またもや年金基金に絡んだ、長野県建設業年金基金が未公開株運用でも損失を出し、スタッツインベストメント、ユナイテッド投信、ソシエテジェネラル信託銀行などが管理不備で金融庁から行政処分を受けたとの新しいニュースがありました。
しかしながら、この3社は未公開株式で稚拙な運用をするようなタイプの会社では無いはずとの記憶がありましたから、何とも気になり真相を知るべく関係者を辿って行ったところ、呆れながらも想定通りのお話しを聞くことが出来ました。
(注:余り具体的には書けません事をご了承ください)
要約すると、以下のお話しを聞くことが出来ました。
元理事長(基金から20数億を持ち出し行方不明となっている)が無理な運用を続けていた中で、まるでペーパーカンパニーのような未公開企業(VB、ベンチャー企業)に投資していた事実が分かり、調査したところ投資後の同VBには既に資産が残っておらず、そっくり持ち逃げされたかの状態になっていたそうです。オリンパス事件の時と同様の投資手法によって同VBに高い評価を付け投資した上で、その投資した資金が持ち出された格好になっていたとのことでした。
同基金としては本件の処理に困ったため、知り合いの運用関係者に相談したところ、「現時点では手の打ちようがないが取りあえず管理するだけならファンドとして預かってくれる運用会社を探してみる。そして今後基金の資産が増えていく中で運用を工夫し、徐々に損失を取り返していくなどの方針で良いなら協力する。」との話し合いが持たれたそうです。
結果として、それらの関係者を通じて相談を受けた上記運用会社2社は、余り収益に貢献する案件ではないものの、年金基金の運用を受託したとの実績を得られるのは業務上も有益であるため、こちらも当面はファンドとして管理だけするなら良いでしょうとの判断で受託したそうです。
そして取りあえずは預かったものの既に大きく毀損していたため何も出来ず、運用する機会を待っているところに今回の調査・行政指導が入ったとの事です。
つまり、これが真相であるなら、上記3社が受託した時点で既に基金の資産は毀損していた訳であり、彼ら「運用会社の杜撰な投資・管理により資産が毀損した」とのニュースは歪曲されたものであったと言うことになります。実際はどうなのか?報道されている簡素なレベルに留まらず、金融庁はここに至った経緯を含めてより詳細な内容を開示する責任があると思われます。
もちろんこの手の瑕疵のある案件(毀損した資産と知りながら受託する)を業務上の利益を優先して受託してしまった安易さはありますが、台所事情の苦しい中小の運用会社にとっては有り得る話と考えられます。とは言え、行政処分を受けるほど悪質なものとも考えられません。それよりも何十億円もの金を持ち逃げされ、且つこのような杜撰な運用・管理を放置していた基金側の責任が遥かに大きく、同時に、しっかりと監督もせず野放しにしていた厚労省こそが責任を問われるべき問題であるはずです。
意図的か?それとも無能なのか?マスメディアはまるでAIJ事件と同列で扱っていましたが、これは明らかに似て非なるものです。受託者側に騙す意図はありません。
それでも金融庁は行政処分を決めた訳です。これが事実であれば、こんな恣意的な裁量行政が許されるのか?と怒りを覚えます。投資会社側にも安直な判断があったことは否めませんが、上記の通りなら彼らに処罰されるべき法令違反などありません。責任を取らされるべきは監督官庁である厚労省ではないでしょうか?
以前のメルマガにて、AIJ事件に絡んで中小の運用会社が「貴社が受託先の年金の運用能力を評価できる態勢を持っていないなら受託すべきではない」との、意味不明の行政指導を受けたと書きましたが、これも本末転倒の可笑しな話です。何度も言いますが、年金基金の運用担当者は運用の専門家として雇われ、または天下りして、高額の報酬を得ていたプロではないのでしょうか?運用会社は受託する際、そのプロの能力を評価しそのレベルに合わせた受託判断をしろと言う事でしょうか?
運用を委託する側が運用会社を評価し資金を任せるのがこの業界の常識です。基金側が運用会社を評価する能力を持たねば、つまり運用会社を評価できないなら委託してはいけないはずです。
例えば築地の卸業者が、買いに来た寿司屋がそのネタを使うに足る能力を評価できなければ魚を売ってはいけない…ってことでしょうか?馬鹿かと思います。何という屁理屈でしょう(呆)。
私はこう考えます。AIJ事件に絡んで名誉挽回を目論み、そして仕事している振りをしたい当局が無理を承知で上記3社を生贄にしたというものです。これが大手金融系列の運用会社でしたら逆に被害者としてニュースになるのでしょうか。
厚労省関連ではここ僅か10年程度の間に社保庁、労働関連、年金基金…と、様々な綻びが発覚しています。そして驚くことに、ここ今に至っても未だ明確な解決策を出しておらず、且つ誰も責任を取っていません。
今回についても、下手をして詳細が漏れるような事態にでもなれば責任を問われかねないと考えた厚労省と監督官庁が組んで早期の幕引きを狙い、立場の弱い運用会社を生贄にした構図が見て取れます。
AIJの時も中小業者は年金運用から撤退しろと言わんばかりの行政指導でした。今のままでは何か事が起こると自分たちの責任になりかねないため、出来るだけ言い訳のし易い、且つ在り来たりな運用しかしない大手に集中させた方が安全だとの判断かと思われます。が…、金融市場においては、いやどの業界に於いても、面白味のない大手に寡占されればされるほど優秀な人材が業界を離れ、市場(金融業界)は寂れてゆきます。
このままでは日本の運用業界は画一的で横並びのサラリーマン運用だらけになり、ますます投資家の金を引き付ける魅力を失います。結果として投資家を騙し討ちするような、手数料を稼ぐだけの金融商品しか市場に出ず、業界の発展を妨げるだけになります。これら官庁の杜撰な仕事を隠すための裁量行政を止めないことには日本の金融市場が劣化し続けることになります。
厚労省…。この呆れるほど杜撰な組織(シロアリの巣)を変革すること無く行政を任せ続けるなら、間違いなく日本を滅亡させる結果になると改めて認識した次第です。
歴代の厚生労働大臣から今回の三井厚労相に至るまで、同省の閣僚たちはこの省庁がどれほど腐っているのか理解しているのでしょうか?今までは便宜を受ける(予算を使わせてもらう)見返りとして放置していました。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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しかしながら、この3社は未公開株式で稚拙な運用をするようなタイプの会社では無いはずとの記憶がありましたから、何とも気になり真相を知るべく関係者を辿って行ったところ、呆れながらも想定通りのお話しを聞くことが出来ました。
(注:余り具体的には書けません事をご了承ください)
要約すると、以下のお話しを聞くことが出来ました。
元理事長(基金から20数億を持ち出し行方不明となっている)が無理な運用を続けていた中で、まるでペーパーカンパニーのような未公開企業(VB、ベンチャー企業)に投資していた事実が分かり、調査したところ投資後の同VBには既に資産が残っておらず、そっくり持ち逃げされたかの状態になっていたそうです。オリンパス事件の時と同様の投資手法によって同VBに高い評価を付け投資した上で、その投資した資金が持ち出された格好になっていたとのことでした。
同基金としては本件の処理に困ったため、知り合いの運用関係者に相談したところ、「現時点では手の打ちようがないが取りあえず管理するだけならファンドとして預かってくれる運用会社を探してみる。そして今後基金の資産が増えていく中で運用を工夫し、徐々に損失を取り返していくなどの方針で良いなら協力する。」との話し合いが持たれたそうです。
結果として、それらの関係者を通じて相談を受けた上記運用会社2社は、余り収益に貢献する案件ではないものの、年金基金の運用を受託したとの実績を得られるのは業務上も有益であるため、こちらも当面はファンドとして管理だけするなら良いでしょうとの判断で受託したそうです。
そして取りあえずは預かったものの既に大きく毀損していたため何も出来ず、運用する機会を待っているところに今回の調査・行政指導が入ったとの事です。
つまり、これが真相であるなら、上記3社が受託した時点で既に基金の資産は毀損していた訳であり、彼ら「運用会社の杜撰な投資・管理により資産が毀損した」とのニュースは歪曲されたものであったと言うことになります。実際はどうなのか?報道されている簡素なレベルに留まらず、金融庁はここに至った経緯を含めてより詳細な内容を開示する責任があると思われます。
もちろんこの手の瑕疵のある案件(毀損した資産と知りながら受託する)を業務上の利益を優先して受託してしまった安易さはありますが、台所事情の苦しい中小の運用会社にとっては有り得る話と考えられます。とは言え、行政処分を受けるほど悪質なものとも考えられません。それよりも何十億円もの金を持ち逃げされ、且つこのような杜撰な運用・管理を放置していた基金側の責任が遥かに大きく、同時に、しっかりと監督もせず野放しにしていた厚労省こそが責任を問われるべき問題であるはずです。
意図的か?それとも無能なのか?マスメディアはまるでAIJ事件と同列で扱っていましたが、これは明らかに似て非なるものです。受託者側に騙す意図はありません。
それでも金融庁は行政処分を決めた訳です。これが事実であれば、こんな恣意的な裁量行政が許されるのか?と怒りを覚えます。投資会社側にも安直な判断があったことは否めませんが、上記の通りなら彼らに処罰されるべき法令違反などありません。責任を取らされるべきは監督官庁である厚労省ではないでしょうか?
以前のメルマガにて、AIJ事件に絡んで中小の運用会社が「貴社が受託先の年金の運用能力を評価できる態勢を持っていないなら受託すべきではない」との、意味不明の行政指導を受けたと書きましたが、これも本末転倒の可笑しな話です。何度も言いますが、年金基金の運用担当者は運用の専門家として雇われ、または天下りして、高額の報酬を得ていたプロではないのでしょうか?運用会社は受託する際、そのプロの能力を評価しそのレベルに合わせた受託判断をしろと言う事でしょうか?
運用を委託する側が運用会社を評価し資金を任せるのがこの業界の常識です。基金側が運用会社を評価する能力を持たねば、つまり運用会社を評価できないなら委託してはいけないはずです。
例えば築地の卸業者が、買いに来た寿司屋がそのネタを使うに足る能力を評価できなければ魚を売ってはいけない…ってことでしょうか?馬鹿かと思います。何という屁理屈でしょう(呆)。
私はこう考えます。AIJ事件に絡んで名誉挽回を目論み、そして仕事している振りをしたい当局が無理を承知で上記3社を生贄にしたというものです。これが大手金融系列の運用会社でしたら逆に被害者としてニュースになるのでしょうか。
厚労省関連ではここ僅か10年程度の間に社保庁、労働関連、年金基金…と、様々な綻びが発覚しています。そして驚くことに、ここ今に至っても未だ明確な解決策を出しておらず、且つ誰も責任を取っていません。
今回についても、下手をして詳細が漏れるような事態にでもなれば責任を問われかねないと考えた厚労省と監督官庁が組んで早期の幕引きを狙い、立場の弱い運用会社を生贄にした構図が見て取れます。
AIJの時も中小業者は年金運用から撤退しろと言わんばかりの行政指導でした。今のままでは何か事が起こると自分たちの責任になりかねないため、出来るだけ言い訳のし易い、且つ在り来たりな運用しかしない大手に集中させた方が安全だとの判断かと思われます。が…、金融市場においては、いやどの業界に於いても、面白味のない大手に寡占されればされるほど優秀な人材が業界を離れ、市場(金融業界)は寂れてゆきます。
このままでは日本の運用業界は画一的で横並びのサラリーマン運用だらけになり、ますます投資家の金を引き付ける魅力を失います。結果として投資家を騙し討ちするような、手数料を稼ぐだけの金融商品しか市場に出ず、業界の発展を妨げるだけになります。これら官庁の杜撰な仕事を隠すための裁量行政を止めないことには日本の金融市場が劣化し続けることになります。
厚労省…。この呆れるほど杜撰な組織(シロアリの巣)を変革すること無く行政を任せ続けるなら、間違いなく日本を滅亡させる結果になると改めて認識した次第です。
歴代の厚生労働大臣から今回の三井厚労相に至るまで、同省の閣僚たちはこの省庁がどれほど腐っているのか理解しているのでしょうか?今までは便宜を受ける(予算を使わせてもらう)見返りとして放置していました。
(街のコンサルタント)
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