(19)板金(2)
テクノロジー関連株に投資する際に、「ある程度技術を知っておこうと思うのですが、むずかしくて・・・」という声を聞きます。
そこで、身近にある携帯電話を例にあげて、見た目から、感覚的にわかりやすく技術を説明していきます。簡単に説明しますので安心してくださいね。
今回は、板金の実際の作り方についてお話します。
その前にすこしだけコネクタのお話をします。なぜ、コネクタの話しをするのかというと・・・。携帯電話に使われているコネクタは、プラスティックと板金の技術でできている複合製品なのです。
プラスティック(1)、(2)と、前回と今回の板金の話しをあわせると、コネクタの作り方はわかってしまったことになるのです。
では、早速板金の加工方法をみていきましょう。
板金とは、
『金属の板を、たたいたり、延ばしたり、打ち抜いたりする』ことでしたね。
実際は、板金は、薄い金属の板を、一定の速度で、オス型とメス型の間に、送り込みます。この時、メス型が下に置かれ、オス型が上下に動くことによって、薄い金属の板が打ち抜かれます。
オス型とメス型が合わさった時に、オス型に出っ張りがついていれば、曲げたりすることもできます。
この機械をプレス加工機と呼びます。文字通り、『プレス』つまり『押す』機械です。これに、先ほどから出ているオス型とメス型の金型が上下に取り付けられています。
もう少し、出来上がった製品の形状を詳しく見ていきましょう。オス型とメス型の間に送り込まれる薄い金属の板は、送り込まれる前は、ロール状に巻かれています。そして、出来上がり後の製品も、製品がバラバラにならないように、製品の片側がつながった状態で、ロール状に巻かれていきます。
特に、コネクタ用の端子部分は、吹けば飛ぶような非常に小さいものが多いため、出来上がった製品は、つながった形をしています。また、コネクタのモールド部に、この端子部分を組み込まなければなりませんので、つながっていた方が、次の工程での取り扱いが効率的に行えます。
もう少し感覚的に説明してみます。製品は、ちょうど、カメラのネガフィルムの様になっていると想像してみてください。
ネガフィルムは、リボンを巻いた様な形をしています。真ん中に写真の部分があって、両端は、1枚1枚の写真をつなげる穴の開いたレールのような部分からなっています。
出来上がった端子も、ちょうどネガフィルムのような格好をしていて、端子部分が、1枚1枚の写真の部分にあたります。その1つ1つの端子がバラバラにならないように、両端をレールの部分でつなげていると想像してみて下さい。
この様に、メス型とオス型が合わさる時の力を利用して、板金を曲げたり、延ばしたり、切ったりします。これを、それぞれ、曲げ、絞り、抜きなどと言っています。
コネクタの端子は、とにかく、製品が小さいため、実際に製品として使われる部分は、金型に投入する金属材料に比べて、少なくなります。中には、投入材料の半分以上を捨ててしまうものさえあります。
材料をつなげず、バラで作製し、投入材料から製品を効率よく、沢山とることも考えられますが、コネクタの端子は、少ないもので、2ヶぐらいのものから、多いもので40ヶを超えるものまであるため、コネクタの端子をコネクタに組み込む際に、一個ずつ組み込んでいたのでは、効率が悪くて仕方ありません。
投入する材料幅を小さくし、少ない材料でより多くの製品をとるための工夫が、コストダウンの大きな力になります。
彼岸
〜現役エンジニアがこっそり教える
テクノロジー関連株の投資ヒント〜
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
テクノロジー関連株に投資する際に、「ある程度技術を知っておこうと思うのですが、むずかしくて・・・」という声を聞きます。
そこで、身近にある携帯電話を例にあげて、見た目から、感覚的にわかりやすく技術を説明していきます。簡単に説明しますので安心してくださいね。
今回は、板金の実際の作り方についてお話します。
その前にすこしだけコネクタのお話をします。なぜ、コネクタの話しをするのかというと・・・。携帯電話に使われているコネクタは、プラスティックと板金の技術でできている複合製品なのです。
プラスティック(1)、(2)と、前回と今回の板金の話しをあわせると、コネクタの作り方はわかってしまったことになるのです。
では、早速板金の加工方法をみていきましょう。
板金とは、
『金属の板を、たたいたり、延ばしたり、打ち抜いたりする』ことでしたね。
実際は、板金は、薄い金属の板を、一定の速度で、オス型とメス型の間に、送り込みます。この時、メス型が下に置かれ、オス型が上下に動くことによって、薄い金属の板が打ち抜かれます。
オス型とメス型が合わさった時に、オス型に出っ張りがついていれば、曲げたりすることもできます。
この機械をプレス加工機と呼びます。文字通り、『プレス』つまり『押す』機械です。これに、先ほどから出ているオス型とメス型の金型が上下に取り付けられています。
もう少し、出来上がった製品の形状を詳しく見ていきましょう。オス型とメス型の間に送り込まれる薄い金属の板は、送り込まれる前は、ロール状に巻かれています。そして、出来上がり後の製品も、製品がバラバラにならないように、製品の片側がつながった状態で、ロール状に巻かれていきます。
特に、コネクタ用の端子部分は、吹けば飛ぶような非常に小さいものが多いため、出来上がった製品は、つながった形をしています。また、コネクタのモールド部に、この端子部分を組み込まなければなりませんので、つながっていた方が、次の工程での取り扱いが効率的に行えます。
もう少し感覚的に説明してみます。製品は、ちょうど、カメラのネガフィルムの様になっていると想像してみてください。
ネガフィルムは、リボンを巻いた様な形をしています。真ん中に写真の部分があって、両端は、1枚1枚の写真をつなげる穴の開いたレールのような部分からなっています。
出来上がった端子も、ちょうどネガフィルムのような格好をしていて、端子部分が、1枚1枚の写真の部分にあたります。その1つ1つの端子がバラバラにならないように、両端をレールの部分でつなげていると想像してみて下さい。
この様に、メス型とオス型が合わさる時の力を利用して、板金を曲げたり、延ばしたり、切ったりします。これを、それぞれ、曲げ、絞り、抜きなどと言っています。
コネクタの端子は、とにかく、製品が小さいため、実際に製品として使われる部分は、金型に投入する金属材料に比べて、少なくなります。中には、投入材料の半分以上を捨ててしまうものさえあります。
材料をつなげず、バラで作製し、投入材料から製品を効率よく、沢山とることも考えられますが、コネクタの端子は、少ないもので、2ヶぐらいのものから、多いもので40ヶを超えるものまであるため、コネクタの端子をコネクタに組み込む際に、一個ずつ組み込んでいたのでは、効率が悪くて仕方ありません。
投入する材料幅を小さくし、少ない材料でより多くの製品をとるための工夫が、コストダウンの大きな力になります。
彼岸
〜現役エンジニアがこっそり教える
テクノロジー関連株の投資ヒント〜
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)