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マーケットを切る!(41)

JUGEMテーマ:株・投資


■今週のキーワード
“To know values is to know the meaning of the market” by Charles Dow.
株式、債券、デリバティブ市場での混乱も一段落。Position unwinding 及びその期待感から売られていたセクター、銘柄が反発、買われ過ぎていたところが調整。繰り返しになるが、日本市場に与えるインパクトは限定的。寧ろ、流動性重視の金融政策がプラス要因なることが多い。

New Japan Dream! :国税庁が16日発表した高額納税者リストが市場で話題になった。これまでの定石メンバーに加え6名の金融機関勤務者が入っていたことだった。
これまでサラ金、パチンコ、健康・美容産業、不動産関係、医療法人経営者、芸能人、同族会社会長、新規上場を果したベンチャー経営者、相続に絡んだ関係者中心だった。
マスコミの「サラリーマン?」が初の番付トップになったという表現には違和感があるが、ファンドマネージャーは、投資家、及び一般世間から見て「顔の見えない存在」だったのかも知れない。日本人版ビル・グロス(推定年俸50億円とも言われている)やピーター・リンチが登場できる時代の到来。最近の書店には「渋谷ではたらく社長の告白」(藤田晋著)ほかホリエモン関係の本が並ぶ。「拝金主義」という批判も一部にあるが、「官僚・国家公務員パラダイス国家」より健全だと思う。日本の個人金融資産の運用でリターンを挙げることは、経済活性化につながる。

砂上の楼閣‐Vast Majority of Imbalances(US):バブルとの闘い?
5月20日にNew York Economic Clubのランチオンミィーティング、主旨は「The impact of energy prices on the U.S. economy, the recent developments inthe energy and housing markets, and the consequences of China's possible revaluation of the Yuan」。
エネルギーと中国についての質疑応答は少なかったが、住宅・不動産市場について質問が集中。先週発表になった2005年1Qの米住宅平均価格(全米)+9.7%、$18.8万ドル。West:+16.9%, Northeast:+14.0%, Midwest:+7.8%,South:+6.6%。個別都市別では、radenton FL (Tampa Bayの人口5万人程度):+45.6%,Sarasota (FL):+36.0%, West Palm Beach (FL):+35.9%, Las Vegas (NV): +29.4%,Honolulu (HI): +26.0%, 全て対前年同期比で価格上昇。

1月17日のラスベガスのCES報告、5月9日付けのレポート紹介した通り、80年代後半の日本とほぼ同様の「投機」市場になっている。これまでスノー財務長官も「バブルではない」と発言を繰り返してきたが、今回、グリーンスパン議長は、”So we don’t perceive that there is a national bubble but it's hard not to see on that there is ? a lot of local bubbles and. And indeed even without calling the overall national issue a bubble, it's pretty clear that it’s an unsustainable underlying pattern” と発言。
”Irrational Exuberance” 96年12月に株式市場の「根拠なき熱狂」発言とは大きな格差がある。米不動産市場の「異変/ピークアウトから下落」への警戒感は根強いが、米、中国、東欧の不動産ブーム終焉はまだ見えない。

これらと比較して日本の不動産市況反騰は初期段階。今週の銀行決算に注目。

★1.Technology Insight/ 中堅ハイテク企業に回復の芽/局地戦アイディア
欧米景気減速感(アジアの輸出統計からも裏付けられる)からハイテク株全般には厳しい見方がコンセンサスとなっている。ヒストリカルデータ(対前年比比較)でのマイナス幅縮小傾向、停滞していた携帯端末、予想に反し比較的堅調なPC市場、そして秋口から量産が本格化するゲーム機(Xboxが10月)来年春にはソニーのPS3と任天堂の今秋の「ミクロ」と来年の「レボリューション」発売などへの関心も「今一つ盛り上がりに欠ける」というのが現在の市場での評価だ。水晶発信機メーカーへの需要回復(収益へのインパクトは繁忙期でも疑問の付くセクター)、グラフィクチップ製造のためのパッケージタイト不足感、イビデン(4062)や新光電気(6967)にとって好材料なのは明白。

他にも局地戦アイディアなら豊富にある。

電源スイッチ(産業‐民エレ):チップセット(インテル)が800シリーズから900シリーズ(915が主流、925も登場)DVDマルチ、大容量HDD(400GB以上)テレビチューナー搭載、大型液晶パネルの価格低下により、電源回路の肥大化が進む。日本で発売になったDellの最新モデルDimension XPS Gen4は電源定格出力が350W、液晶パネル20インチで約70W、PDPや大型液晶TVがCRT−TV以上に電気を消費することも珍しくない。小型大容量化が求められるスイッチング電源‐産業用、民生用とも規格変更と価格引下げ攻勢で厳しかったが、「新製品効果」無停電型や耐震対策型が期待できる模様。

コーセル(6905)Y2,770, 時価総額:570億円、PER:19倍、6月17日決算(5月期)予定。
デンセイ・ラムダ(6917)Y1,208 時価総額:260億円、PER:予32倍、5月26日木曜日に決算発表予定。
国内携帯/無線IP通信‐新日本無線(6911)Y908、時価総額:355億円、PER:12倍、4月27日に決算を発表。同社のマイクロ波ディバイスの受注動向は、国内ハイエンド携帯の先行指標。若干回復傾向現れる。

親会社の日本無線(6751)Y424、時価総額:585億円、PER:14倍、5月19日に決算発表、今期RP予:92億円(前期51億円、+80%増)は注目に値する。電気2重層キャパシター(日清紡、同社の筆頭株主19.3%と共同開発)。

★2.素材産業:上昇基調での露払い後、一段高の可能性も/経済成長という甘い蜜を捨てられない?
過去10数年間にも及ぶ日本の不況で化学及び、基礎素材のエクスパートの数は日本で極めて少ない。エレクトロニクス系の素材の分野には多くの投資家、アナリストの名前が並ぶが基礎素材となると極少数。
師匠のYアナリストは、業界出身。昨年秋から石油化学株はこの春まで堅調な動きであったが、世界景気の減速感、大手各社の今期減益予想、投機資金の資金流失により株価は再び調整局面入り。素材産業のプロが少ない日本市場は、海外動向(類似企業動向)を見ていかざるを得ないと筆者は考える。気の早い市場関係者の中には「再度不況の到来」を叫ぶ声もあるので多少反論したい。

アジアの石油精製能力増強を見ると、2001年:+1.4%、2002年:+0.2%、2003年:‐0.5%、2004年:+1.3%、2005年予+3.6%、2006年予:+1.5%、2007年予:+5.7% (豪、中国、インドネシア、日本、シンガポール、韓国、台湾、タイ、インドなど全て含む)。2007年の130万トンの能力増加計画、主としてインド、インドネシア、タイ、台湾の設備。2004年の設備稼働率推定は、90.5%。アジアの石油精製アナリストは、2006年ピーク時92.5%を見込んでいる。

多くの誤解:
素材産業には稼働率が一定水準を超えると急速に生産性が落ちる特徴があることは、市場関係者の中でどの程度知られているか疑問である(筆者も実はYアナリストに出会うまで知らなかった)。ガラスメーカーの収益が大きく振れるのもこういった背景がある。

類似アジア企業株価動向:Formosa Plastic (1301 TT)PVC, 化成ソーダ、ポリエチレン、アクリル、株価は、5月18日にNT$51.4、5月20日:52.4、Formosa Petrochemical (6505 TT)、石油・ナフサ精製、米Dow Chemical (DOW)5月16日に43.93を付け5月20日45.96(1週間で5%弱反発)BASF(BAS GR)は、4月30日に50.25を付け52.90まで反発。LG Chemical (051910 KS)も5月13日36100から37900。日本の石化(東ソー、三井化学、ダイセル、旭化成、トクヤマ)は、交易条件が優位にあり株価反騰の素地はある。

石油化学・川上の化学メーカーのCatalystsは、欧米亞(日本)の住宅・不動産、自動車、合繊(アパレル業界)に加え新興工業国のLiving Standardに影響される。世界的なリセッションが起こらない限りそれほど弱気になる必要もないと考える。世界的なインフレ基調に入りまだ3年目。「経済成長」という甘い蜜を容易に捨てられない。

リスクファクター、当局が「土地・不動産融資に総量規制をかけた時」は、即売りである。「90年代、日本の資産デフレ」による経済損失は、100兆円を遥かに超え、自殺者の数は、10年で30万人を超え、企業競争力の低下、犯罪率の上昇、社会の歪、日本の一人負け、トラウマが今尚多く残る。中国とアメリカ2つの超大国とLiving Standardの向上を政策課題にしている周辺諸国。 誰もブレーキを踏めない過酷なチキンレースに見える。

★3.Consumer & Service/Smart Life‐健康・スポーツ
前回の消費・サービスのところをもう少し掘り下げて見てみたい。東京の浮浪者に糖尿病患者が出るほど食生活は豊かになっている。日本の糖尿病患者は予備軍も含めると1,370万人、糖尿病を患っているのは、740万人。花王のヘルシア(売上規模100億円)を飲んで予防をしている人もいるようだが、基本的に「食べ過ぎ」と「運動不足」が原因。BMI:体重(Kg)/(身長メートル)の2乗で計算できるが、BMIが25を超えると糖尿病発症の確立が高まるといわれている。

健康志向の定着は、最近の新聞、雑誌、広告の数から見ても納得できるほどだ。昨年日経産業消費研究所が行った調査でも体重計、体脂肪計、体脂肪体重計、体組成計のいずれかを使っている人は、69.3%。理想の体重に近づける努力をしている人で最も多かったのは、「日常で歩く」が55.5%、年齢別では20代が45.2%に対し40代になると63.4%、「高カロリー食を減らす」36.3%、20‐30代では30%前後に対し40‐50代では40%前後から40%台後半に増える、「ジョギング・ウォーキング・散歩」が34.1%、「食事の量を減らす」が25.1%。年齢別では、20代から50代に上がるにつれて「取組みへの熱心さ」が上昇。

仕切り直しの好機:フィットネスクラブの会員数では60歳以上の会員数が大幅に増えている、コナミスポーツ(4643)、セントラルスポーツ(4801)、ルネサス(2378)の60歳以上の会員数は、2004年3月期には3社合計で15.6万人、5年で3.8倍、50歳以上の会員数は30.8万人で同2.6倍。
業績:各社とも積極出店、シニア層を狙った結果皮肉なことにオペレーティングコストの上昇、シニア対応の施設費用、維持コストの増大で、会員減少、値下げ競争沈静化という好材料を打ち消してしまった。

株価‐過大期待剥がれ、ReasonableなMultipleへ:2003年に各社株価底入れ、会員数の減少に歯止めがかかり、シニア層の健康ブームにのり株価上昇したが、平日の朝から込み合うようになり、インストラクター不足、調度品の高級化、清掃コストなどオペレーションコストが増加。各社業績モメンタムは皮肉にも低下したころから各社52週安値を直近つけた。過大な成長期待が剥がれ、各社スタジオメニューの見直し、インストラクターの社内育成(人材育成)により営業利益率の回復基調を保った決算に着地できた。更に、昨年はオリンピックを材料に株式市場で妙なプレミアムも剥がれた。

コナミスポーツ(4643)Y1,773、52週安値:Y1,742(5月18日)時価総額:501億円、OPM:5.7%、今期予想PER:35倍、3社で最も高い。今期予想増益率:+17%
セントラルスポーツ(4801)Y1,910、52週安値:Y1,912(5月18日)時価総額:211億円、OPM:5.9%、今期予想PER:24倍、今期予想増益率:+13%
ルネサス(2378)Y1,433、52週安値:Y1,415(4月15日)時価総額:286億円、2003年末に上場、OPM:8.7%、今期PER:22倍、東急スポーツオアシスと相互利用提携、JR東スポーツと首都圏で相互利用提携、これまでの利用者の「飽き、マンネリ化」を払拭、無理な出店を抑える施策を打ち出した。PER:22倍。今期増益率予想:+23%増

各社ともコスト管理強化、シニア層への談話場所の提供、飲食物、サプリメント、ヨガなど費用対効果のあるプログラムの充実、健康器具の販売(健康マットなど)など「地」についた収益目標を掲げており、改装、出店費用一巡より各社増額修正が期待できそうである。
自然堂(2340)(ジネンドウと読む)Y2,970、時価総額:54億円、PER:21倍、
天然温泉、アリサカ(2328)Y999、時価総額:43億円、PER41倍など温泉、スポーツ、ゲームセンターを運営するような施設も登場。

★4.ヘッジファンド:
先週ご紹介したヘッジファンドの話題の続き、過去15年弱でヘッジファンドの運用形態は大きく変化した。Hedge Fund Research社のデータ(同社集計)を見ると、1990年、同社がモニターしていたヘッジファンド業界全体の運用資産額:390億ドル、71%がマクロ型、11%がアービトラージ型、株式型は僅か5.3%、DistressedやEvent型、が6.2%だった。
2004年のデータでは運用額が$8,900億ドル、アジア危機、LTCM危機、ITバブル崩壊、9.11事件を乗越えアセット規模が15年で23倍にまで膨れ上がった。富裕層と一部の機関投資家、パートナーが主体のヘッジファンドから、ファンドオブファンズ(個人の資金、一般の年金基金、事業会社の余資運用資金)など規模も資金の出し手も大きく変化した。運用スタイルも大きく変わった。株式型が29.7%、全体の1/3を占め、アービトラージ型が19.0%、DistressedやEvent型が17.8%、マクロ型が僅か11.5%、残りを債券型:7.3%、その他14.7%、運用資産額が米株式市場並みに膨れたことからSECが登録義務制を導入。ヘッジファンドの正確な数は分からないが、知合いのコンサルタントによると
約1万、米投信の数を遥かに超え資産規模も投信を抜き去り、マーケットインパクトは、各国の市場当局者が気にするくらいにまでになった。多額の運用報酬が話題になる一方で、リスク管理、データベース化(運用スタイルや特性を知ることができる)が進み一般投資信託並みのコストと手間がかかるようになったという指摘もある。

セルサイドも売買回転率の制限が殆どないヘッジファンドを上顧客として扱い、専属の担当者を置くところあると聞く。Action orientedサービス?も随分多いと聞く、例えば、昨年春にシーゲート(STX)の在庫が膨らんだ際、「TDKとアルプスは売り」というセールスコールを間接的に聞いた。しかし、TDKもアルプスもシーゲートにはHDDヘッドを納入していない。STX固有の問題(販路が十分でなかったことや大手PCメーカーで認証が遅れた)だったにも関わらず、安易なセールスコールや発想も時々耳にする。経験の長いベテラン、相場のノイズをリターン/リスクに採りこもうという積極的な発想もあり、市場関係者にとってヘッジファンドは憧れの的とも聞く。

空売りの出来るヘッジファンドが常に優位とは限らない
LongポジションよりShortポジションで損をすることもあり、株式Long&Short型だとリスクをニュートラルにするために同一業種内で買いと売りと両建てが常套手段。Short Squeeze, Liquidity trap(売りたい時に売れない)は、オカルト映画の比ではないとあるベテランMgrは教えてくれた。一時、日本市場でヘッジファンドを市場の悪と指摘する当局者や市場関係者がいたが、今、そんなことを言う人はいない。日本の運用業界から桁違いの億万長者の登場は大歓迎。

(菊川半蔵)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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