、週末・月末・期末・年度末が29日に重なり、本邦企業は動きにくいことはありそうです。日銀の金融緩和の可能性もありつつも、日米金利差縮小もあります。決め打ちが難しい展開が続きそうです。

 通貨ユーロは、ユーロ圏、特にドイツの景気後退が懸念されることもあり、ユーロ安ドル高の動きですが、大きな動きとはなっていません。
 今朝行われたニュージーランドの金融政策決定会合では、現状の1.75%の政策金利が据え置かれたのと同時に今後の利下げの可能性も示唆されたのを受けて、長期金利が過去最低(10年物で1.73%)を更新、ニュージーランドドルも下落(0.69前日から0.68直近)しました。


 世界的な景気後退が懸念されるなかでは、通貨市場ではリスクオフのドル高円高になる傾向が見られます。末末要因が剥がれた新年度の4月明けの展開。予断を持たずに見ていきたいと思います。


 今週末には桜の開花で花見、来週初は新元号発表。季節や時代の変化も楽しみたいと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※3月27日東京時間午後0時執筆
 本号の情報は3月26日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


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