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孫子と三賢人のビジネスその1



産業新潮 
http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
10月号連載記事


■その1 ビジネスとは詭道(イノベーション)なり

●孫子とは?


 孫子を知らない方はたぶんいないでしょう。しかし、その実像は謎に包まれています。例えば、「孫子」という言葉は、その著書の名前と著者の名前の両方に使われます。
 著書の方は、途中で色々変化を遂げたにせよ現在まで連綿と伝わっていますが、著者の方は、実在したのかどうかさえ議論があるところです。春秋時代の武将である孫武であるとの説が有力ですが、その他に子孫と言われる孫ピンが著した孫ピン兵法もあります。本連載では、一般に「孫子の兵法」としてよく知られている、孫武が著したとされる書物を基本にお話していきます。


●三賢人とは


 古代から現在に至るまで賢人と呼ばれる人々はたくさんいますが、本連載で三賢人と呼ぶ場合には「ピーター・F・ドラッカー」「ウォーレン・E・バフェット」「マイケル・E・ポーター」を指します。
 世界を見渡せば、経済・経営の分野において賢人と呼ばれる人々はたくさん存在しますが、その中でもこの3名の経営・ビジネスに対する考え方は突出して優れています。

 また、特にドラッカーとバフェットにおいて顕著ですが、西欧流の目の前の作物を刈り取る焼き畑農業的なビジネスではなく、長期的視野で作物を育てるビジネスを志向している点が特徴的です。
 ドラッカーは日本の水墨画のコレクターとしても有名ですが、米国よりも日本の方がその著作が売れていることから考えても、長期的視野でビジネスを考えていることは明らかです。

 バフェットも「長期的視野」で投資することで有名であり「永久保有銘柄」とネーミングして、未来永劫売却しない企業もあります(実際には、数十年の間には売却することもあるのですが・・・)。さらに、バフェット率いるバークシャーでは、厳しい実力主義にも関わらず、解雇をしない「終身雇用の実力主義」を実践しています。

 ポーターは、前記二人を「哲学者」と呼ぶならば、「研究者」です。
 ドラッカーとバフェットが指し示す道筋を、膨大な実践的な調査・研究で体系化したといえるでしょう。


●孫子と三賢人

 孫子と三賢人の間には具体的には何のつながりもありません。
 時間的(歴史的)空間的(洋の東西)にも接点は見出せません。それでも、三賢人と孫子の思想の間には、根本的な部分で大きなつながりがあると考えます。実際、孫子は欧米の軍事戦略家だけではなく、経営者・ビジネスマンにも広く読まれており、主流ではないにせよ欧米のビジネス・経営に一定の影響を与えています。
 本連載では、孫子の教えとビジネス・経営との接点を中心に解説しながら、三賢人の教えの中で孫子と共通するものにも触れていきます。


●長期的視野においてこそイノベーションが重要である

 「長期的視野」という話をすると、「イノベーション」とあまり関係無いように思われがちですが、事実は全く逆です。イノベーションとあまり関係無いのは、むしろ「短期的視野」です。短期的なことだけを考えれば、過去の(成功の)惰性だけでやっておけばよいのであって、イノベーションを行うための手間と費用をかける意味などありません。実際、将来のイノベーションのための投資を行わずに費用を節約し、目先の売り上げと利益をかさ上げすることによって株価を上昇させ、自らが保有するストックオプションの行使に有利なる
ようにする、あるいは、過大なボーナスを受け取る経営者は(特に米国において)珍しくありません。

 それに対して、長期的に企業を発展させようとすればイノベーションは欠かせません。どのような優れたビジネスモデルも時の流れとともに陳腐化するからです。特に、インターネットをはじめとする情報流通の平等化(情報の非対称性の減少)によって、消費者の消費行動のスピードが加速していると考えられるため、ビジネスモデルの陳腐化が益々早まっています。

 孫子が述べる詭道(ゲリラ戦)は、定石に対する言葉です。囲碁や将棋においてそのルールは滅多に変わりませんが、ビジネスの戦いにおいては戦場である市場が常にその形を変えていますから、定石が詭道(イノベーション)によって覆される可能性も高まります。

 詭道であったものがその成功で定石になり、その定石もまた別の軌道によって打ち破られるのがビジネスの世界です。

(続く)


続きは「産業新潮」
http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
10月号をご参照ください。


(大原浩)


★大原浩の執筆記事「異次元緩和でも日本にインフレが起こらない極めてシン
 プルな事情」(アナログな企業と人生こそデフレの勝者)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56970
 が講談社・現代ビジネスに掲載されました。

★大原浩の執筆記事<「衝撃分析:中国崩壊でも心配無用 世界経済好転」>
 が8月20日(月)午後発売の夕刊フジ1面に掲載されました。
 ZAKZAK (夕刊フジネット版)
https://www.zakzak.co.jp/search/?q=%E3%80%80%E5%A4%A7%E5%8E%9F%E6%B5%A9

★2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
 (JKK)を設立しました。HPは<https://j-kk.org/>です。

★夕刊フジにて「バフェットの次を行く投資術」が連載されています。
(毎週木曜日連載)


【大原浩の書籍】

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(昇龍社・アマゾンキンドル版)が発刊されました。
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★「バフェット38の教え・応用編」(昇龍社、アマゾンキンドル版)
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★「バフェット38の教え」(昇龍社、アマゾンキンドル版)
 http://amzn.to/2f7AZkD

★終身雇用の実力主義―バフェットとポーターに学ぶナンバーワン企業戦略―
 アマゾン・キンドル版
 https://amzn.to/2GdMYx2

★バフェット流で読み解くGINZAX30社(2018年度版、上巻、下巻)
 <発行:昇龍社>(アマゾン・キンドル版)が発刊されました。
 上巻:http://amzn.to/2wtdH3m
 下巻:ttp://amzn.to/2wjJTFE

★バフェット流で読み解くGINZAX30社(2017年度版、上巻、下巻)
 <発行:昇龍社>(アマゾン・キンドル版)
 上巻:http://amzn.to/2clE4yw
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 昇龍社、アマゾン・キンドル版<上・下巻>2016年度版
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★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2013)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)


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