書評:トコトンやさしい電気自動車の本





書評:トコトンやさしい電気自動車の本 第2版
   廣田 幸嗣 著
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 本書にも書かれているように、電気自動車はフィルクス・ワーゲンやダイムラー(ベンツ)をはじめとするドイツ自動車産業の礎を築いたフェルディナント・ポルシェ博士(1875年〜1951年)の時代から実用化されていました。(ガソリンエンジンのスターターの無い時代に)ボタン一つで始動できることや、変速機が必要無いことから女性を中心に人気があったそうです。
 1900年に米国で売れた自動車の40%は電気自動車だといわれています。

 そして最近<電気自動車は環境にやさいしいという思い込み>が社会に広がって、再び電気自動車が騒がれています。しかし、電気自動車がガソリン自動車に負けて退場したのにはそれなりの理由があります。
 決定的なのは「電池」です。
 充電に時間がかかり航続距離も伸ばせません。しかも、使用後の充電池は危険物質を含む産業廃棄物です。電池がエンジンと競争力を持つためには「全個体電池」などの技術の飛躍が必要でしょう。

 家庭用電源を使うと、現在の容量の電池でもフル充電に一昼夜ほどかります。また急速充電(それでも10〜30分かかる)するためには、(ガソリンスタンドと同程度の数の)充電ステーションを建設しなければなりませんが、電気料金がガソリン代に比べてかなり安いためにあまり儲かりません。つまり設備建設のインセンティブがあまりないのです。

 さらに、電気自動車が「環境にやさしい」というのは眉唾です。電気そのものは直接的には環境にやさしいかもしれませんが、世界の発電を見れば、石炭火力が40%、天然ガスが約20%、水力発電が約17%、原子力が約11%です。事故を起こせば環境にとてつもない被害を与える原子力を含めれば、環境にやさしくない発電が7割以上を占めているのです。

 しかもマスコミなどが「環境にやさしい」と触れ回っている太陽光発電は、廃棄されるパネル(有害物質が多量に含まれる)が環境を破壊するだけでなく、太陽光パネルの設置のためにはげ山が生まれるという現象も起こっています。

 また、太陽光・太陽熱・風力など大概の「再生可能エネルギー」の発電は不安定で技術的に<需要と供給の帳尻をきっちり合わせなければならない>発電・送電網には大きな負担になります。

 その中では、地熱やバイオマス発電が<安定供給>という面では極めて有望ですが、少なくとも当面の間は多くのボリューム期待できません。また海洋発電(特に波力発電)は再生可能エネルギーの最有望株ですが、実用化・本格普及までにはまだまだ長い道のりになりそうです。

 そもそも、すべての自動車が電気自動車になれば大変なことが起こります。
 日本の現在の発電(設備)容量は約<3億キロワット>です。そして、7000万台の自動車がすべてプラグインハイブリッド(平均でモータージェネレーターの容量が50キロワット、電池の容量が10キロワットとする)になったと仮定すると、車の総発電(設備)容量は<35億キロワット!>、蓄電容量は7億キロワットになります(本書の記載)。ハイブリッド車の発電容量が、そのまま電気自動車の走行に必要なエネルギーというわけではありませんが、走行に必要な膨大な電力の供給という点から考えれば、発電所を大量に増設するよりもプラグイン・ハイブリッド車を普及させたほうがはるかに合理的です。

 ガソリンエンジン車やハイブリッド車で日本勢(特にハイブリッドはトヨタの独壇場)に全く歯が立たない、中国、EUなどは国ぐるみで、トヨタをはじめとする日本メーカーの足を引っ張るために<電気自動車の導入>を声高に叫びますが、<電気自動車が主流になればとてつもない量の発電を行わなければならない>のは他の国々でも同様です。

 多分、トヨタのハイブリッドが世界を席巻する状況はまだまだ続くでしょう。
 その後は水素ステーションの新たな建設という重荷はあるものの、「電池」という致命的問題(これは現在の電池のシステムに問題があるので、本格的改善には「全個体電池」など基本技術の飛躍が必要)の無い水素自動車が主流になる確率はかなり高いと思います。

 ちなみに、トヨタはは最近タクシーの新型車を発表しましたが、タクシーで使っているLPGは比較的簡単(簡易施設で)に水素に転換できますし、業務用の車は一定の区域内を走行するので、水素ステーションが少ないことはあまり問題になりません。カリフォルニア州の大型FCトラックの実証試験も行われていますが、トラックも同様に水素ステーションの少なさは大きな問題になりません。

 本書の著者は電気自動車に力を入れている日産自動車の技術顧問ですが、本書を読んでも電気自動車の問題点の解決への道筋が見えませんでした。しかし、問題点もきちんと率直に記述している点は非常に好感を持てました。


(大原浩)


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ドラッカー18の教え 第17回

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産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/
8月号連載記事


■強みに集中し、弱みは無視しろ

●企業は強みによって競争に勝つ、弱みでは無い


 「企業は強みによって競争に勝つ、弱みでは無い」という言葉がドラッカーの考えを雄弁に物語っています。ただ、神が与えた人間の本能は、多くの人々に全く反対の行動をとらせます。

 役所に申請に行って「あっ、10頁の3行目ですけど、「ケ」の横線がちょっとだけ枠からはみ出ているので、再作成して提出してもらえますか?」と言われるような官僚主義は別にしても、「他人の欠点や間違いを見つけ出す才能」は、ほぼ万人に公平に与えられています。読者の方々も、上司、あるいは部下の欠点の一つや二つ上げるのはわけないことでしょう。あるスポーツ紙はだれが日本の首相になってもけなすことで有名ですが、どれほど優れた宰相でもスポーツ新聞のネタにできるような欠点は持っているということです。

 ドラッカーは、「欠点を多大なエネルギーを費やして改善してもせいぜい平均になるだけだ。しかし、それと同じエネルギーを長所に費やせばいとも簡単に一流が超一流になる。なぜなら、組織にとって得意なことをさらに得意にするのは難しくないからだ」と述べています。そして、ポーターも「平均点では市場に勝つことができない」と、トレード・オフによって強みに集中することを唱えています。

 ところで現在は、通信・交通、さらにはインターネットなどの発達によって、商圏がどんどん拡大しています。

 今は、少し勢いが衰えていますが、マイクロソフトのウィンドウズやインテルのCPUはあっという間に世界中の市場を支配しました。検索エンジンではグーグルが圧倒的な力を持っています。このような「一強多弱化」は、ますます進んでいくのが必然です。

 もちろん、「一強多弱」ですから、多弱として生きていく道も当然あります。例えば、一強のグーグルが対応するのが難しいような、特定地域の地元情報に特化したような検索サイトです。しかし、多弱であっても「平均的」であっては、すぐにより優秀なライバルに打倒されてしまいますから、一強となりうる特別な強みを持っていなければなりません。

 このような根本的な理解が無く、いつも失敗しているのが地方(商店街)の振興です。「何か他にない特徴を・・・」などと、コンサルタントなどが色々アイディアを出しますが、「地元の強み」に立脚しない他から持ってきたアイディアはうまくいきません。提供するサービスや商品が、いくら努力しても「平均点」にしかならないからです。当然、地元固有の強みを見つけ出すしかないのですが、これが簡単ではありません。誰もがわかるような強みならとっくの昔にビジネスになっているからです。

 冒頭で述べたように「神は人間に、他人の欠点を見つける才能」は、平等に与えたが「他人の長所を見つける才能」は、ごく一部の人間にしか与えなかったのです。


●多角化戦略は逃げ口上

 バフェットは、「偉大なる企業は一つの事業に集中して成功してきた」と述べますが、これは、ドラッカーの考えにも通じます。限られた少数の強みに、資源と人材を投入しなければ、企業は競争に勝ち残っていけません。どれほどの巨大企業であっても、資源と人材は無限に持っていません。
 トヨタは巨大企業ですが、自動車関連ビジネスに集中しています。また、ブリジストンはタイヤ、ニトリは家具、新日鉄は鉄鋼、メガバンクは金融に集中してビジネスを行い発展してきました。バフェットが投資するアメックスは金融業(祖業はその名の通り運送業ですが・・・)、P&Gは日用品、シーズ・キャンディはチョコレート(米国の英語ではキャンディにチョコレートが含まれる)、ネブラスカ・ファニチャーマートは家具に集中してきました。コカ・コーラは、コーラを中心とした飲料に注力してきましたが、一時迷走期にエビの養殖にまで手を出したことで有名です。もちろん、失敗しました。当然の結果といえるでしょう。

(続く)


続きは「産業新潮」
http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
8月号をご参照ください。


(大原浩)


★大原浩の執筆記事<米中貿易戦争「中国の負けは最初から確定している」その理由は…国際投資アナリスト・大原浩氏が緊急寄稿>が7月18日(水)午後発売の夕刊フジ1面に掲載されました。
 ZAKZAK(夕刊フジネット版)
 https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180719/soc1807190004-n1.html

★2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
 (JKK)を設立しました。HPはこちら https://j-kk.org/

★夕刊フジにて「バフェットの次を行く投資術」が連載されています。
(毎週木曜日連載)


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書評:トコトンやさしい自動運転の本



書評:トコトンやさしい自動運転の本
クライソントロンナムチャイ 著、日刊工業新聞社
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 「完全自動運転」の将来性については、色々な議論が交わされています。
 しかし、私のみる限り、近い将来に自動車の完全自動運転が実現する可能性はほとんどありません。

 それは飛行機(旅客機)の自動運転の歴史をたどれば明らかです。
 世界最初のオートパイロット(自動運転システム)は、1958年に開発された米国空軍のF−106「デルタダート」に搭載されましたが、これは地上の半自動式防空管制組織とリンクした巨大なシステムでした。
 その後1960年代には民間旅客機にもオートパイロットが導入されるようになります。ところが、2018年現在に至っても「完全自動操縦」の旅客機は存在しません。少なくとも一人のパイロットが同乗します。

 実のところ飛行機の自動操縦は自動車に比べればとてつもなく簡単です。
 決まった空港から離陸し、決まった空港へ着陸するだけでなく、あらかじめ定まった航路では足元がおぼつかない老人やボールを追いかけた子供が飛び出してくることもありません。

 実際技術的には、少なくとも90%以上は自動操縦(ほぼ離陸の作業だけをパイロットが行うがそれも技術的には可能)です。それでもパイロットが同乗するのは「責任の所在を明らかにするため」です。万が一航空機事故が起こって何百人もの死者が出た時に、「無人操縦」の飛行機そのものに責任を負わせることはできませんし、そのような「無人飛行機」で多数の死者を出した航空会社やメーカーに非難が集中するのは火を見るよりも明らかです。

 先日、ウーバーが自動運転車で死亡事故を起こし大騒ぎになりました。もちろん1名の人命は尊いですが、日本の2017年の交通事故死者数は3,694人です。これでも前年より210人減っており昭和23年に統計を取り始めてから最小です。

 「完全自動運転車」が100%のシェアをとっても、歩行者、自転車、オートバイなどは存在しますから、それなりの死亡者は出るはずです。さらに100%のシェアをとるまでの複雑な交通システムの中では、自動運転車の事故率は既存の人間が運転する自動車と大差がないと思われます。

 そもそも「完全自動運転車」も機械ですから当然故障します。したがって(死亡)事故ゼロは不可能と思われ「誰が責任をとるのか」という問題がクローズアップされます。現在検討されている内容では「自動車のオーナ(運転者)が保険でカバーし、自動車そのものの欠陥が明らかになればメーカーに請求する」方向です。

 しかし、このようなことが本当に実現できるのでしょうか?
 そもそも自動車の運転とは、たとえ海水浴に行くためであっても「業務」とされ、死亡事故を起こせば「業務上過失致死」になるので、普通の過失致死よりも重い刑罰を受けます。「交通刑務所」というものが存在するくらい、この罪に問われる人は多いのです。

 また「事故を起こした船の船長が乗客を避難させた後、自らは事故の責任をとって船と運命を共にする」という話が美談として語られます。もちろん半島のセ◎◎ル号の船長のような卑劣な行いよりははるかにましですが、その裏には「船長の重い賠償責任」があります。

 昔は、船長は運行に関する「無限責任」を負っていて、生き延びて帰っても裁判で巨額の賠償金を請求され「死んだも同然」の生活を余儀なくされたのです。ですから「名誉ある死」を選ぶ動機があったのです。

 本書は技術的な本であり、その内容はコンパクトにまとまっていますが「完全自動運転」の将来を考えるためには「いったい誰が責任を負うのか」というのが最も重要なポイントです。


(大原浩)


★6月25日(月)発売の夕刊フジ(産経新聞社)に筆者の執筆記事
 <緊急寄稿>「日経平均10万円その根拠」が掲載されました。
 夕刊フジに掲載された全文はこちら
 https://www.zakzak.co.jp/eco/news/180626/eco1806260006-n1.html

*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
 (JKK)を設立しました。HPはこちら https://j-kk.org/


【大原浩の書籍】

★夕刊フジ(産経新聞社)にて「バフェットの先を行く投資術」)」
 <毎週木曜日掲載>
 月刊「産業新新潮」(産業新潮社:http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
 にて「ドラッカー18の教え」を長期連載中。

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書評:隷従への道



書評:隷従への道
フリードリヒ・ハイエク 著、日経BP社
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●ファシズムと共産主義と絶対王政

 アドルフ・ヒットラーが社会主義(共産主義)者であったことは、あまり注目されませんが、彼が率いたナチスの正式名称は国家社会主義ドイツ労働者党(NSDAP)であり、まぎれもない社会主義(共産主義)政党です。ナチスが共産党を弾圧したことから、ナチスは共産主義(社会主義)者ではないと思われがちですが、ナチスと極めて似通った主張をする共産党がライバルであったため蹴落としたというのが真実です。

 実際、ヒットラーはマルクスの著書を愛読しており、ナチスの政策にもその思想が多く反映されています。「優生学」も共産主義思想の一つといってよく、人間にある一定の理想形を求め、その基準に合致しない人間は「不要なものとして処理する」のは共産主義・社会主義の根本思想といっても良いでしょう。

 ですから、よくマスコミがネオ・ナチを「極右」などと誤って呼びますが、正しくは「極左」です。

 事実、世界3大虐殺王といわれる3人を並べれば、1位:毛沢東(大躍進と文化大革命で人為的飢饉による餓死者も含めて8000万人を殺したと推計される)、2位:ヨシフ・スターリン、3位:アドルフ・ヒトラーで、すべて共産主義者(社会主義者)です。

 その他カンボジアのポルポト政権(共産主義)による虐殺は「キリングフィールド」(1984年。英国。ニューヨーク・タイムズ記者としてカンボジア内戦を取材し、後にピューリッツァー賞を受賞したシドニー・シャンバーグの体験が原作)として映画化されています。

 なぜ、共産主義(社会主義=ファシズム)で、このように虐殺・粛正が頻繁に行われるのか?とてもシンプルに言えば、そのような国々には「自由」が無く、「強制」によって統治されているからです。

 日本で安倍政権や自民党を批判し、時には聞くに堪えないような下劣な罵声を浴びせても、別に何も起こりません。批判した人々の身の安全は120%保証されています。

 それに対して、チャイナ、ロシア、北朝鮮で少しでも「政権批判」すれば「拷問・監禁・銃殺」を覚悟しなければなりません。香港のように本来条約で「50年間の自由」が保証されているはずの場所でさえ、政権に批判的な書店店主が中国共産党に連れ去られ行方不明になるという事件が起きています。
 また、チベットやウィグルは「現代のアウシュビッツ」と呼んでも過言ではありません。

 要するに、共産主義(社会主義)は根本的に間違ったシステムなので、理詰めで批判されると反論できません。つまり、暴力で粛正するしか対抗方法が無いということです。人間は本当のことを指摘されると逆上しますが、国家も同様です。

 ポルポトや毛沢東が、教師、大学教授、研究者、医師、弁護士など政権を批判する知識を持った人々を中心に粛正を行ったのも「知性と教養がある人々が正しく政権を批判」することを恐れたからです。

 結局、「強制」によって国民(臣民)を従わせる手法は、古代から続く絶対王政、社会主義(共産主義)、ファシズムにおいてすべて同じなのです。しかし、人間を暴力で従わせるやり方は、ピーター・ドラッカーが定義する知識社会では通用しません。

 知識社会の貴重な資源である「知識労働者」たちは、理不尽な政府の要求に屈しませんし「自由」を渇望します。結局、共産主義・ファシスト政権は、貴重な経済的資源である知識労働者を粛正するしかなく、高度な経済発展はあり得ません。

 共産主義(社会主義)国家が総じて貧しく、発展しても中進国どまりであるのは、ここに大きな理由があります。旧ソ連は巨大な国家でしたが、軍事に傾斜した張りぼての国であり、ベルリンの壁崩壊やソ連邦崩壊の後その実態が世界にさらされました。

 軍事帝国を目指すチャイナも同様です。軍事強国を目指しながら、中身がスカスカの経済は、いつかソ連邦のように終わりを告げるでしょう。


●計画は役に立つか

 共産主義(社会主義=ファシズム)国家に共通したやり方が「計画」です。【「偉い人」が神のごとく「計画」したことには間違いが無いから「計画」の仰せに従えばよい】というわけです。
 しかし、世の中に神のような完璧な人間がいるはずもなく、それどころから人間の能力には大差が無いわけですから、誰がやっても完璧な計画はありません。ところが共産主義者、ファシストが支配する国では「偉い人は正しい」ことが前提になっているので、計画が間違っていた場合、現実を(間違っているはずが無い)計画に合わせるという奇妙なことが行われます。そして、それを「おかしい」と批判する人々は粛正されるわけです。

 ただし、計画には2通りあります。世間では、計画といえば「絶対不可侵の計画」をおおむねイメージしますが、もう一つの計画は「修正されるのが前提の計画」です。「トライ&エラーのための捨て石」と呼ぶこともできます。

 ハイキングに行く時から、大企業の事業まで、おおよそ計画無しではものごとは始まりません。しかし、この場合の計画は常に修正されます。もし雨が降ったら美術館巡りのBプラン、バスの手配ができなかったら電車で移動など「予想されなかったこと」に臨機応変に対応するのが当然です。バスの手配ができないのは計画になかったことだから中止などという硬直的な対応が賢い選択だとは思えません。

 事業でも同様です。競合や消費者、それに市場が予想外の動きを行うことは日常茶飯事で、そのような突発事件に対応することこそ事業の本質です。要するに、この場合の計画は指針とか目安と同類であり、強制力は基本的に持ちません。だからこそ、社会は円滑に動き自由な環境が保たれるのです。

 しかし、フリードリヒ・ハイエクが指摘するように、前者の硬直的な計画は共産主義、ファシズム国家の専売特許ではありません。例えば国家の予算というのは非常に硬直的で、一度決められるとほとんど変更が無く、予算が余れば年度末の道路工事などで無駄遣いされるのは、読者も良くご存じのはずです。

 またこの種の計画には、評価が行われないことも大きな問題です。株式会社は決算の数値という明確な指標で効果を測定され、株主から厳しい評価を受けます。ところが、政府予算の<効果>というのは漠然としていて、明確な数値で検証されることが無いので責任もあいまいです。

 ですから、現代において常に評価され(計画)改善の努力を続けている株式会社(営利企業)があらゆる分野で高い成果を出しているのは当然なことなのです。


●平等という言葉の意味

 私は、大変残念なことにジャニーズ系のイケメンではありません・・・またイチロー、あるいはオリンピックで金メダルをとるようなスポーツ選手の素質も持って生まれませんでした。もちろんアインシュタインのように「相対性理論」を考え付くこともありません(それ以前にこの理論をきちんと理解していませんが・・・)。これは、私に限った話では無く、人間の能力・素質というのは遺伝子がとても不公平に与えたものです。しかし、これを是正する動きはありません。

 例えば不細工な男はイケメンの男の顔をぼこぼこにしても良いとか、逆に不細工な男の美容整形費用は国が全額負担などという話は、世界中どこでも聞いたことがありません。そのようなことに意味があるとは思えませんし、それぞれの人間はそれぞれに与えられた条件の中で努力し、結果を得ることで満足しているのです。

 実は、金持ちの家に生まれるとか貧困家庭に生まれるとかいう条件もそのような要素の一つにしか過ぎないのです。私を含めすべての人間(子供)は、親を選ぶチャンスを与えられませんでした。偶然その両親から生まれてきたのです。ですから、その両親が金持ちなのか貧しいのかは、遺伝子によって決定される才能と同じように全くの偶然なのです。

 もちろん、才能に恵まれた子供が自分の才能に感謝する必要が無いとか、逆に児童虐待の被害にあっている児童を救う必要が無いということではありません。しかし、どのような環境に生まれ落ちるかは「偶然」であるわけですから、そこをいじっても良い結果が生まれるはずがありません。

 大事なのは、ハイエクも述べるように「機会の平等」なのです。生まれた環境、つまりくじ引きの結果は<偶然=運命>として受け入れるとして、どのようなくじを引いた人々でも「平等」に機会を与えることが一番大事なのです。家柄、血筋、人種などで区別・差別することは「機会の平等」に反しますが、学力で区別する「学歴主義」は、機会の平等に反しません。もちろん、持って生まれた学力は千差万別ですし、親の収入によって塾に通えるかどうかが決まることもあるでしょう。それでも、どのような貧困家庭、人種であっても「受験するチャンス」が平等に与えられていることが重要なのです。

 そもそも、世の中の出来事のほとんどは「偶然」に左右されており、同じような条件を与えたつもりでも、微妙なタイミングの差で全く違った結果になることがあります。

 「平等な機会」を与えて生まれた偶然の結果の違いまで、面倒を見て同じ結果にしようなどとするなどというのは、50メートル競争で最後は手をつないでゴールインさせ同着にさせるような、誤った(結果の)平等主義の小学校の教育方法と同じです。

 そもそも、「結果」は偶然に支配される人知を超えた領域なのですから、我々人間は「機会」の平等を維持するよう努力すべきなのです。

 なお、本書は、ナチス・ドイツの敗色が濃くなった1944年に発刊されましたが、ファシズムだけではなく、それと同類の共産主義(社会主義)に関しても鋭い洞察を行っています。さらには、資本主義、民主主義国家に内在する「強制」についても深く考察されています。
 実際、世界大戦が始まるまで、英国をはじめとする欧州諸国はナチスの「力強い指導力」と「計画性」を称賛して好意的でした。どのような国家でもファシズム・共産主義の要素は内在しているのです。

 本書が出版された時期は、共産主義(社会主義)さらには大きな政府に対する楽観論が広がっていた時代ですから、それらの妄想に対して痛烈な一撃を放った本書は大ベストセラーになりました。


(大原浩)


★6月25日(月)発売の夕刊フジ(産経新聞社)に筆者の執筆記事
 <緊急寄稿>「日経平均10万円その根拠」が掲載されました。
 夕刊フジに掲載された全文はこちら
 https://www.zakzak.co.jp/eco/news/180626/eco1806260006-n1.html

*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
 (JKK)を設立しました。HPはこちら https://j-kk.org/


【大原浩の書籍】

★夕刊フジ(産経新聞社)にて「バフェットの先を行く投資術」)」
 <毎週木曜日掲載>
 月刊「産業新新潮」(産業新潮社:http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
 にて「ドラッカー18の教え」を長期連載中。

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 昇龍社、アマゾン・キンドル版<上・下巻>2016年度版
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★『投資の神様』(バフェット流投資で、勝ち組投資家になる)<総合法令>
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 著者:甘粕正 <アマゾンキンドル版>
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★「賢人バフェットに学ぶ・投資と経営の成功法則」
 昇龍社(アマゾン・キンドル版)
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★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
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★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2013)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
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書評:トコトンやさしい 配管の本



トコトンやさしい 配管の本
西野悠司 著、日刊工業新聞社
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 ウォーレン・E・バフェットは「投資の成功のための本質」を「安く買って売ることである」と看破しています。

 「なんだ、当たり前のことじゃないか!」と思われる方が多いかもしれませんが、バフェットに言わせれば「世の中のほとんどの投資家は、この<安く買って高くる>という簡単なことができていないからうまくいかないのです。

 バフェットが師匠ベンジャミン・グレアムから教わった二つの重要事項の一つは「ミスター・マーケットと名付けられた、日々の躁うつ病にも似たマーケットの不安定な動きに左右されないこと」ですが、もう一つがこの「安く買って高く売る」ことです。

 ただし、「安く買う」と言っても「昨日あるいは去年よりも株価が安い」というような意味では決してありません。バフェットは市場の日々の動きはまったくと言っていいほど見ていません。


 彼が常に注目するのは「本質的価値」と「(市場の)株価」の関係です。
 バフェットが「安く買う」という意味は、<市場価格が「本質的価値」よりかなり安くなった時に買う>ということなのです。

 したがって投資先(企業)の本質的価値が分からない人は、(市場の)株価が安いか高いか(バフェット流において)さえ分からないのです。

 「本質的価値」については有名な「バフェットからの手紙」で毎年のように論じられているので(2003年版、2004年版でも触れている)ここでは述べませんが、私も当然のごとく投資先(企業)の「本質的価値」の研究を日夜行っています。


 そのためには各企業はもちろんのこと、業界の研究も欠かせません。
 しかし、産業の数は無数にあり、そのすべてを深く研究するのは困難です。
 そこで私の不得意分野(特に工学系)の知識を補うときに重宝しているのがこの「トコトンやさしい」シリーズです。

 別に工学博士や工場技術者になるわけでは無いですから、私のような投資家は企業のHPなどを読んで、その会社の強み(バフェットの表現で言えば【堀】)が分かるようになればいいわけです。

 その点で、本シリーズは執筆者にかかわらず内容がコンパクトにまとまっていてとても読みやすい本です。


 「配管」については、石油プラント、パイプライン、ガス、水道はもちろんのこと、半導体工場やオフィスの空調など産業と切り離せない存在です。

 特に電子製品の高度化によって、半導体などで使用される純水や室内の温度や環境を一定に保つため、あるいは化学薬品などの循環など、極めて高い精度の配管の設置が求められるようになってきています・


(大原浩)


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ドラッカー18の教え 第16回



産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/
7月号連載記事


■失敗のない人間は何もしてこなかったのである


●過去を変えることはできる



 最先端のタイムマシンの研究(ほんの数十年前までは、タイムマシンの研究をしている科学者はマッド・サイエンティスト扱いでしたが、素粒子レベルでの研究は現在学問として認められつつあります)によれば、少なくとも素粒子レベルにおいては「現在から未来への移動」は実現可能とされていますが、「過去への移動」は、「タイムマシンが実際に制作されたときが限界」であるとされます。つまり、まだタイムマシンが制作されていない現在より過去への移動はできないとされています。


 また「おじいさんのパラドックス」と呼ばれる問題もあります。
 例えば読者の一人が過去にさかのぼって、自分のおじいさんを撃ち殺したとします。するとおじいさんの子孫であるその読者も現在存在しないことになってしまいます・・・もし、最近多くの科学者が主張するような多元宇宙論が正しいとすれば、読者の住んでいる宇宙と撃ち殺したおじいさんの宇宙が異なるということで矛盾が解消されるのですが・・・


 いずれにせよ、アインシュタインの相対性理論に基づく「時間と空間」の概念にまで踏み込まないと、「物理的な過去」を変えることはできませんから、現実には不可能です。しかし、我々が通常「過去」と呼んでいるものは「記憶している過去」であり、この過去は我々が思っているほど強固なものでは無く、意外に簡単に変えられるものです。


●過去とは脳の記憶である



 一般に記憶というものは、コンピュータに登録した情報のように永遠不変のものだと思われていますが、最近の脳科学の研究では「記憶は呼び出されるたびに、変化していく」ことが明らかになっています。記憶を呼び出したときの状況に対応して、脳の記憶が書き換えられそれが(新たな)過去の記憶として残されるのです。もちろん、意図的に自分の都合のいいように記憶を改ざんするということではなく、脳が(限られた記憶容量を効率的に使用するため)その機能として、過去の記憶と現在の状況を照らし合わせて無意識に「整理統合」を行うことから起こる現象です。


 これを確かめるために大規模に行われたのが「9・11テロの記憶の追跡」です。
 まず、テロ直後の関係者の証言をビデオに収めます。その後、半年後・1年後・2年後というように、同じ事柄に対する証言を同じ人物に同じ場所でしてもらいます。その証言を時系列に並べると本当に驚くのですが、証言内容が毎回異なるだけではなく、だんだん自分自身が体験しているはずが無いことまで自身の体験として証言するようになるのです。もちろん、証言者が嘘をつく動機はありませんから、テレビや新聞で繰り返し報道する内容などが、事件当時の記憶と融合して自分自身の体験のように感じられるようになったのだと考えられます。


●失敗は失敗ではない


 「成功には1000人の父親がいるが、失敗は孤児である」。現実とは厳しいものです・・・私も「俺の人生はもう終わりだ!」と思うような失敗を何回かしましたが、おかげさまで私の人生は(今のところ)終わっていません。

 例えば、A君とB君という何から何まで同じのクロ―ン人間のような若者がいたとします。そして同じ会社に同期で入社し、同じ部署に配属され、同じ大失敗をやらかし、同じタイミングで会社を首になります。
 ここから二人の人生がわかれます。
 A君は一念発起して、ベンチャー企業を起こし、紆余曲折はあったものの一部上場企業にまで上り詰めます。A君の会社紹介では、必ず入社早々の大失敗のことに触れ「あの失敗があったからこそ、今の当社がある」と繰り返し「賞賛」されます。
 それに対してB君は、失意のままとりあえず転職したものの、「あの失敗さえなければ」と悶々として仕事に対する情熱も生まれず、転職を繰り返し、晩年には生活保護を受けながら「あの失敗さえなければ」とつぶやき亡くなります・・・。

 「過去を書き換える」とはこのようなことなのです。
 繰り返しますが、「過去」とは、繰り返し書き換えられる人間の記憶の中に存在するものなのです。


続きは「産業新潮」
http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
7月号をご参照ください。


(大原浩)


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[サブタイトル]
・24年前ITバブルに似た状況
・創造性ない中国は永遠に先進国になれない
 夕刊フジに掲載された全文はこちら
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日経平均が10万円を突破するのはいつか?



 「2012年に日経平均が2万円を超える15の理由」という本を講談社から出版したのは、2010年5月ですからかなり昔のことになります。

 当時はリーマンショックの生々しい記憶がまだ冷めやらぬ時期で世の中の反応は「2万円?夢物語でしょ!そうなったらうれしいでけど・・・」というものでした。人々は2万円どころか、日経平均が4000円まで急落するのではないかとびくびくしていたのです。

 その後、2012年3月に「銀座の投資家が『日本は大丈夫』と断言する理由」をPHP研究所から出版したときには、2011年3月の東日本大震災・福島原発事故の直後で世の中を沈滞ムードが覆っていました。

 確かに私は、<3.11>という大事件を事前に予想できなかったため、日経平均が2万円に到達する時期を読み間違えました。これは否定できない事実です。しかし、この2冊の本を今読み返しても、日本経済の先行きや株価の大きなトレンドに対する考察は間違ってはいません。

 『日本という国が力強い成長』を今後とも続けていくことに疑いはなく、当然(平均)株価も完全にパラレルでは無いにしても関連性を持って上昇します。

 前回の思わぬ事件による失敗やバフェットの「何がいつ起こるか予想することはできない・・・・」という金言を考慮して、時期の特定については今回行いませんが、少なくとも私が生きている間(私は間もなく還暦)には日経平均が10万円に到達すると考えます。


 なぜ、「日本経済や株価に対してそれほど強気なのか」については、これまで色々なところでコメントしてきましたし、今後もいろいろな解説を行いますが、直近の市場のムードが「株価が上昇しているのにもかかわらず弱気」であることも、私の考えを後押ししています。

 有名な相場格言に「大相場は悲嘆の中で始まり、懐疑の中で育ち、熱狂とともに終わる」というものがあります。つまり、大きな上昇相場というのはリーマンショックのような大暴落で人々がおびえている中で始まり、その後株価が上昇しても人々が懐疑的な気分の中でびくびくしている中で育つということです。そして、世の中の懐疑的気分が無くなり、人々がバブルで熱狂する中でリーマンショックのような暴落で大相場は一瞬にして終わるわけです。

 8000円近辺から考えれば、現在の株価は3倍水準であり、すでにバブル水準と考えて多くの(特にベテランの)投資家が積極的にカラ売りをしかけていることは大いに理解できます。

 しかし、私は今回の上昇相場は並みのスケールではないと考えます。3倍に株価が上昇しているのにもかかわらず、世の中のムードがまだまだ懐疑的でバブルとは程問い状態です。「株を買わないやつは馬鹿だ」という評論家も現れていませんし、むしろ「リ―マンショックから10年目だからまた大暴落がやってくる」というような話を素人のコメンテーターまでが口にするような状況です。

 現在の状況は1994年頃の米国市場に非常によく似ていると思います。
 1994年のダウ平均は、4000ドル近辺でした。1980年代においては1000ドル程度でしたから、この水準はとてつもなく高く思われ、私の周辺のプロフェッショナルのディーラたちは大規模なカラ売りを仕掛けました。

 しかし、結果は皆さんのご存じのとおりです。その直後からIT・インターネットバブルが始まり、2000年頃には1万ドルを超える水準に到達しました。その後ITバブルの崩壊によって一時的に値を下げましたが、現在のダウ平均は2万5000ドル近辺、すなわち1994年の水準の6倍以上にもなるのです。4000ドルが日経平均2万円と換算すれば約25年間で12万円以上に上昇したことになります。

 また、1980年代の1000ドルを、日経平均の安値水準8000円と考えれば、現在のダウ平均は約25倍。日経平均に換算すれば20万円。

 今後の日本の株式市場はそのぐらい大きな上昇相場を経験すると考えます。

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(大原浩)


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書評:量子コンピュータとは何か



書評:量子コンピュータとは何か
 ジョージ・ジョンソン 著 早川書房
 https://amzn.to/2M57UVn


 これまで株式市場などで「革新的技術」だとの評判を得て、「今すぐにも実用化」されそうな話をマスコミがたれ流した事例は数え切れません。

 「(常温)超電導」、「(常温)核融合」、「人工知能(AI)」などいくらでもあげることができます。「(完全)自動運転」もたぶんその一つになるでしょう(その理由の詳細は述べませんが、はるかに簡単な飛行機でさえいまだに「完全自動運転」が実現していません)。

 特に「AI」は過去何度目かのブームがやってきていますが、今回もそれは実現できないと思います。簡略に述べれば、「人間の脳が電気で動いているというのは間違った考えであり、実際には生体の化学反応の結果電気が生じている」と考えるべきだからです。

 また、人間の脳はあくまで体の一部であり、人間の脳の情報(ソフト)だけを移し替えるということも(SFではよくある設定ですが・・・)できません。例えば人間の脳はコンピュータの世界で言えば「IoT」のように体の各部分と情報交換を行っており、脳が各部分に指令を出すだけではなく、各部分が脳
に情報を送り影響を与えます。

 「臓器移植」をしたら「食べ物や娯楽の趣味が変わり」<調べてみるとその臓器の持ち主の嗜好と同じであった>という話があります。十分あり得ることで、脳が人間の体の各パーツとつながっているからには、むしろ必然といえます。

 人間の脳はウィンドウズのようにソフトとハードが分離しているのではなく、MAC以上にOSとハードが一体化しているといえます。

 さらに、本書でも簡単に触れられていますが、人間の脳細胞どころかその細胞を構成するたんぱく質などの分子、さらにはその分子を構成する原子(核や電子)が、「計算」=「思考」している可能性があります。

 限られた条件下の限られた内容の計算ですが、実際に量子(原子・光子・イオン・電子など)による計算が成功しているので、人間の脳細胞を構成する量子が「思考(計算)」していて、それが人間の「意識」を生み出している可能性は否定できません。しかし、数百年、数千年後(人類が滅亡していなければ・・・・)に解明するかも知れない事実でも、現状は雲をつかむような状況です。

 量子そのものの性質がまだ未解明なわけですから、量子の不思議な性質は実は(現在物理学会では常識となりつつある)多元宇宙(宇宙は一つではない!)の証明だと説明されることになったら、現在の量子論は大幅な修正を迫られます。

 もっとも、原理が分からなくても、ニュートン以前から人類はいろいろなエネルギーを活用する道具を生み出してきましたし、蒸気機関が発明された時もその動作の原理の詳細は未解明でした。

 ですから、原理が完全に解明されなくても(実用的)量子コンピュータが完成しないわけではありません。

 しかし、本書のオリジナル(英文)が執筆された2000年頃と、量子コンピュータ開発の現状を比べるとあまり進歩していないことが気になります。

 確かに初期の(古典的)コンピュータは真空管を使用していて、ビル一つほどのサイズで電卓以下の性能でした。当時の人々が現在のIT化を予想できなかったのも当然です。トランジスタが登場しなければ、現在のモバイル端末やインターネットに通じる大ブレイクは無かったかもしれません。

 しかし、量子コンピュータにおいてトランジスタに匹敵するブレイクがおこるのかどうかもわかりませんし、もし起こるにしても今すぐでは無いようです。


(大原浩)


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書評:大収縮 1929−1933



書評:大収縮 1929−1933 「米国金融史」第7章
ミルトン・フリードマン+アンナ・シュウォーツ 著、日経BP社
 https://amzn.to/2LK2zCu


 米国の金融に関する歴史を詳細に論じた「米国金融史」の中で、いわゆる「大恐慌」に関する部分をピックアップした書籍です。

 今からは考えられないことですが、この時期にFRBが行った「金融引き締め」的政策についても詳細に論じられています。歴史の「たら・れば」は意味が無い議論だとは思いますが、フリードマンは、当時発足したばかりの連邦準備制度(それまではNY連銀が事実上その機能を果たしていた)が円滑に機能していれば、過去の大型不況と同程度の打撃を受けたにしても、今日まで「大恐慌」と呼ばれ<恐怖感>を持って論じられるような深刻な事態にはならなかったであろうと結論づけています。

 公開市場操作をはじめとする金融政策、さらにはハイパワード・マネーのコントロールがうまくいったとして、「本当に大恐慌が起こらなかったか?」という点について、私は懐疑的です。本書を読む限り机上の空論以上のものではありません。本書巻末の<全米経済研究所理事の所見>においても、金融実務家(市場関係者)の観点から、同じような疑問が提示されています。

 もう一つの重要ポイントは、当時の金融政策が稚拙なこともあって多数の銀行を倒産させてしまったという事実です。現在でも<金融機関の自己責任>については厳しい議論が続いています。金融機関にも一般企業と同じような経営上のモラル(経営責任)を求める声があるのは当然のことですが、<金融システムの維持>を中心に考えるのであれば<金融機関は倒産させてはならない>というのが本書の結論であり、私も同感です。

 この大恐慌の教訓から、モラルの問題があるにもかかわらず、金融機関は倒産させない(あるいは預金保険機構で守る)のが一般的政策です。また、不況期には過剰ともいえるほど資金を供給します。

 1990年のバブル崩壊以来、ひたすら資金供給と低金利政策を続けてきた日本の政策が典型でしょう。史上まれに見るバブルの崩壊にも関わらず、人々が路頭に迷うような大恐慌が起こらなかったのは、日本政府(日銀)の金融緩和政策のおかげです。
 また、大部分の金融機関は合併などで生き残りましたが、1997年の北海道拓殖銀行を皮切りに金融機関を倒産させた時期に不況は深刻化しました。この時期の方がバブル崩壊直後よりも危険な状態であったのは事実です。
 おおむね2003年の「りそなショック」(実質国有化)以降、銀行を救済する方向に転換してから日本経済が持ち直してきたといえるでしょう。

 しかし、この超金融和政策は「大恐慌」こそ引き起こさなかったものの日本に20年以上もの経済停滞をもたらしました。本格的に日本経済が回復の兆しを見せ始めたのは、2012年末のアベノミクス開始以降です。第2次世界大戦があったとはいえ、1929年に始まった大恐慌が16年後の1945年には終わっているわけですから、どちらを選択すべきは実のところ微妙な問題です。

 2008年のリーマンショックでも、日本型の超金融緩和政策がとられ(当時米国で倒産させた主要金融機関はリーマン・ブラザースだけです)、歴史上未曽有の<金利バブル=マイナス金利>を世界中に引き起こしました。おかげで、今回も「大恐慌」は免れましたが、この処理には日本のバブル同様20年くらいはかかると考えています。現在リーマンショック後10年目ですからまだ折り返し地点です。

 金利引き上げによる正常化が盛んに議論されていますが、実際のところは本格的に実行できる段階ではないと思います。

 特に、欧州とチャイナなどを含む発展途上国(後進国)が、世界経済の足を引っ張るのではないでしょうか?

 逆に、日本や米国は低金利を有効に使って益々繁栄すると考えています。
 日本は1994年にダウ・ジョーンズが4000ドルを超えたあたりにいると思います(現在のダウ・ジョーンズは2万5000ドル近辺です。日経平均を6倍すると12万円くらいの感覚です)。

 また、1980年代のダウ・ジョーンズは1000ドル程度ですから、現在は約25倍。日経平均の底値を8000円とすれば20万円のイメージです。

 もっとも、世界中で超金融緩和によって問題を解決しようとする流れが続けば<金融システム>そのものが危うくなるリスクは常にありますから、その点は十分注意する必要があります。

 なお、本書巻末の元FRB議長ベン・S・バーナンキのコメントは、本書の内容を熟読したうえで、重要なポイントを的確に指摘していますので、大いに参考になると思います。


(大原浩)


*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
 (JKK)を設立しました。HPはこちら https://j-kk.org/


【大原浩の書籍】

★夕刊フジ(産経新聞社)にて「バフェットの先を行く投資術」)」<毎週木曜日掲載>
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書評:資本主義と自由



書評:資本主義と自由
ミルトン・フリードマン著、日経BP社
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●自由こそ資本主義の源流

 1962年にそれ以前の講義内容を基に出版された本ですが、60年近く昔の内容であるにも関わらず、現代我々が直面している諸問題に関して鋭く切り込み、かつ明確な解答を与えている名著です。

 1776年に国富論の初版が発刊されてからほぼ250年、その輝きを失っていないのと同様、本書も風雪に耐えながら残っていく古典となるでしょう。また、アダム・スミスに関する言及もしばしば登場しますが、きちんと彼の主張を理解したうえでのコメントであり、本来の内容を捻じ曲げて伝えている自称<スミス派>の人々とは一線を画しています。

 また、本書の内容そのものがアダム・スミスの正当な後継者であることを示しています。スミスは「見えざる手(決して『神の』ではありません!)」、すなわち国民が参加する市場の「自律的コントロール」を重視していました。フリードマンも筋金入りの「自由主義者」であり、市場あるいは民間の力最大限に活用するのが合理的であると主張しています。

 ただし、「国家」がある分野において重要な役割を果たすことは二人とも認めています。まず第一は「国防」、その次に国内の「治安」があげられます。「国防」に関しては日本国内には奇妙な「憲法9条教」の信者がたくさんいますが、国内の同胞から自分の安全を守るのに警察が必要であると主張しているのに、国外の侵略的国家から自国を守るための軍隊が必要無いなどと主張するのはクレイジーな話です。

 どのような社会にも犯罪者は一定割合(比率の多少の違いはあっても)で出現しますし、独裁者が支配する邪悪な国家は朝鮮半島だけではなく、世界中の多くの地域に観られます。

 そのような「夜警」としての役割以外の国家の重要な役割には<カルテルの打破>があります。スミスは「商工業者が集まれば、それが趣味の会であっても結局<談合>になる」と何回も指摘していますが、「厳しい競争の中で互いに協力して戦う」というのは人間の本能であり、美徳とも言えます。

 しかしながら、国民から見れば「業者が結託して価格を吊り上げる」等の行為は、大いなる不利益です。したがって、国家がそれらの業者(アダム・スミスのいう商工業者)を監督し、互いの競争を促進しなければなりません。つまり「自由競争を担保するために政府の存在が必要」なのです。

 ところが、自由競争を促進すべき政府が、商工業者の後押しをして輸入関税・輸入制限、補助金、参入制限、さらには自らが参入する「国営」などの手法によって自由競争を妨げています。


●政府が行うべきではない14の事業

 フリードマンは、第2章で政府が行うべきではない事業の14のリストをあげています。

1)農産物の買い取り保証価格制度
2)輸入関税・輸出制限
3)産出規制
4)家賃統制
5)最低賃金・法定金利
6)産業規制・銀行規制
7)ラジオ・テレビ規制
8)社会保障制度(特に老齢・退職年金制度)
9)特定事業の・職業の免許制度
10)住宅政策
11)平時の徴兵制
12)国立公園
13)営利目的での郵便事業
14)有料道路

 フリードマンが提案してから60年以上たっても、あまり進歩が無いのは残念です。

 13)の郵便事業は、日本では民営化されましたが、「信書」に関してはばかげた規制がまだ残っておりヤマトは事実上市場から排除されました。

 1)の農産物に関する規制は、規制を行っているどのような国でも農業が発展せず、特に農民一人あたりに換算すれば、莫大な金額をつぎ込んだ日本の農業は壊滅的状態です。

 2)の輸入関税・輸出制限について、アダム・スミスは、<国家の利益のためではなく、特定の商工業者の利益のために行っているに過ぎない>と切り捨てています。

 5)の最低賃金は、弱者を守るように見えて実のところ弱者を苦しめています。市場経済では、価格が上がれば需要は減ります。最低賃金によって雇用の総数は減り、職にあぶれた人はゼロ円の収入しか得られない失業者になります。また、最低賃金によって企業の競争力がゆがめられ、産業の発展が阻害されることも雇用にはマイナスです。

 8)の年金制度(強制加入)は、個人の人生に国家が介入するやり方です。20歳を過ぎた大人に「老後の生活設計をどのようにするのか」国家が指導するというのは全体主義的です。アリのようにきちんとたくわえをしなかったキリギリスにどのように国が対応するのかは、別次元の話です。

 9)の免許制度はかなり議論を呼ぶ争点だと思いますが、フリードマンは医師や弁護士の免許制度も不要であると断じています。当然、「免許制度が無ければ選択に困る」という話が出てきますが、「資格を持ったやぶ医者や悪徳(無能)弁護士がどれほど多いのか?」ということを考えるべきでしょう。例えば、金融機関や企業の評価は複数の民間の格付け機関(調査会社)が行い、全く問題がありません。むしろ企業の信用調査における民間の情報・分析の蓄積は驚くべき程です。「世間の評判」はかなり信頼がおけるものですし、ネット社会での「評判」の伝達スピードは迅速です。

 そもそも、これらの免許が終身であることが問題です。日進月歩で進歩する現代社会において、30年前に試験に合格した人物の技量はあてになりません。自動車運転免許でさえ5年ごとに更新しなければならないのですから、これらの免許も5年あるいは10年ごとに更新手続きを義務付けるべきです。

 同じことは大学を含む教員にも言えます。大学教員でもあったアダム・スミスは「競争原理が働かない大学の教員は腐敗する」と述べていますが、まさにそれが現実になっています。
 教員も自由市場で(学生や学費を支払う親から)きちんと評価されるようにならなければ、教育の質の向上は見込めません。この点においてフリードマンは、生徒や親が公立・私立を問わず、好きな学校で学べる「バウチャー制度」という優れた提案をしています。


●リベラルとは何か?

 本書の冒頭でフリードマンは、リベラルという言葉が現在では全く反対の意味に使われていることを嘆いています。

 そもそもリベラルという言葉は「自由を大事にする人々」をさしますから、本来個人の自由を最大限に尊重する「小さな政府」を信奉する人々を意味したはずです。ところが本来の意味でリベラルな人々は、現在は「保守派」と呼ばれ、「大きな政府(福祉国家)」を信奉したり共産主義(全体主義)のように個人の自由を奪う(例えばナチスは国民社会主義ドイツ労働者党で共産主義を信奉(共産党を弾圧したのは同じ方向を向くライバルであったから)し、毛沢東やスターリンはヒットラーをはるかに上回る人民を粛正で虐殺しています。もちろん、北朝鮮もその仲間です)人々が勝手に自分たちのことをリベラルと呼び、それが左翼勢力に支配されているマスコミによって広まり一般化しています。

 要するに「リベラル」という言葉が「背のり」されたわけですが、それほど「自由」という言葉は現代社会において重みがあります。政治的な意味合いだけではなく「自由」と「民主主義」は、ピーター・ドラッカーが述べる「知識」が経済の中心である現代において、発展のための必須の条件なのです。

 例えばガレー船(古代において2列に並んだ多くの漕ぎ手が全力で漕ぐことによってスピードを増した船)の漕ぎ手を考えてみましょう。彼らを一生懸命働かせるため、鎖でつないで鞭打てばいくらか効率が上がるかもしれません。むろん、「インセンティブ」が全くない彼らを働かせるための監督管のコストは馬鹿になりませんが、「牛や馬」と競合する労働であれば、このような手法もそれなりに役に立ちます。

 ところが、現代の「バイオ研究所」において、研究員達を鎖でつないだうえで鞭打つことで、より良い研究の成果が出るでしょうか?むしろ逆なはずです。

 米国の南北戦争は「奴隷解放」に関する倫理的な争いのように語られ「リンカーン」は、奴隷解放の英雄のように語られますが、そうではありません。
 農場労働で大量の奴隷(牛や馬の代わり)が必要であった南部に対して、工業化が進んだ北部では工場で奴隷を鞭打って働かせるよりも、解放奴隷にして「えさを与えてやる気にさせたほうが」より効率的だったのです。

 少し皮肉な表現をすれば「社畜」であるサラリーマンと、コンビニ・オーナーなどの自営業者との関係に近いということです。少なくとも自分が「社畜」であると感じているサラリーマンは、必要最低限の仕事をして楽をすることしか考えません。それに対してコンビニ・オーナーは24時間息の抜けない過酷な環境であっても頑張ります。売り上げや利益が増えた場合の「一国一城の主」というインセンティブがあるからです。

 「女工哀史」などという言葉もありますが、工場で鞭打って働かせるなどという話は聞いたことがありません。農作業であれば労働の質はそれほど問われませんが、工場の労働者がたくさんに別れた工程の中で「へま」をすれば、完成品全体に影響を与え大きな不利益を被ります。ですから、鞭打たれていやいや最小限のことを行う奴隷は役に立たず、「インセンティブ」を与えられて、積極的に仕事を行う「解放奴隷」が米国北部の工業地帯に必要不可欠であったのです。

 この事実は、「10万年の世界経済史」<下>(グレゴリー・クラーク著)によって19世紀〜20世紀にかけての世界の繊維産業でも検証されています。

 当時英国は、繊維工場の機械や技術者を世界中に派遣する技術大国でしたが、他の国々(特にアジア、アフリカなど)の工員の賃金は英国をかなり下回っており、賃金において英国は競争上不利でした。ところが、全体的な英国の競争上の優位はなかなか崩れ無かったのです。著者はその理由を明確には述べていませんが、おおむね「工員の質」および「マネジメントの質」のかなりの差が英国と他の国々の間にあったのは間違いないようです。

 したがって、リベラルを名乗りながら、実際には全体主義・独裁主義であるチャイナ、南北朝鮮、さらにはベトナムなどの共産主義国をはじめとするグループは、「知識」が最も重要な資源である現代において、永遠に先進国の仲間入りはできません。これらの国々を「発展途上国」あるいは「新興国」と呼ぶことがありますが、少なくとも「知識社会」における発展が望めないのですから「後進国」と呼ぶのが正しいということになります。


●合法的利権集団である労働組合について

 政府が行っているわけでは無いので14のリストには入っていませんが、労働組合も社会に害悪をもたらすものの一つです。

 フリードマンが行った大まかな分析では、労働組合の力で労働人口の10〜15%の賃金が10〜15%引き上げられると、残り85%〜90%の賃金水準は4%押し下げられるという推定に達しています。他の研究者による数字もほぼ同じ内容のようです。

 商品の価格が上がれば需要は低下します。その結果その労働組合が牛耳る職場や同業などから弾き飛ばされた人々が職探しをします。供給が増えるので、それらの人々の賃金は当然下がります。結局、低賃金労働者を犠牲にして高給取りの組合員が潤います。

 フリードマンの言葉を借りれば「労働組合は、雇用をゆがめてあらゆる労働者を犠牲にし、ひいては大勢の人々の利益を損なっただけではなく、弱い立場の労働者の雇用機会を減らし、労働階級の所得を一段と不公平にしてきた」のです。


●今こそ資本主義と自由について考えるべきとき

 60年前のフリードマンの鋭い指摘にも関わらず、現在に至るまで国家の機能は肥大化してきました。何か問題があれば「国が悪い」と、責任を押し付ける風潮がその流れを加速させたのは間違いありませんが、国の役割が増えれば増えるほど、個人の自由は制限されます。

 日本をはじめとする先進資本主義国家が、共産圏のような全体主義・独裁国家になってしまわないよう、今こそ「国家」と「個人」の関係を見直すべき時ではないでしょうか?


(大原浩)


*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」(JKK)を設立しました。HPはこちら https://j-kk.org/


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