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為替市場動向〜ドル不足、ユーロ安もドル高要因〜



 注目された米国中間選挙は、大方の予想通りの上院・共和VS下院・民主で通過しました。その解放感や売り持ちの調整からか、選挙明けの株式相場は反発も見られましたが、それも束の間、様々の事象や背景を理由に株式相場、特にハイテク関連を中心に軟調。リスクオフの流れになりました。

 今朝は、米中貿易協議の再開、米国の輸入自動車関税の当面の見送り情報から、反発も見られましたが、反発力に欠けます。

 ヘッジファンドの解約期限を前にした換金要因もありそうですが、このような季節要因以外に、2019年に景気回復10年目を迎える米国景気が転換期を迎え、調整するかもしれないという景気循環に注目した動きもあるかもしれません。原油価格の急落は先取りの動きとの指摘も聞かれます。


 為替市場の動きは、引き続きドル高基調です。
 リスクオフの流れにおいても、ドル円相場は堅調な動きになっています。
 また、ドルは、対ユーロでも堅調です。

 このドル高の背景になっている大きな要因は、ドル金利でしょう。
 先週のFOMC(連邦公開市場委員会:米国の金融政策決定会合)終了後、市場では「12月の利上げ示唆」と解釈する向きが大方になりましたし、毎年のことながら、年越し要因によるドル不足もあります。
 加えて、FRB(連邦準備銀行)によるバランスシートの縮小も影響しているとも思われます。年越え資金の調達によるものだけなら、時期がくれば落ち着くだろうとは思いますが、他に大きな要因があるとすれば長引く可能性もあります。

 ドルの長期金利に目を向けると、10年米国債利回りで3.1〜3.25%の間を往来しています。現在のレジスタンス3.25%が上方へブレークすると3.4〜3.5%が視野に入ります。そこまで上昇すると株式への影響も見逃せなくなるのではないかと思われます。

 このところ、市場がリスクオフの流れでも、質への逃避要因での債券の利回り低下はかつてほど見られません。背景として考えられるのは、FRBのバランスシート縮小政策により債券の買い手が減ったこと、またロシア等海外筋が米債の持ち高を減らしているという見方もあります。一方で、米政権は減税などの財政政策のために国債発行は増えています。こうした需給からも、国債利回りの上昇傾向は続く可能性が高いとみられます。


 欧州に目を向けると、期限が迫った英国のEU離脱交渉、イタリアの財政拡大姿勢が、最新ニュースで伝えられます。

 数週間前に「合意なき離脱」リスクを懸念して、ポンドが大きく売られる場面もありましたが、その後、EUとの離脱協定の素案での合意が伝えられ、ポンド、ユーロも反発する場面がありました。
 この協定の素案は本日14日に英閣議にかけられ、更に議会での承認が必要になります。すんなりと承認される予想は少なく、これから紆余曲折あるのではないかと予想されます。通貨ポンドの乱高下の動きには要注意です。

 イタリア政府の方は、EUから予算案の修正を求められたものの、修正要請を拒否する方針で、EU委員会が制裁金を課すことも検討される可能性もあるようです。
 このところのユーロの下落は、このイタリア政府の財政問題も売り材料の一つとなっていますが、ユーロ圏全体の景気の頭打ちが主な背景になっているように思います。

 昨年、景気回復を理由に、欧州中銀が量的緩和政策から正常化へ向けて動き出すことを背景にして、それまで低迷して1ユーロ=1ドルに迫る下落傾向にあったユーロは大きくリバウンドし、今年2月には1.2550台の高値をつけました。しばらく1.15〜1.18のレンジで動いていたものの、ここ数
カ月のEU圏の景況感の悪化がじわじわ効いて、今週に入り1.1215の安値をつけ、ドル高の要因の一つにもなっています。節目である。1ユーロ=1.10を試しにいく可能性も否定できません。


 今週の注目指標として、米国の10月の消費者物価指数(14日)、米国の同月小売売上高があります。
 今月後半の感謝祭から来月のクリスマスまでは海外はホリデーシーズンを前にした持ち高調整により相場が一時的に大きく動くこともありそうです。持ち高の余裕を持った管理を留意しておこうと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございます。


※11月14日日東京時間13時執筆
 本号の情報は11月13日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


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