<< 億の近道2012/04/27 | main | 億の近道2012/05/02 >>

キャピタルフライトの現状

 マレーシアの記事を何回か書かさせて頂いたのですが、久しぶりに本業のプライベートバンク系の情報についてはアップデートさせて頂きたいと思います。震災後に今まで資産を動かさなかった方が、キャピタルフライトをするようになったという事をお伝えしたいと思います。

 シンガポール、香港等に金融機関の口座開設の為に足を運んだという話をいたる所で聞くようになりました。これは日本だけの動向ではなく、ロシア、中国、インド等からかなりまとまった金額をシンガポールに送金してくる方が多いと現地のバンカーから聞いております。
 2年程前に、プライベートバンクの最低預入残が100万スイスフラン(約8900万円−金融機関によってこの最低預入残高は多少のばらつきがあるが)より引き下げられているという記事が散見されると記載させて頂きました。プライベートバンクやプライベートバンキングを営む金融機関は誰が紹介者になるかとか、口座開設者の方の奥行をみて、初回最低預入金額のバーを下げる事はありますが、最低預入金額のバーは引き上げられる方向にあると思います。

 最低預入額のバーが下がり日本円ベースで3000万円になったとしても、この金額で受ける事のできるサービスに過剰な期待をしてはなりません。何故ならばこれはあくまでも入口に立つ為に必要な資金だからです。我々、庶民にとっては大きな金額であるが、やはりこの金額でできる運用には残念ながら限界があるからです。
 プライベートバンク、プライベートバンキング業務を行っている金融機関が最低預入額を引き下げているのであれば逆に、顧客増によってサービスが低下する可能性がある事に意識を払った方が良いかもしれません。

 平成24年度の税制大綱で海外資産5000万円の調書提出制度が打ち出され、先月3月末に官報で正式発表されておりましたが、今までも外為法の関係での届出はあったのでまとまった資産を在外化している方は問題ないと思いますが、5000万円前後の資産を出している方については対応を考えるべきだと思います。色々と方法があるだけに、きっちりとした対応をする事をお勧めします。私が面談させて頂いている方でも、中途半端な知識で対応ができていると考えている方にお会いする事がありますが、これを機に資産保全についての勉強を再度する事をお勧めしたいと思います。

 これからまとった資産を在外化する方についてもしかりで、海外に資産管理会社を設立したりする方はタックスヘイブン税制の問題がありますし、資産保全スキーム、移転先等についてはかなりのコストをかけて選定する必要があると思います。トラストや財団等になったら尚更だと思います。
 残念ながら、日本では個人分野の資産保全分野に関してアドバイスができるプロフェッショナルの方が限られているので、これからそのような方々は非常に忙しい日々を過ごす事になるのではないかと思います。

(番頭さん)

【筆者プロフィール】
 大学卒業後、某都市銀行勤務、某外資銀行勤務を経て独立。専門は個人富裕層業務。
 幼少期に6年間ドイツで過ごし帰国、その時の経験が後の人生に大きく影響。
日本人の基本的なフィナンシャルリテラシーの向上を願いつつ日々奔走中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても当方は一切の責任を負いません。)

このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/ciowaijeakクリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!

JUGEMテーマ:経済全般


JUGEMテーマ:株・投資


JUGEMテーマ:社会の出来事


JUGEMテーマ:ビジネス


JUGEMテーマ:海外投資


JUGEMテーマ:海外移住したい!



コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>
selected entries
mag2year2016_0000020640_asset-stock_200x200.png mag2year2016_0000020640_asset-stock_200x200.png
twitter
twetter
okuchika
購読無料! 億の近道メルマガ申込はこちらから!
億近申込バナー
まだ登録していない方はこちらからどうぞ!週5回無料で届きます。
億近執筆陣の本
億近本
億近執筆陣の書籍/DVDをご紹介。億の近道コラムのエッセンスをぜひ。
【石川臨太郎】人生最後の著書好評発売中!

「資産を作るための株式投資 資産を遺すための株式投資〜余命宣告を受けた「バリュー投資家」の人生最後の教え〜」
生涯投資家であり続けた故石川臨太郎氏の、投資人生の集大成とも言える最後の書籍が、好評発売中です。石川臨太郎 著、パンローリング刊 2,800円+税
石川臨太郎有料メルマガの特別研究版!
元火曜日執筆者、故石川臨太郎氏の"研究"メルマガ全12回分をイッキ読み出来ます。 著名エコノミスト村田雅志氏による分かりやすい分析が好評です。 詳細は以下のページを参照下さい。
 
categories
archives
recent comment
  • 情熱投資家、相川伸夫が語る注目銘柄 東北特殊鋼(5484)
    内燃機関関係 (01/20)
  • 1981年2月2日 愛知県立春日井高校:コーヒー牛乳の青春。(天国の幸宏へ捧げる)part 2
    ■ (08/19)
  • 1981年2月2日 愛知県立春日井高校:コーヒー牛乳の青春。(天国の幸宏へ捧げる)part 2
    内藤朝雄 (10/12)
  • 情熱投資家、相川伸夫が語る注目銘柄 特殊電極(3437)
    reformer21 (06/15)
  • 公立中学校という選択:区立から難関大学へ その6
    m (05/01)
  • 公立中学校という選択:区立から難関大学へ
    m (03/30)
  • アンジェスMG(4563)の相場シナリオ
    暇潰亭 (10/01)
  • 日本でトップクラスの低PER銘柄
    kkk (02/19)
  • 粘り強くつきあっていれば億の資産ができる
    億の近道 (12/04)
  • 粘り強くつきあっていれば億の資産ができる
    せーねん (12/04)
links
mag2year2016_0000020640_asset-stock_240x65.png メルマガ大賞2008ノミネートバナー
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM