相川伸夫のピックアップ銘柄フォロー J―MAX(3422)フリュー(6238)AB&Company(9251)

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 相川です。
 前回配信の10月頭は相場のボトムでしたね。

 あの時も安いとは指摘してましたがタイミングドンピシャなのはたまたまです(笑)


 本日もピックアップ銘柄フォローをしていきます。


■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー


・丸順改めJ−MAX(3422)18年9月18日初回配信

⇒前回の配信で「2Qは上海ロックダウンが入ってくる悪い四半期(連結が3カ月ズレる)とはいえ、1Qで上期の数字の進捗まで進めた状況であり、2Qが赤字にでもならない限りは会社の期初予想を下回ることはありません。
 が、そもそもコロナ禍でも1四半期たりとも赤字にならなかったという同社が今の四半期で赤字にならないと私は考えています。」

 …と強気な姿勢でしたが2Q単体決算では経常利益マイナス20百万円、純利益はマイナス226百万円を付けて下方修正という発表になってしまい、私の想定以上に厳しかったようです。
 下方修正の決算を受け、株価はまるでグロース銘柄のように翌日大きな急落でまさかのS安まで叩きました。
 下方修正の幅としては、
 ・営業利益は3200百万円⇒2700百万円で(15.6%ダウン)
 ・純利益は1900百万円⇒1400百万円(26.3%ダウン)
であり、赤字転落などしたわけではありません。
 自動車部品加工会社は基本的に下方修正ラッシュでしたが、同業他社のエイチワンなども44%営業減益の大幅下方修正を出しましたが少ししか下がらず、すぐに株価も戻して高値を取りに行っています。
 (どれだけJ−MAXホルダーは評価厳しいんだよ)と激しくツッコミますよね(笑)
 他社の下方修正を見ても下期で大きく挽回の絵が多く、丸順も下期挽回です。
 来期以降を楽しみにしたいと思います


・フリュー(6238)22年4月4日初回配信

 2Qの決算が出た時に「これはスゴイ数字出た!!」って思いました。
 深く理解してる人しか驚かないかもですが、2Qはかなり為替で厳しいと思ってましたので、それをカバーして補う以上に3セグメントが堅調なことに私は驚きました。
 一番驚くのはプリクラ事業の利益です。
 コロナ前の20年3月比で70%未満のプレイ回数でしかないのにフリューが出している通期予想の利益を軽く超えました。
 説明会で確認しましたが、今期の新機種販売は2Q、3Q、4Qで1機種ずつ各500台の販売を予定しており、これが半導体価格上昇の影響で赤字販売になる事と、足元もコロナ8波という事もあり、下期を保守的に見ているとのこと。
 また、もう一つ驚いたのはピクトリンクの会員数が減るどころか増えていることですよね。プレイ回数が少なければ自然減する仕組みであり、そういう力が働きますが、大学生やOLなどの継続率、加入率アップが効いているとのことでした。
 また、10月の月次が87%の水準なのも注目点です。
 確認したところフリュー側が特殊な施策を打ったという事で出た数字ではなく、純粋な復活の兆しとのことです。とはいえ、10月はハロウィンと土日が重なったことがあったのと、11月以降はコロナ再感染拡大で冷えることはこれまでのパターンだと想定されます。
 キャラクタは今が一番きつい時です。が、売上拡大かつ新プライズ受注も好調、高価格帯や海外販売の成長中なので為替が馴らされるまでまだ時間はかかりますが、順調です。
 ゆるキャン△の利益は2Qで大きく出ました。ゆるキャン△はこれで終わりではなく、下期〜来期、再来期と長く収益貢献してくるとの説明でした。
 説明会でも下期予想に関しての質問が多かったですが、基本は保守的に据置しているという印象を持ちました。
 来期以降を考えると私は面白いと感じます。


・AB&Company(9251)22年1月10日配信

 もうすぐ本決算です。
 10月に取材させて頂きました。基本的に足元は順調という印象を受けました。
 上場時に出してきた中計に対しては現状の伸びからするとやや届かない可能性はあるものの、今期よりも来期の方が業績は増収増益になるというのが同社のビジネスモデルです(店舗数×来店社数)。
 配当に関する考えとしても22年10月期は予定の金額を配当し、来期に関しても配当性向30%で22年を上回るなら増配も検討しているとのことでした。
 また、11/25の日経新聞でも報じられていましたがIFRS会計におけるのれん償却はこれまで通り減損テストで採用し、のれん償却はされないことに決まりました。
 これにより、ABのようにPLでビジネスをしているけどもそのFC会社をMAすることで直営化させるというスキームで出てしまうような大きな「のれん」評価問題が緩和されました。
 私はABの財務に関してはCFもきっちり回っているので心配していない派なのですが、のれん償却が義務化されるとPL上では純利益が減ることになり、配当性向30%維持であれば目減りしてしまう等が気になっていました。
 それが無くなったのはとても良いと思っています。
 IPO直後での下方修正を受けて株価は大きく下がり、そこから再上昇を狙っている形です。同社の出店速度と既存店売上が落ちていかない限りは成長はまだまだできると思うので応援していきたいです。


 それではまた!


『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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相川伸夫の新規ピックアップ銘柄日本アクア(1429)&J−MAX、フリューフォローアップ

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 ご無沙汰しておりました。相川です。

 最近、取材にレポートに決算にと慌ただしく過ごしていると億の近道の執筆から手が遠のいており、申し訳ありませんでした。

 相場環境は極めて悪いですが、ドル建て日経平均をご覧ください。あくまでドル建てで見た場合という説明には成りますが、現在の位置はコロナショックの日経平均19000円と同じ位置にいることになります。
 世界で唯一利上げせずに緩和をし続けて円安が大きく進み、この後輸出企業の上方修正が増え、反面エネルギーを始めとした輸入企業はネガティブインパクトが出てきます。
 世界を見ると暗い話が多いですが、日本の個別株を見ると買える銘柄だらけというのが私の感想です。コロナショックが来て「もう終わりだー!!大暴落だー!!」ってなった時に冷静になって『買える』銘柄を買った人間は資産をその後大きく増やしました。
 下値は相場にしか分からないですが、買える銘柄を買って時間軸で戦えば個人投資家が勝てる道筋は必ず存在します。

 今日もアツい銘柄を探しに行きましょう!!

 本日の記事はピックアップフォロー&新規ピックアップ銘柄です!


■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー


●丸順改めJ−MAX(3422)18年9月18日初回配信

⇒8月末にZoom取材させて頂き、9月に名証IRセミナーでの展示ブースで現状&今後の展望について詳しく伺ってきましたのでご報告させて頂きます。
 基本的な私の認識として業績のボトムが現在の位置にあると思います。
 また、2Qは上海ロックダウンが入ってくる悪い四半期(連結が3カ月ズレる)とはいえ、1Qで上期の数字の進捗まで進めた状況であり、2Qが赤字にでもならない限りは会社の期初予想を下回ることはありません。
 が、そもそもコロナ禍でも1四半期たりとも赤字にならなかったという同社が今の四半期で赤字にならないと私は考えています。

 また、23年3月期の本決算と一緒に発表されるという次期中計では増収に関する戦略方針で『攻めの経営』にフォーカス。また、その時には配当性向についても明言をすると確認しています。
 現在、世界中で半導体不足による自動車大減産が継続していますがこれはモノが無いだけで自動車需要が減ったわけではありません。

 執筆時点でのJ−MAXのPERは4.1倍のPBR0.4倍、配当性向10%水準で配当利回り2.4%とまるで石油銘柄のような「業績の見通しが立てられない企業、外部環境で来期大赤字になるかもしれない」評価を受けています。
 残念ながら市場からこのような株式評価を受ける原因は同社自身にもあります。次期中計を再出発点としてしっかりと投資家と自社評価のあるべき水準について向き合って頂けることを切に願うばかりです。

 配当性向も岡山工場の投資があるとはいえ、次期中計のスタート時点から25%は最低欲しいです。中計最終年度に30%は超えていないとおかしいでしょう。現在の自己資本比率とCF創出力から考えて40%をゴールにしてもらうのがもっとも好ましい水準であると思います。

 事業の話としては特に懸念を感じる部分は無く、まさに経営の玄人であると感じました。今後も中国などに関しても増収を目指していく中で人員削減できるような自動化含めた省力投資を推進していき、生産効率を上げる方針での投資戦略であり、EV比率上昇に伴い、同社の売上に占める電動化向け比率も上がることが獲得商品群からも明らかです。
 EVに関しては世界No.1車載バッテリーであるCATLからの受注という一番分かりやすい部分に関しても好調とのことです。CATLの製品展開速度は日本の比ではなく、見積もりや設計確認に関しても非常に速いレスポンスを求められるそうですが、これに関しても対応できていることで受注を獲得できています。

 展示会でも改めてプレス製品を確認し、細かい寸法精度や要求品質を技術担当の方から説明を受けながら確認させて頂きましたが、非常に難易度の高いものを上質な品質で加工されています。私は元々大手自動車部品メーカーで大型プレスも金型保全もしていたエンジニアですのでこうした目利きは現場レベルでできると自負できていますが、私が元居た大手よりも明らかに能力が高いと感じています。
 新型軽EVのサクラも好調であり、下期から来期に向けて半導体も徐々に戻って自動車生産も元気になりそうなニュースも足元増えています。

 現在のPER4.1倍は自動車生産大幅減産と中国のコロナ影響を受けての会社予想業績ですが、来期〜再来期水準で考えると現在のPERは3を切る水準にあると私は考えています。来期の配当性向が何%なのかが非常に気がかりではありますが、何にせよ大変割安な企業という認識です。
 自己資本比率4%で倒産危機の有った2016年から着実な回復を見せ、足元の自己資本比率40.8%(岡本工場新設投資で期末38%着地の見込み)となりました。すでに業界でも安定企業となり、利益率も危機状態の現在でも6%オーバーを創出するほどです。
 半年後の次期中計発表に大変期待しています。

 切に願うのは5年以上辛抱強く待ちに待った株主に対して経営陣としてしっかりと報いてくれる経営を期待しています。いたずらに借金を返して自己資本比率を上げる行為は経営とは言わないと私は思います。
 そして、株主の方は大いに声を上げて会社に届けないと今の現状に「満足している」と思われてしまいますので、是非株主総会を始め意志を伝えましょ
 う!!

・名証IRエキスポ2022資料
 https://www.jp-jmax.co.jp/ir/news/20220913181121.html


●フリュー(6238)22年4月4日初回配信

 先月9/8(木)にオンラインセミナーを開催いたしました。
 三嶋代表にアツく語って頂き、中長期での同社の未来に期待が持てる内容でした。

・6238 フリュー個人投資家向け説明会 in 東京勉強会 2022年9月8日
 https://www.youtube.com/watch?v=NFoSowuGqac
 ↑が説明会での質疑も含んだ動画になります。
 同社に投資をしている方は『必見!!』という内容です。
 フリューに関してはフルレポートを執筆しているので何が面白いのか?どういう会社なのか?などはこちらをご覧ください

・6238 フリュー 『嬉しい』を創り、『楽しい』で稼ぐエンタテインメントビジネスの可能性 レポートby相川伸夫 2022年9月5日
 https://double-growth.com/6238-furyu-20220905/

 セミナーでのポイントを少し取り上げます。

・キャラクタMDは為替予約を入れた。23年3月には150$になるとみて仕入れ原価の半分を為替予約入れた。
・プリントシールはコロナが戻れば戻る根拠がある。高校の文化祭にプリクラ持って行って500円払ってもらって撮影した子にアンケートを取ったw
 そこで分かったのはクラブ活動が一番影響していると思われた。日頃遊ばない子と土日に会って遊ぶプレイは控えているという話も合ったのでこれは今の状況とも合致していた。文化祭の盛り上がった中とはいえプリクラには長蛇の列ができたので需要は確信している。
・版権獲得から、商品化するまでの流れとして商品化には1年掛かる。ジャンプで人気のキャラとかの大型案件を取りに行っている。
・3Qから運賃を別建て、有料化をしている。4Qは売価アップをしている。為替で痛んでいる収益部分は運賃と売価アップで対応。今はまだ全体の20%しか値上げ出来ていない為替に合わせるように売価を変動させていく、為替はいくらになっても商売は出来るけど急激な円安についていくのに苦労しているだけというのがポイントになるかと思います。
 総じて三嶋代表は今後の会社業績に対して非常に明るい見通しを持っており、目をキラキラさせていたのが印象的でした。詳しくは動画をご覧くださいませ。

※ピックアップ銘柄は買い推奨ではありません。
 私の目で面白い、アツイ要素がある!という理由で記事を執筆した企業の経過観察です。
 銘柄には大化け狙いと堅実成長狙いの銘柄が混じっており、銘柄数もかなり増えたので全てを列挙することはやめることにしました。



■新規ピックアップ銘柄日本アクア(1429)


 株価が先週で少し上がってしまいましたがまだまだ今後のことを考えると全く問題ないでしょう。
 同社についてもフルレポートを執筆していますのでこちらをご覧ください

・1429 日本アクア 大“省エネ時代”到来!住宅のこれからが変わる!
 レポートby相川伸夫 2022年9月27日
 https://double-growth.com/1429-nipponaqua-20220927/

 ここに全てを書いているのでこれを読めば何がアツいと私が感じているのかわかります。
 また、レポート執筆に至る調査メモに関してもアップしています。
↓ダウンロード期限:2022年10月13日(木)
 https://twitter.com/nikudaisuki5656/status/1575436466762944513
欲しい方はお早目にダウンロードくださいませ。

 10/6(木)に日本アクア創業者である中村代表のオンライン個人投資家セミナーを開催します。直前の滑り込みでの申し込みでも受け付けできますので是非参加して、しっかりとご自身で判断頂ければ幸いです!!

・日本アクアニュース一覧
 https://www.n-aqua.jp/news/

 上記の中で2022.09.27配信の『10月6日(木)個人投資家向けIR勉強会のお知らせ』にて申込ページが載っております。
 日本アクアはヤマダHDからのTOBの可能性がある企業です。もし実現したら1.5倍程度のプレミアムでのTOBになるでしょうか。
 しかし、私としては同社がTOBで上場廃止されるのは好ましくありません。
 私の算定では長期で持てば数倍以上のリターンが得られる企業であると感じていますので。
 中村代表も同じかそれ以上でお考えだと私は個人的に感じております。
 木曜日のセミナーが大変楽しみでしょうがありませんね!

それではまた!


『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)



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相川伸夫のピックアップ銘柄決算フォロー カンロ(2216)・AB&Company(9251)・フリュー(6238)

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■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー(動きのあったもののみ掲載)
 ※5月13日(金)執筆時点

・カンロ(2216)19年11月5日配信
 株価1665円⇒1580円(−5%)

・AB&Company(9251)22年1月10日配信
 株価1104円⇒720円(―35%)

・フリュー(6238)22年4月4日配信
 株価1085円⇒918円(―15%)

 上記3社について、カンロとABについてはZoomにて1Hの取材をさせて頂きましたのでそのレポートを、フリューに関しては決算後取り急ぎ電話で30m+メールで確認できたことを共有したいと思います。


■カンロ(2216)

 同社についておさらいです。
 カンロは飴とグミの製造販売卸販売を手掛ける創業100年以上の老舗であり、2019年に記事を書いたシナリオがコロナで足踏みを余儀なくなり、やっと始まる展開になってきたように思います。取材時の話でもグミ設備稼働率は絶好調を確認しました

2216 カンロ 創業100年超えの老舗がグミで成長へのアクセルを踏んだ!!レポートby相川伸夫
 ※2019年11月1日配信
 https://double-growth.com/2216-kanro/

 上記の記事を執筆したときはピュレグミの売上が絶好調であり、これは主にOLが仕事の合間に間食で食べられることが多いようでした。飴と違ってグミは製造においての機械も大型な設備投資も必要でかつ、味や形状や固さ等々バリエーションが多いので開発も大変です。
 設備投資をしたのが2019年2月でしたが生産稼働率はラインスタッフの教育も含めスロースタートで始まりました。
 ようやくここから大きく利益が出せると考えていた時にコロナが来てOLは都心から在宅ワークになってしまい、金のミルクのオフィス需要狙いの小さい個包装なども売上減少してしまいました。それを補うためにカンデミーナグミやあそぼん!グミ、最近ではマシュマロのマロッシュなども当たっているようです。

―取材メモより抜粋―

Q、1Q上方修正するほどに良かったのはなにが良かった?
⇒市場の拡大以上に売上を伸ばせた。特にグミが大きく伸びた

Q、1Qグミが良かった理由って何?
⇒コロナの拡大に当たって足元の再拡大はある中でオミクロン株で重症化しにくいということで人の行動制限が以前ほど大きく制約されなかった。人の行動が活発になったことで行楽需要や都心コンビニでのグミ購入が回復をしたことが市場の主な回復要因になっている。弊社含めたグミメーカーにおいては市場が拡大している中でグミのコンビニ向け新商品が増えており、市場拡大の波に乗れたことが大きい

Q、グミに関しての増産、稼働率はどれくらい?
⇒生産が追い付かないくらいまでになっている。
⇒2019年に2ライン目を作った、当時見込んでいた生産規模に対して今はかなり大きくなってきた。生産効率を高めて需要に対応できるように供給体制を上げている。

Q、二直で動かしてる?
⇒今は二直、アサヒ工場は土日も動いている。

Q、それは24時間勤務?
⇒24時間はやらない、2直で回している。

Q、2直で土日だと36協定をすぐに叩いちゃうよね?どうやってるの?
⇒飴の製造にはまだ余裕があるからそこのスタッフにグミ製造を手伝わせている。これで残業調整している。

追加Q、松本工場は2直だけで土日無し?
⇒こっちは土日までは稼働していないと記憶している。
⇒生産量によってはもちろん休日出勤もあるかと思う

Q、これまで2Q(4月−6月)3Q(7月−9月)は飴主力だった時のカンロは業績弱かった印象があるけどこれからはグミで稼げるから期待できる?
⇒グミは気温に対してそこまで落ちないもの、夏場向けのキャンディとして塩キャンディとかにも注力をしている。昨年は冷夏だったから飴もそこまで売上落ちなかったけど甘い飴は熱くなると売上下がる。今期業績予想の修正で下期は従来予想よりもコストアップが厳しくなるだろうということで減益を強めて作っている。

Q、原材料高騰影響がある?
⇒下期に入ってから効いてくる。

追加Q、どんなものが高騰として影響してくる?
⇒砂糖、水飴、包装材料、電気価格やガス価格などが上がってくる

追加Q、下期から上がってくるのはジワジワ?
⇒仕入れとの時間ズレでジワジワ上がってくる。

追加Q、売価への転嫁は不可能なの?
⇒議論中でまだ結論は出していない。他社として値上げを表明しているところも出てきている。

追加Q、どこの会社が値上げをするとあげやすい?
⇒グミTOPの明治が値上げ表明している。
⇒飴は弊社がTOPだけどまだ値上げ表明していない。

追加Q、値上げはやっぱり難しい?
⇒2月時点では値上げには今より消極的だったから経営努力で何とかしようというのが大勢を占めていたけど、最近は値上げをしようかと考え始めている。
 キャンディは嗜好品なので値上げをどこまで消費者が受け入れてくれるのか?を不安に思っている。

追加Q、過去値上げしたことは?
⇒過去値上げしたことはあるけど、内容量を増やすのに合わせて価格を値上げたり数量ダウンさせて値段そのままとかのやり方をしているので、価格だけを上げるということはしていない。


 以上がカンロ取材時での主な話でした。
 通期業績に関しては現状の感じからするとさらに上振れていく余地もありえるかな?と感じています。株価は底値圏なので下値はそこまで怖くは無いかと思います。
 配当利回りも高い企業が市場にたくさんあるのでそうした観点では悩ましいかもしれません。ディフェンシブ銘柄の一角としてよいかと思います。


■AB&Company(9251)

 同社についておさらい
 Aguヘアーという美容室を全国展開しているイケイケゴーゴーのIPOしたばかりの企業です。同社の特徴は店舗展開がAguヘアー出身の美容師がそのままFCオーナーに成り、店舗展開していくことと働いている美容師が業務委託契約の個人事業主であることですね。

詳しくは下記
9251 AB&Company 『スタイリストファースト』で美容室業界に革命を! レポートby相川伸夫
 ※2022年1月3日配信
 https://double-growth.com/9251-abcompany-20220103/

―取材メモより抜粋―

●1Q決算についての概要説明から
 1Qは微増だけど当初考えていた数字から色々と下方乖離してしまった。
 資産除去債務が当初入っていなかったものが1Qで新規に出て来てしまった。
 これは変なものではなく、新規出店したときには最終的退店時に発生する退店費用を負債計上して7年償却する仕組みになっている。
 3年前に原状復帰費用を設定したけど、昨今のコストアップによって負債が2億円上がることになった。未償却分の現在出店しているものは一括で償却(5500万円)しないといけなかった。
 直近出店したものは7年後にはこの費用は無くなる。今後2000〜2500万円が四半期ごとに落ちていく。当社の場合は7年で閉店するということはほとんどない。

追加Q、途中で改装した場合は?
⇒改装自体は7年で大体する、この改装費はマックス300万円という感じで退店時のスケルトン費用は変わらない。よって今回の話は新規出店の時だけの話であり、改装費の300万円はその時から7年で再度償却開始する

追加Q、今は夜のスタイリストは戻ってきてるの?
⇒今は戻っている。今回の月次数字は掛け持ちしないと出てこないレベルの数字。昔のアグは半分以上男性で高収入目的(アグだと稼げる)だったのが、最近は入社スタイリストの6割近くが女性でかつ1/3がママさんスタイリストになった。自由な働き方(アグだと育児と両立できるぞ)を求めてこられるようになった。ただ、ママさんが決してダメかというとそんなことは無くて金沢の店はママさんスタイリストしかいない。夕方になると誰もいなくて店が閉まる。とはいえ、それでも120人以上カットしているので店としての収益も大きい店舗。昼に高稼働で夜閉まる。理想的なのは男性とかママさんとか現役女性のバランスが大事だなってことも今回再認識させられた。

Q、これまででうまくいっていることとうまくいっていないことをまとめると?
⇒上手く行ってること…これまでの方針の大枠8割の成長戦略はズレておらず、上手く行っている。
⇒ダメなとこ…上場したことによる今まで以上の指示の出しにくさ(業務委託に出勤指示などをしてはいけない等のガバナンス強化)を足元痛感している。
 なんかちょっとずつうまく行かないという感じ。客数は需要の通り。データを洗いざらい調べた結果わかったのはスタイリスト属性が変化してきている。
 スタッフ不足で夜の回転が少ない店も多いことも分かった

追加Q、夜、回らない店は地域柄?夜のお客さんが居ないのか?それともスタイリストが居れば夜の売上が上げれるのか?
⇒これはスタイリストが居ないだけで、スタイリストが居れば売上が出せる店舗が大半だと思う。

追加Q、700店舗ある中で好調店はどれくらい?
⇒8割くらい。残り2割がスタイリストが欠員とかスタイリストの属性偏りがある感じになるのでここを倒せるように求人や再配置を掛けていく。
 今は市之瀬代表が全エリアを回っているので現場の士気向上にも効果がある。
 やはりこういう業界なので人間味が大事。

Q、美容業界全体は厳しいということで良い?
⇒その認識で良い。他社もほぼAguと変わらない状況で苦しんでる。お客さん側の事情と運営者側の事情で下がっているのもある。業務委託の競合もみんな苦しい状況。お客さんの平常化で4月以降はイイカンジになっている。
 お客さんは戻っている。

Q、原価上昇による出店コスト増加はどれくらい?
⇒コロナ前より10%上がった。1200万円が1300万円になっている感じ

追加Q、意外に少ないね?
⇒結構工夫していて壁材とかエアコンが間に合わなくて大型機械付けたりもある。

追加Q、出店計画は?
⇒給湯器などの材料不足で出店出来ないということやそれによって遅れるとかは無さそう。今期出店計画150の上下75ずつで見てたけど下期の75は出来ると思うけど上期のリカバーは難しそうだと考えている。


 以上がAB&Company取材時での主な話でした。
 今期の業績予想ができるかどうか?においては正直厳しいのではないか?とは感じています。
 とはいえ、優待利回り10%以上の現状ではそこまで下値はこわくないかもしれません。
 もし下方修正になった場合には配当も連動して下げてくる可能性が高いのではないでしょうか?ここら辺は経営の意思決定次第ですね。
 長期では業界のイノベーターのポジションは変わらずですので、今後も応援していきたいと思います。


■フリュー(6238)

 同社についておさらい
 フリューはプリクラ&クレーンゲームのプライズ製造・卸販売が主の企業で有利子負債0のネットキャッシュ経営を主で展開している企業です。

―今期業績予想について電話問い合わせ−※詳細取材は後日

1)プリクラ事業はシール紙の値上げに見合う筐体にするためのコスト増による赤字販売を継続
2)コンテンツメディアでの利益減の理由は退会率低減等の販管費を3億程度見込んでいる。尚、これはスポットに近い性質。また、新規事業(オルドット含む)は前期4億の赤字であり、今期5億赤字前提。
3)キャラクタMDはプライズが横ばいで海外物販2200百万円、高価格帯ホビー3000百万円
4)クレーンゲームの景品価格は風営法改正で800円⇒1000円に変わったけど今期での前提は800円のまま作成した
5)キャラクタMDの為替での利益悪化は1円円安になると70百万円のマイナスになる。サイズダウン含めての売価設定交渉を進めるも今期業績予想ではあまり織り込んでいない
6)クレーンゲーム横ばいで利益率が低い前提条件には去年の鬼滅・呪術等のヒット商品は一つも出ない前提で作成
7)ゲーム事業のゆるキャン△で利益0予想なのは映画よりもその後のDVD等のグッズ販売のが儲かる仕組みのが強い。これは3Q以降、来期メインで貢献してくる
8)自社株買いは大いに検討しているものの決算発表までに取り決まらなかった。今も検討している

という話でした。

 また、上記のように問い合わせないと分からないことを今回説明資料に載せていないのはIR姿勢として非常に良くない物と考えます。四半期ごとに説明資料を出しているからこそ馴れが出ているのではないでしょうか?
 よって、【資料作りに関して全体的に不備が多すぎる事を指摘&決算説明会動画はまだ未収録との事なのでその時に一過性の費用が出ているものや来期展望等も含めて説明してもらえるように要請】いたしました。

 今回は2022年4Q決算単体でもこれまでの流れとはかなり異なる費用の使い方をしてましたし、23年3月期の業績予想に関しても利益を大きく削っている費用部分が書かれていないというのは自社の価値を大きく毀損するだけの非常にマズイ資料であると私は感じております。説明動画で改善されていることに期待します。

 また、前期実績の配当15円上げて決算後の株価が100円下がるという資本政策も全く理解が出来ませんでした。言うならば権利日だけ優待目的で保有した人にだけお金を配って、同社を真に応援している現在株主が損をする資本政策は現経営陣が何を考えているのか不安になってしまうものです。
 前回実施の自社株買い平均が1089円(取得期間2019年11月14日〜2020年2月12日で約2%購入)でしたし、これからリオープニングに向かっていく中で今後の業績に自信があればあるほどスーパーインサイダーとして配当よりも自社株買いを選ぶのが資本政策としては正しい選択であると私は考えます。
 次回取材時にもきっと三嶋社長と再度対談できるものと期待しております。
 その際にどのような考えでこの資本政策を選択し、今期の業績予想をどのように考えているのか?来期以降の展望をどの程度で見積もっているのか等を詳しく伺いたいと思っています。

 私は現状、フリューは大変投資妙味のある企業の一社であると考えています。
 ピカピカのリオープニング銘柄かついち早くインフレ適応して見せた同社がIR資料、姿勢ともに天下を取るのに精いっぱいお力添え出来れば幸いと心より思っております。


 株式市場は今年も大きなボラが続くと思いますが、これまで30年のデフレで蓄積された日本市場の現金がインフレで毀損する世界になることで日本株評価は大きく変わると私は期待しています。


それではまた!


『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)



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相川伸夫の新規ピックアップ銘柄フリュー(6238)

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■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー(動きのあったもののみ掲載)
 ※4月1日(金)執筆時点

・AB&Company(9251)22年1月10日配信

 株価1104円⇒850円(―20%)

 最も懸念していたIPO直後の1Q決算数字が想定よりも悪く株価は勢いよく下に行きました。
 ただ、悪材料に合わせて優待利回り10%超えになる開示を織り交ぜてくるあたりはきちんと株価意識をしていることが確認できたので良いと思います。
 決算後の取材は4月末に予定しているのでそこでの内容はまたこちらで報告したいと思います。同社のビジネスモデルは出店効果で下期にかけて加速していくモデルですので元々1Qは進捗率の観点で売られる可能性はありました。が、そういう問題以前の数字となりましたので大きく売られてしまいました。
 まだ取材していないのでどういう状況なのか推測でしか語れませんが、今期通期の数字の達成は相当困難になったと思います。また、それによる減配の可能性も意識しておいた方が良いでしょう。
 反面、優待利回りで10%ほどあるので今後の下値は優待効果もあるのでそこまで下に押さないのではないか?とも思われます。
 相場のことは相場に聞くしかありませんが、中長期での成長のシナリオが崩れたわけでは無いので長期投資目線の方は落ちたときに拾っていくのが悪くない戦略と思います。

 続報は次回以降で配信します。


※ピックアップ銘柄は買い推奨ではありません。
 私の目で面白い、アツイ要素がある!という理由で記事を執筆した企業の経過観察です。
 銘柄には大化け狙いと堅実成長狙いの銘柄が混じっており、銘柄数もかなり増えたので全てを列挙することはやめることにしました。


◆新規ピックアップ銘柄フリュー(6238)


 同社代表の三嶋CEOにこれまで2回取材をさせて頂き、今回ピックアップ
として取り上げることにしました。

〇フリューHP IR情報TOP
 https://www.furyu.jp/ir/

 同社はプリクラ設置台数で業界ダントツTOPの95%のシェアを誇る企業であり、利益基盤になるのはプリクラプレイ時のシール紙の卸販売(プリンターのインクのビジネスモデル)と撮影したプリクラデータをダウンロードするための有料課金アプリのストックビジネスに成ります。機械販売も含まれていますがこれは原価、物によっては赤字での販売です。

 キャラクターMD(マーチャンダイジング)セグメントが近年急成長しており、このセグメントは…

・ゲームセンター向けのクレーンキャッチャーなどのプライズの卸販売(企画・販売はフリューで製造は外注で完全受注生産)
・上記プライズを直接海外(中国と北米)へBtoB販売(景品としてではない)
・高価格帯ホビーである『F:NEX(フェネクス)』のBtoC販売(中国と国内)、こちらも受注生産


 ピックアップの決め手は下記の3点です。

1)成長性・ポテンシャルに対して株価が割安
 ・今期予想PER11、配当利回り3.4%、財務状況(有利子負債0のネットキャッシュ経営)、会社の過去(2019年11月〜2020年2月)の自己株買い平均1091円に対し今の株価が1085円
2)プリクラの撮影回数はコロナ前の4500万回/年に対し、前期も今期も3000万回/年程度であり、アフコロ銘柄。足元でプリントシール卸価格値上げ等の施策もあり、来期以降も期待できる
3)キャラクタMDセグメントの伸びは継続中にも拘わらず株価は『行って来い』で2021年9月の高値1966円から半値水準

 上記3点からピックアップ銘柄としました。


◆同社の強みをザックリ解説!

※詳しくは同社決算説明資料等を確認のこと


 プリクラの収益が入っているセグメントのことをGTB(ガールズトレンドビジネス)と呼んでおり、最初は「プリクラセグメントのが分かりやすいのでは?」と感じていました。実態としては思春期の女子(中高生)についてこれほどトレンドを知っている会社は他に居ないだろうと感じるほどに同社は理解しています。
 同社は2人×3組の女子に週三回グループアンケートを実施しており、年間アンケート回数は200組に上るとの話です。これはプリクラの為だけではなく、最近の悩みや趣味・趣向と言った全てについて調査をし続けているのです。

 当然新機種のプリクラを出す場合での要望や出来栄えチェックを始め、今回のプリクラ料金改定(卸価格が上がるとプレイ料金も上がる)に関してもアンケート+事前にフリューが運営するプリクラ直営店でも統計調査をしています。PDCAを回して経営の意思決定をしているので安心感も大きな物です。

 予測と行動から改善に結びつける経営を得意としている同社は、元々オムロンのエンタメ分野部門が始まりの会社なのです。現経営陣を主に2007年にMBOして2015年に東証一部に新規上場を果たしました。
 なので元々PDCAを始めとした企業文化と堅実な経営スタイルのもと事業展開してきているので、女子向けアプリや新規ビジネスもニーズ調査&結果のPDCAをきちんと回しており、大きくコケない会社と私は感じています。


■プリクラのシール価格値上げについて

 プリクラのシールの卸価格は元々135円でしたが、2021年の12月頃に販売した冬機種から今後は172円での提供と変更になりました
 これは決算説明資料の9Pに記載してあります
 ・2022年3月期決算説明資料
 https://ssl4.eir-parts.net/doc/6238/ir_material_for_fiscal_ym/113028/00.pdf


 原価は特に変化していないとのことですので、これは粗利率向上にストレートに効いてきます。
 コロナ影響の残る足下のプレイ回数3000万回/年で計算をすると37円/枚の値上げは年間11億円ほどの増益効果になります。たらればですが、コロナ前の4500万回/年であれば16億強の増益効果になります。

 プリクラの機種は年4回発売されるスケジュールとなっており、春機種は3月末に予定されています。
 新機種の発売後はその機種の人気が上がるので稼働に関しても新機種中心になります。取材時の話では『新機種+1世代前の機種でプレイ回数の半分ほどになる』との話です。そうであれば来期1Qのプレイ回数に関してはおよそ半分が値上げ後となり、下期にはほとんどが値上げ後のものになっていると思われます。


■キャラクタMD事業について

 国内向けのクレーンゲーム・海外販売・高価格帯の三つに分けて考える必要があります。

・国内プライズ向け
 ⇒業界そのものが拡大中です。説明資料のP42を見てもらうとわかりやすいです。ラウンドワンでもそうですがクレーンゲーム業界は今成長の一途であり、下記のように店舗面積に対してプライズゲームが増えていく方向です。
 ※世界最大級のクレーンゲームフロア「ギガクレーンゲームスタジアム」が登場!
  https://www.round1.co.jp/service/amuse/news/crane.html

 また、2022年3月からこれまで風営法で800円までだった景品価格が1000円になったことも追い風です。
 ※800円→1,000円に!クレーンゲームの景品の上限額引き上げに伴う注意点について
 https://tsunagu-office.net/archives/1128
2

・海外通販・高価格帯
 現在めざましく成長している部分であり、同社もアクセルをさらに入れてい くと話しています。
 輸出なので円安の恩恵もありますが、そもそもここが伸びているのはコロナ禍での巣ごもりでNetflixやアマゾンプライムビデオといった在宅での定額視聴のサブスク会員数の爆増の影響があるでしょう。海外でも鬼滅や呪術廻戦の人気は強く、そうした海外でのジャパニメーションの人気上昇によって日本の版権を持っているバンダイやセガ、壽屋などすべて好調です。
 これは一過性ではなくトレンドとして今後も継続すると思われます。

・版権獲得について
 そもそもこれまでフリューはプライズで業界3位の位置でした。バンダイ・セガ・フリューという順番らしく、セガの背中は見えている状況になってきたようです。
 海外販売においてはバンダイ・セガ・タイトー・フリューという順番らしく、国内シェアでは勝っているタイトーに海外では負けているのは努力不足だとして三島社長はアクセルを踏んでいるとの話でした。現在の海外販売に関してはフィギュア中心とのことですが、今後はセガが得意なぬいぐるみも出していく戦略というのも期待できます。個人的な感想ですが、フリューの作るぬいぐるみ景品の質はかなり高いと感じています。景品ではないですが、『魔王城でおやすみ』に出てくるでびあくまという愛らしいキャラの再現度はかなり素晴らしいです。これは高価格帯ホビーのF:NEX(フェネクス)での販売のものです。娘は毎日抱っこして寝ています(笑)
 ※でびあくま1/1ぬいぐるみ
 https://fnex.jp/products/detail.php?product_id=101

 業界構造の変化もフリューが近年成長できた背景です。ドラゴンボールに代表されるように版権は一社独占のことが多かったですが、鬼滅や呪術廻戦のように版権が従来の独占とは異なり、複数社に渡って版権を持てるようになってきたことという変化もあります。
 ここに関しても今後も版権獲得は順調という見込みであることと、ゆるキャン△をはじめとした自社IPも育ってきているというのも期待できるポイントでしょう。


■さいごに

 ―プリクラはスマホアプリの進化で消えてしまうのでは???―

 私も思いましたし、同社経営陣も大きなリスクと考えていました。
 度重なるアンケートを重ねた結果わかってきたことは「スマホアプリを日常的に使う女子ほどプリクラの撮影頻度は上がる正の相関がある」という話でした。
 スマホは日常を撮影するものであり、プリクラはアトラクション的な「キャッキャ」する非日常イベントと区分されているとのことです。

 ほかにもいろいろ書きたいところなのですが、どんどん長くなってしまうのでこの辺で締めたいと思います。
 ここで話したのはあくまで一部であり、今後も新規事業の柱も出来てくることでしょう。
 決算説明資料や決算説明動画、インタビュー等も色々あるのでそれらも見てみると面白いです。

・社長名鑑『プリントシールという文化を醸成した「フリュー」進化の秘密と挑戦』
 https://shachomeikan.jp/presidents/detail/10062934


・フリュー | 6238 CEOインタビュー
 https://www.youtube.com/watch?v=2Wgrb7fcnXo



 フリューは私が懸念しているスタグフレーションシナリオ、そこからの不況シナリオ到来でも戦える銘柄であり、絶対増配するという強い意志を持っていると感じれるのでさらに良いと感じてピックアップした次第です!
 これからフリューを応援していきたいと思います。


それではまた!


『全力全開全力前進!!!』



(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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相川伸夫の信和・丸順3Q取材報告

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 年明けからキツイ相場が続いています。

 こんな時に株をやる必要があるのか?というレベルで厳しい様相になってきています。つい二年前のまさに今頃が地獄の窯が開いて奈落行きの切符さながらでした。

 今回のウクライナとロシアをきっかけにしたこの動きは戦争という側面だけではなく、資源価格の高騰に加え小麦価格の高騰を引き起こしています。さらには半導体製造に関するガスが世界的にウクライナとロシアに集中していることから今でもひっ迫している半導体不足がさらに深刻になるリスクも出てきています。

・希少資源に調達危機 ロシア・ウクライナ産7割依存も
半導体ガス一部停止2022年3月4日
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58768540U2A300C2MM8000/


 この状況でも行けるだろうと思えるのは値上げが出来ていて利益が確保できており、かつその利益を十分に株主還元しているにも関わらず配当利回りも高い企業は比較的買いやすいと感じています。

 この条件に合致しているピックアップ銘柄の信和に3Q明けに取材をしました。
 今日はその報告をしたいと思います。
 丸順にも取材しましたので同社にも簡単に触れたいと思います。


◆フォローアップ 信和(3447)


 最近の相場の中ではかなり強い印象です。
 配当利回り4.9%でしかも3月一撃配当なので今は値持ちが良い局面というのもありますし、そもそも日経平均が大底だった16000円台を叩いた頃の信和の上場来安値が2020年4月6日の632円です。

 付け加えると、日経平均の安値を付けたのは2020年3月19日の16358円であり、信和が安値を付けた日は日経平均が大きく反発をして18576円の終値の日に安値を付けている格好です。
 信和の上場来安値4/6を基準に日経平均の上げ幅と比較しても15%ほどアンダーパフォームしている状況であり、株価評価としては反発していない状況です。

 しかし、業績が悪いか?と言えばそんなことはありません。
 コロナ影響が一切無い2019年3月の営業利益は1,963百万円でしたが今期予想の2022年3月期は2,050百万円なので好調と言えます。


【それでもなぜ信和は買われないのか??】

 私の個人的な解としては、そもそも信和が属する金属製品セクターは不人気であり仮設足場の製造という業態も不人気でしょう。
 また、高配当利回り目的の方はすでに買っているでしょうから新規に上値を買う人が乏しいということも主要因になると思います。

 あとは創業家がLBOしたときにできたのれんが気になる投資家が多いというのも買われない理由になるでしょう。
 しかし、多くの投資家が懸念するのれん減損の懸念に関しては以前にもお話しましたが特に問題にならないと考えています。
 これはコロナショックでの急速な経済停止でも、その後に訪れた猛烈な鉄鋼価格上昇でも一切減損は起こらず、赤字にすらなりませんでした。

・株探―信和ページURLリンク
https://kabutan.jp/stock/finance?code=3447

 赤字にすらならなかった、というかコロナショックも鉄鋼価格爆上げも何も影響していないかのような好業績です。競合他社はちなみに業績悪化しています。
 信和は3Q累計での業績進捗率に関してはすでに93.2%の進捗になっており、これは前期、前々期の83%〜82%に比べても10%高い状況なので好調さが伝わるかと思います。

・ピックアップ時の記事
https://note.com/okuchika/n/n7cd0a1cfd734

 鉄鋼価格と亜鉛価格に関してもすでに値上げで価格転嫁済みのPLが3Qでも出ているのでそういったリスクは全て乗り越えたと私は評価しています。
 なので、今後の業績での再評価待ちという状況かと思います。

 3Q明けに取材した内容をこちらに掲載します。


【Q&A】

Q、通期予想進捗率93%でも上方修正してないけど4Q悪いの?

⇒保守的に見ているという感じ。1月がコロナのまん延防止で動きが鈍ったという感じだけどそのあと戻ってきてる。需要が無くなった訳とかではない。

Q、今期のくさび足場は売上高で見ると好調に見える(値上げ影響)けど販売数量ベースではどうか?

⇒販売数量で話した場合ではおおむね平年並みの感じ。値上げで好調に見えてるかもしれないがまだコロナ前までの水準には戻っていない

Q、値上げをしてから受注に影響は無いか?

⇒消耗品なので一定の更新需要があり、鋼材価格高止まりは顧客でも十分に認識している。丁寧に説明をする中で値上げを承知してもらえたので影響は感じていない。

Q、中計の仮設資材の2024年の数字がかなり低いと思う。売価を約20%値上げしたのであれば過去の販売数量実績から簡単にクリアできてしまうと思う。この数字の理由を教えてほしい

⇒仮設の中にはくさびや次世代足場がある。これらの製品は伸びているし今後も伸びる想定をしている。落ちる部分として枠組み足場の修復資材などが含まれており、ここは枠組み足場そのものを次世代足場に切り替わっているから無くなっていくところになる。
⇒仮設部分の数量は増加する見込みであり、基本的に保守的に計画して作成した。

追加Q、レンタル資産を中期で30億円積み増すという中計になっている。減価償却費負担が大きく増加して一時的に減益になることも想定しているのか?

⇒未来のことなので約束はできないが、この中計自体は右肩上がりに増収増益でしか数字を作っていない

追加Q、御社のレンタルは物貸しだけのレンタルだと認識しているが、償却負けで赤字になる可能性はあるのか?

⇒↑の質問への回答通り、償却込みで利益は出せると考えている。

追加Q、御社は販売がメインだったと思うが、どうしてレンタルに力に入れるようになったのか?

⇒今期でもレンタルでの売上はある。ただ、お客様のニーズが多様化してきたからそこに合わせようという話。

追加Q、御社が販売しているレンタル会社に対してはカニバリが起こるのでは?

⇒レンタル会社にもレンタルできるようにする。レンタル会社も繁忙期だけ弾が足らなくなることがあり、「買うまでもない上振れ部分だけ」って時用に弊社からレンタルできるようにするイメージが実態に近いと思う

Q、そもそもの御社の顧客属性はどんな感じ?

⇒ザックリだけど、リース会社5:商社3:工務店2
⇒金額ベースでは↑になってて、件数ベースだと工務店(親方)が圧倒的に多い。

追加Q、レンタルを欲しがってる方は誰?

⇒これはリース会社と工務店になる。商社はそこまでニーズが無いかもしれない。工務店はニーズが高い。

追加Q、レンタルを始めると仮設足場が売れなくなるのでは?

⇒それは無い。レンタルが良いってお客さんとレンタルが良い人がいる。
⇒これはリースがいいか、購入が良いかの話だから自動車を保有する話と同じ。償却の話も絡んでくるのでお客様が考えることで、弊社はその両方に合わせられるように経営する。

Q、物流機器の伸びは何が伸びるの?

⇒全部がまんべんなく伸びる感じになっている

Q、中計の投資計画100億円の中身は?

⇒50億円はMA、機械設備に20億円、レンタル資産30億円
⇒MAはまだ明確なことは何も言えない。
⇒今後も増収増益増配で実直な経営をして株主にも還元していく。自社株買いに関しても市場を注視しながら臨機応変に検討していきたいと考えている。


というのが取材でのポイントになります。

 今後とも応援していきたい実直な会社だという評価です。



◆フォローアップ 丸順(3422)



 こちらも3Q明けで取材させて頂きました。
 取材3:提言7という取材に成りました。

 ザックリとした報告をまとめるとこのようになります。

・受注していた試作型が試作型レスに変更になった⇒デジタル解析だけして本型整備という話に変わった※設変が入れば費用は追加でもらえる。

・原材料高騰での影響は自家調達部分が主なところ。拠点によるものの数%〜20%程度の部材で影響があり、順次価格転嫁交渉をしていく。

・タイ拠点のダイセル向けは10月に稼働した。今期末営業黒字目指してるで変更なし。

・広州・武漢は増産に備えてきたのでまだまだ売上を伸ばせる余地がある。

・今期業績では日本が一番負けてる。中国は多少の落ち込み程度。


…という感じが取材報告です。

 この後の下記は私が提言した部分です。
 基本的に資本政策に関しての方針や中計含めたIRに関する部分に関して提言をしました。

・自己資本比率40%達成しても『2円増配で安定配当』等はあり得ない。
 株主は自己資本比率の向上を求めているのではなく、株主価値の最大化を求めている。

・投資効率から考えても今の株価での自社株買いは絶好の好機。

・本決算開示にて来期予想を「無闇に保守的に」出すと株価は失望でいつも下がる。上方修正前提になるほど保守的に出すならレンジで開示すべき。

・丸順のEPSはバーチャルになっている。財務健全化してPLも良化しているのにこの5年投資家にリターンが全然返って来ていない。投資家にとっては業績向上していて株価も上がらないわ配当も少ないわというのは嘆かわしい事態。

・中計は出した後に手を加えてはいけない物ではない。形骸化した中計を出し続けることは大きくマイナスなIR姿勢であり、修正する必要があるのであれば本決算のタイミングでも遅くないのできちんと修正すべき。

・現金などの資金使途が明確にあり、それを理由に株主還元ではなく事業成長に使うつもりなのであれば株主に説明することが上場企業の義務。従業員の給与を上げるなら速やかに上げて純利益から配当するべき。


…以上に成ります。

 丸順は経営が大変厳しかった2018年に990円で1,188百万円の公募増資をしました。
 この時の投資家からの資金を使って3000tプレスやその建屋等を購入・建設して、その後見事に経営再建は果たされました。

 当時自己資本比率1ケタ%から40%間近までの大復活を果たしたのです。
 銀行借り入れも厳しい状況だったからこその非常に価値あるエクイティファイナンスだったことと思います。

 しかし、反面株価はその時がピークであり、名証から東証二部に昇格した2021年3月に上昇した高値でも1208円であり、ここを抜くこともできず、今の株価は655円なので公募増資を大きく下回っています。
 これだけ財務が健全化し、CATLや旧パナからのバッテリーモジュールの量産受注やトヨタやフォルクスワーゲン等からの新規受注やタイではダイセルからの受注での営業黒字化も見えてきているにも関わらずこの株価です。
 どう考えても同社の業績改善を投資家は評価していないと言えます。

 『業績を評価しない』というのは、『投資家に還元されない利益』と市場が評価しているとも言えるでしょう。

 IR姿勢にも問題があると私は感じてますので、先ほどの提言をしました。

 また、そもそも経営陣が自社の企業価値を正しく認識できているのか?というところにも正直大きな疑問も感じます。IR担当に「御社の企業価値はもっと高くあってしかるべきですよ!!」と伝えても釈然としません。

 現在の時価総額77億円だと前期フリーCF62億円なので1.24年で回収できます。
 買収価格算定に使われるEV/EBITDA倍率を減益になっている今期予想で計算しても2倍と激安です。

 ちなみに一般的な相場では8〜10倍程度と言われています。事業がシクリカルで赤字⇒黒字とボラがある場合などはここから割り引くのですが、丸順は決算を見てもらうとわかるように経営再建での改革以降非常に好調な状態が続いています。
 マクロ経済での影響は現在も懸念がある状況なのはもちろん間違いないとはいえ、それでも安すぎると言わざるを得ません。これまでの新規受注状況や今後の経営計画の発表から考えるとここまで売り込まれるほどの悪材料が控えているとは思えず、投資家にとって現在の経営陣からリターンを得られると期待できないと考えられているであろう大変嘆かわしい事態が今の株価なのではないか?と私は思います。

 丸順が公募増資をした2018年の高値1350円を付けた時のPBRは2.59倍でした。今の株価655円の実績PBRは0.46倍に成ります。
 赤字で経営再建が急務であった時と現在では状況が変わってきており、あまりに安い株価でフラフラしていると東プレが買い増して連結化もありえると思います。
 株主構造上そのシナリオが薄いことは良く分かっていますが、それでもさすがにそうしたことが起こっても不思議ではない株価になって来ています。

・株探―丸順ページURLリンク
https://kabutan.jp/stock/finance?code=3422

 斎藤社長を始め、現経営陣は株式市場で「財務改善化して名証から東証二部に昇格したのに株価が前より下がっている」ことの意味を真摯に受け止めて頂きたく思います。

 現在は自己資本比率40%達成という目的に向けた中期経営計画を推進しています。
 よって、自己資本比率40%を超えたら配当性向30%での株主還元を実施するのも財務状況として全く問題はなく、資本政策から見ても適正な数字になっていると思います。
 安定配当を第一にするのであれば2〜2.5%を目途にDOE(株主資本配当率)を導入するのも好ましいと思います。

 株主は丸順が経営再建するまですでに5年以上待ちました。そして会社は業績をしっかり改善してきました。
 自己資本比率40%という大願を叶えてからも緩やかに、ましてや2円ずつ増配なんてことが『もし』あれば、その時は本当に「株主軽視だ!」と大きく声を上げていかねばなりません。

 兎にも角にもまずはIR姿勢を改善して頂き、どういう資本政策を今後取っていくのか?
 これを示して頂き、目まぐるしく変化する市場においての経営方針を説明資料で開示したり、説明会のさらなる充実を切に願いたい。

 堅いのはハイテンだけで良く、是非とも時流と自社の置かれている状況に合わせて成形加工して頂きたいと思います。


 厳しいことばかり書きましたが、株主にとって投資している会社は『当社』であり、社長に提言できるのは株主だけです。
 今後も引き続き応援していきたいと思います。


それではまた!


『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


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相川伸夫の新規ピックアップ銘柄AB&Company(9251)

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 新年あけましておめでとうございます

 私がこちらで執筆を始めさせていただいたのが2016年の12月でしたので、早くも5年以上が経過しました。

 ピックアップ銘柄として執筆をした銘柄も19銘柄になりました!
 2016年の執筆スタート時は兼業投資家の身分であり、かつあの時の運用資産は500万円くらいだったかと記憶しています。それから資産を増やしながら億に到達し、トヨタ系列の会社を退職してリンクスリサーチに入社したのが2019年1月のことです。
※研修という名目で2018年の春ごろから活動はしていたのでその方が実態に近いかもですね。

 リンクスリサーチに入るまでは材料投機を中心にやっていましたが、アナリストとして取材をこなしながら業績分析に基づく投資目線での能力向上に努めてきました。

 月一の不定期で執筆するごとに過去掲載した全ピックアップ銘柄を配信時株価と比較してパフォーマンスを出してますが、昔の私は投資が下手糞過ぎてホント恥ずかしいですw
 投機目線での売買タイミングが上手く行ってくれたおかげで資産は大きく増やすことは出来ましたが、長期投資できる企業とそうではない企業は違うのだと毎月定点観測をさせて頂いたおかげで身をもって知ることができました。

 最近こちらで取り上げる銘柄はどれも長期目線で戦う物ばかりになってきました。
 投資銘柄の短期的な株価を読むことは下手なのでこちらは課題ですが、アナリストとして取材をするようになって200社くらいは取材したかもしれません。カウントしてないのでわかりませんが、コロナ禍でオンライン取材が基本になってくれたおかげで2020年後半から取材件数が爆発的に増やすことができました。

 長期投資家ゼミでも最初は補佐役でしたが2020年、2021年には講師もさせて頂くことで地力は大きく成長出来たと感じています。
 みんなの運用会議でも私はあまりレポートを執筆しませんが、それでも執筆した際には企業様からも個人投資家様からも「大いに参考になる!」「素晴らしい!!感動した!」と言って頂けるのでありがたいです。

 皆様が応援頂けているおかげです。ありがとうございます<m(__)m>


 それでは本日も新しいピックアップ銘柄を取り上げたいと思います。


■新規ピックアップ銘柄AB&Company(9251)


 同社は2021年11月19日にIPOしてきたばかりの会社です。まだ情報も多く出回っておらず、適正な投資判断もしにくいタイミングであろうと思います。
 そんな情報が少ない企業ですが先日2022年1月9日に個人投資家アイル氏、億の近道、弊社の共催でオンラインのみのIRセミナーを開催しました。しかも1社単独3Hもの長丁場でのセミナーです。
 募集開始も1か月なかったので人数は50名行けば御の字で下手をすると質疑切れで時短終了も覚悟していましたが、そんな心配は杞憂に終わりました。

 申込総数は100名(当日参加無しの後日録画視聴約30名)を超え、質疑総数は過去最多の103問と途切れることは無いほどの盛り上がりでした!!
 現在マザーズも大崩れであり、同社の市場での評価も定まっていない状況で信用買いの投げと思われる売りが続いていますので上場来安値を更新中です。

 私は長期目線でしか同社を評価していないので短期目線での需給や買いポイントについては分かりませんが、下値は意識した方が良いと思いつつも買い目線で拾える企業だと評価しています。
 同社に事業や魅力に関してはみんなの運用会議で18000文字程度の重厚なレポートを掲載しましたのでこちらをご一読くださいませ。

9251 AB&Company 『スタイリストファースト』で美容室業界に革命を! レポートby相川伸夫
 https://double-growth.com/9251-abcompany-20220103/


■1/9のIRセミナーでキーポイントになる質疑とその回答を一部抜粋

 総質疑103問の中から独断で選んで紹介したいと思います。


1)2600店舗までは巡航速度で進めたいとのことですが、2600店舗になる見込みはいつ頃としていますか?
⇒27年〜28年には2600店舗には行きたい。1都市に2〜3店舗は出せるから全国で2600も十分に行けると思われる。2600だけではなく中長期で見たときにはMAもやって加速度的な成長を考えている

2)直営美容室事業は通常であれば営業利益12%程度出る利益率の高いビジネスとのことですが、なぜ一般の美容室は50%〜60%も倒産してしまうのでしょうか?
⇒経営者が1店舗から多くの利益を取ってしまうと美容師にも回らないし、お客からも取らないといけない、かつ仕入れも弊社より倍でやってたりで苦しい。そうなると美容師も離れるし、客も離れてつぶれる。美容室業界を変えようとするという夢はこれまで笑われてきた。50%以上倒産する背景には美容師として生きてきただけの人が何の知見も無い中で独立していき当たりばったりで経営するから潰れてしまう。当社の出店店舗加速をしていくけど、美容室が倒産するのはイメージも悪いからサポートする役回りも考えていきたい。中長期的には10万、20万の店舗とロイヤリティをもらってサポートできる座組を考えていきたい

3)FCオーナー自身がリスクを負い出店設備投資をしていて、FC脱退時に原状復帰を求めるのはなぜか?法的に問題が生じない根拠はなぜ?
⇒Aguのビジネスモデルで集客を行い、顧客が定着してから会社の看板を変えられるのは非常に弊社にダメージがある。日本を代表する弁護士と相談して決めたので法的にも問題ない。

4)2018年に連結された各FCの買収価格のバリュエーション教えて
⇒6社のバリュエーションは非開示だけど高くない。FC法人は一般的なファンド間の売買価格の半額くらいになってる。今後のFC法人を買収する時には第三者での評価をして、弊社としても高くオファーを出したりしない。直近でFC法人を買収する予定はないけど、中長期では買収を想定している。弊社の成長のビジネスモデルとしてこれは必要。

5)プラージュと客層が異なるから資料に載せなかったとのことですが、どのあたりが異なるのでしょうか?QBさんとも客層が異なると思いますがいかがでしょうか?
⇒弊社のお客さんが20〜30代で女性がメイン。プラージュの顧客は60〜80代のお客様がメイン。QBは男性がメインで、QBからAguに来られる方も最近はいる印象。ただ、上場するに当たって先行上場しているビジネスモデルとの比較でQBの掲載の必要があった

追加Q、プラージュとの客層の違いは?なぜ?
⇒マーケ・集客の仕方の違い、ネットor歩きでの来店の違いになる。次にスタイリスト自体の年齢の違いもある

6)FC脱退された際の御社のダメージとは具体的にどのようなもの?
⇒どういう趣旨で脱退されるかだけど、契約上勝手に脱退出来ないし、そんなことをするメリットがそもそも無い。バックオフィスは弊社の新宿で一手に引き受けていて、総務・人事・広告〜全てを本部にいわば依存している形になる。バックオフィスを切り捨てて新規に人を採用して全部自分でやり直すということにメリットが無い
⇒市瀬代表補足)脱退リスクは0%です。本来ありえないと思います。

7)プライム市場への鞍替えは考えている?
⇒考えているし、最短で行くつもり


 103問の中から勝手に抜粋させて頂きました!
 会社としてIRは非常に真剣に考えていますのでさらなる開示の充実化が図られるのは間違いないのではないか?と思います。
 私は5年、10年目線で同社と付き合っていこうと考えておりますので、今後もウォッチを続けていきたいと思います。


それではまた!
2022年もよろしくお願いします<m(__)m>

『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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相川伸夫の新規ピックアップ銘柄 信和(3447)

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■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー(動きのあったもののみ掲載)
 ※2021年12月17日(金)執筆時点

・ギガプライズ(3830)21年5月24日配信
 株価1391円⇒1044円(−25%)

 大変お安くなりました!
 この銘柄がバリュエーションにおいて評価が低いのはいまだに名証単独上場銘柄だというポイントですね。その分、会社の動きいかんによっては面白いのではないか?と思って私は先んじて取り上げさせていただいております。

 ピックアップ記事で書かせて頂いたときの記事はこちら
https://ch.nicovideo.jp/okuchika/blomaga/ar2024238

 ギガプライズは今期2Qで全戸型マンションISP供給戸数82.1万戸となり、ついにこの業界で暫定1位になりました!おめでとうございます!
 12/16に新規上場してきたブロードエンタープライズをご存じでしょうか?
 こちらはギガプラの競合であり、当然ビジネスモデルもほとんど同じです。
 資料はこちらの方が華々しい作り込みで訴求力の高さは感じますw
 ブロードエンタープライズの公募価格でのPERは19.25倍で評価されました。
 これくらいの「評価が適正」という算定ということですね。
 いっぽう業界一位であり、安定して導入戸数を毎年15万戸ほど伸ばし続けることを実績で示せているギガプライズは市場ディスカウントも含め様々な要因で新規に出てきたブロードエンタープライズの半分程度の価値と市場評価されていることになるわけですね。

 <どうしてこんなに市場評価が低いのだろうか?また、なぜこんなにもIRの説明資料等は頑張っていてIR意識は決して低くないのに名証単独で居たり、資本も特に使っていないのであれば増配もできるのにしないのはなぜだろう?>

 こうした疑問を元に色々とあの後取材や調査を続けたことで見えてきたことがいくつかあります。
 これはあくまで推測の域を出ませんが、親会社フリービットがギガプライズの経営阻害を招いているのではないか???という疑念を感じています。あくまでこれは個人的な妄想であると強く断っておきます。

 通常であれば親会社としてはギガプライズには株価の面でも成長してもらう方が良いと考えるのですが、フリービット側はそういうのを求めていないのでは無いか?と思える節を感じるのです。取締役の数にしても議決権にしてもギガプライズ側は過半を親会社のフリービットに握られているので本業の経営以外の株価に関係してくる部分、特に
・名証⇒東証
・配当性向アップ
等のアクションがギガプライズの佐藤代表が考えている絵のように動かせていないのではないか?とついつい邪推してしまうわけですw

 そういう邪推をしている中でギガプライズにも動きが出て12/14に5億円を上限にした自社株買いを発表しています。
 33万株を上限に買うという内容になっており、
・5億円÷33万株=1515円/株
という結果になるので今の株価からすると1.5倍までの株価までは買う計算になる訳ですね。
 この動きは素直に好感してよいと考えています。
 本来こうしたストック性の高いビジネス。季節変動要因を受けない事業の市場評価は高くなるのが常なのですが、現在は配当性向も低く流動性も低いこともあって機関投資家も入ってきにくい状況になっています
 株価意識をこうして確認できたのはポジティブであり、セーフィーの上場でもクラウドカメラへの関心が投資家層でも高まっています。
 前々からこうしたカメラ需要はギガプラでも捉えており、現在クラウドカメラに力を入れていると聞いています。

 全戸型マンションISPでシェアTOPの同社には通信を押さえているのでクラウドカメラもIoT関連でのセキュリティとの親和性も高いです。ぜひともここに経営リソースを入れてもらい、成長していくのを見たいですね!
 私の疑念が疑念であればよいのですが、親子上場故に少数株主軽視ともいえるものがもしあるならばこれは大変大きな懸念になってしまいますから。

 今後の動向を見ていきたいですね!


※ピックアップ銘柄は買い推奨ではありません。
 私の目で面白い、アツイ要素がある!という理由で記事を執筆した企業の経過観察です。
 銘柄には大化け狙いと堅実成長狙いの銘柄が混じっており、銘柄数もかなり増えたので全てを列挙することはやめることにしました。



■新規ピックアップ銘柄 信和(3447)


 前々回での配信時に簡単にではありますが小話として掲載させて頂きました。
http://okuchika.net/?eid=10165

 あの時以降から周辺調査と信和様にも取材を重ねた結果、さらにアツくなってきましたので今回の執筆をさせて頂く事を決めました!


●記事構成

1.注目理由
2.何してる会社?
3.のれんのリスク
4.信和が面白い3つの理由
5.保守的な信和が意欲的な中計を発表
6.まとめ

※記載内容は説明会+会社取材+競合各社の動向や市場調査に基づく筆者の個人的な主観と推測に基づく内容です。投資判断は元より内容に関しても自己責任で判断頂くようお願いします。


1.注目理由

 決して年20%とかそういう大きなグロースするような銘柄ではないものの【増収・増益・増配】を見込めそうな企業が特益でも特需でもなく本業の配当性向40%で配当利回り5%でほかられていたら安いと感じませんか?
 私にはとても安いと思えたので色々と調べました。

 その結果ただ安いだけの会社ではなく、今後の市場環境やIR活動レベルの向上、並びにリスクの減少を確認でき、『アツい銘柄だ!!』と思えたのでこの度ピックアップに加えることにしました。
 中長期目線では面白いと思いました。


2.何してる会社?

 信和は仮設足場の製造・販売をしている会社です。
 販売とは言ってもBtoBが基本になります

 仮設足場はあらゆる場面で活躍する建設資材で、これが無ければ家もビルも建てることが出来ません。

◎3447 信和 ―Make it― くさび緊結式足場の国内NO.1リーディングカンパニー レポートby相川伸夫
※2018年11月2日掲載記事
https://double-growth.com/3447-shinwa/

 2018年に同社が新規上場した年に私が執筆させて頂いた記事になります。
 この時から3年経っていますが事業構造や競合などにも大きな変化はありません。
 概ねこの記事の時の内容のまま時が流れていると言って差し支えないでしょう。

 上記の記事を読んでもらうとわかる通り、信和は仮設足場の製造能力において国内のダントツトップであり、レンタルではなく販売を主に事業を展開しているのが大きな特徴になります。


3.のれんのリスク

『信和ってのれんが大きいから心配だよね〜』
 同社に関してはこういう投資家の声を聴きます。実際に同社の市場評価が低い理由の一つになっているのは間違いないでしょう。
 面白い所を紹介する前にこちらのお話からしますね。

 信和は1977年に創業以来、2003年に創業者が会社を完全売却から今日までにオーナーが3回移り変わってきました。その際にできたのが92億円もの巨額なのれんです。

 IFRSを採用している同社は日本会計と異なり、のれん償却が無い代わりに減損テストを毎期チェックされ、そこでアウトになると大きな特損を出すことになるわけです。
 2020年2月から世界を混沌に陥れたコロナショックが起きました。
 戸建て需要も大きく冷え込みましたし、リフォーム需要もこんな時に人に会いたくないという状況から減少、建設に関してもオフィス需要の蒸発から開発見送りという話も話題にあったと思います。
 『仮設足場を新規に購入しようとする企業が大きく減少してしまうのではないか???』
 懸念は確かに的中し、21年3月期の売上高は18.7%の減収となりました。
 製造業は一般的に固定費が重いので売上高が18%も落ちたら赤字転落になるほど利益が落ちてもおかしな話ではありません。
 …が、しかし、コロナショックの影響の強かった2021年3月期の決算資料を見てもらうとわかりますが営業利益は16.2%減益というだけで思いっきり黒字も黒字で多少のダメージしか受けていません。これはスゴイ!!
 固定費が実は軽いというのが信和の特徴であり、大部分の製造人件費は変動費になっているし、生産しないのであれば鋼材仕入れも減ります。鉄は腐らないので減損も無いわけです。

 今期の2022年3月期にはコロナショックでズタズタにされた物流混乱や需要蒸発が急速に回復したために鉄鋼価格は急上昇を始めました。足元ではスクラップ価格も50円/Kgを超えるほどに上がっています。
 これは2015年比では3倍にまで上がっています。これほど上がるとマンホールの盗難や側溝の金属格子の盗難などの話が出てくるほどなんですw
 当然スクラップ価格が上昇すると鋼材価格も高くなります。
 信和の製造製品の大部分は鉄の塊(ザックリ原価は鉄5:亜鉛3:人件費2)なので影響は必至です。

『ついにあの信和が大きくダメージを受けてしまうのか!!?』

 ところが2021年11月8日に業績の上方修正+増配のリリースの開示が出てまいりました(笑)
 業界で圧倒的な生産能力と販売シェアを持っている信和は原材料上昇を業績影響が出る前に先んじて顧客に価格転嫁できることが証明された瞬間がここになるわけです。

 原材料アップの価格転嫁って決して簡単な事ではありません。シェアを取られてしまうかもしれない不安から中々出来ないものです。
 今年は世界中でコストアップ型のインフレが起こっています。その影響を受けて下方修正する企業と上方修正を出してくる企業の二種類が今、大きく分かれています。
 価格転嫁しても売り上げが伸ばせる企業は本当に強い企業ですね。

 このように需要の大幅な減少と鋼材の急速な価格上昇という減損リスクになりそうなメインのものが来ましたが全く問題なく突破することが証明されました。
 仮設足場を全く使わずに家もビルも橋もできるようになったらダメになってしまうでしょうが、今の所そういう話は全くありません。

 以上の理由から信和が減損になるリスク(簡単に言えば赤字)はやはり低いと再評価できると思います。


4.信和が面白い3つの理由

◎一つ目は交渉力の高さと優位性が垣間見えること。
 先ほどののれんのリスクで話した「業界で一番値上げが早い」ことからリーディングカンパニーとしてのポジションです。
 信和では7月と9月に製品価格を10%ずつ価格改定をしていると伺っています。製品によっても異なるかもしれませんが1.1倍×1.1倍なので21%ほどの値上げという解釈になります。
 鋼材価格が今後も上がったとしたらまた値上げをすることになると思います。
 そういうことができるのは信和が業界でダントツの生産能力を持っていることと高い品質によるところだと考えています。

 ※業界の方の推測値でしかありませんが仮設足場は丈夫とはいえ、それでも年間150億円程は滅失を起こしている。よってその分の買い替え需要は存在しているというのは背景にあります。
  鋼材価格が下がってすぐに製品売価を下げるということはいたずらに市場を混乱させてしまう恐れもあるでしょう。なにせ鋼材価格も今は暴れやすい環境です。
  来期の仮設足場の販売数量が仮に同じだった場合は値上げしているので売上高も増収になります。加えて鋼材価格が下がった場合には利益率も上がる期待もできるかもしれませんね。
  配当40%以上は上場以来固く守っているので増収・増益・増配を期待できる可能性もあるでしょうね!

◎2つ目は市場環境です。
 今期の8月頃からやっと戸建てや建設等といった着工数も回復をしてきました。リモートワークもすでに定着してきており、これはコロナ感染が収まって世界に戻ったとしても以前のようなオフィス勤務が当たり前という環境には戻らないと私は思います。
 元々働き方改革でリモートワークやフレックス勤務は推進してきたわけですし、自由な働き方としてこの姿は自然です。
 同時に正社員での働き方としてはいくらでもサボれてしまうことと、会社によってはコミュニケーション不足や新人教育が上手くできないといった問題も発生すると思われます。
 よって、今後益々出来高での仕事の仕方は増加するでしょう。業務委託契約によるフリーランスであったり、クラウドワークとしてのシェアリングワークですね。
 こうした動きから今期〜来期、再来期まで戸建て需要は強含むのではないか?
 と考えています。住宅ローン減税の話も1%⇒0.7%に改悪されたように感じられますが10年だったものが13年に伸びているので高年収プレーヤー以外では減税総額は特に影響はないのではないでしょうか。また、実需での購入も根強いです。
 低層向け住宅においてはくさび足場が大活躍しますし、加えてリフォームをコロナ禍で思うようにできなかった方も一定数いるでしょう。
 スクラップ価格上昇と職人不足による枠組み足場のリプレイス加速も起こっています。
 高層建築物の建設の際に使われる枠組み足場を使っている企業はとっくに減価償却が終わっています。基本的に足場の減価償却は3年ですし、やり方によっては全額一括償却も出来ると聞いています。
 業界リサーチの結果としては旧時代の遺物ともいえる『枠組み足場を製造している企業はもういない』と口を揃えて言います。枠組み足場はすでに市場に大量に出回っており、製造メーカーは1社、また1社と減っていきました。
 需要と供給が合わなくなったのです。
 その後、作業性や積載性の良さから中・低層向けにくさび足場が伸びていき、高層向けの枠組みは今でも多く使用されています。
 くさび足場は鉄のハンマーでガンガン殴るので傷みが早いのでしょうが枠組み足場はボルト締結であることも長持ちしすぎてしまう原因なのでしょうね!枠組み足場の弱点は施工効率が悪いことと積載性の悪さにあります。
 枠組み足場を次世代足場に変える事で施工効率・積載性も飛躍的に向上させることが可能です。職人不足と職人の高齢化で現場の負担は増しています。
 枠組み足場から次世代足場に買い替えるなら今が絶好のタイミングでしょうね。
 なぜなら『スクラップ価格が過去最高水準に高いから』です。
 そこに加えて今ならさらに!!
※【補助金】最大6,000万円の可能性!足場会社の次の一手
 https://fhrc.funaisoken.co.jp/tosou/column/19036.html
 これは広告の一例になりますが、コロナによって空前絶後の補助金チャンスもこの後一定の買い替え加速効果を生む可能性もあります。
 こうした市場環境はポジティブだと思います。

◎3つ目に物流倉庫の需要急増です。
 EC需要はこれまでも右肩上がりに増加してきましたが、今回のコロナ禍が起こしたインパクトはすさまじいほどでした。皆さんもAmazonで注文した商品が予定日に届かなかったり、又は22時に配送業者がチャイムが鳴らすなども経験されたことは無いでしょうか?
 需要に対して物流拠点&配送能力が噛み合っていない一つの証左です。
 これを受けて今、物流倉庫への投資は急速に高まりを見せています。
 上場企業で行くと物流倉庫開発TOPのダイワハウス工業(1925)や用地取得〜開発に意欲を見せる霞が関キャピタル(3498)であったりシーアールイー(3458)などのIRも参考になるでしょう。
 今は用地取得〜開発が加速しています。
 当然ながらこの後に物流倉庫として収納ラックが必要になってきます。
 信和はあまり知られていませんがAmazonのラックを受注している企業です。ラックにもどの程度の性能(棚の金属の話ではなく自動制御とか検知とかの部分)が求められるのかは建設される物流倉庫のグレードや属性によっても異なります。
 信和曰く「弊社はAmazonさんの仕事でもそうですがラックではハイエンドの部類です。IR資料に出しているイメージを見て頂くのが分かりやすいです」というお話をもらいました。仮設足場の信和のイメージとのギャップに心底驚いたものです。
 物流倉庫の需要増加も売上・利益に寄与していくことが期待できます。


5.保守的な信和が意欲的な中計を発表

 信和は上場した2か月後の本決算で発表した2019年3月期初の通期予想だけは下方修正していますがそれ以降のこれまでの業績に関しては上方修正しか出していません。
 真相は分かりませんが、最初の2019年はIPO直後の本決算でしたのでそこで減収減益の決算予想なんかは出せなかったんではないかな?とか考えてしまいますw
 とにかく2020年3月期〜今期の2022年3月期までの業績予想の出し方は保守的に映る訳です。
 そんな企業が先日12月14日に初めて中計を発表しました。

 詳しくはぜひこちらの原本をご覧ください
・中期経営計画の策定に関するお知らせ
 http://ir.shinwa-jp.com/ja/news/auto_20211214451789/main/0/link/midterm_managementplan_2022-2026_pm.pdf

 これによれば5年後の2026年3月期には売上250億円の営業利益35億円、EPSで171.3円を目指すという開示です。
 ちなみに、今期予想は売上160億円で営業利益20.5億円、EPS100円です。配当は40%以上なので現在株価で配当利回り4.95%なのに2026年になると8.48%になるということになるわけです。
 詳しくは私がテキストであーだこーだいうよりも分かりやすく書かれているIR資料を見てもらう方が良いでしょう。
 5年後まで長期投資すれば配当だけで25%以上は投資元本を回収できるかもしれません。
 投資家としてはその両方がもちろん頂きたいですよねw
 あくまで未来は不確定で分かりません。


6.まとめ

・信和(3447)
 株価        808円
 時価総額     113億円
 今期予想     PER7.9
 今期予想     PBR0.75
 今期予想配当利回り 4.95%

 私の目には信和(3447)は大変アツく見えます。
 信和以外にも私がピックアップした銘柄を調べている方が居ましたら是非情報交換して楽しくお話したいので気軽にご連絡くださいませ♪
 今はこうしたバリューグロース銘柄を見ている投資家が少ないのかお金が全然入っていない印象を受けます。
 個人的には今の日経平均は21000円くらいかな?って錯覚をしてしまうほどにバリュエーションに違和感を感じる物が多いと思います。ただの私のバイアスかもしれませんし、バリューグロース投資をしている投資家が大きく減少してマネーが引いているのかもしれません。
 私はファンダを信じていますし、投資家にとってのキャッシュフローである配当利回りの価値を信じています。そして増収・増益・増配できる可能性のある企業のバリエーションは必ずいつか上がると思っています。

 こうした努力をしている日本企業にスポットライトを少しでも当てられたら幸いです。

それではまた!

『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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相川伸夫の新規ピックアップ銘柄三栄建築設計(3228)

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■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー(動きのあったもののみ掲載)
 ※2021年10月22日(金)執筆時点


・丸順(3422)18年9月18日配信
 配信時株価826円⇒955円(+16%)


 丸順は前回9月24日配信時に

『現状、半導体不足による国内自動車メーカーの減産という悪材料吹き荒ぶ嵐の中にあります。正直今は買える材料がないのでこれだけ株価は下がってしまっています。』


という話をしましたが、このタイミングでCATL向けEV電池用カバーの話が記事になって紹介されたことや割安出遅れ銘柄のニュースもここに来て増加したことで動意付いてきました。

 丸順の2Q決算はまもなくです。
 ちなみに国内は3−9月分で、海外分は3か月遅れて連結しているので次の決算では海外については12−6月の数字が連結開示されます。中国は1−5月までは好調そのものであり、6月からは半導体不足の影響が出てきました。
 国内は7月から本格的に丸順の関連する軽自動車も軒並み台数が落ちているのでプラスとマイナスはあるとは思いますが懸念は少ないと思われます。
 3Q以降に関しては国内も中国も半導体影響が深刻化してくるので下期の動向に注目されることと思われます。
 齊藤社長に今年の6月の期初取材時に言っていた「半導体不足は下期に回復すると楽観視する意見は多いし、他社もそのような業績予想を出されているが、現状の足元の情報からはそのような判断は出来ない。よって今期は厳しい業績予想を作った」ということでしたがまさしくその通りの状況になってきました。
 むしろ来期に完全な正常化できるのかも不安になりつつある状況ですので、今後の動向が気になりますね。

 その問題以外は外から見ている分には新規受注も好調なようですし、長期ではただただ買収されやしないか?という所だけが不安です(笑)
 せめてPBR1倍以上で市場評価してもらえるように、思わず投資したくなる魅力を今後もIR発信+メッセージ性もさらなる充実を強く期待していきたいものです!

※ピックアップ銘柄は買い推奨ではありません。
 私の目で面白い、アツイ要素がある!という理由で記事を執筆した企業の経過観察です。
 銘柄には大化け狙いと堅実成長狙いの銘柄が混じっており、銘柄数もかなり増えたので全てを列挙することはやめることにしました。


■新規ピックアップ銘柄 三栄建築設計(3228)


 前回での記事で簡単にではありますが小話として掲載させて頂きました。
 http://okuchika.net/?eid=10165
 内心、あのタイミングでピックアップ記事を執筆することも考えたのです。
 本決算持ち越し(10/14)は私の分析では期待値がある状況でしたが、一抹の不安があったので執筆は見送りました。

 そして本決算開示を受けた翌日、残念ながらマイナス10%の株価で市場は反応をしました。
 その後10/18に決算説明会があり、その週にIR担当に取材をして、『これはアツい!!』と再評価できる状況になりましたので本日執筆することとしました。

 本決算から2週間も経っていないので三栄建築設計についてどこよりも最新情報かつアツい話が今日はお届け出来ると思います。


 記事構成は…
1.三栄建築設計の事業説明とコロナ禍での住宅需要と調達について
2.本決算持ち越しに期待値があったと考える理由
3.本決算の何が株価を−10%させた要因なのか?
4.説明会+取材で何がアツいと思えたのか?
5.懸念材料

※記載内容は説明会+会社取材+競合各社の動向や市場調査に基づく筆者の個人的な主観と推測に基づく内容です。投資判断は元より内容に関しても自己責任で判断頂くようお願いします。


1.三栄建築設計の事業説明とコロナ禍での住宅需要と調達について


 同社の主事業は不動産分譲戸建て事業であり、注文戸建て住宅やマンション、ホテル、海外事業等分譲戸建て以外の事業も営んでいます。また、三栄建築設計を親としてメルディアグループとして子会社をいくつも持って関連業務をしている企業です。
 一見するとわかりにくい印象になるかもしれませんが売上・利益面で行けば圧倒的に分譲戸建てであり、次は注文戸建て+建築請負になります。

 ここ一年余り、同社に限らず大手上場企業の分譲戸建てプレーヤーはすさまじい勢いで業績を伸ばしています。販売棟数もそうですが、着目すべきはその利益率です。
 粗利率で見ても各社値引きを全然しなくても飛ぶように住宅が売れているわけです。

 これにはいくつかの要因が重なってこういう現象を起こしています

【背景説明】

 1)2020年の春先からコロナショックが始まり、戸建て分譲プレーヤー及び不動産販売業者はこの先どうなるか分からないということで不動産開発を控え、持っている在庫を処分売りした。2020年は御存知の通りコロナで営業もままならず、先行きの不透明感も相まって新設住宅着工件数も軟調に
 2)一方、アメリカではコロナ対策の財政出動によって住宅ローンも低金利になったこと&テレワークの推進による郊外住宅需要増加が後押しする形で『今がチャンス!』と20年7月〜住宅需要が旺盛に。新築住宅も増加することで木材需要も増大、のちのウッドショックのきっかけにつながる
 3)日本国内の金利は元より過去最低であり、コロナ財政の出動で金利低下しなかった。よって低金利による住宅購入ブーストは起こらなかった。その代わりにリモートワーク推進&定着によって大手企業勤務の社員による郊外への戸建て住宅ブームが発生。都道府県の転出―転入ではこれまで首都圏が長らく転入1位だったが逆転ぶっちぎりのワースト1位で転出超過になり、周辺の都道府県への転入超過の傾向が顕著の傾向が徐々に表れる。1)によって住宅の新規開発が少ない状況下において需要と供給のバランス変化から戸建て需要が高まって元より少ない住宅在庫がどんどん売れるようになる。20年6月以降その傾向は高まっていく
 4)2021年に入り、米国の材木価格はぐんぐん上昇(ウッドショック)し、2021年5月にはコロナ前の3倍の価格でピークを付けてその後下落。この現象は世界の住宅市場に影響。日本は国土の67%を森林が占めるにも拘わらず住宅建材の約7割を安い輸入木材に頼っていたためにこの影響は大きく、木材を高い原価で購入して価格転嫁できるのは販売力やブランド力を持っている大手ハウスメーカーや大手デベロッパーくらいなもので、日本の戸建て住宅の6割以上を担っている地場の工務店は消費者への価格転嫁が困難なので購入には弱気。「輸入材が買えないなら国産材を使おう!」となるのですが、国内需要の3割程度しか供給していなかった国産材は数が少なく、価格が上昇し続けます。
  ※三栄建築設計は前々から国産材使用促進に向けて準備をしており、21年4月に一般社団法人日本木造分譲住宅協会を発足(三栄を中心に競合のオープンハウスとケイアイスター不動産と一緒に設立)し、21年5月以降自社の戸建て住宅での国産材比率は97%に。
 5)米国の材木価格は21年5月にピークを打ったものの、日本に輸入される木材は10月から入ってくるので日本国内の建材は現在がもっとも高いとされています
  ※日経記事 カナダ産製材品2年ぶり下落 ウッドショック緩和の兆しも
   https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC279Y80X20C21A9000000/

 ザックリですがこのような背景で大手と中小は大きく明暗が分かれたわけです。国内の大手デベロッパー、特に戸建て分譲住宅を提供している飯田グループホールディングス、オープンハウス、ケイアイスター不動産、三栄建築設計の極めて業績が良かったです。
 彼らは木材の仕入れ価格が上がったとしてもスケールメリットを生かして地場の工務店よりも安く購入出来たり、長期契約などもあったでしょう。また、地場の工務店をはじめ木材納入の目途が立たないことで営業や土地仕入れが難航しているのを横目に戸建て分譲プレーヤーは強気の土地仕入れと「木材価格上昇」を理由に販売価格に転嫁していくことに成功しました。

 その証拠に各社の粗利率を見ると一目瞭然で、例年よりも3%〜5%上昇しています。仕入れ値と販売価格の上昇タイミングの違いもこれには含まれていますが上手く売価に反映させれているのは間違いないと考えています。

 建材価格に関しては最高値で購入した材木(10〜12月期分)が続々入港している状況なので輸入材も国産材もまだまだ高止まりが続くと思います。
 その後、現在の材木が捌けていけば徐々に価格は低下するでしょうが、コロナ前にすぐに戻るとは思えません。理由はいくつかあって…
 1)世界は長期インフレなのに日本は長期デフレである
 2)円安によって輸入価格が上がってしまう
 3)原油高と海上輸送費(コンテナ運賃)が高止まりしている
ことが挙げられます。
 『原材料価格高騰を販売価格に転嫁できるか否か?』が今後の業績を占ううえで非常に重要な要素になると考えています。


2.本決算持ち越しに期待値があったと考える理由


 まずは時を戻して、三栄建築設計の本決算について考えてみましょう。

 1)同社は中計を開示しており、最終年度の23年8月期に配当性向30%を目標にしている。よって22年8月期は増配の可能性(中計グラフも点線で引いており、25%の配当性向が妥当)があった(21年8月期は配当性向21%)
 2)21年8月17日のIRで有形固定資産から販売用不動産へ115億円の保有目的変更があった。これは流動資産=1年以内に販売するということなので22年8月期に計上されるだろう。
  ※評価額が簿価を割っている場合には減損するとの明記もあったので21年8月期中にマイナス分があれば持ち越しは減損済みと推察
 3)同社の決算傾向として来期予想はチャレンジングな強気の数字を出してくることが常だったので来期予想は強気で出してくる可能性が高い。
 4)三栄建築設計は2016年からグループ名称を三栄建築設計グループからメルディアグループに変えているものの、グループ母体の親会社が三栄の社名のままだったので『???』が続いた。最近になって子会社名称を続々と『メルディア〇〇』に変えており、上場子会社のシード平和も10/1にメルディアDCへと変えた。三栄建築設計の社名がメルディアになればやっとグループとしての整合性が取れ、急成長中のメルディアチャンネル(YouTube)やインスタ等とのつながりが投資家にもはっきり訴求でき、またSEO含めて効果的になるので変更してくるだろう。
 5)21年9月21日のIRでプライム市場の選択を表明、しかし『流通株式比率』だけが基準に足りない⇒推測では1.5%程度放出すればいいだけなので創業者で現代表の小池氏の立会外分売りが出てくるのを本決算と一緒に出してくると想定⇒大義名分の下に安値で売る訳がないだろう

 1)〜5)を総合した結果、私の予想では次のような本決算を考えていたわけです。

『22年8月期は中計2年目予定を大きく上回る足元の分譲戸建ての売れ行きを反映した強気業績予想と配当性向25%による増配で株価は大きく上昇。
 プライム市場昇格の大義名分の為に小池氏は株価が上がる決算を出した後に立会外分売を発表。投資家は立会外分売りによるディスカウントよりも、いつ売ってくるか、どれだけか分からない大きな売りの不安が払拭され、これを好感。メルディアへの社名変更も発表し、急成長中のYouTubeチャンネル等もPRを開始し成長イメージを投資家に大々的にアピール』


という絵を想定していたのですが、本決算はそんな開示ではありませんでした(笑)。
 振り返っても株価や状況を考えて十分に期待値のある本決算だったと思いますが実際はそういう結果ではありませんでした(笑)。
 本決算を受けて市場は大きく失望売りで反応しました


3.本決算の何が株価を−10%させたのか?


 これはシンプルです。

 1)増収減益での予想だった
  ※営業利益は増益ではあるものの前期補助金等での増益分の影響で最終減益予想
 2)配当金は21年8月期据え置きで配当性向は22.6%で増配の姿勢が感じられない(中計達成意欲への疑念の発生)
 3)流通株式比率にまつわる大株主の売り圧の存在で上値が抑えられることへの嫌気

 大きくはこの3点だと私は考えています。
 同社の決算説明資料には資本政策において下記の文言が明言されています。

・資本コストを意識した経営で企業価値向上を目指す

 この決算の出し方は正直な話、資本コストを特別意識していないと私には映ります。
 資本コストというのは投資家側が
『御社に投資するならこれくらいのリターン(株価上昇や配当金)をくれないと割に合わないな〜』
という目には見えないコストのことを指しています。
 資本コストはつまるところ投資家と企業の信頼コストとも言えるわけです。
 業績が悪くなったら無配で良い時は50%の配当性向の企業と、赤字決算でもDOE(株主資本配当率)を元に安定配当をしてくれる会社のどちらが株価の動きが少なくなりそうか?で考えると当然DOEを採用している企業の方が資本コストは低くなります。
 投資家に回ってくるリターンとは株価上昇と配当金であり、リスクは株価下落と減配です。
 よって業績のボラティリティ(変動)が大きければ大きいほど株価変動は大きく、株価低迷抑制に効果を発揮する配当金まで0円まで動いてしまう場合にはさらに株価は下押ししてしまい、株価のボラティリティを上げてしまいます。
 企業業績の将来が明るいことを投資家に示し、信用してもらえれば投資が得られるので株価は上がります。逆もしかりで長期的な業績成長・明るい展望が示せない場合には投資家にとってのリターンの低下=株価低迷として市場は反映します。

 特にPBR1倍を切っている状態というのは業種の差も当然あるものの基本的には投資家からの評価がかなり低い状況にあることを意味します。投資家にとってそれくらいの安値で買わないとリスクとリターンが見合わない会社だと考えられているわけであり、企業にとって大変不名誉な状態です。

 辛辣なことをここまで書きましたが、そんな同社をこの度ピックアップ銘柄として執筆することに決めたのは言い換えればその分現状に高い伸びしろがあると言えるからです。
 つまり、私は今の同社の市場評価は大いに覆る可能性があると踏んでピックアップに至ったわけです!


4.説明会とIR取材で判明した三栄建築設計の今期業績予想の真意と今後の展望


 まずはこれまでの推察に対して誤解があった部分の訂正から説明していきたいと思います。

 1)期初予想は強気の数字
 ⇒中経二年目の数字に近くなっているものの、いつものチャレンジングな期初予想を下方修正することが内部でも良くないということで今期から保守的な予想に大転換。決算説明会でも「今期業績はウッドショックの影響も踏まえ保守的な予想をしており…」という点を強調していたのが印象的でした。
 2)今期業績には販売用不動産115億円が載っているのでそれを引くと全然成長しない業績予想
 ⇒これに関してはもしかすると業績予想に含まれていない可能性があります。今期販売用不動産になった一つに土地だけで103億円にもなる大きな物が存在します。これに関して伺った所「今期売却を見込んでいるものの引き渡しができるまで売上になるか分からないので数字としては入れてない」というニュアンスの会話がありました。1)で保守的という話もありますのでそう考えると一層納得感が上がります
 3)流通株式比率に関して
 ⇒これはやはり1.5%程度ではないか?という見立てが近いようでした。現在関係する会社にもこれに関して話をしているらしく、目途はある程度付きそうだとの話です。とはいえ、おそらく小池氏の持ち分も減らす可能性が高いと思っています。その時には立会外分売りでしっかりと好材料と合わせて市場との対話を図っていただけると最良ですね!

 同社の市場評価が低くなってしまっているのは投資家から見た同社への業績懸念と株式売り出しによる需給悪化懸念の二つです。よって今後これらが解消されてくることで評価は変わってくることでしょう。

 不動産販売では仲介業者が販売した場合物件価格のおよそ3%を支払うことになっています。4000万円の物件であれば120万円程度を三栄建築設計は自社物件を売ってくれた仲介業者に仲介手数料として支払うわけです。そこで、そのコスト削減を兼ねて100%子会社のメルディアリアルティという不動産仲介会社での自社物件販売を精力的に強化しています。
 20年8月期は545件でしたが21年8月期は872件に急増しています。
 今後も自社販売比率は上げていく方針であり、メルディアリアルティの社員の給与部分で販管費は増加しますが、自社物件一つ当たり営業利益率を3%分押し上げることになるので一人当たり販売数が大きくなれば大変大きな効果があります。

 私も三栄建築設計のメルディアリアルティで二回分譲戸建てを見に行き、営業マンともたくさん話したのですが、そこで一番大きなインパクトを受けたのは『三栄建築設計の物件では戸建てとして完成する前の段階で全物件の50%程度が例年売れている』ということでした。
 分譲戸建ての良さは完成物件そのものを見て購入判断できるところだと思っていたのですが、最近だと土地+物件の完成予想図レベルで売れる勢いとのことで、私が10月に見に行った愛知の店舗では完成在庫が3棟しかなく、後は引き渡し待ちばかりという状況で、業績をこれだけの材料で確定づけることはできませんが好調なのは間違いないと感じました。

 また、私の個人的な価値観ではありますが、三栄の物件は値段に対してホントにおしゃれな物件が多くさすがデザインにこだわっている家ならではという印象でしたね。


5.懸念材料


 三栄建築設計の主戦場は東京近郊になります。感覚としては23区というかはもう少し外側というイメージのエリアでコンパクトな土地に3階建て戸建て分譲で手ごろな価格という戦略です。狭く感じる印象がありますが、実際に3階建ての物件見学をしてみると中は広く感じるからとても不思議でした(笑)。
 一番の競合はオープンハウスです。オープンハウスは23区内がメインですが最近は徐々に外側にも進出してきているご様子です。
 とはいえ競合しているとはいえパイは大きいのでこれによって業績がいきなり落ち込むとかはそこまで懸念する状況ではないかと思います。

 現状の株価は大体の悪材料を織り込んでいるように感じがしているのですが、ここにさらに重なってくる想定の悪さとしては代表の株が立会外分売りではなく市場売却でされた場合かと思います。あくまでこれは短期的な需給の話ではあるのですが、市場売却だとメッセージは何もなく、大量保有報告書で投資家は知ることになります。
 この場合、例えば今の安値で売却しようものなら『代表が今の株価で売る』
⇒『今後の業績や株価上昇の材料がないから今が高値』⇒『今期〜来期の見通しが暗い』というメッセージ性をもたらすことは想像に難くありません。
 願わくば好材料と合わせて立会外分売りで流動性に貢献して頂きたいところです。

 あと、これは商習慣と言うものなのかもしれないのですが、三栄建築設計は8月期決算ですが4Q偏重で売上が立ちます。
 8月期の不動産販売なのに4Q偏重な理由が全く分からなかったのですが、これは『絶対何としてでも年間売上を達成させるんだ!』という発破が掛かっていることが大きな原因であることが取材によって分かりました。
 締め切り効果は大変偉大であることは執筆を迫られて記事を徹夜で仕上げることが多い私には非常によくわかります。が、しかし、4Q偏重で売上を作ろうとするあまり4Qの粗利率が例年ほかに比べて2%〜4%悪いというのは大きなマイナスポイントです。粗利率が大きく下がるということは4Qで他の四半期に比べ値下げしてでも販売を頑張っているという証拠です。

 同業の分譲戸建て住宅プレーヤーの飯田グループホールディングス・オープンハウス・ケイアイスターも4Q偏重ということはなく、粗利率も極端にばらついたりもしていません。ということは4Qに大きく値引き販売をしてまで売らなくても売れるであろう物件を業績予想の売上ノルマを守るためにそうしているという可能性が濃厚です。
 取材においても4Qは値引き枠も大きく設定しやすく、完成3か月以上の売れ残り完成在庫も4Qでしっかりと整理するという意向もあるようです。
 物件完成前に50%が成約するとは言っても売上として計上されるのは物件引き渡しベースである以上、4Qに売上が立つように土地仕入れをしているともいえるわけです。

 この問題を根本から解決するにはおそらくは1年〜2年程度業績予想との数字のズレを作ることになるでしょうし、そもそもそういうリズムでビジネスを長年してきてしまっている以上はそう簡単に切り替えれない可能性も大いにあり得ます。粗利率を下げずに4Q偏重であれば良いのですが、粗利率を下げてまで売る必要があるかというのはどうしても疑問が残ります。
 経営陣がどのように考えているのか?を聞いてみないことにはここに関しては判断しにくいのですが、粗利率を低下させてまで売ってしまうべきは不人気物件だけで良いと思います。今後こうしたところも経営効率改善で利益率がダイレクトにプラスになるポテンシャルがあるともいえます。

・三栄建築設計
 株価       1806円
 時価総額     383億円
 今期予想     PER5.4
 今期予想     PBR0.75
 今期予想配当利回り 4.15%

 同社はESG・SDGsの観点でも国産材使用と植樹ということをやっています。これによる環境への効果は決算説明会資料で詳しく書かれているのでご覧ください。
 同社は長期的には5000棟の分譲戸建てプレーヤーを目指しており、
 19年8月期が1600棟
 20年8月期が1696棟
 21年8月期が1990棟
の引き渡し件数の伸びを記録しています。分譲だけではなく注文住宅も伸ばす方針です。
 現在は販売部門も設計・開発部門も人員採用を拡大しており、真剣に目指していると思われます。また、時代の変化によってYouTubeでの営業効率アップは非常に強力な物となってきています。

 こうした様々な施策が成果として実る頃には業績も株価も配当金も大きく成長していると大いに期待したいと思います。


それではまた!

『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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相川伸夫のピックアップ銘柄フォロー&信和(3447)と三栄建築設計(3228)の小話

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■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー(動きのあったもののみ掲載)
 ※2021年9月24日(金)執筆時点

・山王(3441)2016年12月19日配信
 株価560円⇒1940円(+246%)
・東京エレクトロンデバイス(2760)18年4月6日配信
 株価1970円⇒9150円(+364%)
・丸順(3422)18年9月18日配信
 株価826円⇒809円(−2%)

 山王は再生エネルギー、特に水素枠として広く認知されるようになり、本業でもしっかりと黒字になり、私が初めて執筆した2016年末からもうすぐ5年が経とうとしています。水素透過膜及び銀メッキアクリル粒子の新規事業の進展についても今後どうなっていくのか見守りたいと思います。

 東京エレクトロンデバイスは執筆から3年半で+364%とすさまじく株価が上がりました。
 特に9/6の上方修正を契機に5810円から9000円突破まであっという間のことでした。正直な本音としてはここまで強いことに驚いています。
 今期の業績は特別利益として19億強が載っておりEPSがブーストされています。配当性向の特益を加味して計算しているので配当金もブーストされています。半導体が絶好調なのと、同社がこれまでにやってきた事業が実っておりそれが評価されているのは素直に喜ばしく思います。
 ただ、特益を除いた通期予想EPSは285円であり、配当性向40%の場合は114円が実力値であり、これはPER31程度で配当利回りは1.2%程度と言い換えることができます。
 私が執筆をした時のPERは12程度で配当利回りも3.3%程度でした。
 実力ベースの今と比較すると2.5倍ほどの市場評価を獲得しています。
 これが人気化という意味なのは理解する一方、商社は安定した収益を出せるけれど市場からの評価はそこまで高くはないというのがこれまでの常識でした。同社の評価は今が正当な評価なのか?はたまた割高で来期以降逆回転してしまうのかは市場のみぞ知ります。
 個人的には今の株価自体は割高に映ってしまいます。
 しかし、同社の成長は今後も続くでしょう。半導体市場の動向に業績は影響されてしまうのは仕方ないとしても面白いビジネスが出てきているので今後も楽しみにしています。

 丸順は現状、半導体不足による国内自動車メーカーの減産という悪材料吹き荒ぶ嵐の中にあります。正直今は買える材料がないのでこれだけ株価は下がってしまっています。

 私が初めて同社を執筆してからちょうど3年が経ちました。3年前のPERは4であり、財務面でも当時自己資本比率は13.4%でしたが足元では大きく改善し35.9%に!
 配当性向もこれから拡大していくタイミングであり、トヨタ自動車やフォルクスワーゲンからの新規受注や世界一のバッテリ―メーカーのCATLからの量産受注も進んでおり、中身は良くなってきています。しかし、今のPERもまた4です。
 名証から東証二部に昇格しました。BPSは当時822でPBR1でしたが足元ではBPSは1320でPBR0.6。しかしPERは4です(笑)

 今期通期予想の業績数字は自動車メーカー、並びに他の自動車部品メーカーと比較しても半導体不足懸念を他社以上に強く懸念した通期業績予想を開示されました。私はその時は「丸順はなんて控えめなんだ。低く出して上方修正すれば良いってものでもないぞ!」と思っていましたが、そう思ったことを反省しております。ゴメンナサイ。実際は他社が下方修正になって丸順はそのままの数字で着地できるかどうか?というすさまじい予測精度であった可能性が急速浮上してきています。

 今、同社に一番危機感を持っている部分があるのは買収懸念です。株価が実力に対して低すぎる。今は東プレの持ち分適用関連会社ですが、私の感覚としてはPBR1倍で丸順を50%の持ち分まで買って連結子会社にするのには30%買い増すだけで足りるので東プレは丸順を買うのは経営戦略として〇だと思います。必要な資金は47億円で済み、TOBをすればおそらく手に入るでしょう。

 自己資本比率も十分に健全な数字まで戻り、この5年は安定して毎年20〜25億円も純利益を出せる優良企業になりました。東プレは丸順とのシナジーを十分に活かせるポジションであり、近年それは拡大しています。

 丸順の収益性から考えればあと47億円の出資で毎年会計上でも純利益が持ち分の50%分、つまり10億円以上算入され、配当性向を30%〜50%にしても経営には支障がないでしょうからキャッシュも手に入ります。

 投資利回りは純利益ベースで年10%であり、今買えばのれんが付く事もありません。配当性向50%にして吐き出させれば年5%のキャッシュインカムも期待できる投資であり、かつ今後まだまだこれから伸びる伸びしろを持っている企業であると私は同社を分析しています。
 こうしたことから私には東プレが丸順を買うのは非常に割の良い投資であり、これ以上安い株価推移が続くようならそういうことが起こってしまうのではないかと非常に危惧しています。

 丸順代表の齊藤社長は今の株価にそういう危機感を持っていないのだろうか?と私は大変気にしています。
 債務超過で倒産の危機から獅子奮迅の働きで従業員一丸となって本業を取捨選択し、銀行と資金交渉をして必死に健闘されました。この5年で自己資本比率も上げてこれからだというときに安値で会社を買われると「今までありがとね!お疲れさん!」と一番おいしい所をかっさらわれてしまいます。
 そうなることは至って合法な行為であり、それが資本主義であり、株式市場です。

 しかし、それはあんまりです。
 だからこそしっかりと株価意識を持たないといけないのです。
 「中期的に配当性向を段階的に上げる」とか言ってると株価は徐々にしか上がらず、BPSの増大速度の方が超過し、年を追うごとにPBRは0.6⇒0.5⇒0.4と買収リスクはどんどん上昇してしまいます。配当性向を上げるのであればいきなりドンと20%とかに上げないと株価は満足に上がってこないので安値で買収されてしまう可能性があります。
 今が配当性向6%なので20%って大きい気がしますが、全くそんなことないです。今の市場平均の配当性向は30〜40%の間にあります。もちろん企業の成熟度やビジネスから鑑みて判断する必要はあります。
 それに今の丸順であれば配当性向20%でもBPS増大速度超過になるので個人的には30%スタートの長期的に40%を目指すでもなんら問題はないと感じています。

 経営が再建できたことで新たなステージに変わっていることがしっかりと伝わってくれると幸いです。
 今後もっと成長できるのに買われてしまって制限のある経営を余儀なくされるのは非常に勿体ないのではないか?と個人的に感じてしまいます。自社の為にもそろそろ株価対策をしないと本当にマズイですね。

 とはいえ、個人投資家説明会の開催や決算説明会の開催。決算と同時に資料今後出せるようにであったり、ESGに関する記載をHPや説明資料で取り上げる等とそうした行動は非常に素晴らしいです。
 今は流動性が乏しすぎるので機関投資家は入ってきません。
 今、同社の株を買えるのはほとんど個人投資家でしょう。2年後以降に同社が第二の東京エレクトロンデバイスのように人気化するのではないかと期待したいと思います(笑)

※ピックアップ銘柄は買い推奨ではありません。
 私の目で面白い、アツイ要素がある!という理由で記事を執筆した企業の経過観察です。
 銘柄には大化け狙いと堅実成長狙いの銘柄が混じっており、銘柄数もかなり増えたので全てを列挙することはやめることにしました。


◆現在分析中の銘柄についての小話


 今後の鉄鋼価格次第の部分はありますが、今は信和(3447)を調べています。同社は仮設足場を製作している企業ですが、原価の構成は鉄:亜鉛:人件費=5:3:2の割合であると取材でも伺っています。現在、鉄価格はどんどん上がっていますので同社はさぞ経営難なのではないか?と思ったところ、しっかりと値上げをしていると伺っています。業界の一番の牽引企業である同社が値上げをすると他社も値上げをする構造であり、そのあとに鉄価格が下がったとしても果たして値下げをどれだけするのか?という所が楽しみな所ですw


 あとは三栄建築設計も面白いのではないか?と思って分析しています。
 同社はメルディアという名称でブランド展開しており、子会社のシード平和の名称を「メルディアDC」に変更することをIRで発表しています。子会社の名前を変えたのだからおそらくこの後親会社の三栄建築設計も名称変更をするのではないでしょうか?
 同社は中計で配当性向を今の20%⇒30%に目指すことを掲げています。
 また、現在不動産が絶好調なのは周知のことと思いますが、その分譲戸建てを売っている三栄のメルディアのブランドでYouTubeチャンネルがすさまじい伸びなことに着目してもらいたいと思います。このペースで行くと来期末には登録人数は4万人も優に超えるかもしれません。同社のチャンネルの動画は純粋にルームツアー動画だけではないので登録数全てを見込み客カウントしてはいけないかもしれませんが、LibWorkが不動産とYouTubeチャンネルの相関が出ることを示唆して頂けた先行事例があるので、そうした観点でも中長期で面白いのではないか?と現在考えています。


それではまた!

『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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相川伸夫の決算説明会報告(丸順3422&中央自動車工業8117)

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■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー(動きがあった物だけ抜粋)
 ※6月4日(金)執筆時点

・中央自動車工業(8117)20年10月9日配信
 株価2020円⇒3155円(+56%)

※ピックアップ銘柄は買い推奨ではありません。
 私の目で面白い、アツイ要素がある!という理由で記事を執筆した企業の経過観察です。
 銘柄には大化け狙いと堅実成長狙いの銘柄が混じっており、銘柄数もかなり増えたので全てを列挙することはやめることにしました。


 5/28に丸順と中央自動車工業のオンライン決算説明会が開催されました。
 ポイントは両社ともにこうした動きがこれまで全くなかったにもかかわらず、今回、説明会が開催された点にあります。
 両社ともにきちんとした決算説明資料を使用した会社プレゼンがあり、その後質疑時間も20分弱ありました。しかし、残念ながら6/4現在ではこうした資料がHP等で開示されてはいないように見受けられます。長期投資をしてくれる個人投資家、株主はいわば会社のファンです。折角の良い資料なので、ぜひとも両社ともにIRに活用してもらえればと切に思う次第です。
 本日は当日の質疑内容を私のメモで恐縮ですが以下にまとめました。
 参考になれば幸いです
※私のメモですので、正確性や解釈に対して会社側との相違があるかもしれません。その点はご留意ください。

■丸順の決算説明会での質疑メモ

Q1、今期通期業績予想の売上の策定根拠について質問です。
 ホンダや日産の今期生産台数の見込みから御社の売上を試算するともっと上でもよかったように思いますが、御社特有の大きな減収要因が何かあるのでしょうか?今期業績の前提シナリオについて教えてください。
⇒ホンダ、日産の計画を元に算定の参考にはした。しかし、ホンダ様の決算説明でも半導体に関しては不透明だという説明もあった。上期が半導体で減収でも下期で挽回見込むとの話しがあった。お客様からだけの話ではなく、ルネサスの復旧が1か月以上遅れていることもあるからそれも加味して弊社の今期通期予想として算定した。

Q2、日産ノートe−POWERで1470Mpaの冷間超ハイテン材採用のニュースがありました。これは超ハイテン金型がさらに増えてくるであろうこととホットスタンプから冷間プレスへの一定のリプレイスが起こるのではないか?と考えていますが、御社への新規金型受注や開発への影響を教えてください。
⇒日産ノートの1470MPaの採用は丸順が得意なピラー関係ではない。
 レインフォース関連のもの。日産関係の車種名は言えないけど、大きなミニバンの開発に携わっていて骨格部品の超ハイテンの金型を丸順で作っている(量産は無し)。新規金型はトヨタ系・日産系でも金型の受注が取れているので安心してほしい。

Q3、中計最終年度の自己資本比率は達成の見込みとのことですが、中計最終年度の株主への還元方針の考え方や配当性向の目安についてお聞かせください。
⇒配当性向についてはまずは財務状態をよくすることが目標。次期中計には配当性向の具体的な目安を設定したいと考えている。

Q4、EVバッテリーが全固体電池になった際に、電動化部品事業への影響はありますか?あるとするならどの程度の影響があると考えられますか?
⇒全固体電池の全面採用は5年か6年先になると思う。今現在のリチウムイオン電池ではケースや蓋などに関しては普及しているけど、多分これらはなくなっていく方向だろうと電動化部品事業で考えている。それよりも今、受注拡大をしているバッテリーそのもののモジュール、一台当たり24個とか36個などの大量生産の部品に注力をしている。全固体電池向けも研究をしていて、膨らんだり熱膨張に関しても多少あるからハイテンで押さえ込まないといけないというのもニーズはあるかもしれない。もちろん材質がCFRP等になるとハイテンの出番はなくなるのでモーターのケースに関しても研究開発と営業をしている。

Q5、中計最終年度の売上600億円は遠いように感じます。新車販売台数がどの程度の水準であれば達成できるとお考えでしょうか?
⇒現状のままでは600億円の最終売上達成は非常に厳しいと考えている。
 ただし、売上が下がっても原価低減を続けることで利益率は落とさない。これができれば利益の積み上げが出来て、自己資本比率40%は見えているところ。今、営業活動している部品は3年後の売上にしか直結してはこないので、600億円の売上目標は生産台数が減る中で届かないかもしれないが、現在受注している仕事では期首よりも原価を3%下げる目標で活動している。
 営業利益率9%以上と自己資本比率40%は達成できると見込んでいる。

Q6、期中に上方修正することがここ数年多いのですが期初見通しとの差はどこが要因で起こっているのでしょうか?
⇒前期は特殊要件がいっぱいあったが、その前等に関しては端的に言うと一定条件の設定が間違っていたということになるかもしれない。保守的である傾向があるが構造改革の時に「背伸びをした計画をすることはしてはならない」という名残りがあるのかもしれない。投資家とも話をしながらストレスの掛け方はもう少し柔軟にしなければならないということは思っている。

Q7、タイ丸順において大幅な構造改革を行うとのことですが、具体的な施策を教えてほしい
⇒現在進捗中。一番はリストラによる人員削減とボーナス抑制の労務費関係、経費で行くとタイ独特の文化である従業員の送迎に関する業者や車のサイズ 等の見直し、投資に関しては償却がタイは少ないので更新設備は自動化設備等を入れている。タイは7月からお客様の生産は元に戻るという計画の内示が出ているから今期はタイは赤字にならない見込み。

Q8、東証再編において、プライム市場に向けての動きはあるのでしょうか?
⇒東証二部に上場したから、プライム検討しないなんて言う選択肢はないと思う。とはいえ二部に上がったばかりなので冷静にプライムに行くためにはどうしたらいいのか?次期中計にも織り込んで考える必要があると思っている。

・丸順説明会を受けての印象
 見通しは全体的に保守的であり、その状況で中計の売上以外の利益率や自己資本比率に達成できる自信があるということ、つまりは利益率を達成できるほどの売上が現時点で見込めているという裏返しと取ることができます。
 超ハイテン並みに固めに見積もるのがこれまでの定石になっているので、今期の見通しについては相当に固い数字ではないか?と思います。また新規受注も想定通りに好調だと来期の利益率に関しての発言から感じました。
 次期中計では配当性向に関してやプライムに向けても指針を示す可能性もあることから益々楽しくなってきていると感じました。非常にポジティブです。


◆中央自動車工業の決算説明会での質疑メモ

Q1、M&Aに関してコロナ禍でも積極的に行うのか?また、どの分野で考えているのか?
⇒ビジネスの拡充の為にも時期を選ばずにやりたい。自動車関連ビジネスでシナジーのあるビジネスを優先。ケミカルとかであればM&A以外でも協力関係を取り組むことを考えたい。

Q2、これまでIRに消極的なイメージでしたが、今後もこのような説明会をやっていくのか?
⇒HPやスモールミーティング、株主総会で会社方針なども説明していたけど昨年はコロナ禍で株主総会もさみしいものだった。なので今期より幅広く継続して説明会を実施する予定。

Q3、国内は少子高齢化市場ですが今後の伸びは期待できるのか?
⇒国内の主要ビジネスであるコーティングビジネスは国内自動車販売店様では未導入もまだまだ多い。また、付加価値の高いコーティング販売へのシフトにも注力している。新商品開発にも注力しており、異業種を含めた過去になかった需要を創造して少子化の中でも需要を作っていきたいと考えている。

Q4、世界的な新型コロナ蔓延で海外での影響は?
⇒昨年上半期は世界中でロックダウンもあって市場が大きく停滞した。昨年から現在も出張が伴う営業はできていない。しかし、ワクチン接種も進んで海外市場も回復してきている。営業面ではITを活用したリモート営業で通常営業は問題なく行けるようになった。海外拠点は9年前は3か所だったが、今は10拠点になった。渡航ができない今は海外での現地勢が動いているのでアドバンテージがある。今年度は昨年よりも大きく上回る計画を立てている。

Q5、EV化した場合の対策は?
⇒EV化が本格化した場合に影響が受けるのはエンジン部品やエンジンオイル等は輸出しているから影響が出る。国内だとエンジンオイル添加剤もあるからそれらも影響を受ける。EV化で落ち込む売上に関してはそれ以外の新規事業を考えている。ボディーコーティングなどはEV化とは関係ないのでまだまだ拡大をしていく。業容拡大を目指したM&Aも考えていく。

Q6、ROE目標の10%ですが、10年連続10%以上を達成している中、もっと上を目指すことはないのか?
⇒ROEの考え方において、収益を増やしてROEを上げていくのは続けていきたい。引き続き付加価値の高い収益の高いビジネスを続けていきたい。
 目標水準についてはコメントを控える。

Q7、カーコーティングの競合であるkeeper技研が新車領域に参入してきていますが、こちらによって御社のカーディーラーコーティングシェアを奪われるリスクについてどのようにお考えですか?対策等について伺いたいです。
⇒keeper技研がディーラービジネスに参入してきているので強力なライバルにはなる。ただ、従来keeper技研以外にもライバルはたくさんいるし、純正も競合。新たに競合が一社増えたということであり、これまでも競合がいる中でやってきた。我々はお客様の喜ばれる商売を続ける。それだけに尽きると考えている。

Q8、2017年3月期以降、利益成長の加速があるが、これを引っ張っている牽引商品はなに?また、利益率が継続的に上昇している理由はなに?
⇒ここ数年は国内のビジネスが伸びている。主力のボディーコーティングやアルコールチェッカー等自社開発のオリジナルであり、付加価値の高いビジネスが伸びていることで収益力が上がっている。今後もボディーコーティングを中心にこれらの商品には注力していく。

Q9、人員生産性の高さの背景はどこにあるのか?
⇒ボディーコーティングやオイル添加剤のように一部技術を伴う商品がある。
 しかしながら営業部と技術部に分けていないシステムをしている。営業部が技術に関してもアフターに関しても一人の人間が完結する。営業が技術力を養うには2〜3年の修業が必要。こうした人材が今の数字を作っており、生産性が向上している。

Q10、今回決算説明会をするに至った背景・理由は?
⇒株主総会で株主にしっかりと会社方針や内情を伝えられていたと思っていた。
 HPでの開示も積極的にやってきたつもりだった。しかし、株主総会がコロナ禍で簡素化してしまうとかいろんな機関投資家様から説明会をやるべきという意向も多く、今回やることにした。

Q11、国内のコーティング事業について。お客様の高級化志向での変化はあるか?洗車事業を由来の補修用製品を主力にしている他社と競争が激化してるように見えるけどどうか?
⇒高級化志向については弊社のボディーコーティングの付加価値の高いものの販売が年々高まっている。これは販売店のスタッフからも大変な高評価を頂いている。販売店スタッフに品質を理解してもらうことがカギになっていると思う。洗車事業を由来とする競合は従来からたくさんあって、切磋琢磨をしてお互いに他社のいいところは見習って商品力を競い、業界の発展ができればいいと思っている。

Q12、自動車処分事業ABTの2022年3月期の業績計画と同事業の中期展望を教えてほしい。
⇒ABTの業績計画は具体的には公表していないが、大体は前年並みの計画を毎年している。ABTの事業は廃車になった自動車の処分事業になる。例えば大雨・洪水などの自然災害で自動車の水没等が出ると修理台数が上がる。多くの車が廃車になると売上が上がるビジネスモデルなので予測が難しいので基本は前年並みの売上計画。ただし、オークションの単価を上げたり等の収益率向上は企業努力をしていく。

・中央自動車工業説明会を受けての印象
 こちらも非常にポジティブです。IRの消極姿勢が同社の市場評価を下げていた一番の要因だと私は考えていますのでそれをきちんとやるだけで正当な市場評価をされるものと思います。また、自社開発のコーティングとアルコールチェッカーが大きく伸びていること、特に高級コーティング志向の高まりというのは大きなプラスポイントでしょう。
 新車販売台数に関係する売上の伸びになりますが、おそらく今期は半導体懸念もあるので控えめに見ている可能性があります。上期までは半導体の影響が新車販売に影響すると思われるのでそこまでの数字との兼ね合いを見れば下期の業績の数字は読めるかもしれませんね。


 それではまた!


『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


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