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PBR1倍市場

 日経平均がまた調整局面に入りつつあります。300兆円の時価総額を誇る日本の株式市場に上場する個別銘柄は最大の時価総額企業トヨタを筆頭に時価総額1億円前後にまで陥った企業まで並んでいます。

 株式市場で積みあがった富の縮小。これは将来の年金の支払いにまで影響する問題となります。

 PBRが1倍というのは時価総額と企業の純資産が同じだということを表しています。企業は一般的に継続的に事業を続ける主体ですが、その評価が解散価値にしかなっていないというのが現在の株式市場の問題点でもあります。

 PBRというのは株価純資産倍率、つまり株価を一株当たり純資産(株主資本)で割って計算されます。かつてはPBR2倍以上という時代もあったのですが、技術という宝を積んで走っていたはずの日本国という船に予期せぬトラブルが発生し、そこに乗り込んでいる企業の運命が怪しくなってしまい、評価を下げてしまった。その結果としてPBR1倍が現実の問題となってきた。一部企業に起きている資産価値の毀損が見出せる中でPBR1倍水準が恒常的になりそうな状況です。

 市場平均のPBRが1倍を割れようとしている中で個別銘柄においてもPBRの低下が見られる昨今です。財務内容の良い企業のPBRが1倍を割れる事例も多い中でPBRの下限をどこに置けば良いのか投資家の皆さんは迷っておられるのではないでしょうか。

 先日、PBRが0.5倍以下の銘柄がどのぐらいあるかと思ってヤフーファイナンスのランキング情報のデータをチェックしてみたところ実に824社もありました。これが1倍以下だと2127社もありました。

 上場企業の数は約3600社ですからおよそ3社に2社の割合でPBRが1倍を割れている計算になります。まさに恐るべし、バーゲン状態。ただPBR1倍割れの背景には収益への信頼性が崩れていて株主資本が近い将来毀損される懸念があるためだと考えられます。つまり投資家の皆さんは未来に起きる何かを懸念しているものと推察されます。
 自己資本の積み増しは最終利益の計上で実現します。特損の計上が続くと経常利益までが好調でも自己資本は積み増しされません。時折生じる巨額な特損計上が自己資本の積み増しを妨げてしまうという懸念なのかも知れません。過去5年程度において見られた保守的会計による特損の計上がほぼ一巡したと見られる中でまだ自己資本の積み増しに不安が残っている現状があります。

 平均PER1倍が下限だという考え方はあるでしょうが、自己資本の目減りが続けば株価はなかなか上がらないという結論になります。収益構造の改革、技術革新、世界市場の取り込みなどが実現できれば日本の株式市場のPBRは1.5倍程度になってもおかしくはありません。今よりもたくさんの企業が有望な世界市場を相手にビジネスを展開することで特損は特別利益にもつながる可能性もあります。また、法人税率の引き下げなどが効果をもたらすのかも知れません。

 PBR1倍という水準は長い目で見れば投資のチャンスです。

 ですから日経平均がここから大きく値を下げる可能性は低いと見ている投資家も多いものと拝察します。
 個別銘柄を見ても極端にPBRが低い銘柄よりもPBR0.4倍程度の比較的財務内容の良好な銘柄に投資チャンスが高まっているという感触を個人的には持っています。その多くは株価の下落傾向が続いていますので底値での投資は難しいのでしょうが、時間分散と銘柄分散によるポートフォリオ構築が求められます。業績面での減益傾向も続いていますので、あくまでもバリュー投資と割り切る必要もあります。

【PBR0.4倍前後の有望株】

1.三機工(1961) 東証1部
 時価420円
 時価総額312億円
 期末現預金451億円
 有利子負債55億円
 今期予想経常利益37億円
 同EPS28円
 配当利回り3.57%
 BPS1115円
 PBR0.38倍
 省エネ設備へのリニューアル工事の増加期待

2.淀川製鋼(5451)東証1部
 時価316円
 時価総額582億円
 期末現預金290億円
 有利子負債0円
 今期予想経常利益未公表
 配当利回り3.16%
 BPS791円
 PBR0.40倍
 前期実績経常利益47億円
 復興需要に期待 海外展開にも期待

3.ローランド(7944)東証・大証1部
 時価806円
 時価総額206億円
 期末現預金190億円
 有利子負債10億円
 今期予想経常利益未公表
 配当利回り3.1%
 BPS2001円
 PBR0.40倍
 前期実績経常利益9億円
 円相場が安くなるとメリット

4.名村造船(7014)大証1部
 時価344円
 時価総額166億円
 期末現預金1131.8億円
 有利子負債170億円
 前受け金910億円を除く実質現預金50億円
 今期予想経常利益51億円
 同EPS60円
 配当利回り4.07%
 BPS845円
 PBR0.41倍
 円安となればメリット、復興需要の発生

5.ソフト99コーポ(4464)東証2部
 時価470円
 時価総額105億円
 期末現預金79億円
 有利子負債0円
 今期予想経常利益18.5億円
 同EPS51円
 配当利回り2.98%
 BPS1752円
 PBR0.27倍

6.鈴木(6785)JASDAQ
 時価680円
 時価総額42億円
 今期予想経常利益11.6億円
 同EPS81.9円
 配当利回り3.24%
 BPS1682.7円
 PBR0.40倍

株式会社アイリス・ジャパン
代表取締役 松尾範久

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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