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偶然ですが、前回のコラムを書いた後に「世襲議員のからくり」(文春新書 上杉隆著)を読みました。不勉強な私でも随分と疑問が解けました。
読者の皆様は既にご存じと思いますが、政治家の三つのバン「地盤(後援会)、看板(知名度)、カバン(政治資金)」のどれもがとても手放し辛い大きな継承資産で、特に政治資産の継承においてカバン(政治資金、言い換えれば”相続財産”)に課税されない点が、世界でも稀にみる世襲政治家の多さに繋がっていることを再認識しました。
民間ではどの企業も個人もそこそこの資産があれば(例外はあるのかも知れませんが)相続財産には必ず課税されます。が、政治団体同士であればその政治資金が承継されるときには(概ね寄付行為の形をとるようですが)課税されないこと、しかも最近までは滅多にニュースにもならなかったため一般国民は詳細を知らないままになっていたことなどが重要ではないでしょうか。この問題に対する返答はどの政治家も歯切れが悪いですね。
もう一つ、入社に際して何百倍、何千倍の競争倍率とも言われる超難関のテレビ局に沢山の政治家の子女が就職している事実、また政治家自身でなくても後援会等の有力者達の子女が沢山就職していることも、この本を読んで知りました。
有力者の子女が人質になっている訳ですから、当然、為政者達はメディアに甘くなりますし、彼らが一体となってメディアを使って既得権を維持する動機付けになります。これこそ持ちつ持たれつの関係ですね。道理でメディアのトップは力がある訳です。
有力メディアを財と言い換えれば、まさに政官財の「鉄のトライアングル」どころではなく、「合金鉄のトライアングル」となる訳です。一般国民には彼らにとって(本当に)都合の悪い事柄は一切出て来ないのだと理解しなければいけません。
その昔、東海道新幹線を何故にわざわざ雪害の予想されるルートを通したのか?何故に首都高環状線に繋がる見込みがないままに関越自動車道が開通したのか?しかも角栄の地盤を貫通させて。その後は大平政権や広島選出の実力政治家達を経て四国に3本も橋を渡しました。また、歴代の自民党実力者であった森喜朗氏や綿貫民輔氏のいる石川県、富山県を通る北陸新幹線の建設に際し、何故に着工時期や大まかな予算すらも決まっていないうちから駅舎の建設が進められるような異常なことが起こるのか?
社会保険庁にしても、「かんぽの宿」問題にしても、良く考えれば、そのルーツは政治家の利益誘導、利権構造が根本にあることが分かります。やはり政治が変わらなければ何も変わらないということなのでしょう。
世襲議員全てが悪いとは言いませんが、胆力も能力も、もちろんビジョンも無く、且つ政治家に向いていない人間が、地元後援会の都合や成り易いとの理由だけで政治を世襲することで、日本国が泥船のように沈んでゆくことは是非とも避けなければなりません。
英国では長い民主政治の中で、特にこれと言った理由も無いままに政治を世襲する輩などロクな人間じゃないと考えるDNAが国民の中に育まれてきたようです。
一方の日本では(理由も無く、批判も無く、何となく)政治家の世襲は温存されるもの、お役人と言う職種(何となく立派な職業)の既得権は表に出ないもの、お金とは額に汗して得たものでなければいけないもの・・・等々。一般国民には知らず知らずのうちにそんな刷り込みがなされてきたように感じますが、実ところ、能力の低い政治家が増え、既得権も継承され、そんな人ほど額に汗せずとも悠々自適の生活をエンジョイしている事実を国民は知るようになりました。
競争と切磋琢磨により胆力のある器の大きい政治家が必要であり、税金を糧として国民のために働いている役人の評価や報酬はすべて開示されるべきであり、額に汗するだけではなく知恵を働かせて(正当に)得たお金も同じお金であること・・・等々。本当はこうあるべきなのに、一般国民が賢く楽しく生きることを抑え込み、一部の特権階級が楽に生活するシステムを作り上げてきた結果、今になって、日本全体が伸びない時代になって、漸くあちこちの不具合が見えてきてしまったのが現状です。
ではどうするか?
現実的に難しい話かも知れませんが。
1.余程素晴らしい人材であると思えなければ世襲議員には投票しない。
これによって真に志ある人材を政界に送り出せます。同時に地元の利権構造が壊れ、利益誘導型政治は無くなります。そもそも利益誘導したって潤うのは一部の業者だけです。また利益誘導をしたいなら国会議員ではなく県議や市議にでもなれば良いはずと、この本「世襲議員のからくり」にも書いてありますが、その通りですね。これも日本の政治構造の未整備なところです。
2.必要なニュースや好きな番組以外はTVを見ない。
くだらないバラエティー番組が減ることでTV局への広告収入が劇的に減ります。これによりTV局に関連する利権構造が壊れます。一方で本気度の高いジャーナリズム(ニュース配信や書籍等)への支出を惜しまない。日本でもアルジャジーラのような独特なメディアが出てきたら凄いと思います。多少高くてもニュース配信料を払いたいです。
3.期待できる政治家がいたら私欲を捨て応援する。
私欲で政治参加する(後援会に入るなど)人を見つけたら地域で村八分にする。但し、市議とか県議とかは多少の目こぼしも止むを得ないのかな?と思います。地域を大事にする気持ちは国会議員への投票とは別物かもしれません。その市議や県議が国会議員を応援するとなればちゃんと監視しなければいけませんが。
日本国民がこれらのことをし始めるようなら日本の将来には結構期待できます。
もともと日の出る国の優秀な国民なのですから。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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