書評:欧州解体 ドイツ一極支配の恐怖



書評:欧州解体 ドイツ一極支配の恐怖
ロジャー・ブートル 著、東洋経新報社
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■クレディ・リヨネ銀行での思い出(ユーロの導入は政治的決断)

 私がフランス国営・クレディ・リヨネ銀行で勤務を始めたのは1989年。
 その後、マーストリヒト条約(欧州連合条約)が1991年12月に合意され、1993年11月に発効します。欧州経済統合の深化と政治統合が定められただけでは無く、統一通貨導入への道筋も示され、ヨーロッパ中央銀行・統一通貨(現在のユーロ)の設立・導入への具体的期限が定めらました。

 私の所属していた部門はクレディ・リヨネ銀行と英国の金融ブローカー・ハウス(アレキサンダー・ラウス)とのJV(合弁)会社であったため、リヨネのパリの本店と、ロンドンのブローカー本社の両方からエコノミストレポートが送られてきました。

 その多くの内容が一番ホットな「通貨統合」に関わるものであったのですが、パリとロンドンのあまりにも大きな隔たりに驚かされました。

 要約すれば、ロンドン(英国)のエコノミストの主張は
「財政・政治・金融政策などの統合が行われる前の共通通貨の導入などあり得ない。もし万が一そんなことをしたら将来大変なことが起こる」
というものでした。

 それに対して、パリのエコノミストたちの主張は
「共通通貨を導入しさえすれば、財政・政治・金融政策は後からついてくる」
というものだったのです。

 私を含めたチームのメンバーは、すでにマーストリヒト条約で通貨統合の道筋が示されていたにもかかわらず「経済・社会の基本的な理論から考えても、パリの言い分は奇妙で、ロンドンの主張が正しい」と考えていました。

 ですから、ユーロが1999年1月1日に決済用仮想通貨として共通通貨(ユーロ)が導入されたことには本当に驚きました(そのころすでに私は、リヨネを退行し、(株)大原創研を設立、独立していました)。
 念のため、現在のような現金通貨であるユーロは、3年後の2002年1月1日に誕生しています。

 結果的に、ロンドンのエコノミストや私の予想は外れたわけですが、発足以来20年間の経緯を見れば、ユーロの導入が愚策であり、現在のEU解体の危機の最大の原因(他にもEUの問題点は数え切れないほどありますが・・・)と言っても良いでしょう。


■EUというタイタニック(戦艦大和)から脱出した英国

 1989年にベルリンの壁が崩壊し、その2年後の1991年にソ連邦が崩壊するという激動の時代に、永遠に不可能だと思われていた東西ドイツの再統合のチャンスがやってきます。

 そのドイツ再統合(東西ドイツの合併、1990年)の議論の際に、ドイツが統合して強大な国になるのを恐れたフランス(共通通貨導入の最右翼)をはじめとする周辺諸国に対してドイツが通貨統合に関して柔軟な姿勢を見せるという「取引」がマーストリヒト条約での「共通通貨導入」という文言に影響を与えています。

 つまり、ユーロというのは経済合理性を無視して、政治的思惑で誕生した通貨であり、いくら政治でごり押ししても、経済法則を変えることはできないという見本になってしましいました。

 また、EUそのものも、言ってみれば太平洋戦争末期に建造された「戦艦大和」のようなものです。航空機の時代になって空母が必要とされているのに、巨砲を搭載した巨艦を建造した軍部が批判されますが、EUもまさに航空機の時代に取り残された巨艦なのです。

 例えば、現在の「一人あたりGDP世界上位五か国」は、シンガポールをはじめすべて人口600万人以下の国です。「大きいことはいいことだ」という言葉は、少なくとも「国民の豊かさ」という観点からは意味を失っています。

 英国のEU離脱が軽率だったなどいう批判を浴びますが、そもそも英国はEUに加盟すべきでは無かったと思います。またユーロ圏に入らなかったことはとても賢明な選択であったといえます。

 現在のところブリグジットは無秩序離脱になる可能性が高いようですが、たとえ無秩序離脱になっても英国の離脱は正しい選択なのです。
 理由は本書に詳細に述べられていますが、簡単に言えば「英国がEUから離脱しても、米国、日本、シンガポールのような非加盟国になるだけで、これまで重荷となってきた分担金の支払いや、全体主義(官僚主義)的なEUの呪縛から解き放たれる」ということです。ちなみにスイスはEUに加盟せずに特殊な関係を保っています。しかも他のEU加盟国にとって英国は最大の輸出先であり、貿易黒字を稼いでいる「お得意さん」なのです。

 WTOが存在する限り、英国のEUとの「公正な」貿易は離脱後も保証されます。もちろん、EU各国からいじめや嫌がらせを受ける可能性はありますが無視出来る程度のものでしょう。

 そもそも欧州統合は、2回の世界大戦で悲惨な状況を味わった国々が「不戦」を目指して模索されたのです。ですから、欧州統合に経済的・社会的合理性があるのかなどということは、あまり考慮されませんでした。


★なお、本書の272ページで「移民に対する何らかの対策が取られなければ2017年の国民投票で英国が離脱する可能性が高い」と述べられており、現実にその通りになりました。


■全体主義(ファシズム・共産主義)的傾向を強めるEUのエリート(官僚)たち

 欧州の統合論議が活発であったのは冷戦時代であり、欧州が統合して巨大な共産主義(ファシズム)国家・ソ連邦に立ち向かうというのもそれなりに合理性があったのです。しかし、今やスペインやイタリアでは、むしろ分離独立運動が盛んであり、世の中の趨勢は「分散化」に向かっているのです。

 その中で、EUは全体主義(共産主義・ファシズム)的な色彩を強めています。EU国民の箸の上げ下ろしにまで口を出し、膨大なEU官僚に対するバカ高い給料をはじめとする効果の無い浪費を続けています。

 全体主義である共産主義もファシズムも欧州大陸で生まれた(イタリアのベニート・ムッソリーニが創始者であり、ドイツのアドルフ・ヒットラーが発展させた)ことから分かるように、大陸欧州(英国などは除く)の政治土壌は、かなり独裁主義的で、だからこそ「民主主義」を求める人々の行動が先鋭化するとも言えます。

 例えばフランス革命(1789年)の後、1804年に独裁者ナポレオンが、国会の議決と国民投票を経て皇帝(世襲でナポレオンの子孫にその位を継がせるという地位)となっています。せっかく国王を斬首し、多くの国民の血を流して獲得した民主主義を自ら独裁者に売り渡しているのです。

 またアドルフ・ヒトラーを首相とするドイツの内閣(ヒトラー内閣)は、国民の選挙によって1933年に成立しており、1945年のアドルフ・ヒットラーの死まで存続していました。
 逆説的に言えば、選挙によって選ばれたヒットラーやナポレオンなどの独裁者は、普通選挙という手続きを経ていない(立候補を制限するダミー選挙は除く)、毛沢東・スターリン・習近平などの独裁者などと比べると「民主的」な存在といえます。

 大陸欧州の独裁は「国民の選択」によって行われてきた歴史があるのです。
 EUも現在全体主義(独裁主義)の道をひた走っており、各国でEU懐疑論が強まっているのもEUの全体主義的(共産主義・ファシズム的)独裁主義に対して欧州の人々が警戒感を強めているからです。

 そのような崩壊・解体が間近なEUから離脱した英国の選択は賢明です。
 今後EUが、ナポレオンやヒットラーの独裁のような事態になる可能性もありますが、欧州の多くの国民はそれを阻止できるだけの英知を持っていると信じたいです。


■EUの諸問題

 本書では、前記のような大きな問題を抱えるEUに関し、詳細で的確な観察を行い、精緻な議論を展開しています。以下重要な問題点を列挙します。

1)富裕国は小国
 IMFによれば、一人あたりGDPの世界上位5か国は、カタール、ルクセンブルク、シンガポール、ノルウェー、ブルネイ。いずれも人口600万人以下の小国。
 特にシンガポールは、マラヤ連邦(現在のマレーシア)から追放される形で独立している。建国の父リー・クアンユーが男泣きしながら国民に結束を呼びかけた演説の映像は、その追放が当時の漁港に毛が生えた程度のシンガポールにとってどれほどの危機であったのかを象徴している。
 しかし、現在のシンガポールはマレーシアなど及びもつかない富裕国(世界トップファイブ)になっている。英国とEU(加盟国)との関係もたぶん同じようになるだろう。

2)ユーロは金本位制の弱点を受け継いでいる
 加盟国の通貨を統一し為替相場の変動による調整を放棄する手法は現代の金本位制である。ケインズはブレトンウッズ体制を構築するときに、デフレスパイラルを調整するため、固定制だが調整可能な為替システムを導入した。
 ユーロ圏でのデフレスパイラルは、ケインズが恐れていたのと同じものであり、弱小国における高失業率も為替調整ができないため改善されない。結果競争力を保つドイツの輸出が独り勝ちする(為替調整が無いため)。
 ゲルマン系の中核国よりも周縁国でのコストと価格の上昇が早く、周縁国は競争上不利な立場に立ち、経済が弱体化した。
 為替による調整は、国内におけるデフレや失業などの痛みを調整する有効な手段であるのに、ユーロの導入によってその道を絶たれたのである。

3)日本よりも深刻なデフレスパイラル
 本書の資料P176〜177によれば、欧州のデフレスパイラルはバブル崩壊後の日本に酷似しており、むしろそれよりも先行しているくらいである。

4)諸国家を統一した成果は?
 何世紀もの間多くの都市国家や王国の寄せ集めであったイタリアが1860年代に国土を統一し、政治・通貨・財政が一つになった、それ以来、現在に至るまでシチリア王国に対応する南部の地域では経済不振が続いている。
 少なくともイタリア南部の指導者は、統一は間違いであったと考え始めている。米国のイタリアンマフィアが強い力を持ったのも、南部イタリアから多数の貧しいイタリア人が米国に移住したからである。

5)援助や補助金は何も生み出さない
 イタリア統一以来、北部のミラノから南部のナポリへほとんど絶えることなく資金が流れ続けているが、資金は巨大なブラックホールの中に消えていき、資金の流れが反転することは無かった。これはアフリカ諸国への「援助」、世界中のほとんどの先進国が行っている農業への「補助金(日本の場合は特に悲惨な結果を招いている)」、地方創成への援助など同類のプロジェクトでもほぼ同様に起こっている問題である。
 この問題への正しい対処方法は、オーストリア学派(ハイエクなど)が述べているように、政府があらゆる干渉をやめて「放任」することであり、著者も私も基本的部分において同意見である。

6)ドイツ人の信条
 ドイツ人はグラッドストン流の財政政策を好み「出ずるを制し、入るを増やす」を実践しケインズ流の財政性政策を好まず、金融緩和には消極的である。
 したがって、ドイツがEUの主導権を握る限り大規模な金融緩和は実行しにくい。

7)異常時の金融緩和は効果が薄い
 大規模な量的緩和は「異常時」に発動されるので、銀行はいくら調達コストが安くても融資をすれば焦げ付くと恐れて融資を手控える(実際、米国、日本、英国ではそうなった)。その結果、中央銀行が供給した資金は中央銀行の当座預金として滞留し、中央銀行が供給した資金はブーメランのように中央銀行に戻ってくることになる。

8)「特殊エンゲル係数」と「一般エンゲル係数」
 金融緩和によって資金を供給しても、一般消費財の消費は食費における「エンゲル係数」のように個人が消費する金額には限界がある。食費に関する性向を「特殊エンゲル係数」とすれば、一般消費財に関するものを「一般エンゲル係数」と呼ぶことができる。消費しきれなかった資金は中央銀行に還流するものを除けば、株式や不動産などの資産の購入へと向かい資産インフレを起こす。日本のバブルで一般消費財の価格があまり上昇しないのに土地や株式の価格が高騰したのがその典型であり、現在の日本もそれに近い状況にある。

9)金融緩和は為替調整によって「デフレの輸出」となる
 金融緩和によって経済の底上げを行う手法は、金融システムが混乱している環境ではあまり効果が出ないが、金融緩和によってデフレを調整しようとする手法は、為替相場の調整(自国通貨の価値の下落)を通じてデフレを海外に輸出するのと同じことである。

10)英国は自由に貿易協定を結べる
 英国がEUから離脱すれば、独自に各国とFTAなどの貿易協定を結ぶことができる。

11)金融サービスなど無形のものには関税がかからない
 シティなどで、世界をリードしている金融サービスは、無形であるが故に関税がかからない。

12)英連邦は巨大な組織である。
 英連邦は54の独立国(英国王を自国の王とする16の国々と38の共和国など)で構成。人口は20億以上、世界貿易の20%のシェア(推定)。
 ただし、関税同盟などの具体的協定があるわけでは無いが、それらの協定の基礎にはなりうる。


(大原浩)


★大原浩の執筆記事「異次元緩和でも日本にインフレが起こらない極めてシンプルな事情」(アナログな企業と人生こそデフレの勝者)
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ドラッカー18の教え 第18回



産業新潮 http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
9月号連載記事


■ビジネスに最も大事なのは真摯さである。お金のためだけに働く人間はいない(社風)


●人間は嘘をつく動物である


 嘘をつくというのは高度な知的活動です。例えば、ミドリムシやゾウリムシのような単純な構造の生物は、外界の刺激に対して反応するだけで、高度な思考の産物である「嘘」をつく余地などないでしょう。また、犬や猫も、見る限りでは人間に嘘をつくようには見えません(人間が騙されているだけかもしれませんが・・・)。サルも、少なくとも人間がつくような高度な嘘とは無縁のようですから、人間とサルの境界線は「嘘」をつくかどうかという点にあるのかもしれません。

 「嘘」というのは、一般的に悪いことのように考えられていますが、そんなことはありません。「嘘をついたことが無い」という人物は120%嘘つきだと言われますが、どのような人間でも毎日嘘をついています。
 例えば妻が出迎えたとき「今日、美容院に行ってきたの」と言えば「素敵な髪型だね」と必ず言わなければなりません。「ずいぶんへんてこな髪型だなあ」などと、心の中の「真実の叫び」を絶対に口にしてはいけません。
 また、上司がかんかんになって説教しているときに、「おい、君分かったのか?」と言われて、わけのわからない話だと思っていても「わからない」と言う勇気のある人はあまりいないでしょう(それが正しいこととは言えませんし・・・)。
 さらに、エコノミーシート2席分は必要な体格の人に「デブ」と言ったり、頭髪の成長力が弱まった人物に「禿げ」と面と向かって言うのは、むしろ行うべきでは無いことです。

 仏陀は「方便」という言葉を使って、良い意図を持った嘘の大切さを説明しましたが、良い意味でも悪い意味でも「人間は嘘をつく」ということは、マネジメントの大前提です。


●正直なのと真摯なのとは違う

 人間が「自分の意志で自分の行動を制御する存在である」という立場を取るかぎり(「生物機械論」のようなそれを否定する考えもあります)、それぞれの人物の行動をマネジメントするためには、それぞれの人物の「意識と無意識」に働きかけなければなりません。

 その時に重要なのは「正直であることと真摯であること」は違うということです。例えば、ドラッカーは、部下の欠点ばかりを指摘するマネージャーは即刻その任を解くべきである、と述べています。
 しかし、このマネージャーは「目につく欠点をそのまま事細かに指摘」するわけですからとても正直なはずです。しかし、人間が最も傷つくのは本当のことを指摘されたときです。
 例えばプール付きの豪邸に住んでいる大富豪に「お前は貧乏人だ」と言っても笑い飛ばされるだけでしょう。しかし、電気代や水道代さえ事欠くような人々に同じ言葉を投げつけるのは非人道的とさえいえるでしょう。

 そもそも、人間は自分の欠点はよくわかっているものです。わかっていても簡単に直せないから、欠点を直すことにエネルギーと時間を浪費するなというのがドラッカーの考えです。ですから、正直に他人の欠点を指摘することは必要無いだけではなく、モチベーションを下げる最悪の手段です。

 それに対して、長所を引き出す時には「嘘も効果的」です。例えば100%の実力だと思っている部下に「君の本当の実力は120%はあるから、もっと頑張ってみたら」と、心にも無いことを言うと、その部下が、本当に頑張って120%・130%の力を発揮することは珍しくありません。


(続く)


続きは「産業新潮」
http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
9月号をご参照ください。


(大原浩)


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書評:10万年の世界経済史<下>



書評:10万年の世界経済史<下>
 グレゴリー・クラーク著 日経BP社
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●経済成長が無い世界と爆発的成長をする世界

 <上>に引き続いて、<下>でも著者が定義づける「マルサス的人口論」がベースとなった話が展開します。「マルサス的人口論」とは、ごく簡単に言えば<1800年以前の世界では、いわゆる「経済成長」がほとんどなく、人口が増えれば一人当たりの生産物や資源が減少し弱者が淘汰されるため、人口が
減少に向かい均衡点に落ち着く。逆に、均衡点から人口が減少すれば一人当たりの生産物や資源が増えて人口は増加に向かい再び均衡点に向かう>というものです。

 <上>でも述べられているように、その「マルサス的人口論」の世界が1800年頃の産業革命によって大きく変貌したのです。しかし、著者が指摘するのは現代の経済学のほぼすべてが「マルサス的人口論」に立脚しており、静的な<均衡点>なるものが存在するということを前提にしているから役に立たないということです。

 私自身も、この点においては著者に全く同感です。1800年ごろの「産業革命」は、自然科学でいう「臨界点」です。同じ水の分子で構成されているのに0度で個体の氷が液体になり、その液体の水が100度でさらに気体の水蒸気になる「相転移」という現象がありますが、産業革命もまさに「相転移」です。

 社会を構成する「人間」(分子)という単位は変わらないのに社会・経済が「マルサス的人口論の均衡した世界」(固体)から「産業革命以後の急成長の世界」(液体・気体))へと質的な変化を遂げたため「マルサス的人口論の均衡した世界」(固体)の理論が「産業革命以後の急成長の世界」(液体・気体)には全く歯が立たないというわけです。

 そもそも、「マルサス的人口論」の世界では、人間の労働力と競合していたのは「牛」や「馬」でした。つまり牛や馬などが人間の経済圏の一部であり、少なくとも欧州の農奴たちは「牛や馬」などの家畜と同じ水準の生活を送っていたのです。また、都市においても、「ハイヒールが糞尿まみれの地面に触れないように発達した」、「フロック・コートと山高帽が、民家の2階から投げ捨てられる糞尿をよけるための必需品であった」あるいは「ステッキは糞尿でぬるぬるしている道路で滑った時に必要であった」などといわれるように、恐ろしいほど非衛生的(家畜並み)な環境でした。

 ですから、「経済史」は1800年時点において質的な変異を遂げたという筆者の主張は大いに納得できます。


●奴隷制度は非効率である

 また、奴隷は非効率なシステムであるから消滅したということはよく言われることですが、その点において私も同感です。

 例えばガレー船(古代において2列に並んだ多くの漕ぎ手が全力で漕ぐことによってスピードを増した船)の漕ぎ手を考えてみましょう。彼らを一生懸命働かせるため、鎖でつないで鞭打てばいくらか効率が上がるかもしれません。むろん、「インセンティブ」が全くない彼らを働かせるための監督管のコストは馬鹿になりませんが、「牛や馬」と競合する労働であれば、このような手法もそれなりに役に立ちます。

 ところが、現代の「バイオ研究所」において、研究員達を鎖でつないだうえで鞭打つことで、より良い研究の成果が出るでしょうか?むしろ逆なはずです。

 米国の南北戦争は「奴隷解放」に関する倫理的な争いのように語られ「リンカーン」は、奴隷解放の英雄のように語られますが、そうではありません。農場労働で大量の奴隷(牛や馬の代わり)が必要であった南部に対して、工業化が進んだ北部では工場で奴隷を鞭打って働かせるよりも、解放奴隷にして「えさを与えてやる気にさせたほうが」より効率的だったのです。

 少し皮肉な表現をすれば「社畜」であるサラリーマンと、コンビニ・オーナーなどの自営業者との関係に近いということです。少なくとも自分が「社畜」であると感じているサラリーマンは、必要最低限の仕事をして楽をすることしか考えません。それに対してコンビニ・オーナーは24時間息の抜けない過酷な環境であっても頑張ります。売り上げや利益が増えた場合のインセンティブがあるからです。

 「女工哀史」などという言葉もありますが、工場で鞭打って働かせるなどという話は聞いたことがありません。農作業であれば労働の質はそれほど問われませんが、工場の労働者がたくさんに別れた工程の中で「へま」をすれば、完成品全体に影響を与え大きな不利益を被ります。ですから、鞭打たれていやいや最小限のことを行う奴隷は役に立たず、「インセンティブ」を与えられて、積極的に仕事を行う「解放奴隷」が米国北部の工業地帯に必要不可欠であったのです。

 筆者は、この事実を19世紀〜20世紀にかけての世界の繊維産業でも検証しています。
 当時英国は、繊維工場の機械や技術者を世界中に派遣する技術大国でしたが、他の国々(特にアジア、アフリカなど)の工員の賃金は英国をかなり下回っており、賃金において英国は競争上不利でした。ところが、全体的な英国の競争上の優位はなかなか崩れ無かったのです。著者はその理由を明確には述べていませんが、おおむね「工員の質」および「マネジメントの質」のかなりの差が英国と他の国々の間にあったのは間違いないようです。

 それは、機械1台あたりに必要な工員の数を比較することによってわかります。例えば英国に比べてインドでは、1台あたりに必要な工員の数が5倍以上であったのです。

 これは、インドでは「無断欠勤」や「就業時間中の無断外出」がごく当たり前になっていたので予備的な人員がかなり必要であったからです。「近代産業社会では働く人々のモラルやモチベーション」が極めて重要であることの典型的ケースでしょう。


●民主主義と経済発展

 正確な時期の議論は別にして「民主主義」が世界に広がり発展したのは(少なくとも先進国において)産業革命以降です。

 これも「道徳的に正しいことが実行された」のではなく、産業革命以降の急
速な経済発展に対応するものなのです。バイオテクノロジーとまでは言わなくても、産業革命以降の世界ではドラッカーのいう知識(知恵と工夫)が経済的発展において極めて重要な資源になりました。この知識(知恵と工夫)は、既に述べた様に、鎖につないだり鞭で打ったりすることで得られるものではありません。

 ですから「民主化」=「自由と工夫のインセンティブ」を人々に与えることは、経済発展の「絶対に必要な条件」なのです。その点、小平が始めた「改革・解放」路線からヒットラーをはるかに上回る史上最大の虐殺者である「毛沢東」路線にかじを切った習近平の「共産主義中国」の未来の経済発展はありえず、ただ衰退するのみです。

 もちろんベトナムを含む「共産主義(独裁国家)」の未来の経済発展もあり得ません。少数の共産党員が国民を「奴隷」にする国家では「知恵と工夫」が死に絶えます。


●国民は平等になっても国家間の格差は広がる

 科学技術が発展しても、その成果はごく一握りの富裕層に独占され、大多数の国民は悲惨な環境で生活するというのは、現在まで続く「科学技術と民衆」に関する一種の信仰ですが、これは、事実とは違います。

 産業革命以降、一番恩恵を受けたのは工場などで単純労働を行う労働者であり、小学校さえろくに卒業できなかった彼らの子供の世代(あるいは子孫)が大学教育を受けるという驚異的な所得の伸びを示しています。マルクスをはじめとする共産主義者たちの主張とは裏腹に、産業革命によって貧富の差は急速に縮小しました。現在米国のCEOの高額な給料などがやり玉に挙げられますが、産業革命以前の農奴のような生活をしている人々は現在ほとんどおらず、現代社会はかなり平等なのです。

 しかし、国家間の貧富の差においてはまったく事情が違います。産業革命以前は貧しい国と豊な国の格差はせいぜい1:4くらいであったのですが、現在の貧しい国と豊かな国の一人当たりGDPの格差は50倍くらいになります。

 特に欧州で問題になっている「移民」も、貧しい国と豊かな国の格差が広がったことに大きな原因があります。つまり、彼らは自分の国では経済的な成功が見込めないから「母国を見捨てて他国に寄生」する道を選ぶわけです。もちろん自然界でも「寄生」はよく見られる戦略ですから、必ずしも否定するべきことではなく、人間の細胞の重要な構成要素となった<共存共栄>のミトコンドリアなどの成功例もあります。

 しかし、寄生生物(細菌や虫など)は宿主に害を与えることも多く、寄生生物にとってデメリットであるのに宿主を食い尽くして破滅させることもよく見られます。

 寄生が共生に変わっていくのか、それとも恐ろしい「内側からの侵略者」になるのかどうかはよく見極めなければなりません。

 もちろん、国家間の貧富の差が無くなればこのような問題も起こらないのですが、格差是正の有効な手立てが無いのが現状です。少なくとも豊かな国から貧しい国への資金援助は、その国の経済発展にとって何の意味も無いことは、本書でも述べられているように明らかです。

 貧しい国の国民が自分の国にとどまって、「自分の国を改善する努力」を少なくとも半世紀、あるいは数世紀にわたって経って続けなければなりません。現在先進国と呼ばれる豊かな国は、そのような地道な努力を続けてきたのですから・・・。


(大原浩)


★執筆記事「異次元緩和でも日本にインフレが起こらない極めてシンプルな事情」(アナログな企業と人生こそデフレの勝者)が講談社・現代ビジネスに掲載されました。
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56970


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 ては御自身の責任と判断で願います。)


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書評:10万年の世界経済史<上>



書評:10万年の世界経済史<上>
 グレゴリー・クラーク著 日経BP社
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 まだ全体の半分である<上>を読んだだけで判断するのは早すぎると思いますが、まとまりの無い内容です。確かに個別のエピソードや資料などには興味深いものが多いのですが、<10万年の世界経済史>という壮大なタイトルの割に、中身は「枝葉末梢」のちまちました記述が続きます。

 世界の経済・社会が1800年頃から(正確な始まりの時期については諸説がある)の産業革命によって激変し、それ以降急速に成長を始めたことについてはよく取り上げられます。

 それが「その時代に」「英国で」始まったのが必然であったのかどうかについても論争があります。私自身は、<「歴史のべき乗法則」(詳しくは「歴史の方程式 科学は大事件を予知できるか」マーク・ブキャナン 著、早川書房を参照)の原則に従って、社会や経済も自然界と同じように、色々な変化が起こっていても「臨界点」に達するまでは劇的な変化は起こらない>という立場です。したがって、英国で1800年頃に産業革命が起こったのは、歴史上の必然ではなく、他のいずれの時代のいずれの場所でも十分起こりえた「臨界点」だと考えています。

 本書の立場も比較的それに近いと思うのですが、「1800年よりも前の時代を『マルサス的経済』ととらえ、色々と論証していること」は上記のテーマにとって重要では無いと思えます。

 ただし、「糞尿まみれで不潔なおかげでペストなどの病気が蔓延して死亡率が高かったヨーロッパ」と「極めて清潔で安全であり死亡率が低かった日本」とを比較して、前者の方が「成長しない経済」(マルサス的経済)の中では、より豊かな生活を享受できたという点は、言われてみればその通りですが、とても興味深い視点です。

 もっとも、アダム・スミスが「国富論」で述べていないことを批判しているのは著者の不勉強ぶりの現れです。カトリック教会がキリストが述べたはずが無いだけではなく聖書に書かれてさえいない言葉を信者に押し付けているのと同様に、スミス派と呼ばれている人々も、スミスが述べてもいなければ「国富論」にも書かれていないことを彼の言葉だと強弁しているのです。アダム・スミスとスミス派と呼ばれる人々は基本的に関係ありません。


 最後に、興味深いエピソードの中から一つだけ紹介します。「時間選好率」とは聞きなれない言葉だと思いますが、ざっくりとまとめてしまえば「今目の前にある10万円と1年先にもらえる100万円のどちらかを選べるときにどちらを選ぶか」の比率です。

 この比率は金利と同じようにパーセントで表現されるのですが、米国での実験的調査によれば、6歳児の時間選好率は1日当たり3%だそうです。つまり月利で約90%(ほぼ2倍)、年率換算では1080%(約11倍)ですから、前述の例では、1年後の100万円よりも、目の前の10万円を躊躇なく選ぶわけです。

 ハツカネズミの餌を使った時間選好に関する実験でもほぼ同様の結果ができているので「自然」環境下では、「まず目の前にある確実なものを確保する」本能が発達したものと考えられます。

 ただし、貧しく教育水準の低い人ほど時間選好率は高くなる傾向にあり、カリフォルニア州の幼稚園児で時間選好率が高かった子供は、他の子どもに比べて成長後の学力が低く、SAT(大学進学適性試験)の結果も悪かったそうです。なお時間選好率は、年齢を重ねていろいろ学ぶことによって低くなる傾向があります。

 この点は投資においても重要な点で、時間選好率が高い「日雇い投資家(デイ・トレーダー」は多くの場合不利な取引で損をし、バフェットのような時間選好率の低い忍耐強い長期投資家が、時間選好率が高い人々が損をする分だけ得をする仕組みになっているのです。


(大原浩)


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書評:トコトンやさしい電気自動車の本





書評:トコトンやさしい電気自動車の本 第2版
   廣田 幸嗣 著
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 本書にも書かれているように、電気自動車はフィルクス・ワーゲンやダイムラー(ベンツ)をはじめとするドイツ自動車産業の礎を築いたフェルディナント・ポルシェ博士(1875年〜1951年)の時代から実用化されていました。(ガソリンエンジンのスターターの無い時代に)ボタン一つで始動できることや、変速機が必要無いことから女性を中心に人気があったそうです。
 1900年に米国で売れた自動車の40%は電気自動車だといわれています。

 そして最近<電気自動車は環境にやさいしいという思い込み>が社会に広がって、再び電気自動車が騒がれています。しかし、電気自動車がガソリン自動車に負けて退場したのにはそれなりの理由があります。
 決定的なのは「電池」です。
 充電に時間がかかり航続距離も伸ばせません。しかも、使用後の充電池は危険物質を含む産業廃棄物です。電池がエンジンと競争力を持つためには「全個体電池」などの技術の飛躍が必要でしょう。

 家庭用電源を使うと、現在の容量の電池でもフル充電に一昼夜ほどかります。また急速充電(それでも10〜30分かかる)するためには、(ガソリンスタンドと同程度の数の)充電ステーションを建設しなければなりませんが、電気料金がガソリン代に比べてかなり安いためにあまり儲かりません。つまり設備建設のインセンティブがあまりないのです。

 さらに、電気自動車が「環境にやさしい」というのは眉唾です。電気そのものは直接的には環境にやさしいかもしれませんが、世界の発電を見れば、石炭火力が40%、天然ガスが約20%、水力発電が約17%、原子力が約11%です。事故を起こせば環境にとてつもない被害を与える原子力を含めれば、環境にやさしくない発電が7割以上を占めているのです。

 しかもマスコミなどが「環境にやさしい」と触れ回っている太陽光発電は、廃棄されるパネル(有害物質が多量に含まれる)が環境を破壊するだけでなく、太陽光パネルの設置のためにはげ山が生まれるという現象も起こっています。

 また、太陽光・太陽熱・風力など大概の「再生可能エネルギー」の発電は不安定で技術的に<需要と供給の帳尻をきっちり合わせなければならない>発電・送電網には大きな負担になります。

 その中では、地熱やバイオマス発電が<安定供給>という面では極めて有望ですが、少なくとも当面の間は多くのボリューム期待できません。また海洋発電(特に波力発電)は再生可能エネルギーの最有望株ですが、実用化・本格普及までにはまだまだ長い道のりになりそうです。

 そもそも、すべての自動車が電気自動車になれば大変なことが起こります。
 日本の現在の発電(設備)容量は約<3億キロワット>です。そして、7000万台の自動車がすべてプラグインハイブリッド(平均でモータージェネレーターの容量が50キロワット、電池の容量が10キロワットとする)になったと仮定すると、車の総発電(設備)容量は<35億キロワット!>、蓄電容量は7億キロワットになります(本書の記載)。ハイブリッド車の発電容量が、そのまま電気自動車の走行に必要なエネルギーというわけではありませんが、走行に必要な膨大な電力の供給という点から考えれば、発電所を大量に増設するよりもプラグイン・ハイブリッド車を普及させたほうがはるかに合理的です。

 ガソリンエンジン車やハイブリッド車で日本勢(特にハイブリッドはトヨタの独壇場)に全く歯が立たない、中国、EUなどは国ぐるみで、トヨタをはじめとする日本メーカーの足を引っ張るために<電気自動車の導入>を声高に叫びますが、<電気自動車が主流になればとてつもない量の発電を行わなければならない>のは他の国々でも同様です。

 多分、トヨタのハイブリッドが世界を席巻する状況はまだまだ続くでしょう。
 その後は水素ステーションの新たな建設という重荷はあるものの、「電池」という致命的問題(これは現在の電池のシステムに問題があるので、本格的改善には「全個体電池」など基本技術の飛躍が必要)の無い水素自動車が主流になる確率はかなり高いと思います。

 ちなみに、トヨタはは最近タクシーの新型車を発表しましたが、タクシーで使っているLPGは比較的簡単(簡易施設で)に水素に転換できますし、業務用の車は一定の区域内を走行するので、水素ステーションが少ないことはあまり問題になりません。カリフォルニア州の大型FCトラックの実証試験も行われていますが、トラックも同様に水素ステーションの少なさは大きな問題になりません。

 本書の著者は電気自動車に力を入れている日産自動車の技術顧問ですが、本書を読んでも電気自動車の問題点の解決への道筋が見えませんでした。しかし、問題点もきちんと率直に記述している点は非常に好感を持てました。


(大原浩)


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ドラッカー18の教え 第17回

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産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/
8月号連載記事


■強みに集中し、弱みは無視しろ

●企業は強みによって競争に勝つ、弱みでは無い


 「企業は強みによって競争に勝つ、弱みでは無い」という言葉がドラッカーの考えを雄弁に物語っています。ただ、神が与えた人間の本能は、多くの人々に全く反対の行動をとらせます。

 役所に申請に行って「あっ、10頁の3行目ですけど、「ケ」の横線がちょっとだけ枠からはみ出ているので、再作成して提出してもらえますか?」と言われるような官僚主義は別にしても、「他人の欠点や間違いを見つけ出す才能」は、ほぼ万人に公平に与えられています。読者の方々も、上司、あるいは部下の欠点の一つや二つ上げるのはわけないことでしょう。あるスポーツ紙はだれが日本の首相になってもけなすことで有名ですが、どれほど優れた宰相でもスポーツ新聞のネタにできるような欠点は持っているということです。

 ドラッカーは、「欠点を多大なエネルギーを費やして改善してもせいぜい平均になるだけだ。しかし、それと同じエネルギーを長所に費やせばいとも簡単に一流が超一流になる。なぜなら、組織にとって得意なことをさらに得意にするのは難しくないからだ」と述べています。そして、ポーターも「平均点では市場に勝つことができない」と、トレード・オフによって強みに集中することを唱えています。

 ところで現在は、通信・交通、さらにはインターネットなどの発達によって、商圏がどんどん拡大しています。

 今は、少し勢いが衰えていますが、マイクロソフトのウィンドウズやインテルのCPUはあっという間に世界中の市場を支配しました。検索エンジンではグーグルが圧倒的な力を持っています。このような「一強多弱化」は、ますます進んでいくのが必然です。

 もちろん、「一強多弱」ですから、多弱として生きていく道も当然あります。例えば、一強のグーグルが対応するのが難しいような、特定地域の地元情報に特化したような検索サイトです。しかし、多弱であっても「平均的」であっては、すぐにより優秀なライバルに打倒されてしまいますから、一強となりうる特別な強みを持っていなければなりません。

 このような根本的な理解が無く、いつも失敗しているのが地方(商店街)の振興です。「何か他にない特徴を・・・」などと、コンサルタントなどが色々アイディアを出しますが、「地元の強み」に立脚しない他から持ってきたアイディアはうまくいきません。提供するサービスや商品が、いくら努力しても「平均点」にしかならないからです。当然、地元固有の強みを見つけ出すしかないのですが、これが簡単ではありません。誰もがわかるような強みならとっくの昔にビジネスになっているからです。

 冒頭で述べたように「神は人間に、他人の欠点を見つける才能」は、平等に与えたが「他人の長所を見つける才能」は、ごく一部の人間にしか与えなかったのです。


●多角化戦略は逃げ口上

 バフェットは、「偉大なる企業は一つの事業に集中して成功してきた」と述べますが、これは、ドラッカーの考えにも通じます。限られた少数の強みに、資源と人材を投入しなければ、企業は競争に勝ち残っていけません。どれほどの巨大企業であっても、資源と人材は無限に持っていません。
 トヨタは巨大企業ですが、自動車関連ビジネスに集中しています。また、ブリジストンはタイヤ、ニトリは家具、新日鉄は鉄鋼、メガバンクは金融に集中してビジネスを行い発展してきました。バフェットが投資するアメックスは金融業(祖業はその名の通り運送業ですが・・・)、P&Gは日用品、シーズ・キャンディはチョコレート(米国の英語ではキャンディにチョコレートが含まれる)、ネブラスカ・ファニチャーマートは家具に集中してきました。コカ・コーラは、コーラを中心とした飲料に注力してきましたが、一時迷走期にエビの養殖にまで手を出したことで有名です。もちろん、失敗しました。当然の結果といえるでしょう。

(続く)


続きは「産業新潮」
http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
8月号をご参照ください。


(大原浩)


★大原浩の執筆記事<米中貿易戦争「中国の負けは最初から確定している」その理由は…国際投資アナリスト・大原浩氏が緊急寄稿>が7月18日(水)午後発売の夕刊フジ1面に掲載されました。
 ZAKZAK(夕刊フジネット版)
 https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180719/soc1807190004-n1.html

★2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
 (JKK)を設立しました。HPはこちら https://j-kk.org/

★夕刊フジにて「バフェットの次を行く投資術」が連載されています。
(毎週木曜日連載)


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書評:トコトンやさしい自動運転の本



書評:トコトンやさしい自動運転の本
クライソントロンナムチャイ 著、日刊工業新聞社
https://amzn.to/2Abgv7O


 「完全自動運転」の将来性については、色々な議論が交わされています。
 しかし、私のみる限り、近い将来に自動車の完全自動運転が実現する可能性はほとんどありません。

 それは飛行機(旅客機)の自動運転の歴史をたどれば明らかです。
 世界最初のオートパイロット(自動運転システム)は、1958年に開発された米国空軍のF−106「デルタダート」に搭載されましたが、これは地上の半自動式防空管制組織とリンクした巨大なシステムでした。
 その後1960年代には民間旅客機にもオートパイロットが導入されるようになります。ところが、2018年現在に至っても「完全自動操縦」の旅客機は存在しません。少なくとも一人のパイロットが同乗します。

 実のところ飛行機の自動操縦は自動車に比べればとてつもなく簡単です。
 決まった空港から離陸し、決まった空港へ着陸するだけでなく、あらかじめ定まった航路では足元がおぼつかない老人やボールを追いかけた子供が飛び出してくることもありません。

 実際技術的には、少なくとも90%以上は自動操縦(ほぼ離陸の作業だけをパイロットが行うがそれも技術的には可能)です。それでもパイロットが同乗するのは「責任の所在を明らかにするため」です。万が一航空機事故が起こって何百人もの死者が出た時に、「無人操縦」の飛行機そのものに責任を負わせることはできませんし、そのような「無人飛行機」で多数の死者を出した航空会社やメーカーに非難が集中するのは火を見るよりも明らかです。

 先日、ウーバーが自動運転車で死亡事故を起こし大騒ぎになりました。もちろん1名の人命は尊いですが、日本の2017年の交通事故死者数は3,694人です。これでも前年より210人減っており昭和23年に統計を取り始めてから最小です。

 「完全自動運転車」が100%のシェアをとっても、歩行者、自転車、オートバイなどは存在しますから、それなりの死亡者は出るはずです。さらに100%のシェアをとるまでの複雑な交通システムの中では、自動運転車の事故率は既存の人間が運転する自動車と大差がないと思われます。

 そもそも「完全自動運転車」も機械ですから当然故障します。したがって(死亡)事故ゼロは不可能と思われ「誰が責任をとるのか」という問題がクローズアップされます。現在検討されている内容では「自動車のオーナ(運転者)が保険でカバーし、自動車そのものの欠陥が明らかになればメーカーに請求する」方向です。

 しかし、このようなことが本当に実現できるのでしょうか?
 そもそも自動車の運転とは、たとえ海水浴に行くためであっても「業務」とされ、死亡事故を起こせば「業務上過失致死」になるので、普通の過失致死よりも重い刑罰を受けます。「交通刑務所」というものが存在するくらい、この罪に問われる人は多いのです。

 また「事故を起こした船の船長が乗客を避難させた後、自らは事故の責任をとって船と運命を共にする」という話が美談として語られます。もちろん半島のセ◎◎ル号の船長のような卑劣な行いよりははるかにましですが、その裏には「船長の重い賠償責任」があります。

 昔は、船長は運行に関する「無限責任」を負っていて、生き延びて帰っても裁判で巨額の賠償金を請求され「死んだも同然」の生活を余儀なくされたのです。ですから「名誉ある死」を選ぶ動機があったのです。

 本書は技術的な本であり、その内容はコンパクトにまとまっていますが「完全自動運転」の将来を考えるためには「いったい誰が責任を負うのか」というのが最も重要なポイントです。


(大原浩)


★6月25日(月)発売の夕刊フジ(産経新聞社)に筆者の執筆記事
 <緊急寄稿>「日経平均10万円その根拠」が掲載されました。
 夕刊フジに掲載された全文はこちら
 https://www.zakzak.co.jp/eco/news/180626/eco1806260006-n1.html

*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
 (JKK)を設立しました。HPはこちら https://j-kk.org/


【大原浩の書籍】

★夕刊フジ(産経新聞社)にて「バフェットの先を行く投資術」)」
 <毎週木曜日掲載>
 月刊「産業新新潮」(産業新潮社:http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
 にて「ドラッカー18の教え」を長期連載中。

★バフェット流で読み解くGINZAX30社2019年度版<上巻+下巻>
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書評:隷従への道



書評:隷従への道
フリードリヒ・ハイエク 著、日経BP社
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●ファシズムと共産主義と絶対王政

 アドルフ・ヒットラーが社会主義(共産主義)者であったことは、あまり注目されませんが、彼が率いたナチスの正式名称は国家社会主義ドイツ労働者党(NSDAP)であり、まぎれもない社会主義(共産主義)政党です。ナチスが共産党を弾圧したことから、ナチスは共産主義(社会主義)者ではないと思われがちですが、ナチスと極めて似通った主張をする共産党がライバルであったため蹴落としたというのが真実です。

 実際、ヒットラーはマルクスの著書を愛読しており、ナチスの政策にもその思想が多く反映されています。「優生学」も共産主義思想の一つといってよく、人間にある一定の理想形を求め、その基準に合致しない人間は「不要なものとして処理する」のは共産主義・社会主義の根本思想といっても良いでしょう。

 ですから、よくマスコミがネオ・ナチを「極右」などと誤って呼びますが、正しくは「極左」です。

 事実、世界3大虐殺王といわれる3人を並べれば、1位:毛沢東(大躍進と文化大革命で人為的飢饉による餓死者も含めて8000万人を殺したと推計される)、2位:ヨシフ・スターリン、3位:アドルフ・ヒトラーで、すべて共産主義者(社会主義者)です。

 その他カンボジアのポルポト政権(共産主義)による虐殺は「キリングフィールド」(1984年。英国。ニューヨーク・タイムズ記者としてカンボジア内戦を取材し、後にピューリッツァー賞を受賞したシドニー・シャンバーグの体験が原作)として映画化されています。

 なぜ、共産主義(社会主義=ファシズム)で、このように虐殺・粛正が頻繁に行われるのか?とてもシンプルに言えば、そのような国々には「自由」が無く、「強制」によって統治されているからです。

 日本で安倍政権や自民党を批判し、時には聞くに堪えないような下劣な罵声を浴びせても、別に何も起こりません。批判した人々の身の安全は120%保証されています。

 それに対して、チャイナ、ロシア、北朝鮮で少しでも「政権批判」すれば「拷問・監禁・銃殺」を覚悟しなければなりません。香港のように本来条約で「50年間の自由」が保証されているはずの場所でさえ、政権に批判的な書店店主が中国共産党に連れ去られ行方不明になるという事件が起きています。
 また、チベットやウィグルは「現代のアウシュビッツ」と呼んでも過言ではありません。

 要するに、共産主義(社会主義)は根本的に間違ったシステムなので、理詰めで批判されると反論できません。つまり、暴力で粛正するしか対抗方法が無いということです。人間は本当のことを指摘されると逆上しますが、国家も同様です。

 ポルポトや毛沢東が、教師、大学教授、研究者、医師、弁護士など政権を批判する知識を持った人々を中心に粛正を行ったのも「知性と教養がある人々が正しく政権を批判」することを恐れたからです。

 結局、「強制」によって国民(臣民)を従わせる手法は、古代から続く絶対王政、社会主義(共産主義)、ファシズムにおいてすべて同じなのです。しかし、人間を暴力で従わせるやり方は、ピーター・ドラッカーが定義する知識社会では通用しません。

 知識社会の貴重な資源である「知識労働者」たちは、理不尽な政府の要求に屈しませんし「自由」を渇望します。結局、共産主義・ファシスト政権は、貴重な経済的資源である知識労働者を粛正するしかなく、高度な経済発展はあり得ません。

 共産主義(社会主義)国家が総じて貧しく、発展しても中進国どまりであるのは、ここに大きな理由があります。旧ソ連は巨大な国家でしたが、軍事に傾斜した張りぼての国であり、ベルリンの壁崩壊やソ連邦崩壊の後その実態が世界にさらされました。

 軍事帝国を目指すチャイナも同様です。軍事強国を目指しながら、中身がスカスカの経済は、いつかソ連邦のように終わりを告げるでしょう。


●計画は役に立つか

 共産主義(社会主義=ファシズム)国家に共通したやり方が「計画」です。【「偉い人」が神のごとく「計画」したことには間違いが無いから「計画」の仰せに従えばよい】というわけです。
 しかし、世の中に神のような完璧な人間がいるはずもなく、それどころから人間の能力には大差が無いわけですから、誰がやっても完璧な計画はありません。ところが共産主義者、ファシストが支配する国では「偉い人は正しい」ことが前提になっているので、計画が間違っていた場合、現実を(間違っているはずが無い)計画に合わせるという奇妙なことが行われます。そして、それを「おかしい」と批判する人々は粛正されるわけです。

 ただし、計画には2通りあります。世間では、計画といえば「絶対不可侵の計画」をおおむねイメージしますが、もう一つの計画は「修正されるのが前提の計画」です。「トライ&エラーのための捨て石」と呼ぶこともできます。

 ハイキングに行く時から、大企業の事業まで、おおよそ計画無しではものごとは始まりません。しかし、この場合の計画は常に修正されます。もし雨が降ったら美術館巡りのBプラン、バスの手配ができなかったら電車で移動など「予想されなかったこと」に臨機応変に対応するのが当然です。バスの手配ができないのは計画になかったことだから中止などという硬直的な対応が賢い選択だとは思えません。

 事業でも同様です。競合や消費者、それに市場が予想外の動きを行うことは日常茶飯事で、そのような突発事件に対応することこそ事業の本質です。要するに、この場合の計画は指針とか目安と同類であり、強制力は基本的に持ちません。だからこそ、社会は円滑に動き自由な環境が保たれるのです。

 しかし、フリードリヒ・ハイエクが指摘するように、前者の硬直的な計画は共産主義、ファシズム国家の専売特許ではありません。例えば国家の予算というのは非常に硬直的で、一度決められるとほとんど変更が無く、予算が余れば年度末の道路工事などで無駄遣いされるのは、読者も良くご存じのはずです。

 またこの種の計画には、評価が行われないことも大きな問題です。株式会社は決算の数値という明確な指標で効果を測定され、株主から厳しい評価を受けます。ところが、政府予算の<効果>というのは漠然としていて、明確な数値で検証されることが無いので責任もあいまいです。

 ですから、現代において常に評価され(計画)改善の努力を続けている株式会社(営利企業)があらゆる分野で高い成果を出しているのは当然なことなのです。


●平等という言葉の意味

 私は、大変残念なことにジャニーズ系のイケメンではありません・・・またイチロー、あるいはオリンピックで金メダルをとるようなスポーツ選手の素質も持って生まれませんでした。もちろんアインシュタインのように「相対性理論」を考え付くこともありません(それ以前にこの理論をきちんと理解していませんが・・・)。これは、私に限った話では無く、人間の能力・素質というのは遺伝子がとても不公平に与えたものです。しかし、これを是正する動きはありません。

 例えば不細工な男はイケメンの男の顔をぼこぼこにしても良いとか、逆に不細工な男の美容整形費用は国が全額負担などという話は、世界中どこでも聞いたことがありません。そのようなことに意味があるとは思えませんし、それぞれの人間はそれぞれに与えられた条件の中で努力し、結果を得ることで満足しているのです。

 実は、金持ちの家に生まれるとか貧困家庭に生まれるとかいう条件もそのような要素の一つにしか過ぎないのです。私を含めすべての人間(子供)は、親を選ぶチャンスを与えられませんでした。偶然その両親から生まれてきたのです。ですから、その両親が金持ちなのか貧しいのかは、遺伝子によって決定される才能と同じように全くの偶然なのです。

 もちろん、才能に恵まれた子供が自分の才能に感謝する必要が無いとか、逆に児童虐待の被害にあっている児童を救う必要が無いということではありません。しかし、どのような環境に生まれ落ちるかは「偶然」であるわけですから、そこをいじっても良い結果が生まれるはずがありません。

 大事なのは、ハイエクも述べるように「機会の平等」なのです。生まれた環境、つまりくじ引きの結果は<偶然=運命>として受け入れるとして、どのようなくじを引いた人々でも「平等」に機会を与えることが一番大事なのです。家柄、血筋、人種などで区別・差別することは「機会の平等」に反しますが、学力で区別する「学歴主義」は、機会の平等に反しません。もちろん、持って生まれた学力は千差万別ですし、親の収入によって塾に通えるかどうかが決まることもあるでしょう。それでも、どのような貧困家庭、人種であっても「受験するチャンス」が平等に与えられていることが重要なのです。

 そもそも、世の中の出来事のほとんどは「偶然」に左右されており、同じような条件を与えたつもりでも、微妙なタイミングの差で全く違った結果になることがあります。

 「平等な機会」を与えて生まれた偶然の結果の違いまで、面倒を見て同じ結果にしようなどとするなどというのは、50メートル競争で最後は手をつないでゴールインさせ同着にさせるような、誤った(結果の)平等主義の小学校の教育方法と同じです。

 そもそも、「結果」は偶然に支配される人知を超えた領域なのですから、我々人間は「機会」の平等を維持するよう努力すべきなのです。

 なお、本書は、ナチス・ドイツの敗色が濃くなった1944年に発刊されましたが、ファシズムだけではなく、それと同類の共産主義(社会主義)に関しても鋭い洞察を行っています。さらには、資本主義、民主主義国家に内在する「強制」についても深く考察されています。
 実際、世界大戦が始まるまで、英国をはじめとする欧州諸国はナチスの「力強い指導力」と「計画性」を称賛して好意的でした。どのような国家でもファシズム・共産主義の要素は内在しているのです。

 本書が出版された時期は、共産主義(社会主義)さらには大きな政府に対する楽観論が広がっていた時代ですから、それらの妄想に対して痛烈な一撃を放った本書は大ベストセラーになりました。


(大原浩)


★6月25日(月)発売の夕刊フジ(産経新聞社)に筆者の執筆記事
 <緊急寄稿>「日経平均10万円その根拠」が掲載されました。
 夕刊フジに掲載された全文はこちら
 https://www.zakzak.co.jp/eco/news/180626/eco1806260006-n1.html

*2018年4月に大蔵省(財務省)OBの有地浩氏と「人間経済科学研究所」
 (JKK)を設立しました。HPはこちら https://j-kk.org/


【大原浩の書籍】

★夕刊フジ(産経新聞社)にて「バフェットの先を行く投資術」)」
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 月刊「産業新新潮」(産業新潮社:http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
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書評:トコトンやさしい 配管の本



トコトンやさしい 配管の本
西野悠司 著、日刊工業新聞社
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 ウォーレン・E・バフェットは「投資の成功のための本質」を「安く買って売ることである」と看破しています。

 「なんだ、当たり前のことじゃないか!」と思われる方が多いかもしれませんが、バフェットに言わせれば「世の中のほとんどの投資家は、この<安く買って高くる>という簡単なことができていないからうまくいかないのです。

 バフェットが師匠ベンジャミン・グレアムから教わった二つの重要事項の一つは「ミスター・マーケットと名付けられた、日々の躁うつ病にも似たマーケットの不安定な動きに左右されないこと」ですが、もう一つがこの「安く買って高く売る」ことです。

 ただし、「安く買う」と言っても「昨日あるいは去年よりも株価が安い」というような意味では決してありません。バフェットは市場の日々の動きはまったくと言っていいほど見ていません。


 彼が常に注目するのは「本質的価値」と「(市場の)株価」の関係です。
 バフェットが「安く買う」という意味は、<市場価格が「本質的価値」よりかなり安くなった時に買う>ということなのです。

 したがって投資先(企業)の本質的価値が分からない人は、(市場の)株価が安いか高いか(バフェット流において)さえ分からないのです。

 「本質的価値」については有名な「バフェットからの手紙」で毎年のように論じられているので(2003年版、2004年版でも触れている)ここでは述べませんが、私も当然のごとく投資先(企業)の「本質的価値」の研究を日夜行っています。


 そのためには各企業はもちろんのこと、業界の研究も欠かせません。
 しかし、産業の数は無数にあり、そのすべてを深く研究するのは困難です。
 そこで私の不得意分野(特に工学系)の知識を補うときに重宝しているのがこの「トコトンやさしい」シリーズです。

 別に工学博士や工場技術者になるわけでは無いですから、私のような投資家は企業のHPなどを読んで、その会社の強み(バフェットの表現で言えば【堀】)が分かるようになればいいわけです。

 その点で、本シリーズは執筆者にかかわらず内容がコンパクトにまとまっていてとても読みやすい本です。


 「配管」については、石油プラント、パイプライン、ガス、水道はもちろんのこと、半導体工場やオフィスの空調など産業と切り離せない存在です。

 特に電子製品の高度化によって、半導体などで使用される純水や室内の温度や環境を一定に保つため、あるいは化学薬品などの循環など、極めて高い精度の配管の設置が求められるようになってきています・


(大原浩)


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ドラッカー18の教え 第16回



産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/
7月号連載記事


■失敗のない人間は何もしてこなかったのである


●過去を変えることはできる



 最先端のタイムマシンの研究(ほんの数十年前までは、タイムマシンの研究をしている科学者はマッド・サイエンティスト扱いでしたが、素粒子レベルでの研究は現在学問として認められつつあります)によれば、少なくとも素粒子レベルにおいては「現在から未来への移動」は実現可能とされていますが、「過去への移動」は、「タイムマシンが実際に制作されたときが限界」であるとされます。つまり、まだタイムマシンが制作されていない現在より過去への移動はできないとされています。


 また「おじいさんのパラドックス」と呼ばれる問題もあります。
 例えば読者の一人が過去にさかのぼって、自分のおじいさんを撃ち殺したとします。するとおじいさんの子孫であるその読者も現在存在しないことになってしまいます・・・もし、最近多くの科学者が主張するような多元宇宙論が正しいとすれば、読者の住んでいる宇宙と撃ち殺したおじいさんの宇宙が異なるということで矛盾が解消されるのですが・・・


 いずれにせよ、アインシュタインの相対性理論に基づく「時間と空間」の概念にまで踏み込まないと、「物理的な過去」を変えることはできませんから、現実には不可能です。しかし、我々が通常「過去」と呼んでいるものは「記憶している過去」であり、この過去は我々が思っているほど強固なものでは無く、意外に簡単に変えられるものです。


●過去とは脳の記憶である



 一般に記憶というものは、コンピュータに登録した情報のように永遠不変のものだと思われていますが、最近の脳科学の研究では「記憶は呼び出されるたびに、変化していく」ことが明らかになっています。記憶を呼び出したときの状況に対応して、脳の記憶が書き換えられそれが(新たな)過去の記憶として残されるのです。もちろん、意図的に自分の都合のいいように記憶を改ざんするということではなく、脳が(限られた記憶容量を効率的に使用するため)その機能として、過去の記憶と現在の状況を照らし合わせて無意識に「整理統合」を行うことから起こる現象です。


 これを確かめるために大規模に行われたのが「9・11テロの記憶の追跡」です。
 まず、テロ直後の関係者の証言をビデオに収めます。その後、半年後・1年後・2年後というように、同じ事柄に対する証言を同じ人物に同じ場所でしてもらいます。その証言を時系列に並べると本当に驚くのですが、証言内容が毎回異なるだけではなく、だんだん自分自身が体験しているはずが無いことまで自身の体験として証言するようになるのです。もちろん、証言者が嘘をつく動機はありませんから、テレビや新聞で繰り返し報道する内容などが、事件当時の記憶と融合して自分自身の体験のように感じられるようになったのだと考えられます。


●失敗は失敗ではない


 「成功には1000人の父親がいるが、失敗は孤児である」。現実とは厳しいものです・・・私も「俺の人生はもう終わりだ!」と思うような失敗を何回かしましたが、おかげさまで私の人生は(今のところ)終わっていません。

 例えば、A君とB君という何から何まで同じのクロ―ン人間のような若者がいたとします。そして同じ会社に同期で入社し、同じ部署に配属され、同じ大失敗をやらかし、同じタイミングで会社を首になります。
 ここから二人の人生がわかれます。
 A君は一念発起して、ベンチャー企業を起こし、紆余曲折はあったものの一部上場企業にまで上り詰めます。A君の会社紹介では、必ず入社早々の大失敗のことに触れ「あの失敗があったからこそ、今の当社がある」と繰り返し「賞賛」されます。
 それに対してB君は、失意のままとりあえず転職したものの、「あの失敗さえなければ」と悶々として仕事に対する情熱も生まれず、転職を繰り返し、晩年には生活保護を受けながら「あの失敗さえなければ」とつぶやき亡くなります・・・。

 「過去を書き換える」とはこのようなことなのです。
 繰り返しますが、「過去」とは、繰り返し書き換えられる人間の記憶の中に存在するものなのです。


続きは「産業新潮」
http://sangyoshincho.world.coocan.jp/
7月号をご参照ください。


(大原浩)


★6月25日(月)発売の夕刊フジ(産経新聞社)に筆者の執筆記事
 <緊急寄稿>「日経平均10万円その根拠」が掲載されました。
[サブタイトル]
・24年前ITバブルに似た状況
・創造性ない中国は永遠に先進国になれない
 夕刊フジに掲載された全文はこちら
 https://www.zakzak.co.jp/eco/news/180626/eco1806260006-n1.html


【大原浩の書籍】

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