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有料メルマガライブラリから(70)チャンスと捉えられるか、不遇だと腐ってしまうか

 有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を再編集して毎週掲載いたします。自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。

==「チャンスと捉えられるか、不遇だと腐ってしまうか」==
  (有料メルマガ第89回・2010/9/7配信号)


 投資でも人生でも結果や結論が直ぐに出ることは少ないです。投資でも今日上がった株が、明日下げてしまうかもしれないし、ここのところ下げ続けている株が、自分が投げたとたんに暴騰を始めることも、無いとはいえません。いまはそんなことはあまり考えられませんが。

【中略】

 不条理と感じないかと自問自答してみれば、不条理すぎると痛烈に感じています。ただ過去の株式やゴールドや賃貸不動産などに対する投資経験や、投資よりずっと重い人生経験において、このような不条理な状態に耐え切れずに焦ったり、捨て鉢になって行動するのは、とても愚かなことだといやというほど経験して学んできました。

 過去の体験を良い経験変えて将来の役に立てるために学んだことで、今回役に立っているのは『じっくりと待つ力』、『結論を保留して時間にゆだねる力』を身に付ける大切さです。

 「待てば海路の日和あり」「待てば甘露の日和あり」ということわざにもあるように、自分ではどうしようもない事が起きているときは、時間に任せて待つということも大事なことです。

 今の状態をチャンスと捉えることができるか、不遇だと腐ってしまうのでは未来がまったく違ってくると考えています。

 社会にあるいろいろなシステムもそうですが、投資などの資産のポートフォリオも、それを構成するファクターが多様であればあるほど安定的だということを、しっかりと意識しつつも、収益力と財務的な堅牢さを併せ持つ銘柄が大きく投げられている状況で、更に株価が下がるリスクに敏感になりすぎて、市場の動きに付和雷同すると、投資環境が改善に向かい投資した資産背景もあり業績の良い企業の株価が回復している流れを取り逃がしてしまう可能性も高まります。

 過去の投資の格言にある『人の行く裏に道あり花の山』にでてくる『人』というのは他人をさすばかりではなく、『投資を行うのを嫌がって危険視している、いまの自分の感情』のことも指している。こんなことも過去に学んできました。

 こんな投資環境の悪いときに株式投資を継続する(=株を買い持ちする)という投資行動は、過去に何度も何度も体験してきたことではありますが、微妙に気持ちが悪い状態です。

 このような状態のときに『気持ち悪さを』を感じることは株式投資に参戦して、安全運転で生き延びていくためには必要な感覚です。否定して改めるべき感覚ではなく『自分は安全運転の基本を守っている』と確認して、まず安心すべき事態です。

 しかし、この感覚に付和雷同した投資行動、すなわち不条理な状態に耐え切れずに焦ったり、捨て鉢になって衝動的投資行動を行うのは危険極まりない行為です。

 株式市場というのは人間の欲望を変数として機能している制度なので、わずかな入力の変化が劇的な出力の変化を生み出します。だから『予測不能』であると言って間違いではないと思います。

 車の運転では、免許という安全に車を運転するための最低の技術を取得しないと公道を走ることは出来ませんが、免許を得たからといって自分の技術は最高で絶対事故を起こさないという、馬鹿げたうぬぼれを持つ人間はほとんどいないと思います。

 ところが株式投資においては、最低の安全確保のための技術すら学んでいないのに公道に出撃できて、百戦錬磨のプロに勝ってしまうことも出来るので、勘違いしてしまう人間も大量に出てきます。

 このメルマガでは『企業の内在的(本来の価値)価値』というのは『資産価値』と『事業価値』に分かれていると考えています。企業価値は資産価値(=バランス・シートに見えている金融資産など)と事業価値(=将来稼ぎ続ける力=バランス・シートには見えていないもの)の総合だと考えています。

 資産価値は、過去の事業活動の利益から、すでにバランス・シートに表示され、すべての投資家から見える形になっている現・預金や投資有価証券、不動産などのような資産ばかりではなく、製造ノウハウとか特許とか利益を生み出す源泉になっている目に見えない資産もたくさんあります。

 このメルマガでは目に見える資産という限定された資産だけの価値を計算して、時価総額と比較して、時価総額の3倍も4倍も直ぐお金に変わる資産を持っているから割安だと判断しています。目に見えない資産は自分では金銭的に評価できないので、資産価値としてはゼロ円で評価の対象外のおまけとして位置づけているわけです。ただし、将来の収益を判断する事業価値のなかには見えない資産が含まれていると考えるようにしています。

 少し整理すると、過去の稼ぎを蓄積し、現・預金や投資有価証券、直ぐ買い手が付く含み益の大きな不動産など、世間から「お金」と同等視される資産をバランス・シートに目に見える形で蓄積している(=時価総額より多く)企業は、資産価値が高いと考えているということです。

 事業価値は資産価値のように簡単には推計できません。そこで過去の経常利益の額の平均を取って、事業価値として推計しています。この中に目に見えない資産の価値も含まれているという考え方で評価しています。

 しかし過去にいくら儲けていても、将来赤字続きではいずれ資産を食い潰すので、将来も儲け続ける収益力の源泉(=新しい製品を作り出せる研究開発力、儲かる製品を大量生産できる設備、特許、製造ノウハウ、優秀な経営者、社員などバランス・シートには見えていないもの)も大事だと考えています。

 また現・預金は金利が低すぎて、現・預金自体では収益をあまり生まないで10年たっても増えていないと考えており、いわゆる世間でバリュー投資家といわれる人々が評価しない製造設備も将来稼ぎ続ける収益力の源として重要だと認識しています。

 ただ株式市場で株価を決めるのは、『企業価値』ではなく投資家の総意です。『投資家の総意』というのは欲と恐怖に目がくらんだ感情的な衝動で動くものです。さきほど書いたように株式市場というのは人間の欲望を変数として機能している制度なので、わずかな入力の変化が劇的な出力の変化を生み出します。だから、『バリュー株に投資をしておけば絶対に損をしない(=事故に遭わない)』ということはありません。どんなに時価総額に比べて資産価値が3倍も4倍もあろうと、株価は投資家の投資行動でいくらでも安くなってしまうことがあるのです。

 このメルマガの研究銘柄の対象となるような割安銘柄の資産価値については、会計のプロである公認会計士の監査がまともに機能しており、企業がうその開示をしていない前提で信じてよいと考えています。

 『欲と恐怖に目がくらみ感情的に突っ走る投資家の総意』が出した株価から計算した時価評価よりは、信頼性が高いと判断しています。

 最近増えている、親会社の子会社の完全子会社化のためのTOBにおいて、市場でついていた株価より高い値段で買い取られる子会社の株価が一例です。

 そんな特殊な場合ではなくても、バランス・シートに載っている現・預金や投資有価証券。今年に入ってから開示されるようになった賃貸不動産の時価などの市場価値から判断し、時価総額が三分の一とか、四分の一になっている企業は割安だと判断することは誰にでも出来ることです。

 時価総額と同じお金を持ってきて、投資対象企業と同じバランス・シートを持つ企業を作れるかと自問すれば明白に不可能だと分かります。絶対作れないことは小学生4年生程度の判断能力があれば、簡単すぎる判断事項です。

 ただ株価をコントロールして決めるのは「市場に参加している欲と恐怖に目が眩んだために小学生並みの判断力さえ失っているような、おかしな投資家の総意」なので、株価が企業の資産価値から比べて安いままで、更に安くなる可能性も大いにあります。

 資産価値ばかりではなく過去8年とか15年とか、常に経常利益と純利益を黒字で確保してきた収益力の高い(=事業価値も高い)企業の株価が異常な割安状態に放置され続けているわけです。

 不条理感に悶々とするときには、今日のコラムで書いてきたようなことを思い返して、『短気は損気』と待つとおいモチベーションを途切れさせないように、冷静さを失わないように心がけるようにしています。

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

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