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水面下で進む企業統合




 現在の上場企業数は約3650社。
 直近の最新四季報(2016年12月16日現在)では東証1部が2002社、東証2部が533社、マザーズ227社、JASDAQ760社となっています。
 これら以外にも名古屋1部、2部、セントレックス、札幌、同アンビシャス、福岡、同Qボードに465社(重複を含む)が上場しています。

 毎年100社ほどのIPO企業がありながらこの数は今から16年近く前の3600社に比べ大きく増加している訳ではありません。

 これは企業倒産や上場廃止などによって市場から退出した企業があるからに他ありません。株式市場では新陳代謝が進み、新規に上場する企業と上場廃止企業が入れ替わっている訳です。


 とは言え、現在の上場企業数は投資家からすれば多すぎると思うのですが、皆さんはどのように思われますか。余りに多くの銘柄があって投資家も右往左往してしまってはいませんか。

 IPOというのは成長意欲の高い企業の発展の登竜門と言えますが残念ながら夢破れて山河あり状態の既存の上場銘柄はずるずると上場していても仕方ないのではないかと思ってしまいます。


 上場している以上は存在感があってしかるべき。
 何のために上場しているかが分からなくなった企業は退出するか新たなスキーム、新資本投入などでビジネスの再構築を図るべきかと思います。

 上場企業は未上場企業よりも社会的責任が大きく何らかの格好で企業の存続が求められますが、放置していれば上場維持すら危ぶまれる場合は旗振り役の企業に公開買い付け等で買収してもらい、新体制で上場を維持しながら成長を目指すべきです。


 上場している以上は収益の拡大を図り成長し続けないとなりません。

 このためには経営の刷新を図り新規事業にも挑戦していく姿勢が求められます。

 日本にはこれだけの会社が上場していながらいまだにトヨタを上回る時価総額の企業は登場しません。電機産業がそうであったように自動車産業がいつまでも社会、株式市場の中心であり続けるという保証はないと思います。

 米国ではマイクロソフトに続いてアップルのようなPC、スマホ関連企業が世界市場で活躍を見せたことで最大の時価総額となり、GoogleやFacebook、アマゾンといったIT活用型企業の活躍が目立ちます。
 日本ではソフトバンクグループやNTTドコモ、NTTデータ、ファーストリテイリング、各メガバンクが時価総額の上位に来ているだけで相変わらずの定番評価。
 出る杭は打たれるということでかつて急成長を遂げようとしていたライブドアは泡と消えてしまい、世界を相手に成長できそうな企業はソフトバンクグループぐらいになってしまった。


 他にそんな勢いのある会社はないのかと考えていると、実際にありました。

 あの奇抜なテレビCMで知名度を高めたRAIZAPグループ(2928)。キャッチフレーズは結果にコミットする・・。同社の元の社名は健康コーポレーション。瀬戸社長率いる美と健康に関連した企業です。

 同社はこのところ次々に6社の上場企業をグループに収めています。
 それぞれはアパレル、雑貨、フィットネスというジャンルのビジネスを展開してきたオーナー系企業ですが、いずれも経営が思わしくなく株式をRAIZAPグループに譲渡しています。RAIZAP自体もフィットネス事業の急拡大で事業規模を拡大。合わせてM&Aによって一段とスケールアップを図っている状況です。

 苦境に陥った上場企業が同社グループに入ることで蘇り、双方がWINWINの関係に入ることがベストシナリオ。実際の事業戦略は買収後に本格化すると思われますので来期以降の業績展開が注目されます。


 どの企業が担い手になるかはともかく存亡の危機となった企業がこうした旗振り役の企業とともに再成長を果たせば株式市場にとっては明るい未来が待っているに違いありません。まだまだ多くの苦境に陥った上場企業があります。

 RAIZAPが傘下に加えた6社の企業(パスポート、ジーンズメイト、マルコ、イデアインターナショナル、SDエンターテイメント、夢展望)を一度研究してみると参考になりそうです。


 熟年者向け旅行会社のニッコウトラベル(9373)が先般、三越伊勢丹に390円でTOBされるなど上場企業同士の再編が水面下では進展している可能性があります。
 買手、売手で言うと短期的には売手側の株式を保有していた投資家には表面に出た段階ではリターンがもたらされるのでしょうが、過去の高値で投資していた長期投資家にとっては泣く泣く手放すことになることもあるのかも知れません。


 とは言え、見るからに疲弊している企業の株式にも好条件のM&Aで大きな値上がり益を短期的に享受できる可能性もあることを忘れないでおきたいと思います。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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