金融業界を変えるのは誰だ?

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 こんにちは。梶原真由美です。


 今回は私たち個人投資家にも影響があるであろう、最近の金融業界の動向についてお話したいと思います。


 先日、ある大手アセットマネジメント会社が開催したIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)との情報交換会へIFAとして出席してきました。


 米国では低コストの投資信託やETFを独立系アドバイザー経由で顧客に販売するサービスが広く定着しているが、なぜ伝統的な証券営業からそのような流れになったのか。
 その事実が日本へ示唆するものは何か?

といった事を共有し、意見交換する内容でした。


 私としては「あの」大手金融機関が、金融機関に所属しないいわば真逆といえる立場にいるIFAとの意見交換会を開催する事に驚きましたが、実は最近、このような金融機関の動きが活発になってきているのを強く感じています。


 その理由のひとつは行政の動きにありました。


■金融庁からの強いメッセージ


 現在、金融庁は「フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)」を掲げ、各金融機関業界団体と意見交換会を開催し各業界団体へ向け問題提議を行っています。

 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点(金融庁)
http://www.fsa.go.jp/common/ronten/index.html

 その内容は「具体的」に「厳しく」改善点を指摘していますが、
 なぜ、金融庁はここまで本気になっているのでしょうか?

 発端は安倍内閣の成長戦略「日本再興戦略2016」の中にありました。

 日本再興戦略2016 ―第4次産業革命に向けて―
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/2016_zentaihombun.pdf

 P153からの「活力ある金融・資本市場の実現」へ向けた具体的施策として、「フィデューシャリー・デューティーの徹底」とし、以下の内容が記載されていました。

(本文引用)

・商品開発・販売・運用・資産管理といった顧客の資産形成に携わる全ての業
 者において、フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)の
 徹底が図られるよう、必要な対応について、金融審議会において検討を行う。

・顧客のニーズや利益に真に適う商品の提供の観点から、投資信託や貯蓄性保
 険などのリスク性商品にかかる手数料の透明化・適切化に向けた取組を進め
 る。


(引用終)


 個人金融資産を「貯蓄から投資へ」はもう随分前から言われていますが、全く進展を見せない原因には日本の金融業界が「顧客本位ではない営業」をしているからだと行政は判断したのではないでしょうか。

 もっと言えば、金融機関で利ザヤを抜きすぎている為に、本来個人投資家が金融商品から得る利益を不当に圧迫している。だから個人投資家は「投資をしてもお金が増えない」と感じてしまい日本では「貯蓄から投資へ」が進展しないのです。


■保険業界への指摘



 ひとつの例として保険業界に向けられた指摘をクローズアップしてみます。

 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点(金融庁)生命保険業界(平成29年6月9日)
http://www.fsa.go.jp/common/ronten/201706/04.pdf

 概要は以下の通りです。

1)収益構造について
 ・事業費に占める固定費(販売手数料・人件費等)の割合が高い
 ・利差益等の内部留保を適正に契約者へ配当すべき

2)顧客利益について
 ・顧客が真に必要な保障を意識した時、現在の販売(複数の保障を重ね売する)が継続可能かと考えるべき

3)代理店販売について
 ・顧客に対し、代理店へ支払う手数料率開示をすすめるべき
 ・変額保険では、顧客本位の観点から運用委託先や運用スキームの選定を十分に比較検討すべき
 ・変額保険では、顧客が負担するコストの開示を定量的にすべき
 ・保険募集手数料について、販売量の多寡に応じたものではなく、顧客対応やアフターフォローなどの「質」も反映すべき


■顧客の立場から今出来ること


 金融庁の指摘は、顧客側にとってはメリットが多いものです。
 低コストの金融商品がより多く流通したり、金融商品の情報開示が進み商品選択の肢が増えます。
 その結果、私たち顧客が金融商品から得る利益も上昇することでしょう。

 しかし金融機関にとっては収益構造を大きくシフトチェンジする必要があり、容易には受け難いのも事実です。

 この歓迎すべき流れを加速するためのポイントは、私たち消費者が顧客本位で運営する(変革にチャレンジしている)金融機関を選択する形で支援していくことではないでしょうか。

・行政が変革の声をあげる
・消費者行動が変わる

 こうなったら金融機関も変革せざるをえません。

 「あの」大手アセットマネジメント会社が「顧客本位の業務運営」に近い形で営業するIFAと意見交換の場を持ったのは、顧客本位の体制に変革する為のヒントをIFAに求めている様に感じました。

 少しずつですが金融業界が変わりつつある事を示唆しているのではないでしょうか。


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CFP 梶原 真由美


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若者は将来の為に貯蓄をどのようにすべき?

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 こんにちは、梶原真由美です。


 先日、ある転職サイトのマネーコラムの取材を受けました。

 取材で受けた質問の中で
「20代〜30代はどのように貯蓄をすべきかを教えてください」
といったものがありました。

(というか、貯蓄術的なテクニカルな質問ばかりでした)


 私が話した内容は、20代が数万円の貯蓄に精を出したところであまり意味
がなく、そのお金を使って自己投資をしたほうが良い。です。

 これにはもちろん理由があるのですが、最近読んだ本で明快に説明してくれ
ている本があるのでご紹介します。


 橘玲著 幸福の資本論


 本文では冒頭で

「ひとは幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされ
ているわけではない。」

とし、だからこそ幸福になるための戦略を持って生きることが重要だと語られ
ています。

 そして「幸福に生きるための土台」を以下の3つのインフラで設計すれば、
誰でも「幸福の条件」を手に入れることが出来るとしています。


・幸福の条件
(1)自由
(2)自己実現
(3)共同体(絆)

・3つのインフラ
 金融資産=自由
 人的資本(働いて稼ぐ力)=自己実現
 社会資本=共同体(絆)

更にこの3つのインフラを使って
・人生の8つのパターンを説明しています。

貧困・・・3つのインフラを何も持たない。
 主にプア充が社会資本を失って転落する。

<プア充>
 社会資本のみを持っている、田舎のマイルドヤンキー等、
 「イツメン」(いつものメンバー)と「友情」や「地元愛」で楽しく生きて
 いく。

<リア充>
 金融資産は無いが、高収入を得られる職業(人的資本)と友達や恋人(社会
 資本)がいる。

<お金持ち(投資家/トレーダー)>
 人的資本と金融資産はあるけれど友達がいない(社会資本がない)タイプ。

<旦那>
 金融資産と社会資本を持ちながら働いていない。気前よく財産をバラ撒く人
 気者。

<退職者>
 金融資産だけ持っていて、人的資本も社会資本も持たない、イメージは独身
 の退職者。

<ソロ充>
 人的資本だけあって金融資産と社会資本を持たない。結婚に興味なく、稼い
 だお金は自分の趣味等に使う。

<超充>
 金融資産、人的資本、社会資本を誰もがうらやむような水準で持っている人。
 あまりいない。


 みなさんはどれに該当するでしょうか?
 または、どのパターンで生きていきたいでしょうか?


 本書内はこのように続きます。

「資本をひとつしか持っていないと、ちょっとしたきっかけで貧困や孤独に陥
るリスクが高くなる。」

 それは例えば
「退職者」が金融資産を騙し取られたり
「プア充」が友達を失ったり
「ソロ充」が失業したり・・・

 つまり、いかに3つの資本を戦略的に保有し成長させていくかを考えること
が幸せになるためには必要だというアイデアです。


 ここで冒頭に話を戻します。

 なぜ若い間にコツコツ貯蓄をすることがナンセンスなのか?

 金融資産と自己資本は、逆の相関を形成します。
 自己資本を市場に提供し続けることによって金融資産は増加していきます。
(働いて稼ぎ、貯蓄・運用をする)

 しかし若い間は、自己資本を市場に提供しても稼げる金額はそう多くはない
のが普通です。
 であるならば、若い間にすべき事は自己資本を高め稼ぐ力に加速度をつける
ことが重要なのではないか?
(生涯年収を増やすために、自分の市場価値を高める)
と考えています。

 また社会資本の形成も重要です。
 よくある話ですが、退職者・失業者が次の職を見つけるきっかけは
「じゃあ、ウチの会社に来るか?」といってくれた知人だったという話はよく
聞きます。

 これも貧困に陥らない為のセーフティーネットに社会資本が役立つといった
例だと思います。


 若者は節約の為に友達や同僚の誘いを断り、本も映画も見ずに毎月数万円を
貯蓄するならば、社会資本や自己資本の質や量を高める為にそのお金を使った
ほうがいいと思うのです。

 こう考えると、20代が株式や債券を保有し、金融市場を通じて社会を学ぶ
ことは自己資本にも金融資産にも良い影響を与える事が出来るので効率的だな
と思いました。


 私がここでご紹介したのは一部内容のみで、本書ではより深く3つの資本に
ついて説明されていたり、後半部分では具体的に3つの資本をどう活用してい
くかが説明されています。


 とても面白い本だと思いましたので、ご興味持たれた方は読まれてみてはい
かがでしょうか?


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保育園システム化でみんな幸せに」



 マネーライフプランニングの梶原真由美です。


 私には1歳2ヶ月になる娘がおり、この4月から保育園に通わせています。
 そんな中、現在の保育園の非効率な部分を目の当たりにしているこの頃です。

 一方で、今の保育園のICT化事情がなかなか凄い事になっていると気がついたので、今回はそれをみなさんとシェアしたいと思います。


■ICTとは?(コトバンクより)



 ICT(Information and Communication Technology)は「情報通信技術」の略。
 IT(Information Technology)とほぼ同義の意味を持つが、コンピューター関連の技術をIT、コンピューター技術の活用に着目する場合をICTと、区別して用いる場合もある。
 国際的にICTが定着していることなどから、日本でも近年ICTがITに代わる言葉として広まりつつある。


■保育園の3大アナログ問題


1)連絡帳
 家庭と保育園での引き継ぎに使う目的で記入します。

 <家庭で記入する内容>
 ・夕食(何を食べたか?時間)
 ・排便(時間・様子)
 ・入浴(時間)
 ・睡眠(就寝・起床時間)
 ・朝食(何を食べたか?時間)
 ・朝の体温
 ・自由記入欄

 これ、全て手書きで正直もの凄く面倒です。
 当然帰宅してから娘が寝るまでの間は書く暇も無いので、これらを記入するのは娘が寝た後。しかも、朝の内容は登園直前でないと書けません。

 娘1人分だけでもこんなに面倒なのに、保育士さんは園児全員分を手書きしていると考えたら大変なご苦労だろうと思います。


2)配布物
 園からの連絡物があると全てペーパーで配布されます。
 配布方法は園児それぞれの名前がついたクリアファイルに入っており、保護者が抜き取っていきます。

 催し物の出欠連絡や、個人面談の日時調整など全てペーパーで提出です。

 特に個人面談等の日時調整は、希望日を3つくらい提出しても確定連絡が来るのに2週間程かかり、その間3つの予定を空けたままにしておかなければならずとても困ります。


3)欠席連絡・お迎え要請連絡が電話
 乳幼児は熱を出すことも多く保育園の欠席や発熱によるお迎え要請を園から受けることがままあります。
 それらが全て電話連絡となっています。

 特に朝の限られた時間の欠席連絡は、想像するに園の事務所は電話が鳴りっぱなし状態ではないかなと思います。

 また、お迎え要請連絡も仕事中の保護者が電話に必ず出るとは限らず、園側も連絡が取れるまでなかなか大変なのではないかと思います。


■保育園ICT化が凄い


 今までアナログで行われていたものを全てネット上に一元化・デジタル化したサービスが昨年頃から沢山登場していました。

kidsly(キッズリー)
https://kidsly.jp/index.html

 リクルートホールディングスが提供する保育園システムです。

 保育にかかわる様々な業務を支援しながら、保育園と保護者のコミュニケーションを深めるサービスとして紹介されています。
 2016年3月15日にローンチされたこのサービスは、わずか3ヶ月で130を超える園の導入が決定したようです。

 登降園管理・連絡帳・写真共有・個別連絡・園からのお知らせ・カレンダーの6つの機能を搭載しています。

 これが導入されれば、3大問題も一気に解決するのではないかと想像します。
 保育士さんの業務負担軽減や離職率を下げることを目的とされているようですが、私達保護者もとても負担が減って助かります。


 キッズリー以外にも沢山の保育園システムが登場しています。

【参考】

保育園システムの選び方ガイド
http://www.hoikuen-system.com/


■厚生労働省による「保育所等におけるICT化推進等における補助金」に対応


 このように近年ICTサービスが開発・普及された大きな要因は補助金の存在があったのではないかと思います。

 「待機児童解消加速化プラン」において待機児童を解消させる手段として、厚生労働者が「保育の料拡大を支える保育士の確保」のための取組みとして保育所等におけるICT化の推進の補助を14億円の予算からスタートしました。

 園へのICTシステム導入に対して最大100万円の補助がされるようになっている様です。


■保育士不足解消に大きな期待


 保育士の有効求人倍率は東京都で5.39倍(2016年10月)を記録するなど保育士不足は深刻です。
 課題である保育士の賃金上昇と同時に、生産性向上も問題解決の糸口として期待されており、大手保育園のJPホールディングス(2749)やサクセスホールディングス(6065)も中期事業計画で業務のICT化を盛り込んでいます。


 一連の流れを見て改めて感じるのは、国や地方自治体の施策には大きなビジネスを生み出すパワーがあるということです。

 待機児童問題から、保育士不足問題は去年の「保育園落ちた、日本死ね」から大きな話題となり急速に進展してきたと感じますが、国(地方自治体)の施策がどの方向を向いているのか?をいち早く読み取っていくことはビジネスはもちろん、株式投資においても有効ではないかと感じました。


 今後もICT化は広がっていく事でしょう。
 早く娘の園にも導入されてくれないかなと、待ち遠しく思います。


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世界ETF450兆円市場動向から見た投資家動向



 こんにちは。CFPの梶原真由美です。

 娘の保育園入園から早くも2ヶ月が経過しました。最初は預けるときに泣いていた娘も今では笑顔で手を振って送り出してくれるようになりました。
 毎朝、園に娘を置いて出るときに保育士さん達の「いってらっしゃい!」に励まされ感謝し、今日も仕事を頑張ろうと思うこの頃です。


 さて、みなさんはETFをご存知でしょうか?

 資産運用にETFを活用されている方も少なくないのではないでしょうか?

 ETFという言葉も昨今の日銀量的緩和に基づくETFの買い入れニュース等で耳にすることも増えてきましたが、ETFとは、「Exchange Traded Fund」の略で、上場投資信託のことです。

 その名の通り投資信託が上場しているので、証券取引所が開いている時間はいつでもリアルタイムで値段が動いており、自由に売買出来ます。


 ETFの代表的なメリットにコストが低い事が挙げられますが、一般的な投資信託と比較して、以下の3点の理由から信託報酬が安くなっています。

 ・信託報酬のうち販売会社に支払う部分がない
 ・インデックス運用なので運用コストが低い
 ・現物拠出型のETFは、株式売買コストが不要となる


 先日、世界で6番目のETF・ETPスポンサーであるウィズダムツリー・ジャパン社のセミナーに参加してきました。

ウィズダムツリー・ジャパン
https://www.wisdomtree.jp/

 同社の抱えるETFストラテジスト、渡邊雅史氏はETF市場の分析やETFを用いた運用戦略の立案・提案業務に従事しており、今回の講演でも「ETF市場動向から見た投資家動向」をテーマに語られていました。
 その内容がとても興味深いものだったのでみなさんにもシェアしたいと思います。


■なぜETFで投資家動向がわかるのか?

 世界のETF残高は2017年4月に4兆ドル超えました。
 東京証券取引所の時価総額は約5兆ドルですが、比較するとETFの市場規模の大きさがおわかりいただけるかと思います。
 2005年に425億ドルであったことを踏まえると、年間20%弱も残高を増やしてきたことになります。

 更に今後の予想では2021年には7兆ドルを超えるとされており、今後も残高の伸びは増加していく見込みです。

 また、投資信託残高の推移を追うと、アクティブファンドから流出した資金がパッシブファンドに流入しています。
 更には、パッシブファンドの内、3分の1程度がETFとなっています。

 ETFの市場規模は拡大を続けており、ETF業界の資金フローを追うことで投資家動向を見て取る事が出来ます。


■ETFを通して見る投資家動向(2017年1月〜5月)
 ウィズダムツリー・ジャパン渡邊雅史氏

・資金は米国から米国外へ
 米国にネガティブというよりは、新興国に対してのリスクオンか

・欧州株へのフローは復活、ただし今回は為替ヘッジせず
 2015年初頭にも同じ流れはあったが、その際ユーロに対しては為替ヘッジをする傾向があった。今回は欧州株買いのユーロ買いである。

・エマージング株へのフローは堅調
 2016年秋頃から新興国へは資金流入が続いており、現在もそれは続いている。

・日本株はトレンドは良くないが、余力はある
 海外投資家の日本株への資金フローを追うと、日経平均2万円だった2016年4月頃と比べ現在値を戻している今でも半分も戻ってきていない。
 つまり海外投資家の資金が日本株に戻ってくれば日経平均は更に上昇の余地がある。

・米国株の小型・バリュー相場は一服
 2016年〜2017年頭に米国小型・バリュー株への資金流入が拡大していたが、現在は落ち着きを見せている。

・ドル建て債券はエマージング+バンクローンの一方で、長期国債にも流入
 米ドル建て債券セクターETFの資金フローを追うと、エマージング債とバンクローンへの流入が拡大している。
 今後利上げ観測があるものの、長期国債への資金流入も拡大中。


■これからの投資戦略
 ウィズダムツリー・ジャパン渡邊雅史氏

・エマージング株へのトレンド注目点はインド。
 インドの改革プログラムは実行中で、行動力もある。

・共和党トレードの復活で米国小型株に注目
 中小小型株は米国内で利益を稼ぐ企業が多い。結果として米国における法人税減税の恩恵を受けやすく、損益期待が大きい。
 とはいえ、安易に小型株を買うのではなく「利益の出ている中小企業」を選別して買っていく必要がある。

・金利リスクをヘッジした米国債券総合ポートフォリオ
 金利上昇に備えた戦略として、ネガティブデュレーションETF(デュレーションがマイナスのETF)を保有することで、デュレーションをほぼゼロにし、イールドを確保するといったポートフォリオを持つことが可能。


 いかがでしたでしょうか?

 特に最後のネガティブデュレーションETFを利用した金利上昇リスクをヘッジする戦略は面白いなと感じました。
 米国の利上げ観測に伴い、2014年頃から登場しはじめたETFだそうです。


 国内市場のETFは未だ商いが薄い為、現状では少々使い勝手が悪いのが残念ですが、もっと国内でもETFが流行すれば私達個人投資家にも、低コストで良質な運用が出来る機会が増えるのではないかと思います。


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住宅ローン金利は変動か固定か

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 CFPの梶原真由美です。

 今日は住宅ローン金利のお話。


 みなさんが弊社にご相談に来られるタイミングはいくつかあって、特に多いのが「結婚」「出産」「住宅購入」「リタイア」です。

 今日は「住宅購入」相談の時に必ず質問される、

「変動金利と固定金利、どちらが良いでしょうか?」

という質問に私がどのように回答しているかをシェアしたいと思います。


■ズバリ回答は


 現在は全期間固定金利を推奨しています。

 今後の金利は上昇するか、このままの低金利が継続するかは私にはわかりません。
 但し、政策金利が下限に近い0.1%である今から、これ以上大きく金利が下がる事は考えにくいです。

 住宅ローンを組む上での大きなリスクは、変動金利でローンを組み、その後金利が上昇し返済金額が増加した結果、返済が計画通り出来なくなってしまう事です。
 最悪の場合は家を手放すだけではなく、家を手放した上で負債だけが残る…なんて事にも。

 最初から全期間固定金利で組んでおけば、そのリスクは排除することが出来るんです。

 今後、金利がずっと上がらなければ「変動金利にしておけば良かったなぁ」と思うでしょう。
 この後悔が怖くてなのか、変動金利を組む人の割合は住宅ローンを新規で借りる人全体の4割だそうです。


 みなさんは生命保険(死亡保険)に加入していますか?
 入っている人は、なぜ加入したのでしょうか?

 万が一、自分が死んでしまったら・・・残された家族の為に。と加入している方が多いのではないでしょうか。

 リスクヘッジの観点から考えたら、全期間固定金利を選ぶ事と生命保険の加入は同じ事だと思うのです。


 生命保険には「万が一死亡したら・・・」と考え、そのリスクヘッジの為に毎年数万円の保険料を支払います。
 結果何事もなく、ある程度の年齢まで人生を全う出来た時に「生命保険入らなきゃよかったなぁ」と後悔する人は、果たしてどれくらいいるでしょうか?

 人生最大の買い物かもしれないマイホーム。

 変動金利の上昇リスクは保有し続けるのではなく全期間固定金利という選択をし、変動金利の上昇リスクを排除する。
 その「必要経費」として、変動金利と固定金利の金利差を考える。


 このような考えから、全期間固定金利を推奨しています。


 全期間固定金利では、毎月返済額の負担が大きすぎて・・・という方は、購入金額自体を見直す必要があるのではないでしょうか。


■「最初変動金利で借りて、金利が上昇してきたら固定に借換えたらどうか?」


こういう提案をしてくる方がよくいます。

 長引く低金利で借り換えブームの中、そのように考える方が多いのも納得なのですが、実際これを実行するのは非常に難しいと思っています。

 その理由は2点あります。

(1)日常的に金利動向に注目し続けられるのか?
(2)そもそも変動金利と固定金利は連動していない


次に(2)について解説します。


■固定金利と変動金利の決まり方


 フラット35の全期間固定金利は長期金利と連動しており、変動金利は短期金利と連動しています。
 短期金利と長期金利の決まり方には大きな違いがあります。


 短期金利は政策金利とも呼ばれ、インターバンク市場と呼ばれる銀行同士のお金の貸し借りに使われる金利を主に指し、この金利は日本銀行がコントロールしています。

 これに対し、長期金利は日本10年国債利回りを主に指し、金利は市場が決めています。
 将来の経済成長期待や物価上昇期待など、市場特有の要因が加味されて決定されるのです。


■金利が上昇してきたら、固定金利と変動金利はどう動く?


 日本は長い間低金利が続いており、参考となりそうな金利上昇局面がありません。
 ここでは、米国で過去の政策金利利上げ局面に長期金利と短期金利(政策金利)がどう動いたのかを見てみます。


 米国では2004年6月から2006年6月まで、1%〜5.25%まで段階的に政策金利(短期金利)を利上げしました。

 その時、長期金利はどう推移したのかを見てみると、政策金利利上げ前に、市場で急速に物価上昇が進むと懸念され数ヶ月で1%程上昇していました。

 そして利上げ開始後、これで物価上昇による懸念が抑えられたと市場が判断し、長期金利の急上昇は止まりました。


 このように短期金利と長期金利はその仕組み上、連動していないのです。
 特に長期金利は市場の「期待」や「懸念」を要因として変動するものなので予測が非常に難しいと思います。

 このケースから推測されることは、将来日本で政策金利(短期金利)利上げ局面が来た時には、既に長期金利は上昇していることが考えられるので、

「最初変動金利で借りて、金利が上昇してきたら固定に借換える」

という戦略はあまり意味がない事になります。



 いかがでしたでしょうか?


 変動金利VS固定金利の議論は数多くありますが、ひとつの考え方として参考になれば幸いです。


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NISAと何が違う?新制度「積立NISA」のつかいどころ



 こんにちは、CFPの梶原真由美です。

 今回は来年1月から導入が決定した新制度「積立NISA」について現行NISAと比較しながらご説明します。


 まずファイナンシャル・プランナーとしての感想を申し上げますと現行NISAは使い難い制度でしたが、積立NISAはその問題点が修正された使いやすい制度となっている印象があります。


■NISA(ニーサ)とは?

 2014年1月からスタートした少額投資非課税制度の愛称です。
 イギリスのISA(Individual Savings Account)を見本とし導入された制度で、イギリスでは国民の4割がISAを利用し、国民の資産形成・貯蓄の手段として定着しています。

 証券会社や銀行、郵便局などの金融機関で、少額投資非課税口座(NISA口座)を開設して上場株式や株式投資信託等を購入すると、本来20%課税される配当金や売買益等が、非課税となる制度です。
 購入できる金額は年間120万円までで、非課税期間は5年間です。

※税率は復興特別所得税を含めると20.315%となります。


■NISA創設の背景

 2016年12月に日銀調査統計局より発表された「資金循環の日米欧比較」によると、日本人の金融資産は約1,750兆円です。
 日本の国家予算は約100兆円ですから、1,750兆円がとても膨大な金額だとお分かりいただけるかと思います。

 しかし、その構成を日米で比較してみると以下のように、日本人は米国人に比べ預貯金の割合が多く、有価証券の割合が低い。
 つまりせっかくの膨大な家計資産をあまり有効活用出来てないという事が言えます。


<日本の構成>
 預金・現金:   52.3%、
 保険・年金等:  29.8%
 投資信託・株式等:13.6%。


<米国の構成>
 預金・現金:   13.9%
 保険・年金等:  32.1%
 投資信託・株式等:46.1%



※参考「資金循環の日米欧比較」日本銀行調査統計局
http://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf


 そこで、国民の自助努力による資産形成を促す為に「貯蓄から投資へ」というフレーズを掲げ、政府・金融庁が導入した制度がNISAです。


■現行NISAの問題点

 導入から2年が経過したNISAですが色々と問題点が挙げられています。

1)口座未稼働率が高い

 2016年12月末時点でのNISA総口座数は825万3,799口座となっておりますが、その口座稼働率は45.5%と半数以下となっています。

2)60歳代以上の割合が高く、若年層に浸透していない

 60歳代以上の割合は、全体の56.7%ですが、20歳代〜30歳代は全体の10.2%となっており、若年層に浸透していないことがうかがえます。

※参考「NISA口座の利用状況について」金融庁
http://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20150424-1/01.pdf

 これらのボトルネックとなっているのは、NISAの非課税期間が5年と短い事だと言われています。
 これから老後へ向けて資産形成をしていく若者に、非課税投資期間5年間は短すぎるからです。

 その問題解決策として期待されているのが、今回創設された積立NISAです。


■新制度 積立NISAとは?

<若年層の資産形成向け>

 若年層らの投資促進のために2018年1月導入予定の新しい制度です。
 非課税となる限度額が通常のNISA(年120万円)の約3分の1である年40万円となる代わりに、年数が通常のNISA(5年)の4倍の20年間となります。

<対象商品が限定されている>

 現行のNISAは「株」「投資信託」を買うことができますが、積立NISAは「投資信託」のみ。
 対象商品は販売手数料・解約手数料・信託報酬が低く、毎月分配型でないものが基本となる予定です。

「若年層(20歳代〜30歳代)は老後へ向けて20年程度、毎年コツコツ資産形成して下さい。」

というメッセージを含んだ制度であることがわかります。


■現行NISAと積立NISAの併用は不可

 NISAを使った資産形成をしたい方は、どちらかを選ぶ必要があります。

 現行NISAは5年間×120万=600万の最大非課税投資枠
 ・株式や短く、太く投資をしたい人向け

 積立NISAは20年間×40万=800万の最大非課税投資枠
 ・細く、長く堅実に資産形成をしたい人向け


■おすすめの資産形成方法

 現役世代で老後の資産形成を目指す方は、まずiDeCo(個人型確定拠出年金)を検討しましょう。

 iDeCoは積立NISAと同様、非課税投資に加え、掛金全額社会保険料控除という大きなメリットがあります。
 しかし、現在加入している年金制度によって最大掛金に制限があります。
 まずはiDeCo利用を検討した上で、更に老後へ向けて貯蓄をしたいという方は積立NISAを検討してはいかがでしょうか。

 また、iDeCoが万能な訳ではなく、60歳まで引き出せないという大きな制限もあります。

 たとえば子供の教育資金等「少し先だけど老後ではない10年〜20年先に使う予定のお金」は積立NISAで貯蓄するのが向いているでしょう。

 長期投資で成功する秘訣は「分散」と「低コスト」です。
 特に投資信託の場合「信託報酬」のようなランニングコストに注目して選んでみてください。


 いかがでしたでしょうか?

 NISAが導入されて2年で新制度と、政府や当局も試行錯誤の様子がうかがえます。

 私たちは、一緒に試行錯誤する必要はありません。
 自分にとってメリットがある制度を上手に選び利用していきましょう。


株式会社マネーライフプランニング
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東京でハイクラスな老人ホームを利用したらいくらかかる?




 こんにちは。マネーライフプランニングの梶原真由美です。

 資産運用の目的のひとつに老後資金形成がありますが、みなさん、一度は考えたことがありませんか?

 「老後は誰にも迷惑をかけないように、老人ホームに入居したい」

 我が家は夫が私より12歳年下なので、普段から
「私が先に痴呆になったら、迷惑かけないように老人ホームへ入るね」
と話しています。

 しかし実際、東京で介護付老人ホームに入居したらいくら必要なのでしょうか?


 有料老人ホームも様々なタイプがありますが、
 今回は見守りや食事・入浴・掃除・洗濯の世話・各種レクリエーションから、介護職員や看護職員による食事・排泄・服薬や健康管理などの介護、機能訓練指導員や生活相談員によるリハビリテーション・カウンセリング、医療処置までを受けられる東京の介護付老人ホームをイメージしながらお話させていただきます。


■いつから入るか?問題


 誰もが好んでで老人ホームに入りたい訳ではありません。
 配偶者や子供、親族の負担になりたくないからホームという選択をする方も多いでしょう。

 有料老人ホームに入居するタイミングは以下が多いということです。

 引用先:介護応援ネット
 http://kaigoouen.net/insurance/choose/choose_3.html

 1)在宅介護が限界に来た時
 2)医療機関からの退院時
 3)元気なうちに入居検討する

 自立した生活が出来なくなった頃、と考えておくのが現実的ではないでしょうか。

 日常生活に制限のない期間を「健康寿命」と呼びますが、内閣府発行平成28年版高齢社会白書によると2013年の健康寿命及び平均寿命は以下の通りです。

 健康寿命 男性71.19歳 女性74.21歳
 平均寿命 男性80.21歳 女性86.61歳

 健康寿命と平均寿命の間をホームに入居すると想定した場合、

 男性71歳から9年間
 女性74歳から12年間

となります。


■東京城南地域で介護付老人ホームに入居したら


 東京城南地域(品川区、目黒区、大田区、世田谷区)で介護付老人ホームに入居した場合を想定してみましょう。

 試算モデルにしたのは下記の介護付有料老人ホームです。

 株式会社フィルケア(住友林業G)
 グランフォレスト学芸大学
 http://www.fillcare.co.jp/facilities/gakugeidaigaku/map.html

 料金プランは3種類で、入居時年齢により入居一時金が異なり、入居一時金の他に月額利用料がかかります。

 70歳〜79歳入居の場合は以下の通り(単身)

 1)基本プラン 一時金:2,412万 月額利用料:29.2万
 2)特別プラン 一時金:2,988万 月額利用料:21.2万
 3)入居金0円プラン 一時金:0万  月額利用料:62.7万

 一時金は、償却期間が定められており(この年齢帯は6年)、償却途中で退去の場合は未償却分が返還されます。


 シミュレーションして判明したのは、

 ○6年目まで退去の場合、全てのプランで総額は同じなのでどのプランでも良い。
 ○7年以上入居となると2)プランが1番総額が低くなる仕組みとなっている。
 ○希なケースですが、半年〜1年未満の場合のみ、3)プランが妥当となる。
 ○1)プランにするメリットが見当たらない。

 以上のことから、2)プランを選択するのが数字上では賢明だということがわかりました。


 そして気になる、想定入居年数合計コストですが以下の通りです。

 男性71歳から 9年間入居した場合の総額:5,274万
 女性74歳から12年間入居した場合の総額:5,782万


いかがでしたでしょうか?


 今回試算のモデルケースとしたのは、ハイクラスの介護付有料老人ホームであり、もっと廉価なホームも沢山存在しています。

 私がお伝えしたいのは、お金は殖やすだけではなく、殖やしたお金をどこでどのように遣うかを考え、目的を持って資産運用をして欲しいと思っています。 それによって、自分に必要なリターンと取るべきリスクがわかるからです。


 今回はその目的のひとつともなろう「豊かな老後資金」に着目して必要な費用を試算してみました。

 みなさまのご参考になれば幸いです。


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FinTechと日本金融の将来

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 マネーライフプランニングの梶原真由美です。

 いよいよ今週末、娘の保育園入園式です。
 なんと、入園式に小池東京都知事が式にいらっしゃいます。

 なぜかと言うと、今回入園する保育園は国家戦略特区に基づき、都立公園内に全国で初めて新設された園なのです。
 もともとは都立公園内のゲートボール場だった場所ですが、園の屋上は園庭となっており、人工芝が敷き詰められていました。
 週末はゲートボール場として開放されたり、園児とお年寄りの交流の場になったりするそうです。
 保育園用地不足の中、とても良い取り組みだと思いました。


 さて、前置きが長くなりましたが、本題です。

 先日、日本FP学会に参加してきました。

 日本FP学会とは、グローバリゼーションのもとにおけるパーソナル・ファイナンスの研究及びその教育・普及によって、わが国の金融システムの安定・発展を図り、個人の資産管理に関する教育及び研究を行う人材の育成を目指すことを目的に設立された学会です。

http://www.jasfp.jp/

 今回の学会ではFinTechがひとつのテーマとなっていました。
 日々、ファイナンスの研究をされているお二人の教授により講演で語られた内容をみなさんにシェアさせていただきます。



 学会長である吉野直行慶応義塾大学名誉教授の講演
 「FinTechと日本の金融の将来」より

<要点>

○スマートホン、インターネットによって世界中の金融商品が買えるようになる
○世界的な金融の規制をしっかりしないと、不正が横行する
○金融経済教育は不可欠、さもなければ、悪い金融商品を買わされてしまう
○最悪のシナリオは、日本の大手金融業はすべて海外に取られてしまう


<講演内容より>

 世界には過去の日本がそうであったように、今高成長をしている国々があります。
 それらの国では投資も融資も活発であり、お金を借りたい人・企業が沢山います。例えばインドの2017年利子率は7〜8%とマイナス金利下の日本と比べたら驚くような数字です。

 また、日米それぞれの家庭における投資信託の保有率を比べると1980年中頃までは双方10%強と日米の差はなかったものの、そこから日本はほぼ変わらず10%前後の保有率を推移、米国は右肩上がりに高めていき現在は40%を超えています。
 吉野教授が分析するにその要因は、日本の投資信託は運用コストによる運用効率の悪さにあると指摘されていました。同じ内容の投資信託であったとしても米国のものは利益が出て、運用コストが米国に比べて割高な為、日本のものはあまり利益が出なかった。その為に日本人には「投資信託はそんなに増えない」と人気がイマイチなのでしょう。
 運用効率を高めたいなら、現状では国内投資信託よりも海外投資信託やETFを購入したほうが有利だという結論になります。
 その結果、最悪のシナリオは、日本の大手金融業はすべて海外に取られてしまいます。

 Amazonが日本に来てどんな変化が起きたでしょうか?
 地方の本屋さん、書籍店が消滅しました。
 こういった変化がFinTechによって金融業にも訪れる事を示唆しています。

 海外では日々新しいFinTechベンチャー企業が誕生しています。
 米シカゴ大学では金髪ピアスの若いお兄ちゃん達がオープンスペースで新しいFinTechを考案しています。彼らによって生み出された新しいサービスが今後もどんどん日本に入ってくる事でしょう。

 健全な競争の中で良いサービスが生まれるはずなので、IT産業と大手金融機関は手を組むのではなく競争すべきです。
 ベンチャーIT産業を大手金融機関が子会社化して保有していては、より良いサービスを生み出す競争の原理が働きにくいのです。

 また、FinTechの成長により、金融商品の選択肢も広がりますが、同時に世界的な規制も強化していかないと不正が横行します。日本国民の金融経済教育は不可欠であり、今のままでは悪い金融商品を買わされてしまいます。



東京大学大学院経済学研究科、柳川範之教授の講演
 「FinTechは金融・産業構造をどう変えるか」より

<要点>

○FinTechは単なる流行りではなく、本質的な変化を金融産業および経済全体にもたらす可能性がある
○金融業は情報産業であり、ビッグデータをどう集めどう活用するかがポイント
○他産業に進出する企業が出てくるなど、産業の垣根はあいまいになってくる
○大手金融機関はプラットフォーム型経営への切り替えが急務


<講演内容より>

 金融業界は規制に守られIT産業の成長による変革からは比較的隔離されてきました。
 しかし、技術は制度や規制を超えます。金融業界も変革の波にのまれていくでしょう。
 金融業は淘汰されていきますが、そこには大きなビジネスチャンスが存在してます。

 ・新しい組み合わせが価値を生む業界横断的なビジネス。
 ・AIやITの活用による大幅なコスト低下による価格競争激化の可能性
 ・セットアップコスト低下により、新しいアイディアの参入が容易になる

 これらは金融業にとって、ビジネスモデルの再構築が急務であることを示唆しています。
 「どこで稼ぐか」はとても重要な課題となるでしょう。
 金融業の集めるビッグデータには大きな可能性があり、プラットフォームビジネスとしてFinTech企業をうまく取り入れていくことで成長が可能なのではないでしょうか?



 いかがでしたでしょうか?

 私はお二人の話を聞いて「いよいよ、日本の金融機関も変革の時を迎えたかな」と感じました。
 今までも変革すべきだとは思っていましたが、大手金融機関が変革した後、新しい収益構造をどう構築するかのイメージがありませんでした。


 しかし今回、プラットホーム型経営の提案を聞き「なるほど」と思いました。
 日本の金融機関は信頼も厚く、詳細な個人情報を集めることが出来ます。
 その個人情報を適正に活用し、各企業のプラットフォームとなれば、収益構造を変えながら金融機関も生き残ることが出来るように思いました。

 もはやそれは金融機関とは言えないのかもしれませんが、そもそも産業の垣根自体もなくなっていくのかもしれませんね。
 私たちはFinTechにより手軽さや、さまざまな投資の選択肢を得ることとなりそうですが悪い金融商品を買ってしまうことがないよう、金融経済知識を身に付けていかなくてはいけません。


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FPは見た!『資産運用でやられちゃってる人々』

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 こんにちは、マネーライフプランニングの梶原です。


 世間では保育園落ちた!受かった!の声が聞こえてくる時期ですが、私の娘(10ヶ月)は無事に4月からの入園が決まり、ほっと一息です。
 早く待機児童問題が解決するよう、私も働くママの一人として出来ることはしていきたいと思っています。


 私は個人コンサルティングとして働き8年になりますので、今まで数百世帯の個人資産状況を見てきました。

 今回はその中でも「ああ、これは失敗しちゃっているなぁ」と感じた既保有運用商品を取り上げ、なぜ、そういった運用商品を選択してしまうのかといった背景、そうならない為の対策をお伝えしたいと思います。


■「節税」目的の新築マンション投資


 不動産投資を否定する訳ではありません。
 お客さまの中には不動産投資で素晴らしいキャッシュフローを生み出している方も沢山います。
 しかし、新築マンション投資をフルローンで行っている方の多くは収支マイナスのキャッシュフローです。
 持ち出しが毎月、毎年あるんです。

 それを指摘すると返ってくる答えは「でも節税効果もあるんです」です。

 言い分としては
「節税効果も加味すれば、収支はトントンだから最終的に不動産は資産がとして残る」

 ふむふむ、そうかもしれませんね。
 ではシミュレーションは引いてみたんですか?と聞くと99%の方が「NO」なんです。
 または不動産業者(売り手側)の提示してきたシミュレーションを鵜呑みにしています。

 いただいた情報を元に、私がシミュレーションしてみると酷い結果になります。
 売却したくても売却価格でローン残債を相殺出来ない、いわゆる「担保割れ」状態。しかし手持ちのキャッシュもない。という状況です。


 まだひと部屋ならマシなのですが、こういうタイプの方は大抵3〜8部屋お持ちです。

 なぜなら売り手側からしたら「とってもいいお客様」なので、当然売り込みも激しいワケです。
 そこにはサブリース契約もしっかり入っています。

 出来れば購入前に将来の賃料減少、空室、修繕、そして出口戦略(売り時、売値、誰が買うか?、相続等)を現実的に捉えてシミュレーションに反映させ、投資に値するかを熟考してみるべきです。
 本当に優良物件ならサブリース契約はそもそも必要なのか?も併せて考えてみてください。


 内閣府が発行している「高齢社会白書」平成28年度版によると、日本の人口は2050年に1億人を割り込むと予想されています。
 そして人口の45%は60歳以上です。

 国内の不動産投資は今後ますます「難しく」なっていくのではないかと思います。


■アクティブ投資信託の回転売買

 初めてお会いした時に既に投資信託を沢山保有している方もいます。
 その保有商品を見てみると「やられちゃってるかも?」と思う時があります。
 更に、今までの保有歴をヒヤリングしてみると「かも?」が「やっぱり!」に変わります。

 傾向として、保有商品はアクティブ型投資信託で、テーマ型(資源・エコ・SRI・IT等)が多いです。
 そして3ヶ月〜半年置きに銀行・証券会社はせっせと「売りたい」商品を開発&導入してくるのですが、新発売の投資信託が出ると
「この投信を売却(利益確定・損切り)して、新しい商品を購入しませんか?」
といった提案をされて受け入れています。

 結果、新しい投資信託を購入する度に購入時手数料を3%前後抜かれ続けるので、たとえ購入した投資信託の運用成績が悪くなくても手元の資金は増えていかないという結果になります。


 原因ですが、売り手の問題もあると思います。

 テーマ型アクティブ投資信託は、誰もが知っているキャッチーなテーマを投資信託に取り入れる事で、銀行・証券会社の販売員が「売りやすい」「説明しやすい」商品として開発されている印象があります。


 投資信託を乗り換えるのであれば、以下を検証して下さい。

1)利益が出ているのであれば利益に20%課税される(NISA口座内は非課税)
2)新しい投資信託の購入時手数料(仮に3%)を支払う

 1)と2)を合計したコストより、新しい投資信託が魅力的であれば乗り換えを検討すべきですが、そうでなければ乗り換えの判断自体を考え直す必要があります。


■盲目的に加入する学資保険

 生まれたら学資保険!と思っている方が多すぎませんかー!?
 加入(または加入希望)の理由を聞いてみると
「自分の親も学資保険に入ってくれていたから」「みんな入っているから」
がダントツです。

 私たちの親が学資保険をすすめる理由は、自分たちは加入していて良かった(お金が殖えた)からなのです。
 確かに親世代(昭和30年代〜平成2年頃)の保険予定利率は6%前後でした。
 現在(平成28年)の保険予定利率は1%前後です。平成29年4月より更に引き下げられる予定です。

 こうなってくると、学資保険の最大のメリットはお金を殖やす事ではなく「保険機能を利用した積立預金」です。
 貯蓄が苦手な方は、強制的に毎月保険料として口座から引き落とされるので便利かもしれないですね。

 ただ、お金を貯めながら運用したいならもっと合理的な選択肢はあるのではないかと思いますがいかがでしょうか。

 どちらにしても「みんな入っているから」「親が入れというから」といった加入理由はやめましょう。


■なぜ、資産運用しているつもりがやられてしまうのか?

 今回挙げた例は一部で、他にも「やられちゃってるなぁ」と思うことは多いのですが、なぜ、そういった失敗をしてしまうのでしょうか?

1)投資商品ではなく「人」「企業」を信じてしまっている
  販売員や販売会社が良い人か良い企業かということと、その商品が良い商品かは「別の話」です。
  これを混同してしまい、
  「この人(企業)が勧めてくれる商品なら良いものに間違いないはずだ」
  といった思考停止が起きてしまっているのだと考えます。

  心理学的には「認知バイアス」と呼ばれていて人が間違いを犯す要因と言えます。感情を入れずに、その商品を客観的に分析する目を持ちましょう。

2)資産運用の明確な目的と、戦略を持っていない
  何の為に運用をしているのか?といった目的とともに運用期間・期待リターン・想定リスク等の運用戦略を持たずに投資を始めると、運用商品の選択肢ばかり広がってしまい、情報処理が間に合わず選択ミスを犯しがちになります。

  運用目的や戦略をしっかりと持つと、運用商品の選択肢は絞られますので、選択ミスも減ると思います。


 いかがでしたでしょうか?

 人は「自分の選択がミスであった」と認めて損切りすることがなかなか出来ません。

 だからこそ、第三者へ相談し、時には背中を押してもらう事が必要なのかもしれませんね。


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長期ポートフォリオ構築に役立てるべき情報

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 こんにちは。CFPの梶原真由美です。

 東京では春一番も吹き、暖かい日も増えてきました。
 春の気配を感じるのは、梅や早桜の開花と周囲の方の花粉症発症です。
 花粉症の方には辛い時期だと思いますが、四季を楽しみ元気にいきましょう!


 さて、今回は長期ポートフォリオ構築に役立てるべき情報が発表されたので、みなさまにご紹介したいと思います。


 合理的投資家が願う、リターンを最大化してリスクを最小化する資産の組み合わせを見つけ出す為にポートフォリオを構築するのですが、みなさんは長期投資でのポートフォリオ構築をどのようにされていますか?

 私は有料の専用ソフトを使っていますが、一般の方ですとなかなかそういった事も難しいのではないかと思います。


 長期投資でポートフォリオ構築をするには、各資産クラスの長期期待リターンを用いる必要があります。
 大抵過去の実績値を用いることが多いのですが、先般、JPモルガン・アセット・マネジメントが各資産クラスの期待リターンを発表しました。


JPモルガン・アセット・マネジメント
57資産の期待リターン長期予想を発表
https://www.jpmorganasset.co.jp/jpec/ja/topics/2017/pdf/pressrelease_20170220.pdf

(本文より)

 JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社(所在地:東京都千代田区、社長:大越昇一)は、本日、57資産の長期見通しと期待リターンについてのレポート「Long-Term Capital Market Assumptions」(以下、LTCMAs)の日本版を公表しました。
 LTCMAsは、J.P.モルガン・アセット・マネジメントが今後10〜15年のマクロ経済の見通しに基づき、50を超える資産クラスや戦略について期待リターンや想定ボラティリティ、相関係数を算出したものです。
 過21年にわたって毎年公表されていた当レポートの英語版について、内外のお客様からご好評をいただき、2017年版にて初めて日本版を発表しました。


(引用終わり)


 このレポートの貴重なところは、単純に過去のリターンを集約するだけではなく、JPモルガン独自の長期見通しも加味し期待リターンを算出している点にあります。

 例えば、株式等ではマクロ経済だけでなく、各国の企業業績の見通し等といったミクロ経済も加味し見通しを立てているそうです。
 これはなかなか一般投資家が出来ることではありませんので、ありがたく情報をいただきたいものですね。


 レポートによると、株債比率が6対4のポートフォリオの期待リターン(米ドルベース)は0.75%程度低下しており、伝統的資産を用いた固定的な資産配分では現在の相場環境において苦戦するだろうとし、期待リターンを高める、維持するにはオルタナティブ資産についてより本格的に検討する必要があるとされています。
 オルタナティブ資産については、不動産、コモディティが堅調に推移するとされていますので、株式、債券に加え不動産やコモディティーを検討する必要がありそうです。


 ひとつ気になる点は、LTCMA2016年と2017年の期待リターンにそこそこ大きな乖離がある事ですが、JPモルガン独自の長期見通しには、欧米の金融緩和出口政策が当初予定より長引き、正常化には3年〜6年かかるであろうといった予測が大きく影響しているようです。

 その結果、各資産クラスの期待リターンの引き下げとなっているのでしょう。

 特に債券についてはその影響が強いと見られ、その結果として債券の利回りを補うオルタナティブを一考すべきだと結論づけられています。


 とはいえ、毎年大きく期待リターンが変わってしまうのは困るので、私の方針としてはまずはリバランス時の参考にする程度に留めておき、今後の毎年の発表を楽しみにしていくといった使い方をしたいと思います。


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