2023年末のご挨拶




 年の瀬も押し迫ってまいりました。
 本年もご愛読ありがとうございました。

 今日で御用納めの方、すでに帰省や旅行に出かけている方、年末年始お仕事の方、色々な方がいらっしゃると思います。
 株式市場も明日が大納会。掉尾の一振となりますか注目です。


 さて、今回は趣向を変えて2023年の億近関連の数字を見てみたいと思います。


 まず発行数は1月10日から本号まで通算215号を配信しました。

 全文字数は、2,433,862B=約2.4MBで、単純文字数換算で約121万文字となります。ビジネス書10冊分(約2000ページ)くらいの分量ですね。


 その215号中、文字数が多いランキングは以下の通り(お知らせなどの文字数も含む)。

1位:2023/02/17号 山本潤氏
 「山本家の危険な子育て」http://okuchika.net/?eid=10981

2位:2023/06/12号 炎氏
「株式相場活況の裏で」http://okuchika.net/?eid=11168
「13日から始まる6月のIPO」http://okuchika.net/?eid=11169
「投資家の会話」http://okuchika.net/?eid=11170

3位:2023/09/20号 小屋洋一氏
「世の中の見方、意見を構築すること」http://okuchika.net/?eid=11331

4位:2023/07/26号 小屋洋一氏
「ファイナンシャル・インディペンデンス」http://okuchika.net/?eid=11245

5位:2023/02/06号 炎氏
「春の足音」http://okuchika.net/?eid=10956
「日本の投資会社に提案したい銘柄群」http://okuchika.net/?eid=10957
「日本株のリード役、時価総額1兆円超企業」http://okuchika.net/?eid=10958


 昔から長文が比較的多いのが億の近道の特徴ですが、これらはその伝統を受け継ぐものと言えるかも知れません。


 内容では株式情報をはじめ、教育など広い分野に渡っていますが、多くの株式銘柄をレポートした炎のファンドマネージャー氏(松尾範久氏)のコラムを注目した向きも多かったことでしょう。
 ここでその成果検証はいたしませんが、多くの銘柄を取り上げておりますので、気になる方はチェックしてみるのも面白いかと思います。

炎氏のコラム:http://okuchika.net/?cid=9


 億の近道の活動としては、アイルさんの個人投資家勉強会を通じて多くの上場会社と個人投資家の架け橋ができたと思っております。1年で延べ20社の実績です。引き続きアイルさん、リンクスリサーチと協力して継続していきます。

 勉強会実績ページ(アイルさん):http://7oku.seesaa.net/article/492147748.html


 そんな従来の個人投資家向け情報提供や啓発に加え、中高生向けの教育支援も行いました。述べ3校の中高一貫校において、家庭科授業(昨年より株式投資がカリキュラムに加わりました)を行っております。
 長期投資と社会的意義を中心に、アプリによる株式売買体験なども盛り込んだ質の高い内容を提供していると自負しております。この教育事業は水曜日執筆者の遠藤功二氏との協業です(一般社団法人青少年投資教育協会を設立しました)。
 中高生に向けて自社の社会的意義を講演したい経営者の方、この活動を支援したい事業会社の方、うちの学校でも実施してほしいという教育関係者の方のご連絡もお待ちしております。 okuchika@iforum.jp


 来年はいよいよ億の近道が創刊満25年を迎えます。
 貴重かつ濃いコンテンツを供給してくれている各執筆陣に最大級の謝辞を送りつつ、変わらずのご愛読をお願い申し上げて、年末のご挨拶といたします。


 良いお年をお迎えください。


ぢんぢ部長(NPO法人イノベーターズ・フォーラム松田)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


JUGEMテーマ:社会の出来事



JUGEMテーマ:株・投資




2020年億の近道 記事別ランキング発表!

christmas-snow-snowman-decoration-holiday-symbol.jpg



 いよいよ今年もあと一週間足らずとなりました。

 今日は気まぐれに、記事別のアクセスランキングを集計してお知らせします。


【億の近道コラム編】

[12月1日〜24日までの集計ランキング]


 ※億の近道のバックナンバーページでの集計

1位 相川伸夫の丸順IRセミナー報告&追加情報補足+ロンシール工業取材報告 2020/12/
07配信 相川伸夫
2位 信用取引は絶対にやめよう! 2007/01/16配信 山本潤
3位 大阪都構想否決 2015/05/21配信 街のコンサルタント
4位 有料メルマガライブラリから(154)投資という戦闘を実行する兵士としての自分をいかに鍛えるか#8 2015/07/07配信 石川臨太郎
5位 〜我が家は、中学受験させないことを決めました〜 2014/01/08配信 山本潤 


[直近3ヶ月(9月25日〜12月24日)の集計ランキング]

 ※億の近道のバックナンバーページでの集計

1位 信用取引は絶対にやめよう! 2007/01/16配信 山本潤
2位 「沈まぬ太陽」の解釈と長期為替予約の巨額損失 20091208配信 渡辺直行
3位 〜我が家は、中学受験させないことを決めました〜 2014/01/08配信 山本潤
4位 相川伸夫の東京エレクトロンデバイス フォロー取材報告 2020/09/28配信 相川伸夫 
5位 相川伸夫のピックアップ記事 中央自動車工業(8117) 2020/10/12配信 相川伸夫 
5位 ファンダメンタルズ分析入門第2部(5) 2006/03/07配信 山本潤


 過去のコラムが結構読まれているのが興味深いですね。
 普遍的な内容で長く読んでほしい億の近道のコンセプトにふさわしい状況と言えます。

 みなさんも一度読んでみてください(^^)



【億の近道note編】


 億の近道は、一部のコンテンツをnoteで配信しています。その集計です。


[配信開始から12月24日までの全期間集計ランキング]

 ※億の近道noteでの集計

1位 株式投資の勘違いの数々 2019/10/08配信 山本潤
2位 数学のススメ 2017/03/08配信 山本潤
3位 我が家は中学受験をしないことに決めました(番外編) 2017/03/24配信 山本潤
4位 光通信が投資する銘柄チェック 2020/07/30配信 炎のファンドマネジャー
5位 相川伸夫が語る注目銘柄 神戸天然物化学(6568) 2018/08/14配信 相川伸夫
6位 一日中ゲームばかりしていてはいけない理由 2020/07/22配信 遠藤功二
7位 レナウンの倒産後に続く可能性のある企業をチェックしてみた 2020/05/22配信 炎のファンドマネジャー
8位 1億円あればセミリタイアは可能か? 2018/03/23配信 梶原真由美
9位 ソフトバンク的生き方か光通信的生き方か 2019/10/09配信 炎のファンドマネジャー
10位 若い甥に教えたい資産形成のための方法論や考え方 2019/02/22配信 石川臨太郎


 山本潤氏が強いですねー。ほか、相川伸夫氏をはじめ、子供金融教育の遠藤功二氏、億の近道創刊から寄稿している炎のファンドマネジャー氏、1日36,000回読まれた記録を持つ梶原真由美氏、末期がん闘病中に書いた石川臨太郎氏などの名が連なっています。
 億近ブログとはなんとなく傾向が違う気がしますね。



【有料コンテンツ編】

 億の近道関連では有料メルマガとして「グロース銘柄発掘隊」を毎週火曜日配信しています。
 また、石川臨太郎氏の有料メルマガのバックナンバーをnote上で販売しています。
 それら有料コンテンツで、何が読まれているのか?


[山本潤監修 グロース銘柄発掘隊 編]

1位 #44 eBASE(3835) 2020/01/28配信
2位 #54 グリムス(3150) 2020/04/07配信
3位 #26 スプリックス(7030) 2019/09/17配信
4位 #53 日本セラミック(6929) 2020/03/31配信
5位 #75 プロパティーデーターバンク(4389) 2020/09/01配信
6位 #61 レーザーテック(6920) 2020/05/26配信
7位 #18 リスクモンスター(3768) 2019/07/23配信
8位 #39 トリケミカル研究所(4396) 2019/12/17配信
9位 #34 チャーム・ケア・コーポレーション(6062) 2019/11/12配信
10位 #69 メドピア(6095) 2020/07/21配信

 ハイテクやITニューサービス系の企業が多い印象です。
 なかなか社名から企業内容が分かりづらいから、レポートで確認しているのかも知れません。

 全体のリストはこちらからご覧ください。月額サブスクが基本サービスですが、レポートの単体売りもやってます。
 

[石川臨太郎 生涯パートナー銘柄の研究 note編]

 2009年より10年間毎週配信していた有料メルマガ「生涯パートナー銘柄の研究」のバックナンバーです。
 少しずつnote上へアップしていますが、現時点でどのようなものが読まれているか、ランキングです。
 なお、内容は1銘柄を深堀り分析する[研究銘柄]とコラムで構成されています。
 コラム内でも研究銘柄候補や気になる注目銘柄に言及しています。


1位 JSP(7942) 2014/02/18配信
2位 三共生興(8018) 2013/11/05配信
3位 AGC(旭硝子)(5201) 2018/07/31配信
4位 コニシ(4956) 2013/03/26配信
5位 放電精密加工研究所(6469) 2009/11/24配信

 最近話題になった銘柄がよく読まれているようですね。
 取材を含めかなり詳細なレポートですので、企業のアウトラインを理解するには丁度いいのかも知れません。
 掲載リストはこちらです。ご参照ください。


 いかがでしたか?
 年末年始はコロナ禍でお家で過ごす方も多いでしょう。
 じっくりと様々なコンテンツに目を通すいい機会です。ぜひご活用ください。


(ぢんぢ部長)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


JUGEMテーマ:株・投資




石川臨太郎という存在




 その人は、最初に「リスクテイカー」と名乗っていた。
 のちに、「リスクは避けるものでは無く管理するもの」という金言を残す。

 2003年に、億の近道本誌へはじめて寄稿したときは「石川凜」と名乗っていた。
 その連載は、「ツキを呼び寄せるためには、ツイていると言い続ける」が主旨。
 いわば、いつもリスクに対峙を続ける投資家への応援歌でもあった。

 株で得た資産を国内不動産、海外不動産、金の現物などに分散しながら、専業投資家のキモである生活防衛とリスクマネーの分離を確立していた。


 2008年末には自身の成功体験や失敗談をベースに、投資家としてのメンタルを指南したいと、有料メルマガを開始。
 いまでは様々なところから専業投資家の有料コンテンツが世に出ているが、彼は間違いなく先駆けである。
 発刊にあたり、メンタルや投資哲学だけではお金を出して購読してもらうのは厳しいとの協議により、「研究銘柄」が生まれた。

 さらに「臨太郎」に改名すると伝えてきた。

「勝海舟かい?」
その問いに
「ふふふ。字は違うけどね。」
といたずらっ子のように返ってきた答えが印象的だった。


 「研究銘柄」(村田雅志氏が「研究の研究」で指摘した通り、初期は「銘柄研究」と言うタイトル)は、毎回1銘柄を深掘り調査分析して提示するスタイルとなった。

 「研究銘柄」は、財務分析と定性分析という二つの軸を置き、時には企業へのメールや電話取材を敢行してその質を高めていった。

 あるとき、YEN蔵氏を加えた3人でのふとした雑談から「中期経営計画」と「採用サイト」というキーワードが浮上した。以降、分析の中に織り込むこととなった。
 中期経営計画は会社のビジョンや経営者の覚悟・矜持が透けて見える。
 採用サイトは、自社のビジネスや強みを学生へ理解させるために、平易な表現や例を挙げて開示している。
 これらを投資判断の材料に使わない手はない。

 そして、配信開始半年を待たず、有料メルマガの内容が進化した。
 2009年5月頃のことである。

 以後、バランスシートの比較分析を加えるなど、彼の投資家としての成長とともに、有料メルマガの内容もさらに進化していった。


 彼がよく使うフレーズに、
「進化論のダーウインは、強いものが生き残ったのでは無く、変化出来るものが生き残ったと言っている。」
がある。
 彼はまさに地で行っていた。


 彼は非常にアイディアマンでもあった。

 世が株主優待に注目しつつあるような雰囲気を感じると、
「今度は研究銘柄を一時置いといて、株主優待銘柄特集をやりましょう!」と提案してきたこともあった。
 自転車で移動する優待投資家がメディアで騒がれる遙か前から、彼は優待投資家だった。

 愛妻家の彼は、無料で送られてくる食品や金券の山を背景に、愛妻へ投資の効用を説いたことだろう。

 また、常に、近い将来から数十年先までの展望を持ち、それを元に投資先を選定していた。
 それは投資テーマやトレンドのみならず、技術的・政治的背景をも織り込んだものだった。

 大きな目線からストーリーを考え、最終的に投資対象銘柄まで落とし込む。
 当たり前のようでなかなか実践出来ないことを、彼は難なくやり遂げていた。

 それらは、業界別の特集や、投資テーマの特集などに結実し、読者へ提供された。


 10年もの間、毎週やりとりをしていた。
 そんなに長くやっている感覚は無かった。

 それはいつもの日常。
 週末に原稿を仕上げ、送られてくる。
 それをチェックし、必要なら内容確認し、有料メルマガを仕上げていく。

 後期には、もういちいち確認しなくても、言わんとすることが理解出来た。
 これが歳月というものか。

 結果、509回にわたる毎週配信の軌跡がある。
 10年もの間、休んだのは2週だけだ。
 925万文字。それは10年間で彼が表現した内容だ。
 1号あたり平均17,500文字。
 文字通り力作だ。


 余命宣告を受けても、彼は冷静であった。
 即座にやらねばならないことを判断し、そして粛々と実行した。
 人生の窮地に立たされて、そこまで冷静にいられる人間がいるのか、と驚きの目で見守るしか無かった。


「本を出したい。」
 そう言って相談されたのは、余命宣告から1週間も経たない頃。
 そうして驚くべきスピードで出版への道が出来ていく。
 覚悟を決めた人間の行動力は凄い。素直にそう思った。

「面白いと思って書いた。どう?」
 書き下ろし原稿が送られてくるたび、間髪入れずに電話がかかってくる。
 そんな日々が2ヶ月続いた。


 抗がん剤の副作用で朦朧としながらも、
「本当は売買している場合じゃ無いんだけど、銘柄の見直しを少しした。わかっちゃいるけど、より良い株を遺すためについ動いてしまう。」
 そんな電話もかかってきた。

 あぁ、この人は本当に株が好きなんだな。
 そう思った。


 ありがとうございました。あなたのおかげで私も大変勉強出来ました。
 心より感謝申し上げます。安らかに。


ぢんぢ部長(松田憲明)


追伸。
 石川臨太郎の有料メルマガを著書「カンニング投資術(ダイヤモンド社)」で取り上げていただいたJACKさん、ありがとうございました。ちょうど上梓のタイミングで有料メルマガが休刊となってしまいまして、ご迷惑をおかけいたしました。
 「カンニング投資術」 ⇒ https://amzn.to/2Jhn4ae


【新刊情報】

[現代の錬金術シリーズ153]
 資産を作るための株式投資 資産を遺すための株式投資
  〜余命宣告を受けた「バリュー投資家」の人生最後の教え〜

 パンローリング刊
 7月発売、価格2,800円+税
 


このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/piowristoc
クリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!


JUGEMテーマ:社会の出来事




インド自動車事情



 久しぶりの投稿です。ぢんぢ部長です。
 調べてみると、何と約6年ぶりのコラムです。

 前回コラムでは、インドのTATA財閥トップ交代について書いています。
 前回コラム:http://okuchika.net/?eid=4266


 あれから6年。
 インドも大きく変わりました。


 現在では、「Make in India」「Invest India」など、多くのスローガンを掲げて経済成長と産業振興を力強く進めており、それとともにインド国民の生活も大きく変わりつつあります。

 日本では消費増税に関して、電子決済での優遇案が出ているようですが、インドではロードサイドの小さな商店にまで電子決済が浸透しつつあり、小規模商店でのそれの普及は遙かに日本を上回っています。この分野ではインドに対して日本は非常に遅れている印象です。


 さて、私はインドの経済成長や変化を話す例示として、よく自動車産業を利用します。自動車製造は、原材料から部品調達、設計や製造や品質管理、販売など、総合力が必要な産業ですから、国力と経済力を考えるのに非常に分かりやすいと思っているからです。

 ご存じの通り、インドではスズキがトップシェアを長い間堅持しており、その存在感はかなりのものです。50%近くの圧倒的シェアを誇ります。2位は韓国のヒュンダイ、3位は国産車のマヒンドラとなっています。

 2017〜2018はインド国内で328万台が売れ、世界第3位の乗用車市場となっています(BMW、アウディ、メルセデス、ジャガー、ランドローバーなどのプレミアムカーを除いた数字)。


[インドの自動車シェア]2017〜2018

 1.スズキ   49.98%
 2.ヒュンダイ 16.30%
 3.マヒンドラ  7.56%
 4.タタ     6.39%
 5.ホンダ    5.17%
 6.トヨタ    4.27%
 7.ルノー    3.10%
 8.フォード   2.73%
 (以下、フィアット、日産、VW、スコダ、GMなど)


 現地でヒアリングしても、スズキの強さは皆一様に認めていて、近い将来、スズキ単独で500万台はもうコンセンサスのようです。さらに高級ブランドNEXAを展開し、こちらも絶好調とか。ロードサイドに広告が目立ちます。とにかく作れば売れるという状態だと聞いています。

 世界の王者トヨタは苦戦していて、先のスズキとの提携で生産協力が…(謎


 その自動車産業で直近にニュースが飛びこんで来ました。

 インド国内調達率75%超のSUVタイプ電気自動車が2020年第2四半期にローンチされるとのこと。中国の企業が、中国のお金と中国の部品企業をインド国内へ持ってきて、元GMの工場を取得して製造するのです。
 すでにインドへ500億ルピー(約750億円)の投資をしており、インド国内の電気自動車市場を創造しようと目論んでいます。

 これは、インド政府の掲げる「Make in India」に呼応して中国企業が進出した大きな事例と言えます。歴史的に中国とインドは仲が良くありませんが、経済的結びつきは近年非常に強固になって来ています。


 なお、イーロンマスク率いるテスラは、2019年12月23日にモデル3(480万ルピー:720万円)とモデルX(550万ルピー:825万円)をインドでデリバリーすると既に発表しているので、2020年はインドの電気自動車元年になるかも知れません。



 ただし、インドの電気インフラは未だ万全とは言えず、燃料たる充電ステーション網を構築していくのはまだ時間がかかるでしょうね。多くの村落でまだ電気が来ていないですから、遠乗りと言うよりは都市内での移動が中心となるでしょう。


 一方、インド最大の財閥TATAは、傘下に英ランドローバーとジャガーを持っています。そのTATA自動車の新型SUVが、ランドローバーのシャーシーや技術を導入したことで話題になっています。
 ランドローバーといえば、イギリス発祥のオフロードブランドです。堅牢で本格的な悪路走破性能と、高級な内装などで世界中にファンが多いのですが、それが関連会社のシェア4位のTATA自動車へ技術供与というシナジーを発揮したことになります。



 ブランドの最高級車レンジローバーは2000〜4000万ルピー(3000万〜6000万円)ですが、TATAの新型SUVは140〜180万ルピー(210万〜270万円)ですので、およそ14〜20分の1の価格でエッセンスを味わえることになりますね。
 ガソリン車ですが、インドでのSUV人気を背景に、今後が楽しみです。

 買収から10年。やっと具体的な効果が出てきましたね。



 ちょうど今月の27〜28日にインドのモディ首相が来日します。
 インド関連の報道が増えると思いますので、皆さんもチェックしてみて下さい。


 次回は、インドのお酒事情を書いてみます。


(ぢんぢ部長)


■皆さんからのインドに関するご質問などを受け付けます。
 全てのご質問は、コラムを通じて回答する形式を採りますのでご了承下さい。
 質問、お待ちしております。
 okuchika.mail@gmail.com

■プロフィール:億の近道編集長。本職は、インドと日本のビジネスブリッジ
 が中心。インド国内に強力な人脈を持ち、インド進出のバックアップを行う。


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/piowristoc
クリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!


JUGEMテーマ:ビジネス



JUGEMテーマ:社会の出来事



JUGEMテーマ:海外投資




インド最大の財閥、トップ交代

 師走も押し迫って参りました。億の近道も本号が年内最終号です。

 本日仕事納めの方が多いのではないかと推察しますが、インドでも本日、大きな意味で仕事納めをされた方が居ます。インド3大財閥の一つ、TATA財閥トップのラタン・タタ会長が、経営の第一線から退きます。
 ラタン氏は財閥の5代目。今後はTATAの財団の運営などを行うようです。独身で子供もいないため、TATAの次期トップはTATA家とは関係のない、40代の若手が、年間売上5兆円を超えるTATAグループを担うことになっています。
 ラタン氏とは、プライベートで夕食を共にしたこともありますが、ジェントルマンで発想のスケールも大きい方です。しかも非常にフランクで、偉ぶった態度はみじんも感じられません。本当のリッチパーソンはそうなのだと、あらためて感じました。

 さて、日本ではTATAグループの知名度は残念ながら低いのが現状です。ご存じの方でも、低価格自動車TATAナノ(20万円の自動車)を作ったという認識程度。自動車はもちろん、鉄やエネルギー、食品や通信をも網羅する一大企業グループと言うことを理解しているのは少数派と言わざるを得ないです。

 海外のサイトで、ラタン氏引退に伴い、彼の功績をたたえて在任中に行われた大規模買収をまとめていました。非常に分かりやすかったので、ここで一部をご紹介します。
(以下、ドルは米ドル、ルピーはインドルピー。)

◇2000年
 イギリスのTetleyグループを4億5千万ドルで買収。
 ※Tetleyは1837年創業の紅茶の企業。

◇2001年
 政府100%出資のCMCの株式の51%を15.2億ルピーでインド政府から取得。
 ※CMCは1975年創業のIT企業。

◇2002年
 VSNL株の25%を143.9億ルピーで追加取得。
 ※VSNLは1986年創業のインドの通信大手。インド政府系企業としては初めてニューヨーク証券取引所に上場した。

◇2004年
 韓国の大宇自動車を1億200万ドルで買収。

◇2005年
 シンガポールの製鉄最大手NatSteelを3億6500万ドルで買収。この買収には、シンガポール、中国、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリアの製鉄所も含む。

◇2005年
 アメリカの海底ケーブルサービス世界的大手、Tyco Global Networkを1億3000万ドルで買収。

◇2005年
 インド書店チェーン大手Landmark株の76%を10億3600万ルピーで取得。

◇2006年
 米ボストンのリッツカールトンホテルを1億7000万ドルで買収。

◇2006年
 英化学大手Brunners Mondを50億8000万ルピーで買収。
 ※Brunners Mondは1873年創業のケミカルメーカー。

◇2007年
 英蘭製鉄大手Corusを113億ドルで買収。

◇2008年
 フォード自動車から、ジャガーとランドローバーを23億ドルで買収。

◇2008年
 米化学大手、General Chemical Industrial Productsを10億ドルで買収。
 ※General Chemical Industrial Productsは1884年創業の化学メーカー。

◇2011年
 英British Saltを65億ルピーで買収。
 ※British Saltは英製塩大手。

 いかがですか?
 クルマ好きなら、ジャガーとランドローバーがインド企業傘下であることは衝撃かも知れませんね。皮肉なことに、TATA傘下に入ってから売上増となったようです。
 ラタン氏は、ここに掲げた以外でも多くの買収、株取得、出資などを行って、業容の拡大と全世界戦略を続々と実行しました。NTTDoCoMoと提携して携帯電話会社を始めたのもその一環ですね。

 経営の第一線から退くとはいえ、ラタン氏が今後も経済界に大きく影響を及ぼす存在であることは疑う余地がありません。氏の動静も含め、これからのTATAグループの動向にも引き続き注目をしていきます。

本年もご愛読いただき、ありがとうございました。
来年も引き続きご支援、ご愛読をよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎え下さい。

ぢんぢ部長(松田憲明)

■皆さんからのインドに関するご質問などを受け付けます。
 全てのご質問は、コラムを通じて回答する形式を採りますのでご了承下さい。
 質問、お待ちしております。
 okuchika.mail@gmail.com

■プロフィール:億の近道編集長。最近はインドと日本のビジネスブリッジを
 中心に活動している。インド国内に強力な人脈を持ち、インド進出のバック
 アップを行う。また、インド株式投資の情報を現在鋭意収集中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/piowristocクリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!
◆「海外投資実践入門DVD」このコラムの執筆者、ぢんぢ部長(松田憲明)もインド株式を解説しています!◆
http://www.iforum.jp/dvd/
matsubunner.jpg

JUGEMテーマ:ビジネス


JUGEMテーマ:社会の出来事


JUGEMテーマ:海外投資



インドスズキ暴動顛末と小売解禁

 先日、ニューデリーへ赴き、ジェトロデリー所長と懇談しました。FDIなどいろいろな話題が出た中で、今年7月に起きたスズキ工場での暴動の件に話が至りました。

 真相を要約すると、以前私が指摘したとおり、外部の左派勢力が組合に潜り込み、暴動を起こしたテロ行為だということです。スズキとしては、これが労使間問題としてとらえられることを非常に懸念していて、ごく一部の人間による暴力行為だと広報していますが、日本のマスコミはほとんど報道していませんね。
 暴動が起きたときには、すでに労使間で交渉が妥結しており、その直後に発生したので労使問題ではないかと誤った憶測が流布されたようです。
 所長から、ぜひ真実を日本の皆さんに伝えて欲しいとの要望をいただいたので、少なくとも億近読者には知っていただきたいと思い、コラムとしました。

 他に面白かったのは、小売業の外資へ市場開放に絡んで、ウォルマートの話です。同社は2007年に地元企業と提携し、2009年に初店舗を開業。現在ではインド全土に20店舗を構えるほどになりました。単一ブランドの小売業は外資に開放されていない状況でのこの躍進のヒミツは、同社が卸売業として進出したためです。
 ご存じの通り、ウォルマートは会員制で、登録しなければ買い物はおろか入店さえ出来ません。しかし、事実上個人が会員を取得し、買い物するのは可能ですし、同社もむしろそれを推進している状況です。法律的にはグレーゾーンですが、明確な違法ではないので黙認されているわけです。最近、インドでロビー活動していたのではないかと調査されることとなりましたが、同社の経済活動自体が否定されたわけではないので、出店した者勝ちになっています。

 他方、小規模な小売店を営むインド人の方々と話す機会がありましたが、彼らは口々に「外資開放は我々に厳しい」「もし政府と話す機会があったら、足下のインド人も考慮に入れろと伝えてくれ」と話していました。国内企業の大規模小売店がどんどん開店する中、さらに外資解放まで進んだら彼らは生き残る術がないと考えているようです。
 ある調査では、外資開放しても外資小売業のシェアは3%増程度にとどまるとの予想もあり、私個人としても大きく市場が変容していくのは時間がかかると見ていますので、直ちに小規模小売店へ打撃があるとは考えにくいと思っています。ただし長期的には、インドの収入水準が大きく上がっていく中で、変わっていくのは間違いないでしょう。

 しかし、ちょっと目を離すとものすごく変化しているのがインドです。空港は大きく拡張され、メトロ(鉄道)が定時運行し、道を行くおんぼろ車はほぼ見かけなくなり、ファストフード店が増えています。以前より情報入手しやすくなったとはいえ、まだまだ日本から見えにくい国であることは変わりないです。従来イメージの思いこみでは判断を誤りますので、常に最新の情報入手をお薦めします。

ぢんぢ部長(松田憲明)

■皆さんからのインドに関するご質問などを受け付けます。
 全てのご質問は、コラムを通じて回答する形式を採りますのでご了承下さい。
 質問、お待ちしております。
 okuchika.mail@gmail.com

■プロフィール:億の近道編集長。最近はインドと日本のビジネスブリッジを
 中心に活動している。インド国内に強力な人脈を持ち、インド進出のバック
 アップを行う。また、インド株式投資の情報を現在鋭意収集中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/piowristocクリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!

◆「海外投資実践入門DVD」このコラムの執筆者、ぢんぢ部長(松田憲明)もインド株式を解説しています!◆
http://www.iforum.jp/dvd/
matsubunner.jpg

JUGEMテーマ:ビジネス


JUGEMテーマ:社会の出来事


JUGEMテーマ:海外投資



トンネル事故より考える

 今回のトンネル崩落事故に遭われた方やご家族ご関係者の方、衷心よりお見舞い申し上げます。

 今回の事故にはいろいろな側面があると思いますが、設備の老朽化という要因も大きいと感じるのは私だけではないでしょう。適切なメンテナンスをしていても、根本的な寿命というのは厳然と存在するわけですし、それが重要なインフラであれば、万が一の際の影響も多大だと言わざるを得ません。

 先週金曜の山本潤氏のコラムは、主に技術的な内容ですが、図らずもトンネルについての記述がありました。また、過去の億の近道でも、今後寿命を迎える橋梁の老朽化を示唆したコラムがあります。

 多大な犠牲を伴う事故により顕在化するのは、非常に悲しいことです。それを未然に防止するため、既知の寿命インフラについては先手を打って整備改修又は再構築が必要となります。ただ、多くのインフラが建設された高度成長期とは異なり、今後は人口減や社会構造の変化も待っていますので、それを見据えた適切な対策が必須でしょう。

 主に橋梁について指摘したコラムが、2008年に知の利氏によって書かれています。今後日本に到来する寿命の数々の実情を知った上で、投資に活かしていただければ幸いです。

●日本の橋が危ない!? http://okuchika.jugem.jp/?eid=2099
●(続)橋の話     http://okuchika.jugem.jp/?eid=2250

ぢんぢ部長(松田憲明)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/piowristocクリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!


JUGEMテーマ:社会の出来事


JUGEMテーマ:株・投資



インド、スズキマネサール工場再開

 先月18日に、暴徒化した従業員が破壊放火したインド、ハリヤナ州のマネサール工場の事件は、読者の記憶にもあると思います。この事件で1名が死亡、日本人を含む100名以上が負傷しました。

 事件から1ヶ月強の8月21日、工場が300名の1直体制にて限定的に再開されました。マネサール工場は元々3300名の従業員がおり、約1/10規模での生産再開です。

 現地報道によると、州政府が500名の警察官を動員し、敷地内に200名、工場周辺に300名を配置。スズキも100名の民間特殊警備員を配置しているとのこと。(日経の報道では内部に警察官100名となっていますが、これは誤りでしょう)

 雇用関係では、まず暴動に関与していたとされる500名の正規労働者の雇用を終了し、さらに今後、同様に暴動や放火に関わったとする500名の労働者を削減する計画、と報道されています。
 そして9月2日より新たな正規労働者の新規募集を開始する様です。

 その後の報道で、工場再稼働初日には300名ではなく、実際は84名しか出勤しなかったとも伝わっています。これは、まず最初に削減された500名からの報復を、残留した従業員が恐れたのではないかと推測されています。
 このあたりは日本では報道されていないと思いますが、いかがでしょう?

 この事件を受けて、NHKは、正規と有期労働者の賃金格差への不満が爆発した…とのストーリー、日経は左派勢力の拡大が背景にあり、とりわけマオイストの関与を臭わす報道でした。

 どちらを見ても、インドの現地背景を理解していない日本人が受け取る報道としては不十分だと感じます。言い換えれば、誤解を招く(敢えてそうしている?)報道とも言えます。

 事件直後に99人が逮捕され、主犯格とおぼしき40名以上が逃走。一部は他州へ逃れようとしたところを逮捕され、現時点で150名余りが逮捕拘束されています。
 現地報道では、左翼系の労働組合が関与しているとする報道が支配的です。
過激とされるマオイストの関与は今のところ否定されていますが、捜査の本格的進捗はこれからであるので、真相はまだ不明です。

 この事件の背景として、西ベンガル州など、インド東部の州では伝統的に共産党系など左派の勢力が強かったですが、最近の選挙で左派が政権を失ったため、労組を通じて影響力を伝播させるよう方針を強めたと言われています。
 マオイストはこの事件への関与は否定しましたが、労組を通じた勢力拡大についてはハッキリと肯定しています。

 さて、インドの労使交渉は時には激しく行われます。伝統的に労働者の権利が強いインドではごく普通のことです。
 報道されているように、有期労働者(契約社員)が増えているのは昨今の傾向です。一つは能力を見極めてから正社員へ登用したいと言うこと、第2に正社員を解雇するのは非常に難しく、コストと時間がかかるため、契約社員を選択する企業が多いということが背景にあります。
 日本の報道を見ていると、いかにも「条件を悪くして労働者を追い込んだための反動」とする記事も多く、あまりに現地の状況を知らずに日本的思考で記事にしているのは残念です。
 大企業、とくにスズキのような外資系有力企業へ職を求めるのは、一般的労働者では並大抵のことではありません。インドでは労働者の層が日本と比べて圧倒的に厚く、競争も激しいのです。彼らも、まず契約社員で実力を示し、正社員へ登用されるのを王道としていますし、その道が自身の価値を上げる近道とも理解しています。したがって、日本での契約社員とは質も内容も違うと考えるべきでしょう。決して労働者に極端に不利な条件を強いているのはないのです。そして、もしあまりにひどい条件であれば、別の外資系へ応募すればいいことですから。

 私見ですが、今回の事件は労働条件の対立などが根底にあった上での衝突と言うよりは、特定の勢力(左翼系)が存在感を示すべくごり押しし、手段として暴力を選択したと考えています。

 以前も書いたと思いますが、スズキはインドで最も尊敬される企業の一つです。それは業績だけではなく、日本的労使関係をインドに持ち込み、成功、定着させた実績も評価されてのことです。工員と経営層が同じ場所で食事をとるというのは、それまでのインド企業では考えられなかったこと。それを鈴木修会長が率先して行い、ぐっと親密な関係を築いたと言います。会長も今回の事件に関して「信じられない」との心情を発表しています。
 約40年にわたり培って来たその労使関係が、突然変質するとはどうにも考えづらく、外部勢力の侵入と浸食によるものではないかと考えるわけです。

 しかし、マオイストが表明しているように、極左系労働組合の勢力拡大の意欲は強く、彼らが関与していくことによって従来の労使交渉や労使関係などが変質していくことが充分に考えられます。
 今後の真相の解明と、スズキの対応とその評価によって、進出日本企業にとって新たな経営問題へのケーススタディになろうかと思います。

 日本からの投資は変わらず止まりません。いたずらに不安を感じる必要はありませんが、しっかりと注視していきたいと考えています。

ぢんぢ部長(松田憲明)

■皆さんからのインドに関するご質問などを受け付けます。
 全てのご質問は、コラムを通じて回答する形式を採りますのでご了承下さい。
 質問、お待ちしております。
 okuchika.mail@gmail.com

■プロフィール:億の近道編集長。最近はインドと日本のビジネスブリッジを
 中心に活動している。インド国内に強力な人脈を持ち、インド進出のバック
 アップを行う。また、インド株式投資の情報を現在鋭意収集中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/piowristocクリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!

◆「海外投資実践入門DVD」このコラムの執筆者、ぢんぢ部長(松田憲明)もインド株式を解説しています!◆
http://www.iforum.jp/dvd/
matsubunner.jpg

JUGEMテーマ:経済全般


JUGEMテーマ:ビジネス


JUGEMテーマ:株・投資


JUGEMテーマ:社会の出来事


JUGEMテーマ:海外投資



インドのマルチスズキの事件に際して

 19日、インドのハリアナ州にあるスズキの工場で暴動があり、1名死亡、日本人を含む大勢が負傷する事件が起きました。99人が逮捕され、今後捜査が進展すると思います。

 スズキはインドで最も尊敬される企業の一つです。83年に進出以来、日本流の生産管理や品質管理、経営管理や雇用管理など、それまでのインド企業とは一線を画する内容で躍進し、最高で6割以上のシェアをとったことは余りにも有名です。現在は他の企業の躍進もあり、4割弱のシェアとなっておりますが、インド自動車産業の国産黎明期にスズキがインドにいたことは、インド人にとって非常に幸福であったと、複数のインド人から聞きます。
 労使関係では、ワーカーとマネジメントが明確に別れていた状況の垣根を外しました。象徴的な例は食堂です。社長自ら労働者と同じレベルへ降りて、いっしょに食事をしました。それまでのインド企業では絶対にあり得ないことです。
 余談ですが、私が先日訪問したタタモータースの工場では、ワーカーと幹部の食べる場所は別で、内容も違うとのことでした。私は幹部用の食堂で食べましたが、数種類のカレーに野菜、デザートなどもありました。

 そんなスズキで起こった今回の事件。私にはにわかに信じられません。ある報道では、別の労働組合が関わっているとの事を小耳に挟みました。であれば合点がいきます。
 インドは労働者の権利が非常に強い国です。労働紛争専門の裁判所もあります。交渉事も非常にタフですが、スズキのようなやり方をしていれば、労組が尖鋭化することは考えづらいので、外部の組織が関連しているのであれば事件発生の可能はあるでしょう。

 現地インド人の声としては、「インドの恥だ」「労働組合はまるでテロリストだ」とする暴力否定派や、「政府の無策がこの状況を作ったのではないか」という政治批判などが多く聞こえてくるなぁといった印象です。
 ハリヤナ州政府は「暴力には断固とした対応をとる」という姿勢を明確に表明しましたし、インド人幹部(人事担当)が亡くなっているので、逮捕された99人に対し、司直によって厳しい追及がなされるでしょう。

 そんな混乱の中でも、亡くなった方の告別式を迅速に執り行うなど、スズキの姿勢は賞賛されるべきものと言えます。

 この事件が、他の外国企業のインド進出へブレーキをかけるのではないかとの憶測が一部で流れていますが、わたしはそうは思いません。親日国であり、近い将来世界最大の人口を持つ国となるインドは、日本にとって重要なパートナーです。
 独特の慣習やルールも多々ありますが、今回の事件は潜在的な何かが蓄積して、起こるべくして起こった事件ではなく、非常に不幸な巡り合わせにより偶発的に発生したものだと考えます。
 日本企業がインドへ紹介し、今ではすっかり定着した「カイゼン」を、今回の事件を糧としてあらためて実現していけば良いのではないかと思います。

ぢんぢ部長(松田憲明)

■皆さんからのインドに関するご質問などを受け付けます。
 全てのご質問は、コラムを通じて回答する形式を採りますのでご了承下さい。
 質問、お待ちしております。
 okuchika.mail@gmail.com

■プロフィール:億の近道編集長。最近はインドと日本のビジネスブリッジを
 中心に活動している。インド国内に強力な人脈を持ち、インド進出のバック
 アップを行う。また、インド株式投資の情報を現在鋭意収集中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/piowristocクリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!

◆「海外投資実践入門DVD」このコラムの執筆者、ぢんぢ部長(松田憲明)もインド株式を解説しています!◆
http://www.iforum.jp/dvd/
matsubunner.jpg

JUGEMテーマ:社会の出来事


JUGEMテーマ:ビジネス


JUGEMテーマ:株・投資


JUGEMテーマ:海外投資



ご質問にお答えします

 先日の海外投資実践入門セミナーで、私も講師として話させていただきましたが、初めにインドと一番イメージが合わないであろうイタリアの高級車、ランボルギーニの話題からスタートさせてもらいました。ターバンにカレー、ITに数学というイメージは間違ってはいないものの、それだけではない。現在のインドは部分的に先進国と同じ行動や消費が発生していることをお伝えしたかったからです。
 10億台超えした携帯電話や、中間層の台頭など、日本のマスコミでは断片的にしか語られない事柄を掘り下げつつ、現代インドへの理解をしてもらいました。
 これからも機会があれば話していきたいと思っています。しかし、一番の早道は現地に行ってみることですので、そのうち視察ツアーなども開催したいと考えています。

 さて、読者の方よりインドに関する質問をいただきましたので、お答えいたします。
 質問主旨は、社会階層が新しい職種や組織、日常にどのような影響を及ぼしているかというものです。つまり、カーストの事柄でしょう。

 インド政府は、「カーストの問題はインドにはない」という立場です。世界最大の民主主義国家を標榜しているのですから、当然そう言うでしょう。私の体験や現地人との話の中では、少なくとも外資系企業においては、カーストの問題はほぼ無いようです。企業文化が違うというのもありますが、主な理由は、生まれやカーストに因ってではなく、本人の能力や実績を評価して昇給昇進するシステムだということです。低いカーストでも、外資系に就職できて実力が認められれば、次の転職にも有利に働きますし、リーダにもなれます。ちなみに、現在のインド大統領は、最下層カーストの出身です。
 ですから、カーストが上の者が部下になるということも頻繁に起きています。実情を聞いたことがあるのですが、仕事上は指揮命令も含めて何も問題が発生しないですが、いったん社の外に出ると、お互いがすごく気を遣っているということはあるようです。
 やはり、外資系企業が入ってきて、その数も増大していることの影響が変革をもたらしていると思います。

 メトロに違うカーストが乗り合わせる時の対応なども質問されましたが、極端にカーストの違う層がメトロを利用することはなさそうですし、お金を持っていないような貧困の人はそもそも駅構内に入れませんので、その問題もありません。リーダー層やお金持ちは、運転手付きの自家用車で通勤を含めて移動しますし。

 ただ、地方の農村部や、結婚に関してはまだまだカーストの影響は強く、風俗・習慣に関する部分では変革に時間がかかりそうです。

ぢんぢ部長(松田憲明)

■皆さんからのインドに関するご質問などを受け付けます。
 全てのご質問は、コラムを通じて回答する形式を採りますのでご了承下さい。
 質問、お待ちしております。
 okuchika.mail@gmail.com

■プロフィール:億の近道編集長。最近はインドと日本のビジネスブリッジを
 中心に活動している。インド国内に強力な人脈を持ち、インド進出のバック
 アップを行う。また、インド株式投資の情報を現在鋭意収集中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
matsubunner.jpg

このコラムはいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/piowristocクリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!

JUGEMテーマ:社会の出来事


JUGEMテーマ:ビジネス


JUGEMテーマ:海外投資



calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>
selected entries
mag2year2016_0000020640_asset-stock_200x200.png mag2year2016_0000020640_asset-stock_200x200.png
twitter
twetter
okuchika
購読無料! 億の近道メルマガ申込はこちらから!
億近申込バナー
まだ登録していない方はこちらからどうぞ!週5回無料で届きます。
億近執筆陣の本
億近本
億近執筆陣の書籍/DVDをご紹介。億の近道コラムのエッセンスをぜひ。
【石川臨太郎】人生最後の著書好評発売中!

「資産を作るための株式投資 資産を遺すための株式投資〜余命宣告を受けた「バリュー投資家」の人生最後の教え〜」
生涯投資家であり続けた故石川臨太郎氏の、投資人生の集大成とも言える最後の書籍が、好評発売中です。石川臨太郎 著、パンローリング刊 2,800円+税
石川臨太郎有料メルマガの特別研究版!
元火曜日執筆者、故石川臨太郎氏の"研究"メルマガ全12回分をイッキ読み出来ます。 著名エコノミスト村田雅志氏による分かりやすい分析が好評です。 詳細は以下のページを参照下さい。
 
categories
archives
recent comment
  • 情熱投資家、相川伸夫が語る注目銘柄 東北特殊鋼(5484)
    内燃機関関係 (01/20)
  • 1981年2月2日 愛知県立春日井高校:コーヒー牛乳の青春。(天国の幸宏へ捧げる)part 2
    ■ (08/19)
  • 1981年2月2日 愛知県立春日井高校:コーヒー牛乳の青春。(天国の幸宏へ捧げる)part 2
    内藤朝雄 (10/12)
  • 情熱投資家、相川伸夫が語る注目銘柄 特殊電極(3437)
    reformer21 (06/15)
  • 公立中学校という選択:区立から難関大学へ その6
    m (05/01)
  • 公立中学校という選択:区立から難関大学へ
    m (03/30)
  • アンジェスMG(4563)の相場シナリオ
    暇潰亭 (10/01)
  • 日本でトップクラスの低PER銘柄
    kkk (02/19)
  • 粘り強くつきあっていれば億の資産ができる
    億の近道 (12/04)
  • 粘り強くつきあっていれば億の資産ができる
    せーねん (12/04)
links
mag2year2016_0000020640_asset-stock_240x65.png メルマガ大賞2008ノミネートバナー
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM