JUGEMテーマ:株・投資
はじめまして、むらまめと申します。山本潤さん主催の手弁当勉強会に生徒として参加させてもらっております。今回は私も読者である「億の近道」にコラムを書かせて頂く機会を頂戴し、とても嬉しく思っております。まだ若造の拙い文章ですが是非お付き合いよろしくお願いいたします。
私は高校を卒業して大学受験に失敗し、約2年間スロプロをしておりました。スロプロとはスロットを打ち、生計を立てる人間のことを指します。そんなスロプロがどのように投資を考えているか、面白いのではないかと思い、今回書かせて頂きます。
■ギャンブルと投資の違いは?
みなさんギャンブルと投資の違いは何だと思われますか?過去何回も議論されてきたテーマかもしれません。私はギャンブルと投資の違いは役割の違いだと思います。
スロットはギャンブルで株式は投資です。ギャンブルは完全に利己的なゲームです。儲けたい、楽しみたいと思い、皆ギャンブルをします。ギャンブルの悪い面は、歯止めが利かなくなり、金銭面でのトラブルを頻繁に起こし、自分や周りの人生を台無しにする人や命を落とす人がいるということです。家族がいるのにスロットで借金を1億つくり、取り立てで散々な目に合われている方もいましたし、パチンコホールのトイレで首をつったというニュースを見たこともありました。
しかし、ギャンブルにも良い面があります。ギャンブルをすることでストレスを発散し、心の健康を保たれる人もいるということです。ストレスを発散することにより、心を病んで死に向かうのを防ぐ効果もあるかもしれません。スロプロをしていた時、仕事帰りのサラリーマンの背中を見たときには、なぜか勝ってくれ、楽しんで家に帰ってくれとよく思ったものでした。
株式は投資です。ギャンブルのように投資を行うことも可能ですが、私の尊敬するさわかみファンド代表の澤上篤人さんもいわれるように、投資は資本家としての役割を担うことができます。資本を流し、株を売りたい人にお金を提供し、企業に対してはオーナーとして支えることができます。ギャンブルにはそれらの役割はありません。それが、ギャンブルと投資の違いだと私は思います。
■投機か投資か
株式市場は自由で様々な価値観が存在していいと思います。デイトレーダーのように投機をするのも、データを検証しシステムを作ってトレードをするのも自由、ファンダメンルズ分析をしてリターンをあげようとするのも、会社のDNAや文化、歴史を調べて、何十年も投資するのも、ビジネスのオーナシップを持とうとするのも自由、色んな価値観が存在していいと思います。
しかし、ギャンブルでも株式投資でもそうですが、目先の利益にくらんで利己的になりすぎて、広く長く物事を考えられないと失敗することが多いと実感します。勝負の世界で長く生き続けている周りの方々を見ていても、利己的な考えを持つ人は少なく、利他的な考えを持つ方が多いです。
誰にでも苦しい時は必ずくると思います。そういう時でも利己は信頼を生まず、利他は周りから信頼され、応援されるのだと思います。当たり前かもしれないけど、自分のことばかりしか考えない人には誰も応援しよう、助けようと思えないのが人の性なのではないでしょうか?
繰り返しですが、株式投資には資本家としての役割を果たさなければいけないという基本原則があるのではないかと考えております。原則に従って行動することが長期にわたって、市場で生き残ることのできる術なのではないかと思います。基本的に経済、企業活動は毎日じっくり積み重ねていくもの、前進していくものだと考えています。人間は元来前進していく生き物で、失敗から教訓を得たり、毎日先輩の仕事を見て学んだり、仕事を学習して生産効率をあげたり、先人から得た知識や技術を生かし、更に工夫を重ねていったりするものだと思います。それが、経済や株式投資に対しての楽観的な見方となり、株式
投資を行う動機となるのだと思います。株式投資においてこのリターンを享受できるということは、為替投資などにはない株式投資の特権ではないでしょうか。
■パチンコホールと株式市場の相違点、類似点
パチンコホールと株式市場は全く違います。パチンコホールでのリターンは、人為的に決められます。株式市場でのリターンは、数多くの事象によって決められます。その事象の中には人為的なものや環境によるものも含まれると思います。
ただ、何かにベットするという意味では似ている部分があるかもしれません。また、その勝負を行う際、目先の結果に一喜一憂するのではなく、勝つために自分なりの一貫したフォームを持ち続ける必要があるという点は共通していると思います。その共通している部分を少しみていきたいと思います。
■スロットとはどういうゲーム?
スロットというのはパチンコホールにあるもので、コインを3枚入れてレバーを叩き、ひたすら当たりが出るのを待つというゲーム機です。
当たりはレバーを打つたびに機械内部で抽選されます。抽選に当選した場合、当たりの絵柄(777)を揃えることができ、大体決められた出玉を得ることができます。抽選に当選していないのにいくら当たりの絵柄を自力で揃えようとしても、機械内部でリールを制御し、揃わない仕組みになっています。
当たりの確率は主に6段階あり、より6に近い数字の設定の台が当たりの出る確率が高くなっています。台の設定は設定師(主に店長)という職業の方が設定します。この調節により、その店の出玉を調節し、客つきをコントロールするのです。設定の高い台は当たりの確率が高く、投入したコインよりも多くのコインが出るようになります。すなわち、出玉率が高くなります。
■スロプロの考え方
スロプロの基本的な立ち回り方は、
1)設定の高い台を探す。
2)設定の高い台を長時間打ち続ける。
というシンプルなものです。
なぜこういう戦略になるのか例題を元に理論的に説明していきたいと思います。
(例題)設定6の台を10,000回転稼動させた場合の収益は?
(補足)10,000回レバーを叩く場合、30,000枚のコインが必要。
仮に設定6の台は出玉率は130%とする。
出玉率を求める公式は、
【台から払い出された枚数÷台へ入れた枚数=出玉率÷100】
(解答)
この公式に代入すると、
台から払い出された枚数÷台へ入れた枚数30,000(枚)
=130%÷100
台から払い出された枚数=1.30×台へ入れた枚数30,000(枚)
台から払い出された枚数=39,000(枚)
手元に残る枚数は、
台から払い出された枚数39,000−台へ入れた枚数30,000
=9,000(枚)
等価交換*の店の場合9,000(枚)×20(円/枚)
=180,000円の収益となります。
*スロットは1,000円を50枚のコインに換えてゲームします。
コインを景品などへ交換する場合、50枚を1,000円に換えることを
等価交換といい、20円/枚。6枚交換だと約16.7円/枚。7枚交換
だと約14.3円/枚。一般的に交換率が不利になるほど高設定が多くな
ります。
私は出玉率は期待値、投入枚数は投資額と考えていました。
プラスの期待値なので、投資額にプラス分を乗じた9,000枚がリターンとなります。
期待値130%−100×投入枚数30,000(枚)=9,000(枚)
つまり、高い期待値の台(1)設定の高い台)により多くの投資額を賭ける
(2)長時間打ち続ける)ということがスロットのゲームのルールとなるのです。
私の場合はインターネットでデータを取り、前日に分析し、当日設定の高い台を探し、見つけると、ご飯も食べず、極力トイレにも行かずに打ち続けていました。運よく開店から高設定の台を掴んだ場合などは、朝の9時から夜の11時まで、何も食べずに打ち続けたものです。おかげで痔になりました。常に気をつけていたことはトータルで分のいい勝負をするということです。
■株式投資にあてはめると?
株式投資も同じように考えると、期待収益率の高い時に、多くの金額を投資すればいいというルールになります。
一般的に、期待収益率は今現在投資家がどれくらいマーケットにリターンを求めているかで決まります。下落相場で株価が下がっている時は、将来の不確実性が大きいと考え、高い期待収益率を求め、上昇相場で株価が上がっている時は、リスクが小さいと考え、低い期待収益率になります。
つまり、現在のような先を見通すことが難しい期待収益率の大きいタイミングで不確実性というリスクをとることができれば、大きなリターンを得る可能性があるということになります。
しかし、ただ、不確実性というリスクをとっただけでは、リターンは得られません。マーケットが期待している直近数年間のことはわからなくても、その先の確実性を認識する必要があるのです。
ウォーレン・バフェットはこの期待収益率をうまく利用することのできる不確実性の中の確実性を見つける能力に秀でた人物だと思います。結局は、確実性を見つけることができるようになる為にバフェットの言うところの「能力の輪を広げること」、地道に産業を勉強し、ビジネスを分析、理解することが必要なようです。
次回は、スロプロの裏話を交えながら、なぜスロプロから株式投資を始めるようになったのか、実際にウォーレン・バフェットを真似して投資した失敗例などをもとに書いていきたいと思います。
(むらまめ)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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