書評:複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線



複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線
マーク・ブキャナン 著、 草思社
 https://amzn.to/2qCmGuv


●世間は狭い

 街角でばったり知人に会った時などに、「Its a small world!」(世間は狭いね)と言います。この「街角で知人にばったり現象」は、「確率論」の観点から考えれば実はそれほど珍しいことではありません。

 例えば私がある友人の娘に銀座の街角でばったり会う確率は確かに低いのですが、私が多数の友人のうちのさらに何人かいる娘のだれか・・・さらには、すべての知り合いのうちの誰かの家族、親せき、友人の一人などと範囲を広げ、そのうえ場所も銀座だけではなく、青山、新宿などと広げるとばったり出会う確率はかなり高まります。

 また、例えば同じ誕生日の人がいる確率も同じです。
 例えば、ある場所に「あなたと同じ誕生日の人が50%」いるようにするには、1年の半分の日数(183)と同じだけの人を集めなければなりません。しかし、「同じ誕生日の人が50%」いるようにするためには23人いれば十分です。あなたと他の人との組み合わせはワンパターンしかありませんが、他の人と他の人との誕生日の組み合わせは多数あるからです。

 本書の主要テーマである「スモール・ワールド」は、前記の「世間は狭いね」という意味に近い概念であり、「組み合わせ=ネットワークに着目するとこの世の中は狭い」という意味では同じフィールドでの議論ということになります。

 よく、「世界中のどんな人とも6人(または7人)の知り合いを介してつながっている」と言われます。その話のもととなっているのが、スタンレー・ミルグラムが1960年代にハーバード大学で行った実験です。
 ミルグラムは、160通の手紙を出した(知り合いの誰かで、その人に一番近そうな人に手紙を送るよう依頼する)のですが、すべての手紙が6段階(6人)を経て届いたのです。
 ちなみに1970年に彼自身による補強実験が行われ、ランダムに選んだロサンゼルス在住のピンク人(白人)からニューヨーク在住のブラウン人(黒人)に向けての手紙でも同じ結果が得られました(米国には激しい人種差別がありますが、それは結果に影響を及ぼしませんでした)。

 その他にもWEBページでの「ケビン・ベーコン指数」を取り上げています。共演した俳優つながりで、ケビン・ベーコンンまで何人経由すればつながるかというゲームですが、平均するとすべての俳優からケビン・ベーコンまでは2.896人(約3人)でつながります。ちなみに、これはケビン・ベーコンだけに限った現象ではなく、例えばキアヌ・リーブスとアーノルド・パーマーも3人でつながります。

 なぜ、「世間はこんなにも狭いのか」という理由を数学的検証も含めながら本書は解き明かしていくのですが、そのキーワードは「クラスター」と「リンク」です。隣り合った存在と密に結びついた「クラスター」と、超特急のようなスピードで離れた存在まで飛んでいく「リンク」とが、丁度よく配置されることによって「スモール・ワールド」が形成されるわけです。

 このスモール・ワールドは河川の分布をはじめとする自然現象にも多数見られます(フラクタルもその一つといえます)がその典型は人間社会であり、インターネットがまさに縮図です。

 この分野の研究が、(壮大な実験・検証を行える)インターネットの普及と、繁雑な計算を行うコンピュータの性能の向上と絡み合って発展してきたのは偶然ではありません。


●8割の富が2割の金持ちに集中する

 後半では、<8割の富が2割の金持ちに集中する現象>とスモール・ワールドとの関係に言及します。発展途上国では9割が1割に集中するかもしれませんし、口先で平等を唱えるチャイナやロシアなどの共産主義国家ではもっとひどい状況でしょう。

 しかし、先進国においても一部に富が集中するのは明らかであり、歴史的にもそれが当然のこととされてきました。著者はこの現象は、<王様が強欲だからではなく、企業家が悪徳だからでもない>とし、それは「スモール・ワールド」の科学的・数学的必然であるとしますが、私も同感です。

 また、通常のビジネスの基本である<交換」においての貧富の差の広がりよりも「投資」のリターンによる貧富の差の広がりのほうが遥かに加速度的であるという視点も興味深いものです。

 もちろん、個々の投資においては損をすることも得をすることもありますし、特に先物・オプション・FXなどのギャンブル的な取引では統計的に判断して、ほとんどの投資家は損をしています。

 しかし、(現物の)株式市場や事業などでは歴史的に見て(数十年単位)、必ずパイが増えています。先物などのゼロサム市場と違って、(パイそのものが増える)<プラスサム市場>なのです。

 ですから、長期間にわたって多額の余裕資金を株式市場(事業)などの成長市場に投資できる金持ちは益々金持ちになりますし、金持ちによって安定的な資金を供給された企業は(数十年単位)、大概価値が増大しています。ですから、長期間にわたって多額の余裕資金を株式市場(事業)などの成長市場に投資できる金持ちは益々金持ちになりますし、金持ちによって安定的な資金を供給された企業は繁栄し、雇用されている従業員たちも恩恵を受けるのです。

 「金持ちを貧乏人にしても、貧乏人が豊かにになるわけでは無い」というのはマーガレット・サッチャーの有名な言葉ですが、自然の摂理に反しても物事はうまくいきません。

 不平等の緩和ということであれば「課税」による調整が最も有効であり、著者も同様の考えです。しかし、この手法も世界的に「課税」をしないのに「ばら撒き」を行う(民主主義では政治家はそのようにする圧力を常に受けている)ことがはびこり、財政赤字が膨らみ続けています。

 しばしば、「お金は寂しがり屋だから、仲間のお金が集まっているところに行きたがる」と言われますが、スモール・ワールドの理論で、この現象も明快に説明できます。


●氷はいつから水になるのか?

 最近、宇宙の「真空崩壊」−つまり宇宙の破滅はそれなり(といっても小数点以下かなりゼロが並びますが・・・)の確率で起こりえる−という議論が盛んになってきたこともあって「相転移」という現象が注目されています。

 簡単に言えば、同じ水分子なのに0度で氷から水になり、100度で水蒸気(気圧によって異なる)になり、さらにはるか高温にまで熱するとプラズマになることです。

 この現象においては、水の分子やそれを構成する原子そのものは全く変化しません。それぞれの粒子(分子・原子)のつながり方(リンク)に変化が生じるだけなのです。変化する際の温度は違いますが、この相転移はこの世の中の物質すべてに当てはまる現象です。

 実は、この「相転移」は人間社会、市場やインターネットでも頻繁に起こっているのです。例えばある歌手が全く同じ歌を歌い続けているとある日突然世界的にブレイクしたり、インターネットの何気ない記事がある日を境にアクセス数が急増するという現象も「相転移」を用いて説明することができます。

 これは蝶の羽ばたきの連鎖がある一定のポイントを超えると台風になるという「複雑系」の話にもつながりますが、問題はそのポイントをどのように見つけるかということです。

 本書ではその具体的な方法に言及していませんし、現状でそれを見つけ出すのは大変困難な作業です。また、万が一見つけ出すことができたとしても、世の中は常に変化していますから、次はまた一からやり直さなければならないでしょう。

 それでも、人間社会、市場、インターネット等においては、ある一定のポイントを超えると「相転移」を起こし、構成要素(例えば市場の参加者)が何も変わらないのに性質が全く変わってしまうということは、投資家、経営者、ビジネスマンなどが必ず理解しておかなければならないことであるといえます。


(大原浩)


*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」(JKK)を設立しました。HPはこちら https://j-kk.org/


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書評:確率とデタラメの世界 偶然の数学はどのように進化したか



確率とデタラメの世界 偶然の数学はどのように進化したか
デボラ・J・ベネット 著、白揚社
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 「杞憂」という言葉があります。
 中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという、「列子」天瑞の故事から生まれました。心配する必要のないことをあれこれ心配することを意味しますが、「天が崩れ落ちてくる確率」=世界・人類が滅亡する確率は、実のところ全くゼロではないのです。

 ですから、人間は「世界滅亡」と聞くと恐怖を感じ、キリスト教をはじめとする多くの宗教.が「世界の終わりがやってくるから神(実のところ教会の怪しげな人々)のいうことを聞きなさい」というプロパガンダで多くの信者を集めてきました。

 しかし、ノストラダムスやマヤの暦を含む「世界滅亡の予想」は、少なくともこれまでのところ100%外れてきました。その中には、教祖の終末予想が当たらないからといって集団自殺(実のところ殺人だともいわれていますが…)した教団も少なくありません。

 確かにこの世が明日滅亡する確率はゼロではありません。
 例えば最近話題になっている「真空崩壊」。要するに宇宙でも「相転移(同じ水が温度によって、氷から水、水から水蒸気、水蒸気からプラズマに変化するようなこと)が起こるのではないかという話です。

 実際、ビッグバンの際には相転移が起こっていたと考えられる(そのおかげで、素粒子や原子が生まれ、四つの力なども形成されたと考えられる)ので、再び起こる可能性があり、その確率は数百億年に1回とも、数千億年に一回ともいわれますが正確に確率を計算するのは現在のところ難しそうです。
 しかし、宇宙の年齢は138億年前後といわれますので、「真空崩壊」が起こる確率を全く無視することはできないでしょう。

 また、彗星が地球に衝突して滅亡する可能性も無視できません。オールトの雲をはじめとして、小惑星や彗星などの供給源が、地球の比較的そば(宇宙の感覚で)にあるわけです。

 しかし、そんなことをいつも考えながら暮らしていてはまさしく「杞憂」になってしまいます。地球温暖化教の信者が「二酸化炭素の排出を止めないと地球が大変なことになる」という話も一種の「地球滅亡論」の杞憂です。
 そもそも、地球の気温は基本的に太陽活動と地軸の傾きによって決まるので、太陽の黒点活動と地軸の傾きの今後の見込みをまず考えるべきなのです。二酸化炭素の排出量は地球の気温決定の2次的、3次的要素にすぎません。

 その基本的な科学的事実を無視して、大騒ぎする科学的センスがない人々が多いことには驚かされます。二酸化炭素の排出によって「地球が大変なことになる」可能性はゼロではありませんが、その可能性はほかの地球滅亡論と大差ないということです。


 さて、本書にもあるように、確率の研究が本格化したのは、せいぜい17世紀ごろからです。ギリシャ、ローマで開花した高度な文明・文化が、その長い間キリスト教によって破壊しつくされたことも大きな原因の一つです。キリスト教が欧州にはびこり、人々を蹂躙している間、ギリシャ・ローマの伝統を受け継いで科学や文化を発展させたのはイスラム圏です。

 実際、現在でも科学用語のアルカリ、アルコール、アルゴリズムなどアラビア語に期限を持つ言葉は多く、科学に不可欠な数字そのものが「アラビア数字」(インドで発案されアラブ世界を通じて世界に広まった)です。

 キリスト教が支配する世界では、この世の中のすべてのことは「神」が決めるのだから、「偶然などということはあり得ない」というわけです。この「世の中で起こる出来事はすべてあらかじめ決められている」(決定論)と「偶然あるいは自由意思を認める」考えとは現在でも対立しています。

 決定論では、人間の自由意思は存在しないはずですので奇妙に思うのかもしれませんが、脳生理学における実験では、人間の脳が判断(例えば手を伸ばしてコーヒーカップをとる)する前に手の神経が反応しているということが明らかになっているのです。

 もちろん本書では「偶然は存在する」との仮定の上で議論が進められています。特に偶然「ランダムネス」とは何かについての議論に多くのページを割いています。

 例えば<乱数>を作成するのに、コンピュータで数式を計算するというやり方は一般的ですが、数式によって導かれた数字は事前に予測できるわけですから、それが本当に<乱数>=<偶然>なのかという議論などです。

 もちろん、堅苦しい議論ばかりが展開されているわけではなく、全10章のほとんどがモンティホール問題などを含む、楽しい確率のエピーソードで占められています。

 文章が平易で、この手の本としては短めの200ページ強なので、すいすいと読み進めます。確率を学びたい初心者にはうってつけの本だと思います。


(大原浩)


*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
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"地球温暖化教"と"地球寒冷化問題"



Newton(ニュートン) 2018年5月号
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 Newtonは毎月欠かさず読んでいますが、毎号とても興味深い記事にあふれています。特に、5月号の「ゼロからわかる量子論」の「量子コンピュータ」に関する話は、量子コンピュータとは何か(ジョージ・ジョンソン著 早川書房)の内容を圧縮して整理したような内容でわかりやすいです。

 しかし今回注目したいのは、「太陽の異変と宇宙からの災害:太陽に異変がおきている?「スーパーフレア」の脅威と弱まる太陽活動」です。

 現在、地球温暖化騒動が始まってからずいぶん時間が経過し、今やそれがカルト宗教のようになっています。

 もちろん、ジーザス(イエス・キリスト)が処女から生まれたとか、水の上を歩いたとか、はたまたゾンビのように生き返ったということを100%否定することはできません。

 また、「宇宙人に拉致された」とか「宇宙人に人体実験された」とかいう人々の話を100%否定することも困難です。この世の中(宇宙)で「ありえることは無限に存在」するので「絶対にありえない」証明は「悪魔の証明」とも呼ばれ現実には不可能です。

 「二酸化炭素排出による地球温暖化による危機」という話を否定するには、上記のように「悪魔の証明」を行わなければなりません。しかし、重要な論点は「国民に多大な負担をかけて地球温暖化対策を強制するのなら、負担を強いる側が因果関係を明確に示すべき」ということです。我々の血税を投入するということだけではなく、企業が対策を講じる費用も最終的には消費者である国民が負担します。

 私が知りうる限り「地球温暖化論」の根拠は薄弱です。科学雑誌や科学ドキュメンタリーにおいても、「二酸化炭素による地球温暖化」の因果関係を科学的にキチンと説明したものは見たことがありません。私に言わせれば、彼らの主張は「風が吹けば桶屋が儲かる」的なもの以上ではありません。

 そもそも、地球の気温は長い歴史の中で大きく変化しています。現在のごく狭い範囲の気温が「正しい」とする根拠はどこにもありません。それは「人類がエデンの園にいたのに追い出されたから、エデンの園の状態(気温)に戻らないといけない」というような思考方法と変わりません。地球の気温にも環境にも「正しい状態」などありません。
 もちろん、北京のような<毒ガスシティ>で暮らしたいとは思いません。しかし、地球の広大な環境をちっぽけな人類がコントロールしようとすること自体傲慢で思い上がった発想です。

 あと数度気地球の気温が高いほうが人類にとって都合がよいのかもしれませんし、それはだれにもわかりません。少なくとも寒冷地の人々にとって温暖化はむしろ歓迎される現象といえるでしょう。

 さらに、地球の気温は二酸化炭素以外に「太陽」の動向に大きく左右されます。地球の地軸の傾きや公転も重要な要素です。二酸化炭素は地球の気温に影響を与える要素のごく一部にしかすぎないのです。

 歴史を振り返れば、人類の「歴史」は、氷河期が終わって「温暖化」したからこそ始まったのです。現在は氷河期と氷河期の間の間氷期であるからこそ、人類は生存できているのです。もし再び氷河期がやってきたら人類の文明はたぶん崩壊するでしょう。

 もちろん、今後寒冷化するかどうかはわかりませんが、その因果関係に関する研究は温暖化に関するものよりも、きちんと科学的に行われ、それなりに説得力もあります。

 太陽黒点の活動の低下はこれまでにもたびたび指摘されており、1600年代半ばから黒点が約70年間にわたって姿を消していた「マウンダー極少期」と呼ばれる時期には地球の平均気温が他の時期に比べて低く寒冷であったことが分かっています。
 18世紀以前には温度計による記録などありませんが(「温暖化論」においても同じ)、木の年輪の幅やサンゴ成分、文献に記録された花の開花日などから推定されています。現在は凍ることが無いロンドンのテムズ川が完全に凍り付く様子も絵に描かれています。

 そして、現在明らかに太陽黒点の活動が衰えてきています。

 寒冷化と太陽黒点の活動が関連するメカニズムは必ずしも明らかになっていませんが、推論がこの特集に述べられています。

 少なくとも、その関連性をうかがわせる歴史的記録が「太陽黒点と寒冷化」にはあっても、「(人類が排出する)二酸化炭素と温暖化」にはありません。詳細は、ぜひ特集を読んでいただきたいのですが(非常にコンパクトにまとまっています)、少なくとも温暖化と同等には寒冷化問題を心配すべきでしょう。

 そして、それ以上に心配なのは「スーパーフレア」です。
 1989年3月にカナダのケベック州で起きた9時間にわたる停電は大規模な太陽フレアが原因ですが、これは本ほんの序の口です。19世紀以前にもさらに大規模な太陽フレアが起こっているのですが、当時は現在のように通信網や電力網が発達していなかったので影響があまりなかっただけです。

 現在のように電力、通信、それにコンピュータが発達した社会では24時間太陽のフレアの影響を受けただけで、映画のような大パニックになります。
 24時間停電するだけでなく、電話もインターネットもコンピュータもエレベータも電車も使えない状況を想像すればすぐにわかります。

 二酸化炭素以上に心配すべきことは、この世の中に掃いて捨てるほどあるのです。

 念のため申し添えると、「地球温暖化対策」に熱心な企業はホームページや会社案内などでその努力を自慢していますが、この主張の欺瞞が明らかになれば、当然マイナスに評価されます。


(大原浩)

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ドラッカー18の教え 第13回



産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/
4月号連載記事


■長期と短期は両立しない

●日銭を稼ぐことと、将来の大きな果実


 毎日の暮らしを成り立たせるために、定期的で確実な収入があるのが望ましいのは、いうまでもありません。しかし、その収入から将来への投資としてある程度の資金を振り分けることも必要でしょう。

 例えば、個人でいえば、次のようなことです。
 まず、自分や家族の生活を成り立たせるために会社で働き月給を受け取ります。この月給は、会社に問題が無いかぎり安定的にもらえるものですから、そのために一生懸命働くのは当然です。しかし、さらに自分自身を成長させ、より良い地位や給与を得るためには、自己研さんが必要です。
 社内外の資格の取得のための試験勉強や、英会話能力を高めるために学校に通ったり、人脈・ネットワークを広げるためにビジネス交流会に積極的に参加することなどがあげられるでしょう。
 このような(会社の指示によらない)将来のへの投資は、当然のことながら無給ですし、費用も自腹です。

 しかし、多くの人々が、無給で自腹で、勤務外の貴重なプライベート時間を使って、「将来への投資=自己研さん」にいそしんでいます。もちろん、自腹の費用は、生活費、住宅ローンの返済、生命保険料などの支払いの源泉である給与の一部を削って払わなければなりません。
 また、プライベートな時間といっても、1日は王様にも乞食にも24時間しかありませんから、仕事の時間を圧縮したり、家族と過ごす時間を削ってねん出するしかありません。

 つまり、基本的に、現在の生活を維持するために行うべきことと、将来の成功(幸せ)を手に入れるために行うべきことは、「限られたパイの奪い合い」という形になるということです。


●日銭部門と投資部門は分離すべき

 企業経営においても、「現在」と「将来」の利益相反は存在します。親方日の丸で殆ど何もしないで給料をもらえる国営企業や準国営企業は別にして、一般の民間企業では、それぞれの役職員が一生懸命働かなければこなしきれない分量の仕事が与えられるのが普通です。
 実際、ライバル企業同士の争いはし烈ですから、ちょっと気を抜いた間にシェアを奪われてしまいます。「現状維持」することでさえ多くの費用と労力を必要とします。

 ところが、多くの企業では、そのような「現在の収益を稼ぐ部門」の中に、「将来の成功を期待する部門」を設立し、「将来の成功を期待する部門」の費用や人員を「現在の収益を稼ぐ部門」に負担させようとします。
 確かに、「将来の成功を期待する部門」は、最初収入がゼロであるのが普通ですから、どこかがその費用を負担しなければなりません。赤字部門では、どうしようもありませんから、稼ぐ部門が標的になるのはある意味自然かもしれません。しかし、ドラッカーは「今稼いでいる部門に、将来の成長を担う赤ん坊(部門)をゆだねてはならない」と忠告します。

 多くの人々が実感するように「子育て」は大変な作業です。まだほとんど何の経験も無く肉体的にも脆弱な赤ん坊は、四六時中面倒を見なければなりません。しかも、1円も稼ぐわけではありませんから、子育ての費用は両親の稼ぎに頼るしかありません。
 しかし、お父さん(お母さん)が、早朝から深夜まで働き詰めだったらどうでしょうか?十分な子育てができないかもしれません。


続きは「産業新潮」
http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
4月号をご参照ください。


(大原浩)

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書評:たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する



書評:たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する
レナード・ムロディナウ 著、ダイヤモンド社
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 「偶然」にまつわるエピソードを、世の中の幅広い範囲にわたって歴史的に深く洞察した良書です。特に歴史的なエピソードには興味深いものが多く、カルダーノの半生は注目されます。

 そもそも、「確率論」や「統計学」は、古代ギリシャから続く幾何学などの偉大な「正統派数学」とは違って、その理論を確立したのがギャンブラーやアマチュア数学者であることから(しかも歴史が新しい)、軽く見られがちですが、少なくとも人間社会との関係に関する限り「確率論」や「統計学」のほうがはるかに重要であることは明らかです。

 サー・アイザック・ニュートンが錬金術に熱中していたのは有名な話ですが、「科学」そのものの出自が、結構怪しいところにあるのも事実です。ただし、だからといって「科学」の素晴らしさが否定されるわけではありません。

 「確率論」や「統計学」の成立が遅れたのは、その内容が人間の直感に反するという点も大きく影響しています。本書でも取り上げられている有名なモンティー・ホール問題に関する世間の反応を見てもわかります。

 これは米国の人気クイズ番組で、三つのドアのうちの一つの後ろにマセラティ(高級スポーツカー)のような高価なものが、残り二つの扉の後ろには例えばシェークスピア全集のような面白味の無いものが置かれています。

 そして、解答者がその中の一つを選ぶと、司会者は残った二つのうちの一つの扉を開けます(残った扉は二つになる)。その時に解答者は最初に選んだ扉をやめて新しい扉にすべきか、それともそのまま最初の扉を維持すべきかというのが問題です。

 「残った二つの扉のうちのどちらかを選ぶのだから、50%対50%でどちらでも一緒」というのが、大半の方の直感的な答えではないでしょうか?

 高名な数学者を含むほとんどの米国人の考えも同じでした。ですから、1990年の9月の日曜日に「パレード」というニュース雑誌のコラムで「答えを変えた方が有利である」と解答したマリリン・ヴォス・サヴァントのもとには「ばかげている」といった非難や中傷の手紙が前記の高名な数学者を含む人々から殺到したのも当然かもしれません。

 しかし、現在では彼女が正しかったことが明らかになっています。なぜ彼女が正しいのかを説明するのは、それが人間の直感に反するだけにかなり難しいのですが、本書では見事に説明しています。たぶんこれまで読んだ類書の中で、最も上手に説明していると思います。

 また、ベルカーブと「パスカルの三角形」についての解説もよくできていて、ベルカーブそのものに対する理解も深まりました。その他の解説も非常に理解しやすく参考になるのですが、ここでは紹介する余裕がありませんので、ぜひ本書を読んでみてください。


 また、「確率論」、「統計学」、「行動経済学」の本に頻繁に登場する「投資」に関する話もすっきりと書かれています。これらの学問がもともとギャンブルと深い縁を持っているため、投資(少なくとも大半の人が行っている手法)が研究対象になるのは自然なことです。

 第7章ではベルカーブや標準偏差をもとに、ファンドマネージャーたちが「コイン投げ」以上の成績を残せないことを明らかにしています。

 ちなみに、ベルカーブや標準偏差はスポーツの対戦において結果がランダムではない(つまり不正が行われている)ことを発見するのに活用され、本書でもいくつかン事例が掲載されています。「やばい経済学」で有名なスティーヴン・D・レヴィット&スティーヴン・J・ダブナーの著書でも大相撲の取り組みの分析が登場します。もちろん、統計学的に「八百長が行われていることは99.9%確か」だとしていますが、この業界では「何人も死人が出ているのでこれ以上は言えない・・・」と口をつぐんでいます。

 第10章ではドランカーズ(ランダム)ウォークの解説の中で、全部で800の投資ファンドの過去5年間の成績とその後の5年間の成績を比較しています。読者の予想通り、両者には何の関連性もありません。

 バフェットも助っ人(銀行、証券、アナリスト、評論家等)のアドバイスに金を払う価値はないと言っていますし、「ファンドに投資すべきではなく、唯一投資する価値があるのは手数料が安い(本書でもその重要性を指摘しています)インデックスファンドだ」と述べています。

 科学的な裏付けがあり「世界一の投資家」が太鼓判を押す事実に、世間の大半の人々が無反応なのは残念なことです。


(大原浩)

*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
 (JKK)を設立します。HPはこちら https://j-kk.org/


【大原浩の書籍】

★夕刊フジ(産経新聞社)木曜版で連載中の「最強!!バフェット流投資術」
 は、現在応用編を連載中です。

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★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
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書評:種の起源(下)



書評:種の起源(下)
チャールズ・ダーウィン 箸、光文社文庫
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●人間の脳は最近ほとんど進化していない

 下巻では進化(種)の中間的存在の生物が、化石として見つかるケースが少ないという批判に対して、<地層堆積の膨大な時間の中で生物が化石として保存されるケース(可能性)が少ない>ことなどを、地質学の深い知識から論じています。
 当時はまだ大陸移動説(ドイツの気象学者アルフレート・ヴェーゲナーが1912年に提唱した説がはじめとされる)は登場していませんでしたが、地形の変化によって生物の分布や化石の見つかる範囲が大きく変わるということにはすでに気付いていました。

 この議論の中で感じるのは、生物の進化というのは数百万年、数千万年、数億年、数十億年(ダーウィンの時代にわかっていたのは4億年〜5億年前のシルル紀のあたりまでです)の悠久の時間を味方にしているということです。

 ですから生物の進化にはかなりの時間がかかるということです。確かに家畜や農作物の品種改良というものは短期間で行えますが、見た目の違いはかなりあっても(多様な犬の祖先はすべて同じ一種類のオオカミの種と考えられている)、遺伝的な特質は実のところそれほど変わっていません。

 現生人類がチンパンジーと分岐して他のサルから完全に独立した存在になったのが約700万年前だと考えられています(念のため、「サルが進化して人になった」という考えは全く間違いで、あくまで祖先が同じであるだけです。ダーウィンもそのような話は一切していないのですが、進化論を攻撃するキリスト教関係者などが話を捏造しました)。

 実は、このことが現代の経済や投資における人間の行動を解き明かすために極めて重要なのです。

 例えば、タイムマシンで古代エジプト文明成立以前に飛び、1万年前の生後間もない赤ん坊を連れ去ってくるとします。その赤ん坊を現代社会で育てれば、何ら現代人と変わらず、場合によってはアインシュタインのような天才になるかもしれません。

 つまり、人間の脳そのものはここ1万年ほどほとんど進化していないのです。

 ところが、1万年前よりも新しい古代エジプト文明でさえ、自動車やコンピュータなど思いも及びませんでした。

 実際、産業革命以降、「人間社会」は驚くほど「進化」します。交通網の発達によって、世界中の誰とでも会えるようになりましたし、通信網は伝書鳩、電信・電話を経て、インターネット、携帯電話(スマホ)の時代に突入しています。

 現代社会は古代人が思いもつかないような、複雑かつ高度に「進化」した文明社会に生きていますが、その脳が1万年前から進化していないことが色々な問題を引き起こしています。

 そのギャップを埋める研究を行うのが「人間経済科学」や「行動経済学」ですが、特に人間の脳が苦手とするのが、現代のビジネスや投資に不可欠な「確率」や「統計」に基づく判断です。統計や確率の正しい答えは、大概人間の直感に反するので、経営者や投資家がほぼいつも、経営や投資の判断を間違えるのは、自分自身の脳のせいであると言えるかもしれません(人間が「確率」や「統計」においてどのように判断を間違えるのかは、「確率」や「統計」に関する書籍のコメントで今後解説していきます)。


●自然淘汰は何と闘った結果なのか

 自然淘汰は<環境の変化に適応できたものが生き残り、そうでは無かったものが滅びる>と解説されます。ただ「環境」というものが誤解されがちです。

 例えば太陽光線の強い地域に住む人々は肌の色が黒くなり、北極のような寒冷地に住むペンギンのような生物は皮下脂肪が厚くなります。そのように環境に適応した生物は生き残る確率が高く、そうではない生物は消え去っていく傾向にあるのは事実です。

 しかし、ダーウィンが主張するのは「環境」の最大の要因は、「他の生物、特に自分と同じ種か、近い種」であるということです。

 つまり、自分の周りにいる仲間の生物が最大の敵であり、その仲間内の闘争に勝ったものが、生き残るというのが「自然淘汰」の最大の原因なのです。

 確かに、よく考えてみれば全くその通りです。例えばライオンなどの肉食獣は同じ仲間の中では常に縄張り争いをしていますが、カラスとサメが生存において競い合うことはありません。

 これを人間社会に置き換えると非常に興味深いことがわかります。もちろん、大型で凶暴な哺乳類の頂点にいる人類に勝てる生物はいませんから、人類の最大の敵は同じ人類です。

 人間が戦争をいつも行っている理由もはっきりとわかります。それは「自然淘汰」であり、仲間内との競争に敗れた人類(民族)は絶滅します。

 さらに、強力な敵は同じ組織に所属する同僚たちです。自分が成功するためには、他者と闘い追い落としていくことが必要です。これは会社(企業)、キリスト教会のような宗教団体、公益法人、病院、共産党等々すべての組織に共通してみられます。

 したがって、このような組織の頂点に立つ人々は、「仲間との闘争に勝利した自然淘汰の勝者」です。念のため申し添えれば、人気の闘争においては「親切」「寛容」「人気」も大きな武器になり、人間同士の闘争の勝者はたいていこのような要素も保有しています。

 そして、もうひとつ付け加えたいのが「痕跡器官」。例えば、人間を含む雄の哺乳類の乳首は現在無用の長物ですが存在し続けています。つまり、無用になっても進化的に残される場合もあるということです。

 人間組織にも同じような「痕跡器官」がよく見られます。無用になってもその存在を消さない部署(組織の一部)の取り扱いはなかなか難しい問題の一つです。その組織の中の個体(人間)は、自身の生存をかけて「痕跡器官」を何とか残そうと「自然淘汰」の中で懸命に闘うからです。


(大原浩)

*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」(JKK)を設立します。HPはこちら https://j-kk.org/


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バフェットからの手紙(2018)



 今年も2月24日(土)に、バフェットからバークシャー・ハサウェイ株主へのメッセージ、いわゆる「バフェットからの手紙」が公開されました。
(ちなみに、バークシャー・ハサウェイからの情報の公開は、市場がオープンするまで投資家が十分考慮・分析するために週末に行うのが基本です)

 元々は、日本でも多くの上場企業が発行している株主通信の「社長メッセージ」のようなもので、あくまで株主にしか発送されなかったものですが、その優れた内容から大評判となり、今日ではバークシャー・ハサウェイのHPでだれもが読めるようになったわけです。リンクは下記です。

 http://www.berkshirehathaway.com/letters/letters.html


 しかしながら、バークシャー・ハサウェイの経営権を取得してから53年目の今回は「禅譲」を意識してか、かなりあっさりしたものであり、これまで恒例であった「保険以外の事業の業況解説」が省略され、バークシャーの事業報告書等のページを見てくれということになっています。
 また、全体のページ数も例年(最近)に比べて短めで表紙を含めても17ページです。

 バフェットの署名の前の文末では、保険部門をAjit Jain が、それ以外の事業部門をGreg Abel が率いる体制が固まったことを報告しています。運用部門に関しては、これまで後任選びに何回も失敗してきたバフェットですが、Todd CombsとTed Weschlerの2名にそれなりに任せています。しかし、まだ一任というわけにはいかないようです。


 バークシャー・ハサウェイの企業文化、すなわち「バフェット精神」は長男が受け継ぐことが確実視されているので、これでおおむね「トラック問題」は解決に向かっているということでしょう。

 「トラック問題」とは、バフェットが60代になった20年以上前から「もし私がある日突然トラックに轢かれたらどうするか」と、冗談めかして「バフェットからの手紙」の中で繰り返し取り上げてきた後継者問題です。
 投資の神様であるバフェットも、この問題については相当苦労しましたが、今年88歳(1930年生まれ)を迎えるにあたって、何とか滑り込みセーフというところでしょうか?

 1924年生まれで94歳になる盟友(バークシャーの副会長でもある)チャーリーマンガーともども、まだまだ矍鑠(かくしゃく)としていますが、我々投資家も<バフェット後>を真剣に考えなければならない時期に来ているかもしれません。


 長年にわたって書き続けられてきた「バフェットからの手紙」はどの年も学ぶべきことは多いのですが、特に50周年を迎えるにあたって「バフェット流」を集大成した49年目(2014年)のものが最も内容が濃いと思います。
 すべてを出し切った感じがあります。また、それ以前の数年間もかなり充実しています。

 50周年目も含めたそれ以降は「引退」へ向かってスローダウンという感じが伝わってきますが、それはある意味当然でしょう。


 かなり簡略化された今年の「バフェットからの手紙」で、どうしても投資家に伝えたいことが二つ述べられています。

1)短期の株価の動きに一喜一憂しないこと

 バークシャー・ハサウェイそのものの株価を事例として取り上げています。

 1973年3月から1975年1月まで        59.1%の下落
 1987年10月2日から1987年10月27日まで 37.1%の下落
 1998年6月19日から2000年3月10日    48.9%の下落
 2008年9月19日から2009年3月5日     50.7%の下落

 最後のデータはリーマン・ショックのころですが、この時にはバークシャーに限らず大概の企業の株式が大特価で売られていました。

 また、1970年ごろからバークシャーの株式を保有していた人々はみんな大富豪です。

2)助っ人(銀行・証券、評論家、アナリストなどの「外野」たち)の助言に金を払う価値はない。投資信託(ファンド)は購入すべきではない。どうしても買いたければ手数料が安いインデックス・ファンドを購入すべき。

 昨年の「バフェットからの手紙」でも紹介した、某ファンドの経営者との賭けについて数少ないページの中であえて再び取り上げています。

 この賭けは2007年に某ファンドの経営者と100万ドル(実際には途中からいろいろな事情でこの賭け金をバークシャーの株式で運用したため222万ドル)をかけた真剣勝負(バフェットにははした金ですが・・・)です。

 某ファンドが選りすぐった5本の個別ファンド(ファンド・オブ・ファンド)が、S&P500の成績を上回るかどうかに賭けたのです。

 結果は明らかでした。10年間でS&Pが125.8%(約2.3倍)上昇したのに対して、5本のうち最も成績の良いものでも87.7%しか増えず、最悪の場合たった2.8%(途中で解散したので9年で!)の増加でした。もし、バークシャーの運用成績と比較したら目も当てられません・・・

 バフェットは、この結果からも、ファンド(「投資信託」)は投資家が資産を増やすために存在するのではなく、ファンド・マネージャーや運営会社などが運用成績にかかわらず自分の懐に札束を詰め込むために存在するのだとばっさり切り捨てています。

 もちろん、助っ人たちの「助言」も同じで、彼らに高い報酬を払っても投資家が得をすることはありません。

 ちなみに、過去の「バフェットからの手紙」では、奥様への遺言(遺産相続)にも触れていますが、現金や米国債以外は、手数料の安いインデックス・ファンドで運用するよう指示されています。


(大原浩)

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ドラッカー18の教え 第12回



産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/
3月号連載記事


■組織は凡人を非凡にすることができる

●一+一=三になる


 数学の公式で「一+一=二」は誰でも知っています。そしてこの公式は普遍的であり、変わることがありません。また、現実の世界でも、佐藤浩市が某社のコマーシャルで語っていたように「力を合わせれば一+一=三になるというのは幻想であり、一+一はあくまで二にしかならない」と考える人々も多いようです。しかし、それは間違いです。

 そもそも、一+一が二以上にならないのであれば、それぞれ一のままでいた方がましです。例えば、自営業者・フリーランスは一です。その一が集まって組織を作ってもメリットが無いのであれば、一億総フリーランスになった方が、国民にとって良いということになります。なぜなら組織に属すれば、当然のことながら組織のルールに拘束され、個人の自由が多少なりとも束縛されるからである。逆に言えば、組織の目的は、一+一=二以上のものを生み出すことであるともいえます。


●組織人が独立してうまくいかない理由

 もちろん、大企業などの組織を飛び出して大成功したベンチャー起業家は数え切れないほどいますし、私の知人・友人にもそのような成功者は多数存在します。だから、例外が存在することを否定しませんが、一般的に言えば、組織人が独立して成功する可能性は高くありません。成功者は、メディアなどで繰り返し取り上げられるから目立ち、失敗したものは世の中から忘れ去られるから目立たないだけのことなのです。

 「大企業を飛び出して独立したのはいいが、世間の誰も相手にしてくれない」というのはよく聞く話です。大企業の看板を背にしていた時には、その影響力に期待してもみ手ですり寄ってきた人々も、その看板が無いただの人は無視するというわけです。
 確かに企業(組織)の看板(ブランド)は、一+一=三になる好例でしょう。よほどずば抜けた才能を持つ人物でなければ、一のままで強力な看板(ブランド)を築くのは困難なのです。

 しかし、問題は看板(ブランド)だけではありません。ドラッカーが常々主張するように組織では「強みを生かす」ことができます。よく、大きな組織の中では埋没して個人の特質が生かされないという人がいますが、それは全く逆です。

 組織の中では、基本的に不得手なことはする必要がありません。例えば、営業担当者が会社の経理や税務申告を担当することや、経理担当が重要クライアントとの交渉を行うことは滅多にありません。それぞれの長所が生かされた部署に配属されていれば、得意分野だけに特化するわけですから一+一=三になるのも当然です(ただし、配属=人事には最新の注意を払わなければなりません。長所どころか短所である分野に配属してしまえば、一以下の仕事しかできませんし、全体としても一+一=二以下の成果しか上げられない可能性も出てきます)。

 それに対して、独立すれば基本的にすべての作業を一人でこなさなければなりません。税理士の協力を仰ぐにせよ、営業担当者時代には見たことも無い決算書を作成し、税務申告をしたうえでその結果に対する最終責任も負わなければなりません。また、逆に経理担当者時代には、業者に命令していたのが、個人事業ともなればすべての人に頭を下げて機嫌よく仕事をしてもらわなければなりません。


続きは「産業新潮」
http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
3月号をご参照ください。


(大原浩)

★2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏とシンクタンク「人間経済科学研究所」(JKK)を設立予定です。HPはこちら https://j-kk.org/


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書評:徳の起源 他人を思いやる遺伝子



書評:徳の起源 他人を思いやる遺伝子
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■「利己的な遺伝子」(ドーキンスが主張するのと同じ意味)

 私も含めた人類は「自分の利益を最大化するため」に行動する。これは決して間違いではありません。実際、自然淘汰というのはそれぞれの個体(遺伝子)が自己利益を最大化する結果生じるものです。

 ところが、この自然界の「自分さえ良ければいい」という部分だけに着目し「合理的経済人」(という妄想)を産み出した経済学がほとんど機能しないのも事実です。

 本書は、「人間は自分のことだけを考える悪人なのか?それとも他人のことを常に気にかける善人なのか?」という古くて新しい課題=<性悪説VS性善説>的な観点を踏まえて、人間の<徳>について論じています。

 興味深いのは、著者が得意とする遺伝子的な観点からの考察。例えば同じ血縁集団の中であれば、自分が犠牲になって子供や兄弟姉妹などを助ける行動も理にかなっています。自分に近い遺伝子を後世に残せれば、<利己的な遺伝子>にとっては正しい選択です。

 ところが、血縁関係の薄い大きな集団ではこのような<利己的な遺伝子にとっては同じ結果になる>という論法は通用しません。

 そこで著者がヒントとして提示するのが我々の「人体」。「人体」は驚くほど高度な組織(社会)なのですが、普段それを意識しません。

 たった一つの受精卵から最終的には60兆個といわれる膨大な数の細胞が生まれ、それぞれが与えられた役割を果たすことによって人体は機能するのです。細胞一つを一人の人間と考えれば、60兆人を統治する人体は恐ろしく高度なシステムです。

 現在70億人に及ぶ人類の一人一人は、それぞれに「利己的な個体」です。その利己的な個体を統治して機能させるのが、国家をはじめとする組織なのですが、個体(個人)の利己的な動機に阻まれて、簡単にはいきません。

 ところが、人体はけた違いの数の細胞の「利己的な動機」と直面しているにも関わらず上手にコントロールしています。

 例えば、肝臓の細胞が「脳みその細胞の方が居心地がよさそうだから侵略しよう」と考えて、どんどん自己増殖を始め実際に脳に到達することは十分起こり得るのです。典型的なのは我々が「癌」と呼ぶ現象です。

 癌は、普通の細胞の必要以上の増殖を抑えるシステムが、崩壊することによって生じる病気です。そしてそれは、理論的には健康な細胞でも起こりうる現象なのです。

 個々の細胞にとっては、「利己的な動機」から他の細胞の領地を奪った方が得なのですが、そんなことを許していたら「人体」という大事なよりどころが死を迎え、すべての細胞にとって不利益が生じます。そこで、細胞たちの<最大多数の最大幸福>を担うシステムが、極めて緻密な手法によって、人体の統治を行い、一つの細胞が必要以上に他の細胞の領域を侵食しないようにするのです。


■アダム・スミスが「道徳感情論」で唱える共感

 本書でもたびたび登場しますが、スミスが「道徳感情論」で延々と論じている他人の「共感」こそが、人間社会の個別の細胞(個人)が「自己利益の追求」のみならず、「公益(社会・組織)のための行動」を自然に行う理由です。

 お互いに協力しあう集団の方が、内輪もめを繰り返している集団に勝つのが通例です。すると、協力し合う集団に属する個体の方が将来に遺伝子を残しやすくなります。したがって、例えば現代人の大部分は協力し合う集団に属していた個体の遺伝子を受け継いでいるわけです。

 特別な利益が無くても、人間が協力し合う傾向を持っているのは、ある意味進化的に形成された本能と言えます。

 そうはいっても、強力しあう集団の中で一人だけ裏切れば、大きな利益を得ることができますから、そのような遺伝子を完全に排除することはできません。

 その欠点をカバーするために著者が注目するのは「囚人のジレンマゲーム」における必勝法の研究です。ジレンマというくらいですから、簡単に必勝法は見つからないのですが、近年の研究では、このゲームを長期にわたって多人数で続けていくと<村八分戦略>が極めて有効なことがわかってきています。

 つまり1回だけのゲームでは、裏切り者を排除できないが、複数回繰り返せばだれが裏切り者なのかわかってきますから、その裏切り者と誰もゲームを行わずに<村八分>にすればよいのです。

 実際、現代のようにコンビニ等の便利なシステムが存在しない時代には、村人の誰とも取引できない<村八分>は、場合によっては食料さえ手に入れることができず飢え死にしてしまう厳しい刑罰だったのです。

 ですから、たいていの人間は<仲間外れ>になることを恐れ、他人に優しく振る舞うのです。これなら人間自身の「利己性」と「公益性」が両立するというわけです。


(大原浩)


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書評:真説 アダム・スミス



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 グラスゴー大学の道徳哲学の教授であり、当時は「道徳感情論」の方がはるかに有名であったアダム・スミスが「国富論」のような経済に関する画期的な書物を執筆したことは、現代人にとっては不可解です。

 しかし、たった250年前のスミスの時代には、現在「経済」と呼ぶような活動はほとんどなく、農業と貧弱な工業(現代で言えば手工業)、それに帆船による貿易が存在した程度です。

 もちろん、銀行業、手形、為替(融通手形という好ましくないものも…)といった基本的な金融技術はすでに存在していましたが、現在のように社会の末端まで(少なくとも先進国では)浸透していたわけではありません。あくまで社会の一部の出来事で、基本は農業です。スミスも「重農主義」ではありませんが、農業が一番資本効率の良いビジネスであると述べています。

 そのため「経済学」という学問分野が確率されていなかったため、「人間の従うべき倫理やルール」を扱う道徳哲学の外縁部、すなわち<人間の従うべき論理やルールの一部>として経済を扱うことは、当時としてはそれほど違和感がありませんでした。

 例えば、1643年生まれのサー・アイザック・ニュートンは、現代では「物理学者」のイメージが強いですが、自然哲学者、数学者、物理学者、天文学者であり、錬金術に熱中したことでも知られています。

 ニュートン力学の確立はあまりにも有名ですが、微積分法の発見も重要な業績です。さらに、1717年に造幣局長としてニュートン比価および兌換率を定めているのです。ニュートンが、経済や金融に深くかかわっていた事実は意外に知られていません。


 スミスも、人間の心や行動を扱う道徳哲学だけではなく、「天文学史」も著わしていますし、残念ながら死の直前に焼き払われてしまった多数の遺稿の中には、自然科学をはじめとする幅広い分野の研究の成果が記録されていたようです。

 彼は、「国富論」や「道徳感情論」などの著作は「小さな仕事」と考えていて、自然科学を含む、壮大な思想体系を構築するつもりだったようですが、60歳ごろから衰えが見えはじめ(当時としてはかなりの高齢)67歳で亡く
なっています。不完全な原稿を残せばそれが出版されてしまうと恐れて焼いてしまったと考えられていますが、大変残念なことです。

 スミスは、地質学者のジェームズ・ハットン、医学者のジョゼフ・ブラックと共に「オイスタークラブ」という会をつくり、毎週金曜日にグラスマーケットの居酒屋で昼食を共にしましたが、そのメンバーには数学者のジョン・ブレーフェア、地質学者のサー・ジェームズ・ホールなどの自然科学者が含まれています。

 スミスは、関税などは基本的に不要(商工業者の自己保身による圧力に政府が屈して課税されると考えていた)と主張していましたが、晩年は教え子のラ・ロシュフコー侯爵の紹介で、<スコットランド関税委員>の職を得ています。

 また、250年前の欧州といえば「キリスト教(カトリック教会)の専横」を抜きには語れません。生涯を通じた友人であったデビット・ヒュームは、「無神論者的行動」で教会の目の敵にされていましたが、その彼の死を悼む文
章で彼のことを「ソクラテス」(教会ができる前の知的巨人)と讃えたことで、スミス自身も教会の攻撃にさらされます。

 1761年、スミスがパリに到着する数年前に、プロテスタントの織物商、ジャン・カラスが「カトリックに改宗しようとした息子を殺害した疑い」で裁判にかけられます。証拠が全く無かったにも関わらず、死刑の判決を受けるというまるで魔女裁判のような状況です。

 カトリック教会が得意とする拷問にかけられても一貫して無罪を主張したのですが、1762年に車裂きという火あぶり同様残酷な手段で処刑されています(1765年に遺族の抗議により、裁判がやり直され無罪となり賠償が行われた)。

 スミスは、拷問にかけられても無罪を主張し続けたカラスの勇気に感銘しています。

 スミスの著作では「無神論」的な表現は抑えられていますが、それは当時のカトリック教会による暴力と恐怖による支配を前提にして解釈すべきでしょう。


(大原浩)


★2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏とシンクタンク「人間経済科学研究所」(JKK)を設立予定ですが、先行してHPが出来上がりました。
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<当研究所設立の趣旨>

 人が行う経済・社会活動は、人からの視点を中心として観察・分析すること
 によって、従来の経済学などの手法では得られなかった、私たちの経験値に
 照らしてより納得のいく解答や、より説明がつく解答が得られると考えます。

 私たちは、これを人間経済科学(JKK)と呼びます。この、人間経済科学
 は、現代社会が抱え、直面する様々な問題について、これまで以上に適切な
 診断あるいは処方箋を提示することができるはずです。

 詳しくはこちら https://j-kk.org/aboutus

★当研究所特別顧問  有地浩 略歴
 元財務省キャリア官僚
 CFP 1級ファイナンシャルプランニング技能士

 当研究所の本年4月からの活動にご期待ください!


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