このコラムでは、最新グローバル投資ということで、グローバル投資の最前線についてのシリーズです。本日は6回目で、震災後の世界のマーケット状況について書かせていただきます。
震災後の月曜日は日経平均が約6.2%下落しました。次の日は投機筋により大幅な円高傾向になったこともあり、パニック的に約10.6%も下落しました。その後、G7の緊急会合により協調介入も発表され、円高に歯止めがかかりました。一時は日経平均が、8,230円と震災前から20%以上の下げを記録しておりましたが、震災前から9%ほどの下げまで回復しました。
現在、NYのダウインデックスは、震災が起きる前の水準に戻り、原油は2年ぶりの高値をつけ、金は史上最高値を更新しました。バロンズによると、世界の上位15の経済大国のうち13カ国で、日本の震災前の水準に株式市場は回復しました。今回の震災で、日本経済が世界に与える影響は軽微であり、投資家のリスク志向も回復をしたとマーケットが判断したと思われます。
戦後の史上最高値を更新した円高は、日本にとってマイナス影響の多いと思われますが、アジア諸国にとっては、震災の復興需要と合わせて、日本への輸出が増える要因となり、アジアの特にインフラ関係の株式は堅調に推移してきています。
私たちは、国内株式は割安であると考えており、投資のチャンスがあると思いますが、円高局面では海外投資にも多くのチャンスがあるのも間違いありません。私たちが投資を多く行っている中東市場も、3月に入ってからサウジを始め治安が安定している事から、値を戻し、年初来高値に近付く所まで回復しております。リビアやバーレーンの情勢が思わぬ形で飛び火しない限りは新興国株式も堅調に推移していくと考えております。
もう一点気がついたことは、震災後の月曜日、日経平均が1万円を割った日の東証一部の出来高は過去最高になりました。日本に不安を持ち、早く株を売り現金化したいニーズと、割安で買い増したというニーズが、どちらも激増した結果だと思います。
これは、震災後のマーケットは、確かにパニックになり投げ売りをした投資家も多かったかもしれませんが、同時に、安値で株式を購入するチャンスと、リスクを取る投資家も一定量は存在したということだと思います。
阪神大震災では、1995年1月17日に震災が発生してから、震災前の価格まで日経平均が回復するのは、11か月弱経てからでした。911テロ後のダウは、2ヶ月でテロ前の水準まで回復しました。パニックが落ち着くと共に、緩やかであっても、日本の株価が回復していくことを期待したいと思います。また、一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。
(岡村さとみ)
■プロフィール
早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/bouuowaeveクリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!
震災後の月曜日は日経平均が約6.2%下落しました。次の日は投機筋により大幅な円高傾向になったこともあり、パニック的に約10.6%も下落しました。その後、G7の緊急会合により協調介入も発表され、円高に歯止めがかかりました。一時は日経平均が、8,230円と震災前から20%以上の下げを記録しておりましたが、震災前から9%ほどの下げまで回復しました。
現在、NYのダウインデックスは、震災が起きる前の水準に戻り、原油は2年ぶりの高値をつけ、金は史上最高値を更新しました。バロンズによると、世界の上位15の経済大国のうち13カ国で、日本の震災前の水準に株式市場は回復しました。今回の震災で、日本経済が世界に与える影響は軽微であり、投資家のリスク志向も回復をしたとマーケットが判断したと思われます。
戦後の史上最高値を更新した円高は、日本にとってマイナス影響の多いと思われますが、アジア諸国にとっては、震災の復興需要と合わせて、日本への輸出が増える要因となり、アジアの特にインフラ関係の株式は堅調に推移してきています。
私たちは、国内株式は割安であると考えており、投資のチャンスがあると思いますが、円高局面では海外投資にも多くのチャンスがあるのも間違いありません。私たちが投資を多く行っている中東市場も、3月に入ってからサウジを始め治安が安定している事から、値を戻し、年初来高値に近付く所まで回復しております。リビアやバーレーンの情勢が思わぬ形で飛び火しない限りは新興国株式も堅調に推移していくと考えております。
もう一点気がついたことは、震災後の月曜日、日経平均が1万円を割った日の東証一部の出来高は過去最高になりました。日本に不安を持ち、早く株を売り現金化したいニーズと、割安で買い増したというニーズが、どちらも激増した結果だと思います。
これは、震災後のマーケットは、確かにパニックになり投げ売りをした投資家も多かったかもしれませんが、同時に、安値で株式を購入するチャンスと、リスクを取る投資家も一定量は存在したということだと思います。
阪神大震災では、1995年1月17日に震災が発生してから、震災前の価格まで日経平均が回復するのは、11か月弱経てからでした。911テロ後のダウは、2ヶ月でテロ前の水準まで回復しました。パニックが落ち着くと共に、緩やかであっても、日本の株価が回復していくことを期待したいと思います。また、一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。
(岡村さとみ)
■プロフィール
早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/bouuowaeveクリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!
JUGEMテーマ:株・投資
JUGEMテーマ:ビジネス