このコラムでは、最新グローバル投資ということで、グローバル投資の最前線についてのシリーズです。本日は5回目で、個人投資家が海外投資をする際におすすめの投資商品、ETNについて書かせていただきます。
前回のコラムで、個人投資家の方が海外投資をする際には、ETFなど、手数料が安く幅広い市場をカバーできる商品を使って投資をすることがお勧めといいました。ETFは、「Exchange Traded Fund、上場している投資信託」の略になり、日本には120本弱のETFが上場しています。ETFは最近、新聞や雑誌にも取り上げられているので、だいぶ皆さんの間に浸透してきたと感じます。
さて、ETNという投資商品はご存じでしょうか?
ETNは、「Exchange Traded Note、上場している債券」の略になり、2006年以降とETFより少し遅れて米国で取引が急拡大した商品です。今年の5月に、国内第一号が東証に上場することが予定されています。
非常に似ているETFとETNなのですが、大きな違いは、実際に資産の裏付けがあるかどうかです。ETFを発行している証券会社は、実際にETFに含まれている各銘柄を購入しております。一方ETNは、指数とETNの価格が連動するように証券会社が保証をしているだけで、対象資産を購入する必要はありません。
そのため、海外の投資家に自由に売買が認められていない国の株やコモディティなど、ETFを組成することができなかった指数でも、ETNとして商品化することができるというメリットがあります。また、ETFでは実際の商品開発に半年かかることもありますが、ETNの場合は一か月もかかりません。その上、ETFより安いコストで提供ができるので、非常に注目されています。
しかし、注意しなければいけない点もあります。例えば、一番有名なETNは、英バークレーズ証券が出しているiPathシリーズです。
(http://www.ipathetn.com/action/home?investorType=pro)
このETNを保証しているのは、英バークレーズ証券です。バークレーズ証券が経営に行き詰まった場合には、投資家からの償還に応じることが出来なくなることもあります。英バークレーズ証券がつぶれることは今のところないでしょうが、ETNが沢山発行をされて、その後金融不安が起きた場合、ETNが保証されるとは限りません。裏づけの資産もないので、証券会社がつぶれた場合は、価値がなくなります。ETNを発行している証券会社の信用リスクには十分気をつけてください。
また、SPDRゴールドシェアのETFは、実際に現物の金に投資をしていますが、大証に上場している金価格連動上場投資信託(1328)は、金価格に連動するリンク債に投資しているので、いわゆるETNの一種になります。ETFとETNの違いを知らずに購入している方もいらっしゃるかもしれませんが、ETNを購入する際には、どこの証券会社が発行しているのか必ず確認するようにしてください。
(岡村さとみ)
■プロフィール
早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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前回のコラムで、個人投資家の方が海外投資をする際には、ETFなど、手数料が安く幅広い市場をカバーできる商品を使って投資をすることがお勧めといいました。ETFは、「Exchange Traded Fund、上場している投資信託」の略になり、日本には120本弱のETFが上場しています。ETFは最近、新聞や雑誌にも取り上げられているので、だいぶ皆さんの間に浸透してきたと感じます。
さて、ETNという投資商品はご存じでしょうか?
ETNは、「Exchange Traded Note、上場している債券」の略になり、2006年以降とETFより少し遅れて米国で取引が急拡大した商品です。今年の5月に、国内第一号が東証に上場することが予定されています。
非常に似ているETFとETNなのですが、大きな違いは、実際に資産の裏付けがあるかどうかです。ETFを発行している証券会社は、実際にETFに含まれている各銘柄を購入しております。一方ETNは、指数とETNの価格が連動するように証券会社が保証をしているだけで、対象資産を購入する必要はありません。
そのため、海外の投資家に自由に売買が認められていない国の株やコモディティなど、ETFを組成することができなかった指数でも、ETNとして商品化することができるというメリットがあります。また、ETFでは実際の商品開発に半年かかることもありますが、ETNの場合は一か月もかかりません。その上、ETFより安いコストで提供ができるので、非常に注目されています。
しかし、注意しなければいけない点もあります。例えば、一番有名なETNは、英バークレーズ証券が出しているiPathシリーズです。
(http://www.ipathetn.com/action/home?investorType=pro)
このETNを保証しているのは、英バークレーズ証券です。バークレーズ証券が経営に行き詰まった場合には、投資家からの償還に応じることが出来なくなることもあります。英バークレーズ証券がつぶれることは今のところないでしょうが、ETNが沢山発行をされて、その後金融不安が起きた場合、ETNが保証されるとは限りません。裏づけの資産もないので、証券会社がつぶれた場合は、価値がなくなります。ETNを発行している証券会社の信用リスクには十分気をつけてください。
また、SPDRゴールドシェアのETFは、実際に現物の金に投資をしていますが、大証に上場している金価格連動上場投資信託(1328)は、金価格に連動するリンク債に投資しているので、いわゆるETNの一種になります。ETFとETNの違いを知らずに購入している方もいらっしゃるかもしれませんが、ETNを購入する際には、どこの証券会社が発行しているのか必ず確認するようにしてください。
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早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。
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