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億の近道2011/06/30


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投資情報メールマガジン                  2011/06/29号
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
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             −本日の目次−
          (本日の担当:式町みどり)

  ◆コラム「為替市場動向〜欧州の通貨、強弱まちまち」:式町みどり

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◆コラム「為替市場動向〜欧州の通貨、強弱まちまち」

 6月も明日が末。6月は欧米企業の決算期要因も重なり、例年マーケットが
調整される傾向があります。今年は米国のQE2,量的緩和第二弾の終了、そ
して、再びギリシャのデフォルト懸念を中心にした債務問題で為替市場ではそ
れまでのドル売り基調からユーロ売りを中心に、それまで人気だった豪ドルも
含めて、対ドルで下落。28日の終値ベースでは、主要通貨の中での例外は対
ドル2.66%上昇したスイス・フラン、日本円(0.49%)そしてブラジ
ル・レアルの0.27%上昇でした。何かとニュースの多い欧州では、ギリシ
ャ問題で乱高下のユーロ、続落の英国ポンド、そして逃避通貨のスイス・フラ
ン。強弱まちまちでした。

 まず、ユーロは、ギリシャ問題の落とし所で悲観楽観が日替わりの乱高下。
不謹慎かもしれませんが、乱高下のリズムを楽しめればグッド・トレーディン
グの日々が続いたでしょう。個人的には売り中心のポジショニングをしていた
ので急反発に翻弄される場面も多く、目の前の相場とのダンス精神を楽しむ気
持ちの大切さも感じた次第です。そのユーロ、5月末終値と6月28日終値で
対ドル0.17%下落に過ぎず、値幅(1.4697高値、1.4074安値)
の割には往って来いの印象です。
 本日29日にギリシャでは緊急財政案の採決を控えています。労働組合は歳
出削減や国家資産売却が盛り込まれた財政5年計画への抗議でストライキ決行
や、いつもの事ながらデモ隊と警官隊の衝突。780億ユーロ(約9兆円)規
模の財政案の議会通過が救済パッケージを受ける前提。さもないとユーロ圏で
初のデフォルトの危機に瀕する崖っぷち状態。
 ギリシャ債の最大の保有者であるドイツとフランスの金融機関が満期債の一
部(70%)を再投資(ロールオーバー)するというフランス案についてドイ
ツ政府とドイツの金融機関が議論し、合意に達する可能性もあるという情報は
ユーロ買い戻しの楽観材料です。
 一方、ECB(欧州中央銀行)のトリシエ総裁は中銀がインフレに対して、
「強い警戒モードにある」と発言して来週の政策委員会での利上げ実施を示唆
して、ユーロ反発の材料になりました。ギリシャのデフォルト回避に向けて各
方面で協議が進む中での利上げ発言。もちろん、ギリシャ救済を前提としてい
るとはいえ、ドイツ、フランスなどのユーロ圏コア諸国のインフレ期待への断
固とした対応ではありますが、経済力が相当異なるユーロ加盟諸国を同じ金融
政策で治めることの矛盾が更に拡大するリスクを改めて感じます。
 近代ヨーロッパの歴史の教訓で生まれた共通通貨ですが、圧倒的な経済力を
誇るドイツの背後の国々の潜在的なリスクが徐々に顕在化。歴史は繰り返され
ているように見えるのは考え過ぎでしょうか。

 さて、ユーロの2年物ドイツ国債の利回りで短期金利の今後の期待値を見て
みましょう。5月初めに先高観が最も高く2008年金融危機時以来の1.9
%台まで上昇しましたが、その後は利回り下落。先週は1.30台まで低下、
昨日のニュースで1.47%まで上昇しましたが、先行きの短期金利構造を見
ると7月0.25%利上げ後は年末から来年初にかけて0.25%の利上げを
織り込んでいると見られます。以前に比較するとやや穏やかな感があります。
 ユーロに関しては、目先のギリシャ問題が救済されても、本質的な問題が先
送りされたにすぎず、将来的には債務返済能力を問われ債務再編は免れないと
いう見方も多く、また、ポルトガルやアイルランドなど市場で信用リスクを問
題視される周辺国の問題がクローズアップされる可能性もあり、ドラマはまだ
まだありそうです。因みに、5年国債の信用保証料を取引するCDS市場での
28日終値はギリシャ2,036BP、ポルトガル817BP、アイルランド
は795BP(1BP=0.01%)と依然高水準です。

 さて、5月末から昨日28日終値比較で対ドル最下落通貨はスウエーデン・
クローネですが、2番目に下落したのは英国ポンドのマイナス2.72%です。
インフレ抑制のために利上げを示唆している欧州中央銀行とは異なり、英国は
金利据置から金融政策委員会の一部委員からは追加緩和も必要との意見も出て
いて、中長期金利は続落。今後の短期金利を占う意味で参照する2年国債利回
りは今年2月の最高利回り1.69%から直近28日には0.68%台まで下
落。10年国債も本年2月に3.9%台までありましたが、直近の最低利回り
で3.1%台に下落。対ドルでは200日移動平均1.6038を割り込み、
ユーロ・ポンドでも年初の0.82台の安値から直近0.8970台のユーロ
高ポンド安の推移です。春先はロイヤル・ウエデイングや来年のオリンピック
など景気への好影響もささやかれていたものの、ギリシャ問題や厳しい国内の
財政緊縮政策の影響もあって全般的に景気減速傾向が嫌気されているようです。
ただ、ギリシャ問題はロンドンの高級不動産ニーズにつながっているという話
もあります。ギリシャで個人資産を海外へと移転させ、一部のギリシャ人はケ
ンジントン、チェルシーなどのロンドンの高級住宅地の購買に動いているとい
うとの推測です。

 最後に、ユーロ問題が起こる中で逃避対象として買われるスイス・フランに
ついてです。
 ドル安の受け皿として買われた面とユーロ安の受け皿として買われた面があ
り、このところ対ドルでは0.83を中心に往ったり来たりですが、ユーロ対
スイスでみると4月高値1.3246から直近28日終値では1.1950台
のユーロ安スイス・フラン高とスイス・フランの独歩高です。スイス経済は通
貨高による影響がネガテイブに働く懸念、中期的には付加価値税の実施も今後
の景気に弱い影響を与えると見られていますので、消去法的に買われていると
も言えるでしょう。とは言え、欧州債務問題、米国経済への不透明感によるド
ル安の受け皿としての継続的なスイス・フラン買いは続くものと考えています。

 以下余談ですが、先日仙台、松島、塩釜方面に行きました。被害は同じ地域
でも様々で、復興状況にも大きな差があるようです。また、新たな規制が出来
て困惑する方のお話も伺いました。塩釜で人気の寿司屋さんが営業を再開され、
海の幸を堪能させていただきました。漁を再開できる漁師さんから海に出てお
られるとの事。漁師さんや寿司職人さん達のパワーと、美味しいものをいただ
ける有り難さを感じつつ帰京しました。松島海岸は「奥の細道」のゆかりの地。
こちらのメルマガとも何かのご縁がある(?)かもしれませんね。
 更に余談ですが、7月1日(金)日経CNBCのマーケット・ウォッチにゲ
スト出演予定です。

 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!

式町 みどり拝

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)

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