<< 億の近道2006/04/21 | main | 億の近道2006/04/24 >>

知って得する先物取引(7)

JUGEMテーマ:株・投資


■リスク限定取引仕法――サヤ取り(裁定取引)■

 とうとうNY原油が史上最高値を更新しました。
 金は中国の上四半期のGDP10%のニュースに加え、投資用需要が牽引役となって850ドルも視野に入る様相となっており、まさに商品は50年に一度あるかないかの大相場となってきております。

 価格が上がっても下がっても利益を得ることのできる先物取引は、小額の資金で大きな利益が取れる一方、思惑と逆に相場が動いた時には大きなリスクも生じることはご理解いただけたと思います。エネルギーの様に値動きの激しい商品においてはこの傾向が顕著ですので、買い、または売るだけでの相場の参加の仕方にはリスクが伴いがちとなります。

 そこでリスク限定の取引仕法としてあるのがサヤ取引です。
 これは、割高と思われる方を売り、割安と思われる方を買うという行為を同時に行い、値開きの具合をみて同時に仕切ることによって利益を得る取引手法のことで裁定取引とも言われます。

 少し、復習しながらお話しましょう。先物取引では、商品に対しての受け渡しの時期ごとに別々に値段がつけられており、これを限月(げんげつ)と呼びます。限月とは取引が最終的に決済される「期限の月」の略でしたね。
 石油製品は、需要期、不需要期といった季節的要因が大きいことから、各限月に個性があります。
 また、長期的に見ますと、順サヤ(先に行くほど高い)つまり需要期限月が先にある、例えば灯油では冬場になります。また、逆サヤ(先に行くほど安い)ガソリンでは5月から夏場にかけてが需要期になります。さらに、逆サヤから順サヤへの移行期、その逆といったことを考慮して売り買いを行わないと、相場が逆に行った時に大きく損をします。
 サヤとは各限月の値開きを言います。

 具体的に限月間及び異種(ガソリン・灯油)のサヤの変動を利用して収益を追及する取引手法をご案内致しましよう。

 限月間のサヤの例は、例えば4月17日のガソリンの値段は
1番限 (当限)は5月限で 66750円
2番限     は6月限で 65790円
3番限     は7月限で 66700円
このように先物の10月限まで値段があるわけですが、
この場合のサヤは5月限と6月限のサヤ開きは5月限>6月限960円割高、次の6月限と7月限では6月限<7月限910円割高となっています。
ちょっと見ただけでも6月限が不自然に割安であるのがわかりますね。
翌日にはこのサヤは 5月限>6月限 540円、 6月限<7月限 390円と値開きが変化(サヤ修正)がされました。
 このようにサヤ取引の基本的な考え方は、先物市場のサヤの形状に注目し、限月間のサヤに歪みが生じた時を捉え、サヤから見て、割高な限月を売り、割安な限月を買うということです。この場合は6月限を買って、7月限(たとえ需要期であっても)を売るというポジションを取ればよかった訳です。

 また、ガソリンと灯油のサヤ取引の場合は、各限月の個性も知らなければなりません。また、売りと買いをほぼ同時に仕掛け(=両建て)、同時に決済することを前提としておりますので、時には、片方は利益を得、片方は損を出しますが、相殺して利益を得ることを前提としております。

 ガソリン、灯油の季節的要因については「限月間のサヤトリ」の各限月のポイントを知ることが大事です。
詳しくは、トレーダーズショップで、7ヶ月に亘り、売上2位となっている下記のパンフレットを参照して頂けたらより、お解かりになると思います。
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9900000016891

 ガソリンと灯油のサヤ取引は、需要期が異なるため、そのサヤのゆがみが理解しやすいものです。しかし、その変動要因を把握しておかねばなりません。
暖冬になれば灯油は値下がりしますので、冬場においてさえガソリンより灯油価格が安くなったこともあります。

主な変動要因としては、

◎ガソリン・灯油共通
 NYMEX原油期近の値段
  ※NYMEXの価格変動要因
 週間在庫報告、地政学的リスク、石油製品価格、天然ガス価格、ファンドの動向、中国、インドの需要、OPECの動向(バスケット価格)

◎灯油
 生協値決め価格
 冬季の長期天気予報(灯油は15度以下で利用される)
 輸出ドライブ(灯油は荷余りした時はアジアに輸出できる商品です)
 積み増し限月(備蓄期)
 原発事故等による重油生産
 週間在庫報告

◎ガソリン
 国内製油所の事故(今週、千葉の製油所事故でガソリンが暴騰しました)
 毎年5月にかけては製油所の定期修理の時期でこの頃事故が起こり易いのです。
 カークーラーの需要(帰省シーズンが冷夏になるとガソリン価格は下がります国内在庫報告、等々あります。

 いづれにしても、じっくりと日々の値動きを見ながら同時に仕掛け、同時に手仕舞うことが大事です。投資家は往々にして、利益の乗った方をまず手仕舞いして、下がっている方を中々損切りできず損を拡大してしまう傾向があります。利益と損失を相殺して利益を確保する、リスク限定商品であることを忘れなければ、大きく損をすることが少ないのです。

 これらの変動要因の情報やサヤ取りの詳細は弊社でもサービス提供を行っておりますので、ご興味のある方はご参照下さい。
ベーシック http://com.nsnnet.jp/service/srv_bsc.htm
サヤ取り  http://com.nsnnet.jp/service/srv_syt.htm

 エネルギーは全ての商品連鎖を起こすと申しましたが、原油価格の高騰により、代替エネルギーが盛んに開発されておりますね。燃料用電池は開発に時間とコストがかかるため、今、エタノールが第一番に上げられています。
 エタノールは何からできるのか。そう穀物からなのです。それゆえ、穀物相場もこの影響を受けているのです。
それは次回にお話しましょう。
次回からは美人主任研究員の執筆になりますのでお楽しみに。

元吉和雄

<筆者について>
元吉 和雄
商品相場歴35年。全国の商品取引所の日報(新聞)を発行する会社に記者として入社し、社長、会長を歴任。現在、ネット上で商品に特化した情報ベンダー、(株)日本先物情報ネットワークの社長を務める。商品全般に通じ、セミナーを通して、営業部員、顧客へ商品取引の啓蒙を行っている。

株式会社日本先物情報ネットワーク
http://com.nsnnet.jp/

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>
selected entries
mag2year2016_0000020640_asset-stock_200x200.png mag2year2016_0000020640_asset-stock_200x200.png
twitter
twetter
okuchika
購読無料! 億の近道メルマガ申込はこちらから!
億近申込バナー
まだ登録していない方はこちらからどうぞ!週5回無料で届きます。
億近執筆陣の本
億近本
億近執筆陣の書籍/DVDをご紹介。億の近道コラムのエッセンスをぜひ。
海外投資実践入門DVD

「中東・インド・ベトナム・香港 海外投資実践入門DVD」
2012/4/7に東京銀座で開催されたセミナーDVDです。他では聞けない情報満載!
億の近道有料メルマガ!
火曜日執筆者の石川臨太郎氏の有料メルマガです。 大好評配信中! 購読者を大募集しています。詳細は以下のページを参照下さい。
  なお、この有料メールマガジンの売り上げの一部は億の近道の発行運営に活用 されます。皆様のお申し込みをお待ちしております。
categories
archives
recent comment
links
mag2year2016_0000020640_asset-stock_240x65.png メルマガ大賞2008ノミネートバナー
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM