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マーケットを切る!(43)

JUGEMテーマ:株・投資


■今週のキーワード
“The measure of success is not whether you have a tough problem to deal with, but whether it’s the same problem you had last year” by John Foster Dulles (Secretary of State under Eisenhower, 1888-1959).

★Euphoriaの終焉か:
仏と蘭がEU憲法批准を国民投票で否決されユーロ(対ドル)1週間2.9%下落、対円で52週最安値131.72(昨年末139.10、この1ヶ月間で約6%円高、ユーロ安)EUの構造問題(グローバル化の波、失業問題、安価な輸入品流入、産業の空洞化、社会保険・年金問題、富の偏在化等)が急浮上。
2002年末にユーロ・ドル、1.00から04年12月末に1.3554にまで上昇(ユーロ・円では124‐140)。統一通貨、制度、米国を上回る経済圏、labor mobilityの拡大期待が生み出したユーロバブルに転機が訪れた。
Italian Welfare Minister Roberto Maroni, a member of the Northern League party, suggested Friday “reintroducing the lira” 地域格差が広がり、通貨統合とEU拡大による弊害、保護貿易導入に向けての動きが顕在化しそうである。ユーロ安とEUの保護主義、ポートフォリオの調整は懸念されるが、悪材料ばかりではなさそうだ。

Behavioral Finance Part 2, The Future of Success「勝者の代償(日本語訳)」by Robert B. Reich(ニューエコノミー論を書いた著者)
90年前後を境にグローバル化、IT化の波が押寄せ社会的な不安定現象が先進国の共通の問題となっている。この著書の中で21世紀(ニューエコノミー時代)を生き抜くための2つの資質が書かれている。ライシュ教授は「変人」と「精神分析家」という2つの資質をあげている。

言い換えると才能と世の中を見通す力である。「変人」とはある特定の媒体において新しい可能性を見つける能力を持ち、限界を検証し、新しい問題点を発見しそれを解くことに喜びを見出すような人と定義している。「精神分析家」とは他の人々何を求めているか、市場の可能性を的確に把握する能力をさす。これら2つの能力が適度に身についていないとニューエコノミー社会で地位を確立するのが難しいと指摘している。各業界の中で一風変わった人や預言者的な人が活躍しているのもこの能力のおかげ。

今の日本社会・市場を見ると、90年代後半に「終身雇用、年功序列」というフレームワークが崩壊。戦後約60年間に機能していた「日本独特の常識」が揺らぎ、政治、経済、文化、芸能に至るまで大きな変化が起きている。小泉総理、竹中平蔵大臣、ホリエモン、村上ファンド、韓流ブーム、萌銘柄、M&A旋風の現実化、宮里藍旋風に至るまで、10年前の「常識」では考えられないことが起こっている。今後も、堀江貴文氏の著書「儲け方入門(PHP)」にある「誰もがダメだと思って手を出さないことに手を出す」と明言。この夏にも新たなサプライズを示唆しているが、日本にも奇才をもった「変人」「精神分析家」が豊富に存在し、巨額の富を生み出していることに世界の市場関係者は、まだ十分に消化できていないように思う。今後、医療制度改革、公務員削減、巨大な公的機関の規模縮小も現実化しつつある。

マスコミのヘッドライン分析、例えば「500万円で3億円を稼いだ」株式投資の成功例、株式投資経験の浅い評論家が持て囃される事例を見ていると明らかに東京市場も5合目を過ぎた感はあるが、頂点に近いところは、常に「熱狂」が起こる。まだ其処まで達した感はない。
通貨アロケーション:拡大EU(米国以上の経済規模)に対する信頼、2000年のITバブル崩壊以来続いてきた「強い通貨」に対する信頼が揺らぐ可能性がある。本格的な夏休前に、通貨ヘッジ、アロケーションの変更(ドル、円、ポンドなどにシフトバック)の可能性もある

日本に10年遅れで到来したEUの構造問題:硬直した雇用契約、週48時間労働、企業年金積立過不足、社会保険制度の見直しが迫られるなかで、ドイツの失業率が10%(失業給付の方が雇用されるよりも待遇がよいケースなども発覚)、未発達な直接金融、コーポ‐レートガバナンス改革など一部の国で遅れが目立つ。EUのグローバル企業は、旧東欧、中国・アジアに進出。何処かで起こったことによく似ている。大陸特有の問題として大量の不法滞在移民、民族紛争、地域間格差の拡大などがあげられる。

グローバルポートフォリオの見直し:ユーロが弱くなり、競争力回復という視点からは大きな資金移動があるとは考え難いが、一部、通貨が強くなるドル、円、アジア通貨建ての資産シフトは起こるだろう。

日本株式市場へのインパクト:マクロ要因を重視するファンドであれば、ユーロ地域での収益規模が大きく、EU企業とアジア、米国での競争関係が変化しそうな銘柄を入れ替える可能性がある。小森コーポ(6349)、マツダ(7261)、日本ビクター(6792)、コニカミノルタ(4902)、マキタ(6586)欧州向けが好調だっただけにユーロ高はマイナス、一方ユーロ高で悪影響を受けていた日立造船(7004)、大塚家具(8186)にとっては好材料視される可能性もある。

★1.Technology Insight/ Good & Bad news-局地戦続く
HDD市場に一部飽和感広がる‐第一幕終焉目前、一部に過剰在庫リスク高まる。6月3日にアップルコンピューター株が1日に‐4.6%下落。一部に過剰在庫説、バッテリー駆動時間表示に関する問題説(通常のiPodで12時間とあるが、ユーザーの一人として感じるのはその半分以下か)そして競合品が相次ぐ。

IPod ファミリー:iPod shuffle 1GB 240曲、最長12時間、22g、表示価格:16,980円、iPod mini:6GB、1,500曲、最長18時間、103g、27,800円、iPod:20GB 5,000曲、12時間、158g, 32,800円、iPod photo:60GB, 15時間、183g、49,800円、大手量販店で1割強安く買える他、ソニー、東芝などの競合メーカーが相次いで参入。アップル固有の競争力についてはフォローしていくが、携帯端末がMP3プレーヤーとして普及しはじめており、HDDプレーヤーへの過剰期待はややリスクが高い可能性がある。この夏に2GB、4GBの容量を持ったフラッシュメモリー搭載型のiPod shuffleが登場する予定。HDD対NANDフラッシュメモリーの競争(重量、容量、駆動時間、価格等)は今後も続く。4−6GBのところはNANDフラシュに有利と筆者は見ている。フラッシュメモリー価格が下落にある。1G:128*8で8.04ドル、この1ヶ月間で-5%価格が下落、12ヶ月間で-45.3%。サムソンはDRAMからNANDフラッシュにシフトしている模様。中長期でHDD対NANDフラッシュの競争は続くが、昨年4‐6月をボトムに上昇してきたHDD関連株(TDK、ニッパツ、黒田精、HOYA、他)は第一幕を終了。

第二幕は、動画対応に迫られ更に大容量化、省エネ化が進んで登場する模様だ。一例としてソニーが発表(6月26日発売予定)したポータブルAVプレーヤー「HMP‐A1」3.5インチ320*240の液晶パネル、TVやPCとのインターフェースを持ち、PCにダウンロードしたテレビ画像を持って歩ける商品。MPEG4を使えば35時間分のTV番組を持ち歩ける。20GBのHDD、連続使用6時間、ハードディスクマルチプレーヤーの登場。値段が6万5,000円程度になる見込み。HDDの活躍の次の主戦場は、動画の世界。

インテル‐6月9日Quarterlyアップデート:
4‐6月売上、コンセンサス売上、89億ドル、EPS:28セントに対し、足許のPC出荷上振れ。Dualコア(945, 955などのチップセット)投入前に845、915などのチップセット(シングルコア搭載)などの在庫減らしに加えLCDパネル価格、DRAM価格下落でセットメーカーにとって利幅が期待できる状況。NPDデータからのSell-throughデータでは、ノートPCの販売が4月は、+40.3%増(対前年比)ASPは12.7%ダウン、$1,207平均。デスクトップは+1.6%(同)、ASPは‐7.6%ダウン。インテルにとって比較的単価の高いペンティアムモバイルMなどのプロセッサーが売れていることはプラス。Dualコアにシフト加速するために2005年設備投資、$56億を引き上げるかどうか再度注目される。パッケージ調達
に同社は、日本、韓国メーカーを訪問した模様だが、満足の行く数量確保が出来たかどうか疑問。各社とも稼働率が上がっているが、過去の反省から新規投資は慎重。台湾のNanyaやASEがどう動くか探ってみたい。

無線LAN/802.11b、802.11gベースのブロードバンド、携帯通信も夢ではない:既に1.7GHz帯(無線LANも活用)で携帯市場参入を表明している企業もあるが、さらにPowered Comと共同で無線LANをベースにブロードバンド、場合によっては音声通話もできるような試作を試みている企業も出てきた。実現すれば、村田製作所(6981)、メルコ(6676)、岩崎通信(6704)、双信電(6938)、ビーマップ(4316)アルプス(6770、モジュール)などにプラス要因となる。日本でホットスポットが、一部のマスコミの報道でコールドスポットになってしまっただけに期待したい。

ゲーム機とダブルチューナー/小型デジタルチューナーで注目できる企業‐アルプス(6770)とミツミ(6767)、今年秋から来年春にかけてゲームハード機が相次いで投入される。ダブルチューナー機能(一方でTVの録画、一方でゲームの画像を投影する機能)の有無。部屋の狭い日本でブレークしそうなテレパソ(PCとTVが一体になった製品)には、ダブルチューナーやデジタル放送受信機能を求めるユーザーの声は増えつつある。ワンルームや1LDKなら、「テレパソ」は使い勝手がいいかも知れない。携帯端末のTV画像取り込み、小型モバイル機器(前述のソニーのAVプレーヤー)などもTV機能が一つの売り込みになっている。上記2社は、高周波部品・ディバイスで先行。任天堂DSには、ミツミのMPUも搭載されている。

★2.素材産業:石化学、鉄・非鉄、内外企業の株価一進一退の状況

★3.Consumer & Service/情報収集中‐ネタは多いが切り札絞り込みが課題か
昨年秋から今年前半は、不動産、サービス、金融を中心に調べてきた。昨年に続きLuxury goodsについても時期を見てフォローしたい。人口動態の変化、世代間に存在する消費・サービスに関するセグメンテ‐ションなどもある程度調べがついた。今週は、最近、調べているネタの概要について少しふれてみたい。他にも、面白そうなネタは、沢山あるがまだ集積度が思うように上がってこない。

===
1.ネット・コンテンツ・サービスの銘柄。混沌としていたネットサービスビジネスも金融、消費、趣味・娯楽などTVの存在を一部脅かす程の存在になってきた。一般情報メディア・娯楽に甘んじてきたTV業界は、オンディマンドコンテンツ放送(TV放送業界が不得意な分野)に引きこまれつつある。市販DVDが500円(製作されたのが50年以上も前の作品)で販売され、レコーダーに保存されたTV番組は再生時には広告カット機能で時短と手間が省かれ、TV広告主から見れば、既存のラジオ・TVに依存していては賢明な消費者へ商品・サービス提供ができなくなるという危機感が芽生えてきている。効果的
に企業の知名度、商品・サービス提供頻度を高めるにはどうするべきか企業のマーケティング部門関係者は、これまでの「広告のあり方」を問い直しはじめている。
電通(4324)、博報堂(2433)、キー局を中心としたメディアネットワークの弱体化は既にはじまっている。新聞を購読しない若者世帯も珍しくない。ダウンロードした情報を携帯端末に入れて通勤途中にヘッドラインだけを見る手法は一部の「オタク」の技ではなくなりつつある。

2.スタグフレーションと小売業態:ウォルマート(WMT)の不振。YTDで‐10%の下落、既存店売上も1桁台前半を維持するのが精一杯。一方、ニーマン・マーカス、Neiman Marcus(NMG/A)の業績・株価とも堅調、YTDで35%上昇、同様にノードストローム、Nordstrom (JWN)も同様にYTD:+35%、中流プラスαの世帯を対象とするフェデレーテッド(Bloomingdale’s, Macys,等) Federated Department (FD)は、+17.5%。GAPなどカジュアル系が不振。一方、Talbots (TLB)は、健闘。メンズでは、The Men’s Wearhouse Inc (MW)が好調、アメリカ版青山商事とも言える会社、米国44州とカナダに400店のネットワークを持つ。子供用ではChildren’s Place (PLCE)も消費者と株主に支
持されている。靴では、Payless Shoesource Inc (PSS)。必ずしも高価格帯の店ばかりが好調でもなく、価格訴求力、買物客を引きつける創意工夫を行ってる会社が好業績、高株価パフォーマンスを示している。これから日本の会社を調べるが、大株主移動があった西松屋チェーン(7545)予PER:14倍、YTD:‐21%、5月の既存店売上は+2.2%(前年比)6ヶ月ぶりのプラス転換。グロース系からValue系に変わったのかどうか調べたい。日本の
専門店、SC(ショッピングセンターの中核企業として)出店要請がかかっており、費用対収益をどのように精査する模様。

3.ドラッグストア/米ウォルグリーンとは異業態?
最近、長年悲願だったドラックストアの経営者に会って大変落胆した。日本のドラッグストア業界を個々まで大きくした功績は認めるものの、大型M&Aには今一つ躊躇気味。ネットコンテンツの経営者やホリエモンに会った後だったからかもしれないが、気迫はまったく感じられない。また行政の壁も大きすぎる。米Walgreen (WAG)$45.9, PER:29倍、YTD:19.5%、過去5年間NP成長率が17%。調剤薬品の売上比率が60%、粗利が27%、OPMが5.7%、日本のドラッグストア大手と比べてそれほど利益率に差があるとは思えない。調剤薬局ビジネスが日本でもう一段規制緩和されるべきだろう。今年の夏の医療制度改革、混合診療制度、OTCドラッグの取扱い枠の拡大などに期待したい。

(菊川 半蔵)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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