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競争優位性

 製品にそれほど差があるわけではないが、何故か独占に近い状況にあり、2番手が伸び悩んでいる市場。加えて、参入障壁がめちゃくちゃ高いわけでなく、新規参入者が出てきたものの、やはり牙城を崩せない。

「製品の差は無いと思うんだけど、何でこの企業(製品)は伸びていないのかなぁ」
 私が実際に、このように感じている市場がいくつかあります。やはりそれなりの理由があるわけで、業界、製品により様々な理由があるのでしょうが、本日は少しこのあたりについて考えてみたいと思います。

 まずは「参入障壁」という言葉から復習してみたいと思います。

■参入障壁とは

 参入障壁という言葉を辞書で引いてみると、下記のように記されています。

「ある産業に加わろうとする企業にとって、既存の企業が備えている優位性などが参入阻止要因になっていること」(大辞林)

 これを踏まえると、一般的にもいわれていますように喫茶店や床屋さんがあげられます。実際、街中を歩いてみてもかなりの店舗を確認することができます。参入障壁の低い産業の特色のひとつとして、「少人数でできる仕事で、かつ大規模な資金が必要ない」っということがあげられるでしょう。

 逆に、参入障壁の高い事業の特色としてあげられるものの代表に、「高い技術力」があげられます。確かに「高い技術力」は、参入障壁のひとつとしてあげられますが、これが全てを左右してしまうケースばかりではありません。

■技術力以外にも

「みんなが使用しているので」ということで、とある製品が選ばれることもあるでしょう。また、意外と2番手以下の企業や新規参入企業に効いてくるのは、「既存商品(先行企業による)に対する、消費者(お客さん)の慣れ」です。
(慣れるだけならかわいい方で、時に後発企業は「デファクトスタンダード」に挑まなければならないこともあります)

例えば、新聞業界。
金融系(特に証券)にお勤めされている方の多くは日経新聞を読まれると思います。日経+他紙という方もいらっしゃるでしょうが、他紙だけを読んでいる方は希ではないでしょうか。
経済紙面の充実という面だけでなく、「みんなが読んでいるから」という面もあると思います。「日経の記事が株価を動かす」っとまでは思わないにせよ、「みんなが知っていることは知っておきたい」というのが市場参加者の心情だと思うのです。

例えば、PCのOS。
「PCのハードのデザインはマックが好みだけど、ウインドウズが使えないと社会に出て仕事をする時にに支障がでそうだな。」と考える学生もいるでしょう。実際、私はマックを使ったことがないので、どれほどウインドウズと違うかはわかりません。もしかすると、このように心配するのは大げさ過ぎで、杞憂に終るのかもしれません。

ただ、こう思われただけで企業にとってはかなりの不利に働くのです。
どういう理由にせよ「一度選ばれた製品に対する慣れ」は、消費者の中で確実に積み上がって行きます。

メーカーが違うことによって、操作性が大幅に変わるものならなおさらです。

■不利な立場

 これらを覆すには、性能面や価格面で消費者に魅力を訴えなければならないのは当然ですが、性能、価格が多少魅力的という程度なら、既存の顧客を振り向かすには至らないことがほとんどでしょう。

若干魅力があるぐらいでは、変更する手間や再度慣れるまでの時間の方がもったいないですから。更に、実際に使用してみて不都合に感じるリスク、というものもあります。

繰り返しになりますがお客様がある程度満足している製品で、かつマーケットシェアが高い製品を、2番手企業や新規参入社が切り崩すことは相当労力がいるものだと思います。
(B to Bなら、2番手企業は複数購買を理由にある程度、お仕事ができるでしょう。)

魅力的な価格を打ち出したり、莫大な広告宣伝を行ったとしても、これらの戦略はトップ企業が有利です。
なぜなら、その事業でより多くの利益が出ている企業はトップ企業で、ライバルが価格(体力)勝負に持ち込んだとしても、同程度のことをすることはさほど難しくないのです。

むしろ、ライバル達の消耗の方が激しくなる可能性のほうが高いのです。
もともとの売上に差があるのですから、2番手以降が苦しい思いをするのは目に見えています。
加えて、過度な価格戦略は業界自体を破壊してしまう可能性もあります。
互いがノーガードの打ち合いのような状態になり、業界として利益が得られなくなってしまうのです。

結果、顧客(消費者)だけが恩恵を受けるケースも出てきます。
消費者としては嬉しいものですが、株主としては複雑な気分になってしまうでしょう。
(戦略的な値下げによる価格下落によって、普及が加速したりアプリケーションが増えるケースはこれとは別)

一度構築されたトップ企業の競争優位性を、2番手以下が覆すことは相当なパワーを要します。

この点を常に留意しながら、企業に取材をする必要があるでしょう。
調子が良すぎる話は、割引いて考えることが投資で大やけどをしない秘訣かもしれません。やはり、強いのにはそれなりに訳があるものなのです。

(佐藤 貴士)

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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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