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ベストブライダル(2418)の分析

JUGEMテーマ:株・投資


 時価総額は330億程度でそれほど大きくありませんが、逆に同業他社の中でも成長余地が大きく期待できる企業です。

■ サマリー

 当社は、ゲストハウスウエディングと呼ばれる結婚式を手掛ける企業です。ゲストハウスウエディングとは、今までのホテル、結婚式場での挙式とは違ったスタイルで、邸宅(ゲストハウス)を貸しきって開かれる挙式です。
 式を挙げるカップルは、自分達の大事な家族、お客様、友人を貸し切った邸宅に招き、食事をしていただきくつろいでいただくのです。

 ベストブライダルは、そのような空間(チャペル、ゲストハウス)、自前のシェフによる食事を提供する企業です。

〓ビジネスモデル等〓

まずは施設を保有しなければ、ビジネスが始まりません。
そのような意味では、装置産業だと言えるでしょう。
05年12月現在、彼らは8つの施設に22のゲストハウスを保有しています。
(多くの施設は、マルチゲストハウスで展開しています。)
投資額は1ゲストハウスあたり、大体5.5億〜6億円です。
(同じゲストハウスだと顧客が飽きるので、定期的に(約3年)リモデルを行っています。その費用は、1ゲストハウスあたり3000万円〜5000万円です。)

先行投資が大きく、建設当初は減価償却費が嵩み利益を圧迫しやすい格好です。
当たり前ですが、常に高い稼働率を維持する必要があります。

今までの投資は、すべて彼らのバランスシートで賄われています。
SPCは使っていません。彼らのバランスシートがライバルと比較して悪く見える理由はここにあります。
(有利子負債70億円、自己資本比率24.2% 05年12月末)
しかし、当社は今年もしくは来年にSPCを設立することを決めました。
見た目上のバランスシートは、オフバランス化により将来的には改善するでしょう。

彼らの事業セグメントは、1)国内事業、2)海外事業の2つに分かれます。
国内事業は全体売上の78%を稼ぎ、利益の開示はありませんが、私の予想ですと90%程度の利益は稼いでいると考えられます(05年12月期)。
海外での挙式は、比較的少人数で開かれることが多く、挙式数の割りには売上が立ちにくい。手間の割りには利益貢献はないだろうと考えています。

それでは、具体的な数字を見ていきましょう。
今期(06年12月期)の会社計画は下記のとおりです。

〓06年12月期 会社計画〓〓

(百万円) 売上     経常利益    純利益   EPS
1Q    3,400   −200
2Q    6.200  1,070
3Q    5,200    500
4Q    7.700  1,530
トータル 22,500  2,900  1,450 35,539

挙式の業界は季節性があり、毎年1、3Qの業績は弱く、逆に2,4Qは強い傾向にあります。当社が、四半期ごとに会社計画を出した理由は、この季節性を正しくマーケットに理解してもらうためでもあります。

〓06年12月期の前提〓

             (上期)       (下期)
            1Q   2Q   3Q   4Q
1)単価            昨年と同じレベル
2)挙式数
   国内         2,000    3,000
   海外         1,400  2,200−2,300
3)稼働率            72%−75%
4)新しいゲストハウス数 4    4    3    0

06年12月期の会社計画はとても保守的だと考えます。
理由は、下記の5点です。

1)1月の段階で、すでに今期計画の62%のオーダーを完了しています。
  (前年は、1月で54.4%だった。)
2)足元の単価は若干ではありますが上昇傾向ですが、横ばいで計画してます。
3)新しいゲストハウスでの挙式数を保守的に見積もっています。
4)コストダウンを計画に織り込んでいません。
5)税率を50%と、保守的に織り込んでいます。

経営陣の認識といたしましても、この会社計画は保守的なものと考えているようです。

〓足元の状況〓

売上、利益ともに会社計画線で推移。
新しいゲストハウスの建築も計画線で進んでいます。

〓中期経営計画〓
        売上  経常  純利益   新GH 設備投資 減価償却
06.12予 225億 29億 14.5億  10  60億   8億
07.12予 280億 40億  20億    9  50億  11億
08.12予 320億 50億  25億    6  40億  13億
GH=ゲストハウス

この計画によりますと、利益成長をそれほど見ていないことになります。
(やはり、税率も50%で保守的です。)
しかし、私はもしこの売上計画が達成されれば、減価償却費の増加を織り込んでも、利益的にはもっと上にいくと思っています。限界利益は35%前後だと考えられますので、経常利益はそれぞれ10〜15%程度上にいくと思っています。更に、税率を調整すると純利益は20〜25%上にいくでしょう。

〓挙式の市場規模〓

ゼクシィによりますと、2005年の市場規模は2兆円。
ここ数年、市場規模は大きく変わっていないようです。

しかし、ベストブライダルの業績成長を考える上で、挙式市場全体が成長することを望む必要はありません。ただ、挙式の中でのハウスウエディング比率が上がればそれでいいのです。ハウスウエディング比率は、この2年で2.2倍になっていますが、まだまだ全体に占める割合は低いものです。

     ホテル・挙式場比率  市場規模
FY03  68.0%    1兆3600億
FY04  63.8%    1兆2760億
FY05  63.3%    1兆2660億

     ハウスウエディング比率  市場規模
FY03   6.5%      1300億
FY04  10.0%      2000億
FY05  14.7%      2900億
(ゼクシィ)

ホテル、挙式が減少傾向にあり、ハウスウエディングの比率が上がっているのが確認できます。ゼクシィによりますと、ハウスウエディングを望むカップルは70%以上だそうです。これを踏まえますと、このトレンド、「ホテル、挙式場からハウスウエディングへのシフト」は今後も続くと考えます。予算等の関係もあり、ハウスウエディングを望むカップルすべてが、シフトするとは考えませんが、大きな需給ギャップがあると思います。これは、ベストブライダルにとって非常にポジティブなのではないでしょうか。

■ 競合状況

挙式業界には、大小あわせて2850社程度が存在しています。
ただ、売上高が10億円を越える企業は、この中の8.5%程度です。
さらに、ハウスウエディングに特化している企業はもっと少なくベストブライダル以外には、テイクアンドギブニーズ、ラビス等があげられます。

この業界は設備産業で、参入障壁をあえて言うなら1)資金力、2)オペレーション能力でしょうか。
もし、既存の挙式業者がこの業界に参入したとしても、まずは減価償却費が収益を圧迫するでしょうし、オペレーションも簡単にはいかないでしょう。さらに、ハウスウエディング専業ではありませんので、投資対象としては面白くないものになってしまいます。

投資対象としては、やはりピュアプレイヤーの方がおもしろいと思います。
もちろん、大前提としてバリエーションが魅力的である必要がありますが。

■ 経営

1995年に塚田社長が設立し、1998年にゲストハウスウエディングをスタート。1999年から2005年の間に、売上を7倍に、経常利益を14倍にしました。
去年は、新ゲストハウスのオープンが遅れたことにより下方修正を余儀なくされましたが、その後の投資家や市場に対するメッセージはいつも保守的になったと感じています。(今のところは、今期のゲストハウスのオープンに遅れは見られません。計画線で推移しています。)

■ 財務

自己資本比率が24.2%、有利子負債も高水準です。
レバレッジがかかっていることから、ROEは25.1%と高水準ですが、バランスシートはいいとはいえません。
フリーキャッシュフローも赤字が続いています。

ただし、継続的な黒字とSPCの設立によるオフバランス化で今後のバランスシートは改善傾向になると考えています。フリーキャッシュフローも再来年あたりから、黒になるのではないでしょうか。

■ バリエーション

株価        ¥808,000
EPS 06.12 ¥ 42,926
    07.12 ¥ 60,487
PER 06.12   19倍
    07.12   13倍
成長率        15%
PEG        1.3

〓ポイント〓

1)ゲストハウスウエディングへのシフト
2)ピュアプレイヤー
3)収益性
4)保守的な会社計画
5)バリエーションが魅力的
6)きちんとカバーしているアナリストが少ない(いない?)

■ リスク

新ゲストハウスのオープン遅延。

(注:このノートは、約1ヶ月前に執筆されたものです。株価は除く。)

(佐藤 貴士)

<スローガン>
仲間と共に理想社会への投資をはじめよう!
−投資活動によって理想社会を実現する−


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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