為替市場動向〜FOMCからの年後半シナリオ待ち?〜



 6月13日〜14日の日程で実施されているの米FOMCは、「0.25%の追加利上げあり」とのコンセンサスで14日の結果発表(日本時間15日未明)が待たれています。
 下限1%上限1.25%への利上げ確率は98%が直近の予想です。現在の市場の注目は、利上げ実施よりも、今後の金融政策の行方と思われます。

 先般発表された5月の米雇用統計の予想よりも低い雇用者増、賃金の上昇率停滞、低い水準で留まっているインフレ率は、今年前半でイメージしてきた後半のシナリオに影響を与えます。
 今年3回を見込んでいた利上げのもう一回は本当に追加できるのか?
 バランスシート縮小の実現可能性は低下したんじゃないか?
といった金融政策正常化へのプロセスをFRBは今どう考えているのかを洞察するヒントに注目が集まります。

 FOMC終了後のイエレンFRB議長の会見から、また、FRBメンバーによる将来の金利予想を示すドットプロットや経済見通しを見ることができます。
 仮に、従来と大きな変化なく、6月に引き続き9月か12月の追加利上げの可能性あり、年内にもバランスシート縮小への取り組みが開始されるとの解釈が市場で広がれば、米金利の上昇、ドル買いの反応が見られると思われます。

 FOMC結果待ちで、昨日、今日はドル円110円を挟んだ動き、ユーロ・ドルは1.12を挟んでの上下に終始する静かな市場です。


 半期・四半期の決算月の6月も中盤に入りました。
 年初来の主要通貨対米ドルのパフォーマンスで最も上昇したのがメキシコ・ペソでした。昨年後半に「壁」や貿易協定など大きく売られた反動でしょう。
 その他、南ア・ランド、政治がらみで売られた韓国ウォンやユーロの反発を上位にドル安基調の半年となった印象です。
 唯一、政治不安が続くブラジルのレアルは2%近い下げとなりました。

 総じてみると、今年前半は昨年末のトランプ・ラリー戻しの半期と言えそうです。


 政治がらみでの動きといえば、英国総選挙での与党の敗北に反応して英ポンドが売られました。
 メイ首相率いる保守党は過半数割れ。労働党が善戦したと伝えられます。
 メイ政権のマニフェスト関連での不手際、テロへの対応なども影響して支持率が下がったとの見方もあります。

 一方で、米トランプ大統領の欧州訪問も影響したとの見方もあります。
 トランプ大統領のG7やNATOでの発言や振る舞いへの悪評判から、「自国第一主義」への疑問に繋がり、英国民にEU回帰、Brexit決断への悔みも芽生えたとも言われます。

 Brexitで得るもの(移民対策を中心に)に注目して決断したものの、具体的に失うものが並んでくると考えは変わったかもしれません。
 メイ政権は、少数の野党と結んで、今後のEU離脱交渉を進めることになりますが、国内も対EUもハードな運営が予想されます。

 Brexitのハードランディングが、市場のリスクオフ材料になる可能性もないとは言えず、引き続き注目していきたいところです。


 英国選挙結果後、ポンド相場も株式相場も下落。金利は長短とも低下しましたが、今後ポンド安によるインフレ懸念が起こる、資金流出が懸念が起こるなどした場合には、金利上げで対応するかもしれません。
 また、福祉予算を一部カットしたことも不平を生んだメイ政権が国民の人気取り的な政策を取り入れた場合、長期金利が上昇する可能性も考えられます。

 英国から今年も目が離せません。


 一方、フランスのマクロン大統領は、議会選挙で自身の率いる政党が勝利して、リーダーシップ発揮に地盤が出来てきたようです。
 他のOECD諸国の中では経済成長率の面で遅れをとっているフランスで、39歳という超若い大統領・マクロン氏率いる中道政権が、これまでの氏の金融界や政界でのキャリアを生かして、経済を立て直すことができるか注目されます。

 メルケル・マクロンで独仏は良い関係が出来そうな雰囲気もあります。
 EU中核として求心力の発揮に期待します。


 通貨ユーロ・ドル相場の主なポイントは、ECBの金融緩和政策の出口、そして、米国発「ロシアゲート疑惑」を中心とした米政局混迷です。
 フランス選挙後のユーロ買い戻しでのユーロ高基調が続いてきましたが、1.1280台の高値をつけた後に反落し、直近ではFOMC待ちもあり1.12を挟んで静かな動きになっています。


 ECBは先週、中期的経済見通しを引き上げた一方で、インフレ見通しを低下させました。ここへ来てのユーロ高はEUのインフレには悪材料になります。ECBの政策目標は、物価の安定です。(*米FRBは、物価と雇用)
 緩和の出口については、議論はしているものの、時期は未だとしているかもしれません。

 未だに、金融政策正常化へのプロセスに違いのある米国と欧州。本格的なユーロ高への道はまだ時間がかかるとも思います。


 最後に、悪材料の報道が目につき、もたついて見える米国のトランプ政権の動向には、良くも悪くも予断を持たず見ていきたいと思っています。


 最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。


※6月14日東京時間13:00執筆
 本号の情報は6月13日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


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為替市場動向〜新たな進展待ちで膠着状態?〜

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 GWに始まった5月も今日が月末。そして、新年度に入ってから2か月が経ちます。

 この間、フランス大統領選挙で極右(+極左)勢力の台頭による所謂「ルペン・リスク」は、中道候補・マクロン氏の勝利により緩和されたのも束の間、新たな米国発のホワイトハウス「ロシアゲート」疑惑、そして、未だ続く北朝鮮情勢の緊迫化もあり、それらが、マーケットの不透明要因として重石になっています。

 トランプ政権の「ロシア・ゲート」疑惑の関連調査が特別検察官によって始まっていますが、調査結果が出るまでには短くても数か月〜半年はかかると言われます。
 支持率が大きく低下する中で、政権に期待されていた税制改革、国内のインフラ整備のための財政支出の早期実現の可能性は更に低下しています。

 ちなみに、トランプ大統領が辞任した場合には、副大統領ペンス氏が、次には下院議長のライアン氏、上院仮議長、国務長官、財務長官が続くという継承順位があります。
 今日も、トランプ政権では広報担当部長の辞任が伝わり、政権内でのゴタゴタによる信頼感の低下がメインである目玉政策への期待を剥がします。


 この間に、主要通貨の対ドルのパフォーマンスで最も上昇したのはユーロとデンマーク・クローネ。最も下落したのはブラジル・レアル、豪ドルが次に続きました。

 ドル・円相場は、フランスで極右極左対決の可能性への反応で安値108.13をつけたのを底に第一回選挙でのマクロン氏優勢を好感したリスクオンの円売りで114.37まで反騰。115円の壁を重く感じている間に、アメリカ発のスキャンダルが引き金となり、5月末の今日は、新年度4月月初の110円後半と同じ水準まで戻ってきたことになります。方向感がはっきりしない膠着相場が続く可能性が高いと思います。状況を注意深く見守る姿勢でいきます。


 スキャンダルはさて置き、米国の金融政策についてみましょう。

 6月は13〜14日に米金融政策を決めるFOMCが開かれ,米国時間14日には結果とともに、議長会見も予定されています。
 関係者の発言、市場予想から6月の利上げは有る確率は9割強と高くなっています。

 一方で、今後の利上げ見通しは、9月は確率が低く、12月も以前よりも確率が低下しています。従来の政策へ正常化を図る道は,経済指標次第という文言がこれまで繰り返されています。そんな中、このところの経済指標は、特に個人所得、個人消費が冴えず、物価指標動向も利上げの決め手になるほどの上昇が見られません。
 今年中に始めるといわれるバランスシートの縮小のプランもどうなるのか?
 今後の経済指標次第、特にインフレ関連指標が注目されることになります。
 6月の利上げは期待通りとされ、決定されても相場の反応は薄いとみていますが、イエレン議長の会見での今後への見解は注目されます。

 来年2018年に、イエレン議長が任期を迎えます。トランプ政権では再任はないと見られています。任期までにイエレン議長がどう正常化への道を仕上げていくのか、注目します。


 金融政策の変化で注目されてきたのがユーロです。4月のフランス大統領選挙結果で、ユーロショートは買い戻されました。政治リスク軽減の他に、ECBの量的緩和政策の変更の可能性からもユーロは上昇しました。
 3月にECB筋から出たテーパリング発言からECBの政策変更への期待が膨らんだわけですが、このところ、各方面から様々な要人発言が聞かれます。

 ドラギ総裁の「金融量的緩和は未だ必要」、ドイツ・メルケル首相の「ユーロは安過ぎる」、ドイツ連銀総裁の「インフレは抑制されている」等々。さまざまな見方が示される中で、ユーロ相場は先週央に対ドルで年初来1.1268をつけて以来、1.11台へ押し戻されて調整している印象です。

 量的緩和からの変更の背景とされてきたインフレ指標の持ち直しが、このところ緩んできていること(←原油価格の反落も影響もあり?)も、政策変更は緩やかなペースで行われ、バランスシートの縮小についても、かなりの年月をかけて行っていくイメージを連想させます。その状況が続けば、ユーロ反発ペースも緩やかになる可能性が高まると思います。

 ユーロ関連では、9月にドイツの総選挙、来年前半に任期を迎えるイタリア議会の総選挙が注目されます。特にイタリアは、反ユーロの五つ星運動の支持率動向が材料にされそうです。


 その他の通貨で気になるのは、鉄鋼価格の下げと住宅ブームでの債務上昇が懸念され下げている豪ドル、一方で乳製品価格上昇で上昇しているニュージーランド・ドルのオセアニア通貨の対照的な動向。また、6月8日に総選挙を迎える英国ポンドの動向も注目されます。


 明日から始まる6月は四半期末、半期決算月でもあります。区切りの月特有の調整の動きも出るでしょうし、政治スキャンダルと関連して「まさか」の可能性も否定できません。微妙な状況を見守りつつ、どちらにでも動ける態勢でいようと考えています。

 最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。


※5月31日東京時間12:00執筆
 本号の情報は5月30日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜ユーロ買い主導からドル安の流れに?〜



 5月初旬は欧州と韓国の大統領選挙が注目されました。

 フランス大統領選挙で極左極右が勝利せず、ドイツ州議会選挙では一時劣勢かと言われたメルケル首相のCDSが勝利し総選挙への安心感が生じました。また、フランス大統領選挙翌日の韓国大統領選挙では、南北融和を重要とする新大統領が誕生。トランプ政権発足後の混乱が、世界の世論に影響した結果のように見えます。

 今年は選挙の年である欧州。フランス大統領選挙後には6月の下院選挙があり、マクロン新政権の議会運営が注目されます。懸念事項では、イタリアでユーロ離脱を志向する「五つの星運動」がありますが、当面の市場の注目は選挙からECB金融政策に移っていくものと思われます。


 そんな中で、ユーロ買いが活発になっています。

 ルペン・リスクで売られていたユーロは対ドルで、選挙後の5月8日にショートカバーが入り1.10乗せしました。一つの節目を達成したことから、その後1.08台まで戻したものの、今後の金融政策の変化期待(量的緩和の段階的縮小であるテーパリング)からのユーロ買いが活発化。それに、トランプ政権への期待剥がれからのドル安と相まって、現在はユーロ買いがドル安の流れを主導している形です。


 ドルの相対的強さを示すドルインデックス(ドル対貿易相手国通貨バスケット)は主な移動平均を下抜けました。

 欧州の政治リスクが後退したことに加えて、経済の好調さとインフレ率が目標値2%に近づいてきていることが今後の期待につながっています。利上げは、テーパリング終了のその先のことですので、ずっと先になるのでしょうが、先を読んで動くのがマーケットですので、今後のECBの動きに注目です。


 ユーロ買いのもう一つの背景であるのが、米国の政治と経済状況によるドル安の流れです。年初来の対ドルでの主要通貨パフォーマンスを見ると、最も上昇したメキシコペソの11%を筆頭に、日本円も含めて殆どの通貨がドルに対して上昇しました。

 一方、4月末以来、フランスの選挙を挟んだ直近までの流れは、全体的にはドル安基調ながら、日本円は1.44%の円安に動き、豪ドル、英ポンドも僅かながら安くなりました。

 地政学リスクの高まりや欧州選挙リスクから、ドル円相場は、4月17日に108円13銭という安値をつけました。しかし、そこを当面の底に、フランス大統領選直後の5月10日には114円37銭の高値に。この動きは、リスクオンの時に起きるドル安円安傾向かと思います。

 そのドル円相場の動き。主要な移動平均線を上抜けてくる兆候も見られ、チャート的には底入りか?との期待も持ちたいところではありますが、今後のコアの焦点である米国経済、金融政策の行方を見つつ、判断していく必要がありそうです。


 米国の金融政策に関しては、FRB当局者の発言などから6月の利上げは、余程のことがない限り実施される可能性が高いと見られています。直近の予想(ソース:Bloomberg)では確率97.5%。6月利上げは、既に市場にも織り込み済でしょう。

 今年4回もあるかもしれないという予想も一時あったFRBの金融政策正常化のための利上げですが、ここへきて年合計3回にも疑問符が一部聞かれるようになりました。

 背景には、先般発表された第1四半期のGDP値、先週発表された個人消費、消費者物価が予想を下回ったこと。予想以上の4月の雇用統計でも賃金が伸びていないこと。
 加えて、トランプ政権の公約の政策実行の可能性が低下し、期待が剥がれてきたことも大きいでしょう。バランスシート縮小も疑問視する向きもあります。

 経済指標の中でも、特に所得が伸びないことが問題でしょう。所得が伸びないと、個人消費の伸びは難しく、住宅関連消費にも影響します。先進国の所得の伸びの鈍化は、日本も同様ではあります。


 5月後半には、米国の重要な経済指標の発表は予定されていませんので、目先、市場はトランプ政権に関するスキャンダル的要素に振り回されることになりそうです。

 大統領就任100日を過ぎ、公約関連法案の議会通過はゼロ。実務を行う官庁の局長人事なども未だ完了していないと伝わります。9月には暫定予算の期限を迎え、連邦財政債務の上限に抵触するリスクもあり、トランプ氏公約の財政拡大路線には疑問符がつきます。


 公約実行への疑問符やスキャンダルによるダメージを払拭するために、政権が何をしてくるのか?
 北朝鮮問題では、中国、ロシアとどう絡んでいくのか?
 そのあたりがキーになっていくのではないかと注目しています。


 経済対策での期待外れを外交で挽回できるのか?
 今年は、政治から目が離せない年と言われます。5月下旬、トランプ大統領は初の中東訪問、G7出席を予定しています。


 相場格言で言われる「Sell in May」。『「今度ばかりは違う」と信じると大損する』というジョン・テンプルトンの名言も頭に入れつつ、冷静に見ていきたいところです。


 最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。


※5月17日東京時間午後1時執筆
 本号の情報は5月16日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
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為替市場動向〜不安はありつつ、取り敢えず、リスクオフ?〜



 先週末に行われたフランス大統領選挙第1回投票の結果は、中道派でEU支持のマクロン候補優勢のうちに、極右EU離脱派のルペン候補との5月7日の第2回目投票が決まりました。その後の世論調査もマクロン候補リードが伝えられ、一旦は、不安心理の解消で、ショート買い戻しを軸に、EUがらみでのリスクオフは後退しました。

 売られていたフランス国債やフランス金融株は買い戻され、ドイツ国債とのスプレッドは縮小、通貨ユーロも対ドル、対円で大きく買い戻されました。


 一方、米VS北朝鮮対立の地政学リスクも、注目されていた25日の北朝鮮人民軍創設記念日に訓練以外で軍事行動とされる行為は行われなかったことから、しばしの一段落となり、リスク回避通貨とされて買われてきた円は、対ドルで111円台まで戻し、質的逃避で一時2.1%台まで買われた米国債10年物は2.3%に利回り上昇しました。


 フランス大統領選挙に関しては、今後5月7日最終投票までに、ルペン氏が台頭してマクロン優勢が変わる可能性も否定はできません。また、北朝鮮VS米がらみも突発的な何かが起こる可能性もないとは言えませんが、市場は心理的にこれらのイベントにやや慣らされた感あり、売られたところは拾い場というコンセンサスもできつつあるように見受けられます。


 ただ、フランスでは6月の行われるフランス総選挙もあり、結果次第では国の運営が難しくなる混乱も考えられ、その後に不安が残ります。中道左派・独立系のマクロン氏が、共和党、社会党中心となるだろう議会の支持と協力を得られるかどうか。勝利の後も、なかなかの難問と試練が待ち構えているかもしれません。ルペン大統領なら、さらに混乱するでしょう。


 加えて、ユーロ圏では、イタリアの総選挙の可能性もあります。反EUを掲げる政党が台頭した場合、市場心理にはネガティブとなるでしょう。今後もユーロ存続を常に試される場面が待ち受けます。

 ユーロ圏の金融政策運営も、今に始まったわけではありませんが、問題が多いです。景気回復好調のドイツと何かと問題が多いその他の国との違いが、常に存在します。
 今年に入ってから現実味を帯びてきた量的緩和のテーパリングも実行するにあたっては、国による違いが壁になるかもしれません。各国の状況は様々ながら「政策は一通り」しか選択できないですから。
 明日27日には、欧州中銀ECB理事会が予定されています。終了後のドラギ総裁会見が注目されます。


 さて、就任100日を4月末に控えたトランプ米大統領ですが、本日26日に税制改革を発表する予定と伝わっています。議会と上手く交渉できない状態は、特に2期目のオバマ政権にも似通っているともいわれます。

 間近に迫った暫定予算の期限切れには問題ないとは言われますが、元来主張してきた政策遂行のための財源確保交渉をどのように実行していくのか、就任100日後の本格始動が注目されます。

 トランプ大統領が、北朝鮮への威嚇という隠れ蓑で時間稼ぎをしている間でも、米国では企業決算は良いものが多く見られ、また、指標にバラつきはありながらも米経済は好調さを保っているとみられます。そんな中で、今週金曜日28日に今年の第1四半期GDP速報値(大方の予想1.0%〜1.2%)が発表されます。

 米国経済の回復を背景に、正常化に向けて利上げに動いている米FRB。次回利上げ実施は、約7割の確率で6月実施がコンセンサスとされています。さらに、以前から言われているように、バランスシート縮小への動きも現実味を帯びてきています。
 イエレン議長は、ご自身の任期2018年1月までに金融政策の正常化を整えていくのだろうと推察します。


 元に戻りますが、今夜は米国の税制改革が発表される予定です。国境税は見送りとの情報も見られます。発表内容により失望感で売られる場面があれば、押し目を拾うチャンスかもしれません。


 先週までのリスクオフ状態は、やや緩和してはいますが、今週末から日本のゴールデンウィーク。北朝鮮がらみの地政学リスクはデリケートな状態が続いていますので、ゆっくりとした気持で休暇が過ごせるように、投資リスク管理には気をつけておきたいところです。

 最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。

※4月26日東京時間午後3時執筆
 本号の情報は4月25日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
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式町 みどり拝


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為替市場動向〜トランプラリーの修正続く?〜

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 先週の米軍のシリアへのミサイル発射に続き、週末から高まっている米国の北朝鮮への圧力。緊張しつつある朝鮮半島情勢は、『地政学的リスク』としてマーケットのリスクオフ要因になっています。


 ドル円相場は、先週まで下押しを試したものの、110円台前半では実需の買い意欲が強かったとされ、しばらく110円〜112円の狭いレンジでの動きが続いていました。

 ところが、米軍の北朝鮮への空母や駆逐艦派遣での軍事力増強の報道で、今週初には強固とされた110円のサポートを割りました。一方、米国債市場では、いわゆる「質への逃避」で債券が買われ、ここ数カ月10年物米債利回りのサポートだった2.3%を昨日割り、2.28%まで低下しています。

 シリアへの攻撃は、アサド政権側軍が化学兵器を使用したのでは?という疑惑を盾に、速攻で攻撃。余談ながら、これっていつか来た道のように映ります。だいぶ昔の湾岸戦争の時だったか(?)、油まみれの鳥の映像が繰り返し流れ、これを盾に攻撃増強賛成の世論を形成しましたが、後にヤラセ疑惑か事実であった事を思い出させられます。

 アメリカ人の雇用増強、経済の活性化のための数々の政策で「アメリカファースト」を掲げてきたビジネスマン気質のトランプ大統領、矛先を変えてきたの?との印象も持ちます。
 今回の攻撃について、トランプ大統領は演説の最後を「アメリカに、全世界に、神のご加護を」と結びました。アメリカ以外のために彼が祈ってくれたのを初めて耳にしたように思います。やり方を変えたのでしょうか。

 オバマケア修正案の頓挫、減税法案をはじめとした経済、財政政策の遅れ等もあり、支持率最低を更新するなか、軍事作戦で政策の遅れ、頓挫から目を背けさせようとしているのではないかと勘繰ります。


 地政学リスクでは、「地理的に遠くで起こった事象で悲観が過ぎて売られた場合は買い、近くで「事件」が起こり直接被害を被りそうなら『売り』」とも言われます。

 となれば、今回の場合、地理的にとても近く、日本が攻撃を受けるリスクも否めない。となれば、むしろ円売りとなってもおかしくないと思いますが、実際には経常黒字国の通貨は買い等の理由を背景に円買いに動いています。

 しかし、今回の円高は、地政学よりも、どちらかとトランプ・ラリーへの失望と巻き返し要因の方が大きいように思います。
 今年の利上げを織り込んだ米国金利も、FRB関係者は出来るときに正常化を進めたいスタンスだと言い続けてますが、有事となれば利上げは踏みとどることになるだろうという見方に繋がり、ドルの頭を押さえます。

 昨年末のトランプラリーが過剰な期待で膨らみ過ぎたために、ラリー調整には時間を必要としているのでしょう。


 さて、地政学的リスクが杞憂に終わった場合には、米国は利上げと共にFRBのバランスシートの縮小に動く予定で準備をしている、と先般公開の3月FOMCの議事録から伝わりました。
 基本的には、今年、来年かけて、タイミングを計りながら金融政策の正常化を目指す体勢を維持していくものと思われます。

 目先のきな臭さやトランプ政権の政策実行能力への信頼低下で大きく動きにくい展開が、しばらくは続きそうです。


 4月中にスケジュールとして注目したいのが、日米経済対話会合で18日にはペンス副大統領の来日です。麻生副総理との会合に臨みます。

 また、米財務省は「為替報告書」を4月後半か5月に公表します。特に中国とか日本、またはドイツ、メキシコを為替操作国扱いするかどうかの疑心暗鬼も持ち上がるかもしれません。ただ、直近相場のように110円割れになった水準では、為替操作国に認定される可能性は低いとは思いますが。


 ユーロ圏では、3月の中央銀行理事会後に、量的金融政策の縮小観測が広がりユーロ買い反応がありました。ただ、その後に要人たちから解釈の否定発言が続き、ユーロ反発と見ていた私の目論見も狂い、ユーロは反落しました。

 ユーロ売りに加担しているのは、フランス大統領選への思惑です。極右のルペン氏と中道のマクロン氏の二大対決と思われたところに、極左のメランション氏の台頭が報じられています。
 極右も極左もユーロ離脱を政策としています。フランスのユーロ離脱は、現実的に可能性は低いとしても、「極」の人たちが優勢になると、リスク上昇が連想されることになります。


 今週末は、復活祭で欧米は静かになると思いますが、4月23日、5月7日のフランス大統領選が近づき、様々な雑音が伝わることと想像します。
 リスク回避で、日本円や株式市場も影響されると思います。


 政治のニュースに敏感に動く今年のマーケット。引き続き、余裕をもって慎重に見ていった方が良さそうです。


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※4月12日東京時間午後3時執筆
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為替市場動向〜いずこも政治が鍵?〜

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 年度末になりました。今年の3月31日は金曜日。週末でもあり、年度末でもあり、4半期末と3つの末という区切りが重なります。

 3月後半は、日本の期末要因による利益の里帰りや年度末でのポジション調整や資金待機で、為替市場では円高へ戻し、株式市場でも下押し圧力が強い冴えない展開が続いています。期末による調整は。ほぼ終わったとは見られますが、最終日の3月31日まで気の抜けない展開ではないかと思います。


 3月15日に、昨年12月に引き続き、米FRBの追加利上げが行われました。
 注目された今年の金利予想は、事前予想通りで残り2回と伝わり、一部にあった残り3回説を打ち消した格好に。発表をきっかけにドル安に戻されたのは周知の通りです。

 FOMC直前に一時115円台半ばまで上昇したドル円相場が、直近では110円割れすれすれまでのドル安に反転しました。FRBの利上げで材料出尽くしに加えて、日本の期末要因も影響しました。

 更に、トランプ・スランプ(ネーミングが秀逸)と呼ばれるトランプ政権の政策実行力の無さへの失望も重なりました。
 待望の就任後初の予算教書も、中身が薄くスカスカ感があり、大型インフラ投資、大型減税はどこへやら?の印象でした。また、目の敵にしていたオバマケアの代替法案も撤回に。こうなると、政権運営の行き詰まり、まさにスランプを印象づけます。

 直近の政権支持率は36%と過去最低水準。このままでは終わらないとは思いますが、アメリカは議会の力が強いですので、支持率の低い大統領の議会との対話は大変なのではないかと思います。


 トランプ政権への落胆は出ていますが、昨日発表された消費者信頼感度指数のように米国経済好調の数字は出てきています。新政権による経済刺激策は特別打たなくても、好調さが伝わる米国経済。そのあたりを冷静に見ていきたいところです。

 4月から日米経済対話が始まります。こちらから実務的なことが色々出てくるはずですので注目です。


 さて、ドル安傾向になったもう一つの背景が通貨ユーロの反転だと思います。
 今年は、欧州政治リスクの年と、ずっと言われてきました。共同体ではなく自国ファーストの閉鎖主義への動きからユーロ体制崩壊懸念がありました。

 そんな中で、オランダ議会選挙は、現政権が最大勢力を保ち、一定の安心感を与えました。

 最大の関心事のフランス大統領選も、ユーロ離脱派と言われるルペン候補の支持が伸びず、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン氏(前・経済相)の躍進が伝えられます。そんな中、ルペン候補は、ユーロ離脱等に関する自身の政策を緩めてきてもいます。ちなみに、躍進のマクロン氏にも不倫疑惑浮上などという「よくある」報道もありました。もしも、そんなことがあったとしても、この辺りに、フランスは比較的寛容ではないかと想像しますし、大恋愛の末結婚した愛妻がおられるようです。
 フランス大統領選挙の第一回目投票は4月23日、2回目投票が5月7日です。


 一方、ドイツも今年は選挙の年。9月に連邦議会選挙があります。最近行われた州議会選挙では、メルケル氏のCDU(キリスト教民主同盟)が圧勝。
 CDUとライバルのSPD(社会民主党)の支持率が最近縮小してきたいたので、今回の結果は多少の安心感を与えています。


 ユーロ圏の政治リスクが重しになって、ユーロ・ドル相場は、一時は1ユーロ1.04割れまでありました。ここへ来て、1.09まで戻してきているのは、上記の政治リスク懸念の後退、また米国サイドでのトランプ・スランプによるドル安、更に、ユーロ圏経済のデフレ懸念の後退で、ECBのインフレ目標に近づきつつあることから、金融量的緩和政策のテーパリング期待があります。
 3月9日のECBの政策決定会合後の会見以来、通貨ユーロはほぼ全ての主要通貨に対して上昇しています。また、通貨の反転と共に株式相場の堅調も目立つ昨今です。


 欧州の政治動向がカギを握る、と注目されている今年。懸念は後退しつつあるようですが、選挙は水物。7月に満期を迎えるギリシャ債務の問題が蒸し返される可能性もあります。


 船出したばかりのトランプ政権の運営はどうなる?
 油断禁物の欧州、長期安泰大丈夫?の安倍ジャパン?
 今年は、どこも、政治が鍵を握る年になりそうです。


 最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。

※3月29日東京時間午後1時執筆
 本号の情報は3月28日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


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為替市場動向〜米・利上げ、欧・緩和縮小?日は?〜

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 今週は、注目イベントが重なります。とりわけ、今日3・15は米国の金融政策、財政問題、欧州ではオランダの選挙に注目が集まっています。
 米欧の結果が出る日本時間3月16日には、昼過ぎに日銀の金融政策決定会合の結果(注目度は低いながら)と総裁会見が予定されています。
 さらに、週末3月17日ドイツでG20財務相、中央銀行総裁会議開催の予定です。


 米国FOMC(連邦公開市場委員会)での政策金利の追加利上げは、既に織り込済みがコンセンサスになっています。
 FRBの政策目標である雇用と物価の安定が許容水準まで改善してきたこと、他の経済指標も好調なものが多くなってきたこと、これに加えて、海外要因に大きなリスクが見られない今の時期に金融政策の正常化を決めてしまおうという姿勢もあると思われ、利上げ決定は決して不思議ではないでしょう。

 注目されるのは、今後の金利をFRB理事たちがどう読んでいるか?が伝わるドットチャート。今年の追加利上げは何回あるのか?の予想に繋がり、金利、為替、株式市場が影響を受けることになります。現在の市場予想では、3月利上げが決定されれば、6月か9月、12月での利上げの計3回で、その予想は金利に織り込まれつつありますので、当面は材料出尽くしになるでしょう。

 こうして金融政策での正常化が進む中、財政政策の方はどうなんだ?!問題が浮かびます。
 トランプ大統領の大胆政策発言以来、財政政策の詳細が待たれてきました。財政がどうなるかによって、今後の債券をはじめ各市場は影響を受けます。

 2月28日の議会での大統領演説では財政政策については語られませんでした。発表予定のトランプ大統領初の予算教書。これまでの発言から期待が大きいだけに、どのような内容になるのか? 具体的に数字は? 詳細は? 議会と折り合いはつく可能性は? といった詳細にフォーカスが行くのではないかと思われます。

 315はもう一つの米国スケジュール、債務上限問題が復活します。一定期間の執行停止延長措置なども考えられ、大きな問題にはならないようには思いますが、軽視は禁物でしょう。


 利上げを織り込んで先週末には115円台半ばまで上昇したドル円相場。
 年初からの111〜116のレンジ内の動きではあります。米利上げ発表があった場合でも、織り込み済み、出たら仕舞で頭を重くする可能性もあるかと思います。


 ところで、3月16日に終了する3月の日銀政策決定会合については、変更なしを予想する向きが大方です。物価目標2%達成を目指して超緩和状態は当面は続くものと思われます。

 話をドル円相場に戻します。このところの動きはレンジ内での上下とは言え、下値では底堅い動きとなっているのも確かです。日本の期末要因(円の本国帰還)をクリアしながら、じわじわとレンジ上値を抜いてくるか!?
 その可能性を見ながらいきたいと思っています。


 さて、欧州315スケジュールは、オランダ選挙。
 移民排斥政策等を掲げるウィルダース党首率いる自由党の高い支持率がリスクとして注目されてきましたが、直近調査では支持率を落としているとも伝わります。また、第一党になったとしても連立を組む相手がいないとされる事から政権を取ることは困難だろう、リスクは限られたものだろうと見られています。

 一方、フランス大統領選挙では、リスクである極右政党党首ルペン候補は、支持上昇のマクロン候補に引き離されているとも伝えられます。ただ、フランスではルペン支持は根強くあり、隠れた支持者も多いとも言われます。選挙結果が出るまで、支持率の動きに市場も影響されることでしょう。

 欧州に関しては、選挙ネタもさることながら、先週の欧州中銀(ECB)理事会でのドラギ総裁の会見内容を注目したいところです。
 ECBが政策目標にしている物価目標2%が近づきつつあることから、総裁から金融緩和の縮小、テーパーリングの開始を視野にしたような発言が聞かれました。最近の経済拡大に「確信」を強め、「今後の拡大」にも「期待」しているとも発言され、最近の経済状況の評価を上げています。

 ドラギ総裁発言を受けて、長期債利回りは上昇し、ユーロの為替相場もユーロ高に反応しました。

 選挙要因による政治リスクに注目して、個人的にユーロ弱気に傾いていましたが、今後はECBの政策スタンスにより注目してユーロを見ていこうと思っています。


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※3月15日東京時間午後1時執筆
 本号の情報は3月14日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜混乱と共に?トランプ政権進行中〜

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 注目されていたトランプ米大統領の議会での施政方針演説が今しがた行われました。演説内容は、事前に概ね出ていた為もあり、演説による大きな影響はなく、一応無事イベント通過といったところでしょうか。

今回の施政方針演説でのポイントは:

・1兆ドルのインフラ投資を議会に求めた。(アメリカ国土のインフラを一新)
・移民規制により米国民の雇用を拡大、給料も上昇させる。
・古過ぎる規制は撤廃すべき。
・防衛予算の歴史的増加を求める。
・米国の指導力を発揮させるために、米国民に結束を求める。
・オバマケアを全面見直しする。

 インフラ投資額は予想通りで他にもサプライズない、税制改革について言及がなかったという失望も市場の一部から聞かれました。そんな反応もあってか、演説中、一時ドル円相場は113円台を割る場面も見られましたが、終了後には、ドル円も日本株も値を回復しました。


 今日の演説の中で、「海外から米国への巨額投資案件が複数ある」としてソフトバンクが紹介されていたことから、ソフトバンク株の急伸が目立ちました。
 また、メキシコとの壁についても触れたものの、ペソ相場に大きな影響はありませんでした。


 余談ですが、施政演説を見ていて、民主党の女性議員が全員白い服で出席していて目につきました(女性参政権運動時のシンボルだそうです)。
 ちなみに、民主党議員は、男女問わず、演説終了後直ぐに退場しています。
 犯罪の犠牲者の家族、難病を回復した女性、中東で犠牲になった軍の特殊部隊兵士の妻が参列されていたことは、ヒーローを称えるアメリカらしいという印象がありました。
 また、国民に対して、分裂、争いをやめて、国の新たな国づくりのために自分に力を貸してほしいというメッセージを含んだ部分もありましたが、これはどこまで国民の心に届いたでしょうか。


 トランプ政権、発足1ヶ月が過ぎました。
 閣僚19人のうち議会承認を経て任命されたのが9人。未だ6人は未承認状態です。従来からすれば異例です。
 承認された閣僚に特定の金融機関出身者が多いとか、超右派の陰謀が付き纏うのでは?の人物がいて大統領を操作している等々が言われ、大統領本人のTweetと共に、政権発足当初からは異例の支持率歴代最低レベルと伝わっていま
す。
 世界的に衝撃と緊張を与えた「特定の国からの入国制限」や「メディアへの敵対」でネガティブなニュースが報道されます。アメリカ中間層の為の政策としながら、結局ウォール街が恩恵を受けるだけ?との見方もあります。
 ただ、好き嫌いは別として、知り合いのアメリカ人の中は、公約したことは直ぐにやっている、これまでにいなかった大統領ではないか、と評価する声も聞きます。
 米大統領として前例がないタイプだけに、何が出てくるのか不確実さが多過ぎ、予想が難しいという怖さはあります。


 施政演説というイベントが終わり、今後は、予算教書を経て、議会での予算審議があります。財政規律を重んじる共和党が多数派ですので、大型インフラ予算、国防予算が承認されるのかどうか。注目は議会に移っていくものと思われます。


 一方、もう一つの注目材料は、米国FRBの利上げです。

 3月15日(日本時間16日未明に結果発表)のFOMCでの利上げ確率予想が、昨日のサンフランシスコ連銀総裁とニューヨーク連銀総裁の利上げへの前向き発言から一気に62%に上昇しました。
 昨日は、東京から欧州市場へ移る時間帯あたりからドル売りが強まり一時は112円を割る場面もありましたが、利上げ期待と共に113円台まで反発、10年物米国債金利も2.3%台から2.4%台へ戻りました。

 年初から2月末までのドル円相場は、昨年末のトランプ・ラリーを調整する動きでした。特に2月は111円〜115円のレンジ内での推移でした。

 こうして、今後の相場のキーを握る、米国の金融政策(利上げ)と米国の予算協議がドル円相場に大きな影響を与えるものと思います。

 税制改革に加えて、財政刺激策が現実化すれば、レンジ相場から上抜けした動きになると思いたいところですが、そう単純にいかないかもしれません。
 貿易政策や通貨政策を考えると、将来、過度にドル高になった場合、今はテーブル上には見えない政策(トランプの札)を出す可能性もあります。

 「アメリカ・ファースト政策」、アメリカの夢再びなのか、幻想に終わるのか。トランプ政権、始まったばかりです。投資に関しても、経緯を見守りながら、考えていきたいと思っています。


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為替市場動向〜欧州の政治、今後のリスク?〜



 年初来の為替相場は、米大統領選挙終了後のトランプラリーは一巡。米国の新政権の具体的政策に注目する時期に入っています。

 様々なノイズに神経質に反応してはいるものの強い方向性を伴った動きにはなっておらず、ドル円相場は111円〜116円レンジの範囲内での動きが続いています。

 トランプ大統領が、近々発表するとされる画期的な税制改革案への反応は今後の材料になるでしょう。内容次第で、株式市場、債券市場(特に金利上昇期待への影響)に与えるインパクトは注目されます。


 そんな中で、昨日2月14日に行われたイエレンFRB議長の上院での議会証言が注目されました。ハト派(金融緩和派)と言われてきたイエレン氏のタカ派的なトーンが印象的でした。

 主旨をまとめると、

・FOMC(連邦公開市場委員会(米国の金融政策決定会合))の年内複数回の利上げ実施の可能性が高いことを示唆。

・将来の利上げのハードルが低いことを示唆。

・様々な逆風が弱まるに伴い自然利子率は時間と共に幾分か上昇する、とFOMCは確信しているとコメント。

・経済の上振れリスクも強調。利上げを待ち過ぎることについて言及。

 以上から伝わるのは、FRBは米国の経済を、かなり「いいね!」と見ているようだ、という印象です。

 イエレンFRB議長の任期は来年2018年2月。トランプ氏は、彼女を再任しないと明言していますので、あと1年の任期となります。この間に、やるべき政策は実行するという姿勢、イエレン氏の気合いを感じます。

 昨日は、アジア時間帯に、米国のフリン大統領補佐官の辞任、東芝決算発表の延期でリスクオフの動きが起きていたので、イエレンFRB議長のタカ派トーンは、金利上昇、ドル高に繋がりました。とは言え、未だレンジを抜ける勢いではありません。

 FRBによる利上げ確率は、2月月初とイエレン議長証言後を比較すると、全般的に約3%程度上昇しました。因みに、3月利上げ(→0.75%〜1.0%)は直近で34%です。(Bloombergデータによる)


 トランプ大統領が出すインパクトが大きいので、米国に注目が行きがちですが、引き続き注目していきたいのが欧州。特にフランスです。

 フランス大統領選挙は、4月〜5月に予定されています。当初、本命予想されていたフィヨン元首相がスキャンダルで支持を低下させ、このところ、国民戦線(超右派)のルペン候補が世論調査で支持を高めています。
 これまで、「さすがに、それはないだろう」のテールリスクと考えられていたルペン大統領誕生を一部の投資家の間では意識し始めたとの情報も伝わっています。フランスの政治リスクを織り込みつつ、ドイツ国債とフランス国債との利回り格差は拡大しつつあり、またオプション市場でも有事のドイツ国債買いを想定した買いオプションの需要が注目されています。

 昨年のGREXIT、トランプ政権誕生と事前予想を覆す結果が2事例あるために、心理的にそちらに行きやすいというのはあるかもしれません。

 フランス大統領候補は、フィヨン元首相、ルペン国民戦線党首の他、若手の改革派として知られるマクロン前経済相も期待が高まっています。

 ルペン大統領誕生=ユーロ離脱は現実的には起こらないだろうとは思いますが、その連想はユーロ相場を動かす材料になる可能性があります。


 このところのユーロ・ドル相場は静かな動きながら頭が重い展開です。各国の選挙戦への注目に加えて、前回の拙コメントでも触れましたが、ギリシャ債務のリスクも懸念材料です。欧州情勢は、為替相場への影響のみならず、市場リスクとして、成り行きを見守っていきたいと思います。


 事前に懸念もあった先週末の日米首脳会談は、両首脳の親密さを誇張するような情報を見せつけられましたが、実際には裏で副総理と副大統領の副副の経済対話で進められていく印象です。今後は、副副中心に発せられるだろう情報から判断していくということになりそうです。トランプ流やり方でしょうか。

 今月は米新政権の予算教書が注目材料なのですが、トランプ政権は要職人事が相当遅れているようで、ムニューチン財務長官の任命も一昨日13日でした。人事が整い、政権が本格的に始動するまで、しばし待たなければならないようです。


 来月は日本の年度末。決算に関連して海外からの利益送金などのリパトリエーションがドル円相場では意識されます。当面、上記したレンジ相場が続くのではないかと見ています。


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※2月15日東京時間午前11時執筆
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為替市場動向〜トランプ政権、期待?不安?〜

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 2017年も1月(睦月)から2月(如月)へと暦が進みました。

 1月20日のトランプ米大統領は就任式を終えるや、スピード重視を印象づけたいのか、直後から矢継ぎ早に大統領令を発令。一方、相変わらずのツイッター発言。表立っては強烈に攻撃して、裏では、有利に交渉に持っていく腹では?と思わせるトランプ流。

 就任演説の内容も、異例でした。その後の諸々の流儀も、これまでの米国大統領の中に例を見ません。移民入国管理強化では世界中で混乱。

 混乱を嫌気して株式市場は反落。中国と日本を通貨安操作と決めつけるや、為替市場ではドルが反落しました。ただし、ドル円相場では112円台はキープ、ここ3週間ほどの112〜116円のレンジを今のところは外れてはいません。また、この手の発言への事前の恐怖心に比べれば、現実には冷静な反応だったという印象です。

 とはいえ、今後、米大統領が何を言い出すのか、それによって何がおこるのか想定しがたいため、十分注意が必要でしょう。トランプで遊ぶな、かもしれません。


 今年の相場を見る上で、経済指標もさることながら、従来以上に、国際政治への注目が必要になりました。

 トランプ政権の要職についたのは全て白人男性です。その意味では多様性は皆無です。対中強硬派、親ロシア派、茶会派、超保守、(ハゲタカ)ファンド会長等、政治家出身が少ない政権です。

 要職以外で注目しておきたいのが、外交政策の指南役がキッシンジャー元国務長官(ニクソン政権で中国外交を進めた)であることです。彼のスタッフだったK.T.マクファーランド氏(女性)が国務副補佐官に入りました。
 政治経験のないトランプ氏の外交がキッシンジャー氏の影響でどうなるのか?
 今後の方向性を見る上でも重要です。キッシンジャー氏の著書「国際秩序」をアメリカ政治通から薦められて、私自身も読み始めています。


 中国と日本を通貨安誘導国と決めつけたトランプ氏ですが、国力よりも弱い通貨ユーロを使って貿易を有利にしている、とドイツについても言及するでしょう。

 そのユーロ圏ですが、最近のドイツの景況指数、物価指数が上昇してきたことから、ドイツ国債金利を中心にユーロ金利上昇しています。これまでの金融超緩和から緩和縮小へ向かって行く可能性が高まればユーロ高要因になります。

 一方で、ユーロ圏の政治イベント・リスク(フランスをはじめ選挙が続く)、BREXITやトランプ政権の影響からの自国ファースト思考の強まりはユーロ解体を連想させ、ユーロ安要因となるでしょう。
 昨今話題にならないギリシャは、政権の支持率の顕著な低下、債務が爆発的に増加する(IMFが指摘)リスク等、火種になる可能性もあります。

 ユーロの地政学的リスクとして、ロシアからも目が離せません。バルト三国への接近、クーデター以降EUと関係が悪化しているトルコへのロシア外交も気になります。


 1月のドル円は、117円から始まり112円80銭で終了。昨年末の上昇の一服でした。
 昨日終了した日銀政策決定会合では政策変更なしということでしたが、日銀の量的緩和の今後について神経質な動きも見られます。

 1月後半、債券市場では日銀の国債オペが見送りになった日があり、逆に増額になった日もあり、都度ドル円相場にも影響を与えました。見送られると、今後のテーパリング(量的緩和の縮小)を連想させ円高方向に、オペ増額では円安に動きます。今後も日銀の動向には注目が集まるでしょう。


 ただ、大きく為替相場を大きく動かしていくのは、なんといっても、米国経済と金融政策でしょう。

 今日のFOMCは金融政策変更なしが大方の予想ですが、1月のイエレンFRB議長のコメントは今年の利上げについて強気の印象でした。今後、FRBの資産縮小が検討されるだろうとも言われます。

 そんな中で、米債利回りは高水準で推移。スピード調整を交えながら、基調のドル高は変わらないだろうと考えています。


 最後に、近日予定のイベントで相場に影響を与えると思われるものを挙げます。

 2月2日に予定される浜田内閣関与の講演、米FOMCの声明文。
 また、2月3日には米国1月雇用統計とISM非製造業指数が時間差で同日発表されます。

 そして、2月のイベントで最も注目されるのは米国新政権の政策を裏付ける予算教書だろうと思います。

 トランプ流に振り回されることも多く、波乱含みの年と予想されますが、それだけに興味深い年でもあるでしょう。投資機会を冷静に見ていきたいと思っています。


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